お化け屋敷や展示パネルで妖怪などを紹介する毎年夏恒例の企画展
「夏休みおばけの博物館」が、広島市南区の市郷土資料館で始まった。
お化け屋敷では、立体模型以外に変装した人間も登場する“恐怖”の演出におびえ、涙目の子供も。
一方で広島ゆかりの妖怪も詳しく解説しており、「夏休みの自由研究にいかが」と来場を呼びかけている。

■「キャー」と悲鳴…冷静に観察する子も

企画展は今年、立体模型12体と展示パネル50点を設置した。

2階にあるお化け屋敷では、懐中電灯を借りるなどして暗闇の中を進む来場者に、
血まみれの手で畳をはい回る「はいはいお化け」をはじめ、怪獣のように巨大な「大亀」、
井戸から出現する「井戸おばけ」などが次々に登場。

途中、白衣姿のボランティア市民が突然現れて来場者を驚かせ、
館内に「うわっ」「キャー」など大きな悲鳴が響いた。

ただ、豆腐を手に歩き回るだけの、どこかユーモラスな「とうふ小僧」など笑える立体模型も。

入り口前でおびえて立ちすくむ子供や、
途中怖くなって保護者にしがみついたり、泣き出したりする子供がいる一方、
妖怪の立体模型を冷静に観察する子供まで、さまざまな反応をみせていた。

■「毒酒売の老婆」事件簿

家族連れで訪れた廿日市市の小学3年、下茶谷翼君(8)は
「少し怖かったけど、大丈夫」と満足そうに話した。

一階の展示コーナーのパネルでは、
化物(ばけもの)と妖怪、幽霊の違いや、広島ゆかりの妖怪などを紹介。

「広島の妖怪事件簿」として、
嘉永7(1854)年ごろ、夜中の広島城下で毒酒を売り歩き、
飲めば即死し、話しても命を落とすとされた「毒酒売の老婆」や、
城下で11月末ごろから夜中の冷えこむ時間に現れたという「婆多婆多(ばたばた)」、
江波島(現・中区江波地区)で妖術を得意としたという「オサンギツネ」などを紹介している。

担当者は
「原爆被害によって失われた妖怪などの貴重な資料も多い。
 かつては庶民の生活の中に妖怪の物語が息づいていたことを知ってもらい、
 自由研究などに役立ててもらえれば」と話している。

写真:豆腐を手に歩き回るだけのユーモラスな妖怪「とうふ小僧」
http://www.sankei.com/images/news/170724/wst1707240012-p1.jpg

以下ソース:産経west 2017.7.24 07:37
http://www.sankei.com/west/news/170724/wst1707240012-n1.html