桜井林太郎、関根慎一2018年6月1日08時54分
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核燃料サイクルのイメージ


 日本が国際協力を進めようとしている高速炉「アストリッド(ASTRID)」計画について、開発主体のフランス政府が建設コスト増を理由に規模縮小を検討している。
日本政府がこだわる核燃料サイクルは一層見通せなくなったが、計画への巨額投資を続けようとしている。
1兆円以上をつぎ込んだ高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)がまともに動かないまま、廃炉に至った失敗を繰り返しかねない。

 アストリッドは仏国内に2023年以降に着工し、30年代の運転開始をめざす。「原型炉」のもんじゅより一つ進んだ「実証炉」で、実用化(商業炉)の一歩手前と位置づけられる。
 仏政府は当初は出力規模を60万キロワットと想定していたが、「建設コスト高のため、10万〜20万キロワットに縮小する」と日本政府に伝えた。
数千億〜1兆円規模とみられている建設費も日仏で折半するよう打診した。日本政府は、もんじゅ(28万キロワット)の代わりにアストリッドを
核燃料サイクルの当面の柱にしようと考えていたが、炉が小規模だとめざす研究成果が得られない可能性がある。
https://www.asahi.com/amp/articles/ASL5044JBL50ULFA00S.html