国が来年度から通園バスに園児の置き去りを防ぐ安全装置の設置を義務化するのを受けて、藤枝市の藤枝順心高付属幼稚園で21日、装置の実証実験が始まった。
バス内に園児が取り残された場合、センサーが反応して外部に知らせる仕組みを導入する。

富士宮市の自動車部品メーカー「エッチ・ケー・エス」が開発した。バス内に設置するのは赤外線の人感センサーや確認スイッチなど五つの装置。
取り残された子どもの動きを感知し、クラクションが鳴ったり関係者にメールを送ったりする。
衛星利用測位システム(GPS)によりバスの場所を把握できるほか、ドア開閉時の車内の映像を自動送信、保存する機能も備えた。
実証実験は3カ月間。作動状況や利便性などを確認した上で、本格運用につなげる。
同社IoT商品開発課の大庭典子課長は「忙しい施設職員の手間を増やさずに活用できる仕組みを目指した。培った技術が人の役に立てば」と話した。
安全装置の設置義務化は牧之原市の認定こども園で9月、通園バスに置き去りにされた女児が死亡した事件を受けて国が進めている緊急対策の柱で、補助制度も設ける方針。
藤枝市では9カ所の私立保育施設で計12台の通園バスを運用していて、市は実証実験の実施や補助を活用した導入を呼びかける。

静岡新聞 2022年11月22日
https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1154154.html