ことしのノーベル生理学・医学賞が1日発表され、京都大学の本庶佑特別教授が選ばれました。

本庶教授は両親が富山県出身で、県内に住む親族や知人から喜びの声があがっています。

ことしのノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった京都大学の本庶佑特別教授。

両親が富山県身と、富山にゆかりの深い人物です。

本庶さん「両親に私は非常に良い遺伝子をもらった。健康であるということが何よりもありますし、性格的に物事を突き詰めて考える私の本庶家というのは代々お寺なんですけども」

富山市中老田にある専称寺。1日の受賞発表を受け、たくさんの報道陣に囲まれた本庶邦之さんと本庶英子さん。

2人は、本庶教授のまたいとこに当たります。

邦之さん「やった!と思って」

邦之さん「(佑さんは)学者肌だなと私は感じていたけどね」

英子さん「おめでとう(と伝えたい)ですね」

2年ぶりとなる日本人のノーベル賞受賞。本庶教授の研究は、がん治療に「免疫療法」という新たな道を開く発見でした。

その研究とは・・。

私たちの体にある免疫細胞はウイルスやがん細胞を認識して攻撃することで健康を守っています。

本庶教授は、その表面にある「PD‐1」と呼ばれるたんぱく質が免疫細胞によるがん細胞への攻撃にブレーキをかけていることを発見、これをコントロールすることでがんへの攻撃が再び活性化されることを突き止めました。

この発見を活かして開発されたのが新薬オプジーボ。患者への投与も始まり、新たな免疫療法の発展に貢献しました。

喜びの声は、研究仲間からも。 免疫学が専門の県薬事総合研究開発センターの高津聖志所長は、本庶教授と共同研究をしたこともある30年来の知人です。

本庶教授が去年、富山市で講演した際には、高津所長がコーディネイターを務めました。

高津所長「本当によかったな、うれしいなという感慨が一番」「いつノーベル賞もらっても不思議はなかったので、いつも話の最初には『先生、ことしはノーベル賞ですかね』という話をしていたことが記憶にある」「非常に研究者として包容力があるという、そういう感じがあって」「困ったときにはいろんなアドバイスをくれる、そういうタイプの先生」

邦之さん「いやぁ~ほんとに名誉なことだわね」

満面の笑みで喜びを語る、本庶教授のまたいとこ・本庶邦之さん。

邦之さん「すぐ京都に電話しました。本庶佑さんの奥さんが出られて」

電話持つ邦之さん そのときの音声がこちらです。

滋子さん「わざわざありがとうございます」「主人はまだ大学、ちょっと…、お礼のお電話するのがしばらくダメかと思いますが、伝えておきますので」「どうも失礼します」「はい、ありがとうございます」

邦之さんのもとには、毎年、本庶教授一家からの年賀状が届いています。

そのなかの1枚、ことしの年賀状には、大雪を心配するメッセージが添えられていました。

邦之さん「おめでとう、それしかない」

がん治療に新たな可能性の道を開いた本庶教授の研究。県ゆかりの新たなノーベル賞受賞者誕生に、県内も喜びに沸いています。

今回の受賞決定について、石井知事は2日、定例会見で富山にも深いゆかりがあり、記念講演の機会を設けたいという意向を示しました。

石井知事「そう遠くない将来に、是非、富山県とゆかりの深い方ですからこちらに来て講演などもしていただいたり、いろいろ意見をうかがう機会を持てればなと思っている。(ノーベル物理学賞を受賞した)梶田先生の場合には、県特別栄誉賞を差し上げたりしたわけだが、その点については、県内各方面の皆様のご意見とか、県民の皆さんの盛り上がりとか、いろんなことをうかがった上でどういう形がいいかも含めて勉強していきたいと思う」

北日本放送 2018/10/02 11:50
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