>>652
前々作から聞かせていただいてすっかりファンです。チップチューンの音使いと全体のまとまりの安定感がいつも素晴らしいですね。
そこはかとない平沢進の波動を感じます。

曲想として、すべての音がまるで印象派作品のように滲んでいるので一つの完成形とも思いますが、あえて言うならば空間の使い方がもったいない印象を受けます。
ステレオ的な広がりに対して奥行きが不足しているイメージです。

今回の曲とはジャンルも違いますし興味お持ちでないかもしれませんが、良ければ試しに平沢進のBig Brotherヘッドホンで聴いてみてください。
近い音・遠い音がこれでもかと散りばめられていて独特の立体感を構成しているのがわかると思います。
あるいはエンヤの曲はいかがでしょうか。ステレオ成分は十分ありながら奥行きを感じられるMIXになっています。
空間作りで大事なことはリバーブやディレイそのものではなく、小さい音と大きい音があることで初めて奥行きのあるアレンジが可能になるということです。
ディレイやパッドはこの小さい音に相当します。
最終段のリミッターのかけ具合によっては、本来小さい音であるパッドが手前に来すぎて圧迫感のある空間になってしまうわけです。
(あるいはリミッターをかけていなくてもパッドのフェーダー次第で同じことです)
これはリミッターで持ち上げるときに「パッド以外に持ち上げる音がない」から起きる現象と考えます。パッドは本来、音の隙間を埋めるもの、という意味があるらしいので用途としては望ましくないですよね。
解決策としては
・明確に近いパートを加えてパッドの遠さを意識させる
・パッドを近い楽器に見立てるなら、さらに遠い成分を加えそれがちゃんと聞こえる存在感に調整する
・ドラム・パーカスの中低域のアンビエント・リバーブ成分を大事にする。
当たりでしょうか。

投稿ペースも曲の安定感も羨ましいです。これからも頑張ってください。