会津の柴五郎の「犬の死体」を食う!
「野辺地日記抄」(中央公論)

「田名部川の氷がゆるみはじめた頃
円通寺裏の川の氷上にいた犬を射殺した猟師がいたが
薄氷のために取りにいけず、諦めて立ち去った。
父の命令で少年五郎はこの犬を持ち帰るが
その話を伝え聞いた、やはり食料に事欠いていた
斗南藩士に分けてくれと泣きつかれ、肉の半分を持ち帰らせた。
犬の肉は塩茹でにして食したものの、四、五日もすると
臭いが鼻につき、喉を通らなくなるが、他に食べるものはない。
我慢して20日ほど食い続けたら、兄嫁は頭髪が抜け落ち、薄禿げになった」