小笠原諸島が渇水になっている。
父島ではダムの貯水率が3割を切って、1968年の返還後2番目の低さになった。
小笠原村は渇水対策本部を立ち上げて対策に乗り出している。

小笠原諸島の有人島・父島(人口2130人)と母島(同469人)は雨水をためて生活用水を確保している。
昨秋から渇水が続いていて、特に父島は深刻だ。
15日現在のダムの貯水率は29・4%まで下がった。
返還後最低の1980年の14・7%に次ぐ低さだ。

父島にはダムが四つあり、貯水量は合計9万3700トン。
平年の月別降水量は5〜12月は約81〜145ミリだが、昨年同期は18・5〜88・5ミリで半分以下。
気象庁によると、5月以降、高気圧に覆われ、低気圧や前線の影響を受けにくくなり、雨が少ない状態が続いたという。

10月中にダムの貯水率が5割をきったため、小笠原村は渇水対策本部を立ち上げた。
今年2月には、海水を淡水化してダムに入れ始めた。

海水淡水化装置は村に1台しかなかったため、もう1台を水資源機構に借りた。
2台を稼働させて1日120トンを確保し、さらに農業用水の一部約60トンもダムに入れている。
ただ、父島の水の使用量は1日約600トンになるため、追いつかない。
水道の出を絞ったり、防災無線や広報で節水を呼びかけたりしている。

写真:貯水率が下がった父島の時雨ダム。満水時の水位は5.7メートルだが、2.45メートルまで下がった
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170315000671_comm.jpg
写真:父島のダム貯水率と降水量
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170315001331_comm.jpg

以下ソース:朝日新聞 2017年3月15日11時20分
http://www.asahi.com/articles/ASK3B5H1DK3BUTIL032.html