白砂青松の地で育つ高級キノコ「松露(しょうろ)」の栽培を通じて、
鳥取県の海岸部の松原を再生しようという県のプロジェクトが30日、北栄町江北の海岸で行われ、
地元住民らが松露の菌糸体液の散布などを行った。

松露は直径2〜3センチの球形のキノコ。
松のような独特の香気が珍重され、
マツタケ、トリュフに肩を並べる高級食材として主に料亭で使われている。
クロマツの根に菌糸を張りめぐらして共生。

地表面に堆積物が少ない清浄な松林で育つが、
松の落ち葉や枯れ枝などを燃料用に使わなくなったことなどからきれいな松林が減り、
松露の発生は減少している。

プロジェクトは、県内の海岸で飛砂などを防ぐ保安林になっているクロマツなどの松林が、
松くい虫の被害などで疎林化している実態を受け、平成27年度にスタート。
地元住民の協力を得ながら、松林を松露が育つきれいな環境に整備して白砂青松の松原を再生するとともに、
将来的には松露の出荷を視野に入れ、地域活性化も目的にしている。

この日は、地元の有志で結成した「松露の里つくり隊」や、
松露の栽培技術を開発した鳥取大などから約10人が参加。
海岸べりにある保安林改良事業施行地約200平方メートルで、表土のかき起こしなどを行った後、
クロマツの根に松露の菌を付けるため、根元近くにじょうろで菌糸体液をまいていった。

この場所では、27年3月に菌糸体液、今年7月に胞子液を散布しており、
クロマツの根に菌糸が張り巡らされた菌根ができてきているという。
草抜きなどの手入れを続ける同隊の桝田文明代表は
「松露を何とか発生させ、それを起爆剤にして地元を活性化させたい」と話している。

プロジェクトでは、28年3月に鳥取市浜坂の鳥取砂丘西側保安林でも、松露の菌糸体液を散布している。

写真:クロマツの根元に松露の菌糸体液を散布する関係者
http://www.sankei.com/images/news/170831/wst1708310037-p1.jpg

以下ソース:産経west 2017.8.31 10:33
http://www.sankei.com/west/news/170831/wst1708310037-n1.html