当時は、バザックススカラベゴールドマン、このすべてにザキが有効であった

ひっさつを出しやすくするため、盗賊は装備をすべて外した

情報を秘匿すべく、ログイン非通知にし、
きんかいを出品する際は自分のサブがフレの分もまとめて出し、
チームチャットでゴールドマンの話題が出ると巧妙に話をそらした

ほんとうに信頼できるフレ数人にのみ、この情報を教えて仲間にひきいれた

あのころのアストルティアには、そういうワクワクがあった

8月20日ごろかな、みずのはごろものレシピを入手したときも、
いっしょにとった仲間と値段や出品大陸など相談して決めたのだけど、
なにか子どもが悪だくみをしているときのような、えもいわれぬ高揚がそこにはあった

フレの中には、キラーピアスのレシピを世界最速で入手し、他の3人に出品をひかえてもらい、
6日間市場を独占し、数百万を得たというひともいる(1.0当時の数百万である。いまでいったら数千万くらいか)

こういうワクワクは、もうないのかなあって思うとすこしせつなくなる

言いかたはあれだけど、他人をだしぬくのって最高に興奮する

それが信頼できる仲間といっしょにだったなら、なおさら

いまだと先物買いくらいでしか、こういった高揚は味わえないのではないか

先物買いは、例外もあるだろうが、基本ひとりでこっそりやるものだし、
1.0のきんかいやレアレシピのように、冒険と直接結びついてはいない

これは「ドラクエ」だ
「オンラインRPG」であると同時に、やっぱり「ドラクエ」なのだ

冒険者が真にワクワクできるような、冒険者がバザーだけでない、
この世界全体に対する知恵と挑戦と勇気と策略と強さでもって、より強くなるための装備を得られる、
あるいはそれを手に入れるための富を得られる、そういう世界にまたなってほしいと、切に願う

ザキが有効だと知らなかったとき、キングリザードはほんとうに恐ろしかった

ドルボードもなかったあのころ、未知の場所に行くことはときに命がけだった

われわれは強くなりすぎてしまったのだ