日銀
黒田総裁、再任へ 政府が手腕評価

毎日新聞2018年2月9日 23時52分(最終更新 2月10日 02時40分)

日銀の黒田東彦総裁=手塚耕一郎撮影

 政府は9日、4月8日に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁(73)を再任する方針を固めた。「異次元緩和」と呼ばれる大規模金融緩和で「デフレ脱却の道筋を作った」と
政府は手腕を高く評価しており、現行路線の継続が望ましいと判断した。日銀総裁を2期連続で務めるのは、山際正道氏(在任1956〜64年)以来で、戦後3人目となる。

 3月19日で任期が満了する中曽宏、岩田規久男両副総裁の後任は、雨宮正佳・日銀理事(62)や、財務省出身で安倍晋三首相の経済ブレーンである本田悦朗スイス大使(63)らを候補に調整している。正副総裁人事案は今月半ばにも国会に提示する。

 黒田氏は財務省出身。財務官やアジア開発銀行総裁を経て、2013年3月に日銀総裁に就任した。就任直後の同4月には、「2年程度をめどに2%の物価上昇率目標を達成する」と掲げ、
異次元緩和を開始。急速な円安・株高を実現させた。首相は6日の国会答弁で、「手腕を信頼している」と黒田氏を高く評価していた。

 世界経済の持ち直しもあって日本の景気拡大が続く一方、物価上昇率は14年春の1.5%をピークに失速。黒田氏は2%の目標達成時期の予想を6度にわたって先送りしてきた。
結果責任を問う声も首相の経済ブレーンの一部から出ていたが、首相は路線継続による金融政策の安定運営を優先した。【坂井隆之】

https://mainichi.jp/articles/20180210/k00/00m/020/211000c