東播
時計2019/6/16 21:00神戸新聞NEXT

 自動車整備工場で作業中に車の下敷きになった男性を救助したとして、兵庫県警加古川署はこのほど、県の善行賞「のじぎく賞」を男女7人に贈った。助けを求める声を聞きつけ、息の合った“連携プレー”で車を持ち上げた。

 賞を贈られたのは、いずれも東播地域在住の藤原嗣久さん(56)▽高野和之さん(45)▽大江祥和さん(46)▽厚見宗宏さん(59)▽西尾光栄さん(35)▽新谷昇さん(57)▽岡和子さん(68)。

 事故が起きたのは5月21日午後4時ごろ、加古川市加古川町北在家の自動車整備工場。40代男性が前輪タイヤを外した軽自動車の下にもぐり、あおむけで作業中、車を支えていた器具が外れて下敷きになった。工場内には男性以外に誰もいなかった。

 「助けてくれー」。男性の大声を聞きつけたのは、隣のタイヤ店で働く岡さん。工場に駆け付けたが、「1人では無理」と判断し、隣のうどん店の新谷さんに応援を求めた。さらに同店の従業員が、近くのオフィス用品販売会社の社員5人にも協力を呼び掛けた。

 同社の厚見さんは「車が脱輪した程度の話かと思ったら、車の下に人がいてびっくりした」。すぐに声を掛け合い、男性4人で車の前部を持ち上げた。すかさず西尾さんが男性を引っ張り出して救出。男性は会話ができる状態で、救急車で搬送された。胸部圧迫で入院したが異常はなく、1日で退院したという。

 西尾さんは「救急隊員が男性の服を脱がせた時、車両の跡が上半身にくっきり残っていて、すごい圧力がかかっていたんだと思った」と話した。厚見さんは「大きなけががなくて、本当によかった」と胸をなで下ろした。(小森有喜)

https://www.kobe-np.co.jp/news/touban/201906/0012433724.shtml