佐賀県伊万里市大坪町の住民グループ「栄町地域づくり会」(井手薫会長)が宅配便大手佐川急便の配達業務を受託し、
高齢者が地域内の約800世帯を対象に荷物を届ける取り組みを9月末にも始める。

高齢者の就労の場や会の活動費の一助にする一方、
社会問題化する宅配サービス利用急増によるドライバーの過重労働の解消につなげる。
地域住民組織と同社の業務契約は全国で初めて。
地域づくり会は、将来的には他の宅配便業者との提携も視野に、地域の宅配センターの機能を担う構想も掲げる。

受託エリアは栄町とつつじケ丘の2行政区で、806世帯2262人が対象となる。
佐川急便によると、エリア内には1日平均30件の配達があり、「トラック1台分の負担軽減につながる」とみている。

エリア内の荷物をドライバーが1日2回、
高齢者の交流・支え合い活動拠点「栄町ふれあい館 支温の家」に一括して配達する。
施設利用者が自転車などで各戸に運び、宅配便1個につき100円(メール便は50円)の手数料が支払われる。
荷さばき手数料(月2千円)や車両維持補助金(月2500円)も支給する。

8日の業務契約締結式は、市が立ち会って行われた。
井手会長は地区の高齢化が進み、今後、高齢者の独居世帯などで宅配便利用が増える見通しを示した。
その上で「高齢者の雇用と生きがいを創出して地域住民サービスのビジネスとして取り組みたい」と語った。

佐川急便の森裕一郎九州支店長は
「宅配便の受給が逼迫(ひっぱく)する中、社員の働き方改革や品質向上につながる。
 モデルケースとして他地域でも拡大していきたい」と期待感を示した。

当初は施設利用者数人が9月にかけて宅配便取り扱いの研修を受け、配達業務を開始する。

以下ソース:佐賀新聞 2017年08月12日 10時46分
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/454404