マラソン大会でコスプレを規制する動きが強まっている。
京都マラソンは2012年の発足時から全面的にNG。
19日に開催される第7回神戸マラソン(神戸新聞社など共催)も
今大会から日本陸上競技連盟(陸連)登録ランナーに禁止を言い渡した。

一方でコスプレを歓迎するランイベントが催されるなど、楽しみ方は多様化している。
(伊藤大介)

「ついに来たか…」。
今年4月、神戸市西区出身の会社員再田光進(さいたみつのぶ)さん(32)=奈良市=は
神戸マラソンの大会要項をまじまじと見つめた。

テレビアニメ「プリキュア」シリーズのコスプレをしながら2時間30分台で走る実力派。
過去の神戸マラソンでも先頭集団に絡むほどの脚力で知られるが、
「陸連登録競技者の仮装は禁止する」の文言に言葉を失った。
「今年はおとなしくしようと思います」

大会の公認記録として認められるのは、陸連登録者のみで、一般的に競技志向の高いランナーが登録している。
大会事務局は「競技者として陸連公認大会に出る以上、市民ランナーとすみ分ける必要がある」と説明する。
過去に着ぐるみで脱水症状を起こした人がいたといい「楽しむのはいいが、身の安全も守って」と注意を促す。

1896年の第1回アテネ五輪から行われてきたマラソンは鍛錬を積んだアスリートが競ってきた。
近年、急速に大衆化し、万単位の人が参加する大会でトップ選手と市民ランナーが走る状況が生じた。

大阪マラソンは第1回の11年から陸連登録者の仮装を禁じる。
おかやまマラソンは過度な装飾を規制する一方、5・6キロのファンランでは仮装を温かく見守る。
「陸連公認大会ではないので、(規制は)緩くなります」と大会関係者。

走りながらお菓子を食べるランイベント「スイーツマラソン」の開催を手掛ける
「インターナショナルスポーツマーケティング」(東京)は仮装コンテストを実施しており、
「普段走らない人にも楽しんでほしい。仮装は大歓迎」と積極的。
競技性を高める流れと、エンターテインメント性を重視する動きが双方向で広がっている。

神戸マラソンで沿道を沸かせてきた再田さんは本年度いっぱいで陸連登録を外れるという。
「コスプレを喜んでくれる人もいる。来年はまた(仮装を)続けられたら」と早くも“復活”に意欲を示した。

写真:プリキュアのコスプレでゴールする再田光進さん
https://www.kobe-np.co.jp/news/sports/201711/img/b_10739505.jpg
写真:今年はスポーティーなウエアで走る再田さん
https://www.kobe-np.co.jp/news/sports/201711/img/b_10739506.jpg

以下ソース:神戸新聞 2017/11/17 07:00
https://www.kobe-np.co.jp/news/sports/201711/0010739504.shtml