(上)手厚い看護への感謝を記した礼状(下)贈られた九谷焼の大皿=御坊市教委提供
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 ◇旅人宿子孫 会津若松市に

 維新政府軍と旧幕府軍が戦った戊辰戦争の端緒となった1868年の「鳥羽伏見の戦い」で、紀州に敗走した幕軍側の会津藩士と旧小松原村(現在の御坊市)の旅人宿との交流を物語る礼状などが、宿の子孫から福島県会津若松市に寄贈されることになった。同市で16日、御坊市関係者も同行して贈呈式が行われる。

 交流があったのは、砲兵隊長だった山川浩と宿「中屋」を営んでいた中野家。会津藩士は1800人余りが小松原にたどり着き、惨状を見かねて女将が泊めた中に山川がいたという。

 熱病にかかっていた山川は、手厚い看護で回復後、会津に帰還。後に陸軍少将となり、「高等師範学校」の初代校長、貴族院議員などを歴任した。

 寄贈されるのは、山川が82年に中野家へ送った礼状と九谷焼の大皿2枚や、88年に宿を訪ねて贈った会津塗の椀5客、翌89年に県内を襲った大水害への見舞状など。

 子孫を代表して横浜市戸塚区の中野健さん(64)が12日、御坊市の柏木征夫市長に報告。「会津で多くの人に交流の歴史を知ってもらえればと、子孫一同で寄贈を決めた」と話し、会津若松市は「戊辰150周年記念事業」の一つとして4月に開く展覧会での展示を計画している。

読売新聞 2018年01月15日
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