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地下鉄東山線の新駅候補地


■地下鉄東山線

 名古屋市の河村たかし市長は29日、かつて市営地下鉄東山線の名古屋−伏見間に計画された「柳橋駅」の新設に向け、構想を具体化する調査費を2018年度当初予算案に計上する方針を表明した。
新駅実現への第一歩となるが、巨額の建設費など課題は多く、今後の展開は流動的だ。

 同日の市議会一般質問で斎藤高央市議(自民)の質問に、河村市長は
「新駅をまちづくりの起爆剤にし、柳橋市場を世界に冠たるグルメ天国にしよまい」と答弁した。

 駅の予定地は名古屋駅の南東にある柳橋中央市場の近く。
市交通局によると、駅は1957年の同線開業前の計画にあったが、利用者が少ないとの予想から見送られ「幻の駅」と呼ばれる。
将来の駅開設に備えたような全長約150メートルの構造物があるという。

 名古屋−伏見間は市営地下鉄全線で2番目に長い約1.4キロある。
地元住民から新駅を求める声があるほか、再開発が進む名古屋駅南方面へのアクセス向上を図る狙いもあり、市は今年度、柳橋地区の再開発と駅設置の可能性を探るまちづくりの調査報告書をまとめる方針だ。

 来年度予算案に計上する調査費は数千万円規模で、建設のスケジュールや地上出入り口の位置などを検討する見込み。
ただ、建設費は100億円以上とされる上、新駅には維持管理費や人件費もかかる。
予定地には名古屋高速の橋脚の基礎部分があるため、支障なく新駅建設が可能か懸念する声もある。
新駅ができれば名古屋−栄間の所要時間が延びることも検討課題だ。

 河村市長は27年のリニア中央新幹線開業までの新設を目指すが、ある市幹部は「老朽化が進む柳橋市場の活性化策やまちづくりの全体像がない中、駅だけ造っても効果は薄い」と指摘する。


名古屋市
「柳橋駅」新設へ調査費 地区再開発を構想
毎日新聞:2017年11月29日 14時12分