昨年8月の台風20号の強風で倒壊した、北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)の風力発電用風車の事故原因を究明する同市の専門家会議(事故調査委員会)の第3回会議がこのほど、東京都内で開かれた。同会議は原因について、「風車に電源が供給されず、強風を逃がすための安全機能が働かなかった」と結論付けた。管理体制が市や第三セクター、保守点検事業者などに分かれ「責任の所在が不明確だった」とも指摘した。

 同会議は、事故発生当時に主電源が切られていたことを調査で確認。強風発生時に「風車を風向に正対させる」「羽根の角度を変えて風圧を弱める」などの安全機能が働かなかった、とした。そのため、強風を受けた風車に過度の回転が発生。「風圧に耐え得る基礎設計荷重を上回ったため基礎部分から倒壊した」と結論付けた。

 風車は2017年5月、経年劣化などにより故障し運転を停止。その後、強風時の安全対策として電源を数回入れたが、18年1月以降は「切」の状態だった。

 電源が切られていた理由については、所有者の市と風車を含む公園の指定管理者、保守点検業者など管理体制が5団体にまたがっており、「電源に起因するリスクが共有されず誤認識が重なった」とした。

 調査結果を受け、淡路市の担当者は「風車は19年度中に解体撤去する計画だったこともあり、安全対策の認識が甘く危機管理意識が薄かった」と話した。

 今回の調査結果は3月11日、経済産業省に報告される。

https://i.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/img/d_12097288.jpg

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/0012097287.shtml