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長大な歴史百科事典「国史大辞典」など、利用価値のある本が多数燃やされた



県費で購入 他館は再利用

 「知の拠点」をうたって高知市永国寺町に整備が進められている県立大学の新キャンパス。その主要施設の一つである新しい大学図書館で、利用価値のある本が無残に、大量に焼却されていた。
長年にわたって県費で購入して蓄積してきた図書財産。燃やして二度と読めなくするという“焚書(ふんしょ)処置”は、それらの本と出合う機会を奪ったことになる。

 吉川弘文館が1979年から18年がかりで刊行した国内最大級の歴史百科事典「国史大辞典」全17冊は、新品で約30万円し古書価格で数万円の値がつく。同様に
「日本国語大辞典(2版)」全14巻(小学館、2000年)も高値で引き合いがある。いずれも高知県立図書館が、県内の市町村立図書館に対して、「そろえておきたい参考図書」などとして購入を勧めている本だ。

 農山漁村文化協会が1986〜92年に出した「日本の食生活全集」全50巻は各巻3、4冊ずつが焼却された。第39巻は「高知の食事」(高知県立大の松崎淳子名誉教授他編)だった。江戸中期の土佐藩御用絵師、
中山高陽の紀行集(57年、高知市教育委員会)をまとめたのは国文学者の清水孝之元高知女子大教授。膨大な数の各大学史と一緒に、高知短大の20年史や高知女子大の30年史も燃やされている。
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