1971(昭和46)年のオープン以来、46年にわたり山形市の駅前振興を担ってきた
十字屋山形店(山形市)が来年1月いっぱいで営業を終了する。

「突然のことで驚いた」「市街地がまた衰退してしまう」―。
運営する中合(福島市)が概要を公表した30日、来店客や商工関係者、地元には落胆が広がるとともに、
中心市街地への影響を懸念する声が上がった。

「急なことでびっくりした」。
同店を訪れ、営業終了の方針を知った山形市松山1丁目、主婦佐藤裕子さん(62)は驚いた様子で語った。
「贈答品を買うのは十字屋と決めていて、ずっとお世話になってきた。
 『十字屋ブランド』がなくなってしまうのは寂しい」と肩を落とした。

店内で買い物をしていた同市東青田1丁目の男性(48)は
「(2000年1月の)山形ビブレ、(05年11月の)ダイエー山形店と相次いで百貨店が閉店し、
 駅前の元気がなくなっている。街中が衰退してしまうのが心配だ」と表情を曇らせた。

十字屋山形店も加盟する山形駅前大通り商店街振興組合の阿部真栄理事長は
この日、山川武店長から直接、説明を受けた。
「非常に残念でショック。頭が真っ白になった」。

組合として買い物は同店を利用するよう呼び掛けるなど支援しており
「続けてもらいたいが、決定事項では仕方がない。
 商店街の“顔”としてさまざまなイベントに協力してもらい、本当に感謝している」と続けた。

撤退後に懸念材料となるのが商店街の空洞化で
「組合としてできることは全面的に応援したい」と語った。

山形商工会議所の清野伸昭会頭は
「消費者から親しまれ、山形市の商業をけん引してきた店舗で、極めて残念。
 商工会議所としても関係機関と協力して中心市街地の再生を図るべく取り組んでいるところであり、
 影響が最小限となるよう対応したい」とコメントした。

パートを含めた従業員の雇用確保については
「万全の態勢をとっていただきたい」と要望した。

■各機関と連携し対応

吉村美栄子知事の話
県内を代表する百貨店で、長きにわたって駅前商店街の顔として大きな役割を果たしていただいた。
営業終了の発表は誠に残念。
中心市街地の活力低下が懸念されるため、地元の山形市や関係機関・団体と連携して対応していく。

■商業振興を積極展開

佐藤孝弘山形市長の話
昭和40年代から山形駅前の百貨店として中心市街地のにぎわいを創出してきた。
事業の撤退は誠に残念だが、市としては引き続き中心市街地のにぎわい創出のほか、
商業の振興、雇用対策などを積極的に展開したい。

以下ソース:山形新聞 2017年08月31日 08:02
http://yamagata-np.jp/news/201708/31/kj_2017083100622.php