ジャカルタ=野上英文
2020/2/21 9:34
 インドネシアの警察は、新型肺炎で需要が高まっているマスクの架空販売で現金をだまし取ったとして、25歳の女を詐欺容疑で逮捕した。同国での感染者はゼロだが、マスクはインターネットなどで定価の10倍前後で取引されている。被害者は「『20箱買えば、1箱無料』の誘い文句に釣られた」と警察に話した。
 警察は16日、東ジャワ州トゥルンガグンに住む女が、顧客の1人から現金約1140万ルピア(約9万3千円)をだまし取った疑いがあるとして逮捕した。
 女は、自身のフェイスブックに様々なマスクの写真を載せて、「大量のマスクを販売できます」「20箱購入で1箱フリー(無料)」などと宣伝していた。
 被害を受けた顧客は、1箱に50枚のマスクが入った商品を400箱(計2万枚)分、計2400万ルピア(約19万5千円)で買う注文をして、前金として約半額を女の口座に振り込んだ。品物が届かなかったため、警察に届け出た。
 調べでは、女は他にも大量の注文を受けていたが、実際にはマスクを1枚も持っていなかった。「コロナウイルスの問題が話題だったので、SNSで宣伝すればもうかると思った」と供述。最大で禁錮6年の刑が科される可能性がある。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN2P318PN2NUHBI029.html