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有機米のご飯を頬張る児童=27日、いすみ市の市立夷隅小学校

 いすみ市は27日、全13市立小中学校の給食で使用するご飯について、全量を無農薬無化学肥料の有機米に改めた。今後、継続して実施する。
市は環境保全型農業を推進し、給食のご飯は有機米で賄うとの目標を掲げていた。こうした試みは全国初という。

 市は2013年、「自然と共生する里づくり」の一環で有機米の生産を働き掛けた。
当初参加した農家は3人、面積は約0・2ヘクタール、収穫量は約0・24トンだったが、毎年、作付面積を増やしていき、今年はそれぞれ23人、約14ヘクタール、約50トンと拡大。
全小中学校の計約2300人分の使用量となる約42トンを賄うことが可能になった。

 市は15年、農家の所得向上を狙い、有機米を「いすみっこ」と名付けてブランド化。
食の安全と環境に配慮し、学校給食でも一部の日で提供していた。

 この日は有機米の全量使用開始を記念し、地元の古屋谷営農組合(岩瀬幸雄組合長)で有機米作りを体験していた夷隅小で、生産者らと一緒に食事をするイベントが開かれた。
児童は艶やかな白米を「いただきます」と頬張った。

 岩瀬組合長は「稲の管理が大変だが、安心で安全なご飯を小中学生に食べてもらえてうれしい」と顔をほころばせた。
太田洋市長は「自然に近い食べ物で生活することが大事。5年かけて提供することができた。生産者が丹精込めて作った素晴らしい米」と呼び掛けた。

 菰田夢叶さん(11)は「もちもちしている」と満足顔。
祖父母が農業をしている藤平凌君(11)も「毎日の給食が楽しみ。農家を継いで、おいしい米をみんなに食べてもらいたい」と声を弾ませていた。


給食、全て有機米に 全国初、いすみ市が実現
千葉日報:2017年10月27日 20:40