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2023/01/10(火) 18:39:15.0992023.01.06 21:00
福島県二本松市二伊滝の二本松焼と二本松万古焼の窯元、井上窯当主の井上善夫さん（７３）は元日から新しい窯で作品を焼き、
６日、初めての窯出しをした。
１９７７（昭和５２）年から愛用する窯二つのうち大型の窯が東日本大震災と一昨年、昨年の本県沖地震で損傷して使えなくなったため、新設した。
約４００点を焼き上げ「新しい伝統をつくっていく」と意欲を見せる。
新しい窯は先代と同じガス窯で、容量は５分の１になったが、その分、稼働の回転を速める。
年末から準備して１日午後１０時３０分に本焼きの火を入れ、最高で１２００度前後となる温度の調整を１７時間続けた。自然冷却を待ち、６日午前９時に扉を開けた。
井上さんは真剣な目で一つ一つ焼き具合や発色を確かめ、「よくできた」と顔をほころばせた。妻のゆう子さん（７４）が寄り添い、
「初めての窯出しでドキドキしたが、よかった」と安心していた。
ウサギがモチーフのぐい飲み、マグカップなど自らの作品をはじめ長女で陶芸家の舞さん（４８）の作品、
市内の岳下小児童や郡山市の片平幼稚園児が陶芸教室で作った皿なども趣豊かに仕上がった。
井上さんは日展会友で日本現代工芸美術展や県総合美術展（県展）の審査員も務めるなど創作と陶芸の発展に尽力している。
「地震が起きても仕事を続けてこられたのは、技術を継承し、新しい魅力を加えていくように先人が守ってくれたからだと思う。
新しい窯でさらに頑張りたい」と張り切っている。
初窯出しの作品は１１日まで郡山市のうすい百貨店で開催中の「旅するふくしま物産展」に出品するほか、井上窯の店舗で購入できる。
https://www.minpo.jp/news/moredetail/20230106103803
