● 北九州なお暴力団の影、J2新球場の受注敬遠 改正対策法1年
2013年10月30日 03時01分 更新

暴力団からの不当要求を恐れ、建設大手の中に北九州市での工事受注を敬遠する動きが出ている。
市が年内に公募するサッカーJ2ギラヴァンツ北九州の新スタジアムについて、複数の大手ゼネコンでは
「北九州では無理に仕事をとらなくていい」と、事実上受注見送りもやむなしとする指示が本社から来ているという。
東京五輪決定などを受けた建設市場の活況も背景にあるが、改正暴対法施行から1年となる今もなお、暴力団の影が
建設業界を脅かしている。

 ■「無理しない」

 新スタジアムはJR小倉駅北側に建設。2016年度の完成を目指し、今年中に事業者の募集を始め、来秋に決定する。
建設費約80億円、完成後15年間の維持管理費も含めれば総事業費約96億円の大型プロジェクトだが、ある大手ゼネコンの
幹部はこう打ち明ける。 「先日の支店長会議で『北九州の物件は無理に受注しない』との方針が確認された」

別のゼネコン幹部も「社内では、建物の補修部隊だけ北九州に残し、工事施工や営業部門は東京に戻そうという声が出ている」
語る。

 ■消えない記憶