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2017/07/19(水) 10:44:01.46ID:CAP_USER藤枝市横内の片瀬剛男さんがグランプリに輝いた。
片瀬さんは末期の膵臓(すいぞう)がんを患い、審査結果を待たず1日他界した。
70歳だった。
痛みに耐え、締め切り直前に完成させたのは、
葛飾北斎の富嶽(ふがく)三十六景「神奈川沖浪裏」を題材にした作品。
「津波の怖さが注目される海。畏敬の念や冒険心を抱ける海の素晴らしさを伝えたい」。
思いを込めた作品を、友人らが会場に搬入したその日に旅立った。
片瀬さんは設計事務所を営む傍ら模型づくりを趣味にしていた。
同コンテストへの出品は2回目。
昨冬から構想を練り、今年3月から製作を開始したが、5月下旬に入院。
「医師からあと1、2カ月と言われていた」と弟の片瀬隆次さん(68)は振り返る。
作品への思いは強く、仕上げるため6月12日、病院を退院した。
寝たきりで水しか飲めない状態だったが、ベッドの横に作品を置き、
隆次さんや、親交が深い大工大橋益夫さん(73)=焼津市=の手を借りながら少しずつ作った。
「船に乗った人が持っている櫓(ろ)の向きを直してほしい」「イルカはもっと躍動的に」―。
10年ほど前に声帯を摘出し声を発することができなくなった。
筆談で意思を伝えた。
衰弱し文字が書けなくなると、棒を握り修正したい箇所を指した。
完成したのは6月29日。
「今から持っていくよ」。
出品者全員の作品の展示作業が行われる7月1日、
大橋さんが声を掛けると、片瀬さんは穏やかな表情を浮かべた。
静かに息を引き取ったのは、その数時間後だった。
作品名は「大海に挑む」。
発泡スチロールを使ってダイナミックな波を表現した。
青や白に塗装して波の上で船が揺られる様子をリアルに作り上げた。
波の向こう側には富士山をのぞかせた。
審査は、片瀬さんが亡くなったことは伏せて行われた。
隆次さんは受賞のあいさつで
「兄は模型コンテストのおかげで痛みから逃れられ、
最後まで生きがいを持つことができた」と涙ながらに感謝した。
作品は御前崎市港の市観光物産交流館なぶら館で、当面展示される。
写真:グランプリに輝いた兄の作品を見る片瀬隆次さん夫妻
http://www.at-s.com/news/images/n39/381970/IP170718TAN000139000_O_1.jpg
以下ソース:静岡新聞 2017/7/19 07:46
http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/381970.html