◆力道山と稽古、タイガーマスクを指導

ロシア発祥の格闘技・サンボの元世界王者で、ビクトル古賀の名で知られる古賀正一さん(82)=横須賀市=が15日、
現役時代に獲得した貴重なメダルやトロフィーの一部を市に寄贈した。
市は横須賀アリーナ(同市不入斗町)の展示スペースで16日から一般公開し、無敵を誇った格闘家の功績をたたえる。

1965年に旧ソ連へ渡った古賀さんは、レスリングや柔道の影響を受けたサンボ競技で、
4度の世界一を含む前人未到の公式戦41連勝を成し遂げた。
同国では「英雄」とたたえられ、スポーツ功労賞などを受賞している。

レスリング選手としても活躍。
力道山と稽古したり、初代タイガーマスクを指導したりと、日本の格闘技界に大きな影響を与えた。
「今は調子のいいおじさんだが、僕のパンツを洗った後輩は皆強くなった」と冗談めかすなど、武勇伝は尽きない。

旧満州出身で母はロシア人。
終戦後に11歳でひとり日本へ引き揚げてきたエピ−ソードもある。
大学卒業後、父の会社があった横須賀へ移り住み約60年。
「日本では一番のふるさと」と語り、引退後は横須賀アマチュアレスリング協会(当時)の発足にも尽力した。

寄贈したのは、73年の第1回世界選手権の金メダルや、
ワールドカップで獲得したトロフィー、旧ソ連から贈られたレリーフなど約10点。
貴重な“戦果”の散逸防止と恩返しの意味を込めて市に申し出た。
思い出の品を前に「懐かしいが、家族をほったらかしにして海外で試合をした時代を思い出し、申し訳ない」とも。

寄贈品は横須賀アリーナ2階のショーケースに収められ、常設展示される。
市がゆかりのアスリートのメダルなどを所蔵、公開するのは異例という。

古賀さんは
「(自らの偉業は)おとぎ話のようなものですよ。それでいい。
 子どもたちがメダルを見て『将来は自分も』とその気になってくれればうれしい」と話している。

写真:世界大会で獲得したメダルやトロフィーなどを横須賀市に寄贈した古賀さん
http://www.kanaloco.jp/image/article/original/237/dfe3b13302859f59a660507d3e15e444.jpg

以下ソース:神奈川新聞 2017/03/16 02:00
http://www.kanaloco.jp/article/237980