一般公開が始まったD51(筑西市で)
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D51について語る山崎さん(千葉県白井市で)
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 筑西市茂田にある民間の複合娯楽施設「ザ・ヒロサワ・シティ」で、「デゴイチ」の愛称を持つ蒸気機関車「D51」の一般公開が始まった。自宅の庭で保管していた千葉県白井市の元消防職員山崎正夫さん(65)から無償で譲り受けた。

 施設に展示されているのは、1944年製造の「D51―1116」。東北線や常磐線でも活躍し、76年に北海道の岩見沢機関区で廃車になった。山崎さんによると、陸軍の鉄道連隊に所属していた義父が戦後、旧国鉄から購入し、77年に北海道から埼玉県の大宮駅まで自走。トレーラーで自宅近くに運ばれ、庭に線路を仮設して置いていた。

 ただ、これまでに2回計約700万円をかけて塗り直しており、所有を続けると子供に負担をかける可能性もあるため、山崎さんは大事に保存してくれる引き取り先があれば譲ってもいいと考えていたという。

 施設を経営する広沢商事がこの話を知り、輸送費や撤去費の負担を条件に譲渡を受けた。今月9日に搬入された。庭では一般公開していなかったといい、山崎さんは読売新聞の取材に対し「多くの人に喜んでもらえるのは、デゴイチにとっても幸せ。一度は見に行きたい」と話した。

 20日に施設を訪れた栃木県芳賀町の会社員今井裕道さん(53)は「貴重な展示物なので、大事にしてもらいたい」と話し、カメラ付きのスマートフォンを手に笑顔で撮影していた。

読売新聞 2018年10月23日
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