全国の寺院・僧侶とオンラインでつながり、座禅や精進料理教室など多彩な体験ができる「オンライン坊主BAR」が始まった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、行動が制限される中での企画。主催者は「ローカル色豊かで、ユニークなお坊さんや地域との新たな出会いを」とPRしている。

 手掛けるのは、社寺を中心とした観光を企画する「和空」(大阪市北区)。秋の彼岸入りを前にした18日からサービスを展開しており、「新しい時代におけるお寺と人、人と人との関係やコミュニケーションの在り方を探るチャレンジ」と位置付けている。

 ウラジオストク出身のロシア人僧侶がいるのは「浦塩庵(うらじおあん)」(如願寺=大阪市平野区)。合気道や書道、茶道を追究しており、本堂では平安時代の作品とされる多くの仏像も鑑賞できる。

 「天空のお寺BAR 清水大師寺」(島根県大田市)は、眼下に日本海を一望できる寺院で、夕日を眺めながら「プチ瞑想(めいそう)」や「密教占星術」で自分を見つめ直す。

 「慈泉寺BAR manoma」(香川県まんのう町)では、全国の居酒屋やカフェで仏教講座を展開している20代の女性僧侶と話すことができる。スタート時の登録は9寺院で、現在約20の寺院が“開店”準備中だという。

 「オンライン坊主BAR」の綿谷克巳総支配人は「お寺は心のよりどころであると同時に、地域の集会所や困ったときの駆け込み寺でもあり、心と身体をリセットする機能が期待されてきた。サイトを通じてお寺との新たなご縁が結ばれ、明日への活力チャージに活用してほしい」と呼び掛けている。

 利用は「オンライン坊主BAR」の公式サイトに掲載されているリストから、寺やお坊さんを選択。開催日時をチェックした後、オンライン入店チケットを購入する仕組み。料金は3300円から。10月末までは、初回入店者全員に各寺院から御朱印がプレゼントされる特典がある(一部寺院を除く)。

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オンライン坊主BARのイメージ

大阪日日新聞 2020年9月23日
https://www.nnn.co.jp/dainichi/news/200923/20200923028.html