東京都内の製薬会社や新聞社に青酸カリとみられる粉末が同封された脅迫文が送られていたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。金銭を要求する内容で、警視庁捜査1課が恐喝未遂容疑で捜査している。

 捜査関係者によると、脅迫文は都内の製薬会社6社と、毎日新聞社の東京本社(千代田区)に25日に郵送で届き、各社が同日中に警視庁に被害を届け出た。差出人欄には、死刑執行されたオウム真理教元教祖の麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=執行時(63)、本名・松本智津夫(ちづお)=ら元幹部や、暴力団関係者、政治家などの氏名がそれぞれ記されていた。

 A4サイズの紙に「青酸カリを入れた偽物の薬を作って流通する。2月22日までに3500万ウォンをビットコインで送れ。送らなければ悲劇が起こる」などと印字されており、いずれも透明なポリ袋に入った状態の白い粉末が同封されていたという。粉末を簡易鑑定した結果、青酸カリとみられる毒劇物の可能性があることが判明。同庁が詳細な分析を進めている。

 捜査関係者によると、大阪府内の製薬会社にも同様の文書と粉末が届いたという。製薬会社数社には、昨年1月にも同様の脅迫文が届いていた。差出人は暴力団関係者らで粉末などは同封されていなかったが、捜査1課は同一犯の可能性があるとみて関連を調べる。

 青酸カリは「シアン化物イオン」を含む青酸化合物の一種で毒劇物取締法で取り扱いが規制されている。

https://www.sankei.com/affairs/news/190126/afr1901260009-n1.html