川崎市中原区で16日、旧在特会系の日本第一党顧問、瀬戸弘幸氏(65)らが予定していたデモが午前11時ごろ、行われた。デモ隊は約400メートルほどを行進した。瀬戸氏らが中原署に事前に申請し、同署が受理、神奈川県警と県公安委員会が許可していた。

 デモ隊が通行するとされた中原平和公園(同区)には有田芳生(ありた・よしふ)参院議員(65)ら約400人が抗議のため集まり、「ヘイトスピーチ止めろ。ヘイトスピーチやめろ」などと声を上げた。

 瀬戸氏は自身のブログで「正式に許可されたデモで、その集合場所に向かう人たち達の足を止めるなどと平然と言い放ち、それが不法行為であり犯罪であることを隠していません」などと、有田氏らを批判した。

 川崎市在住の男性は「ヘイトスピーチに当たるような言葉は使わない」と県公安委などに事前に約束したが、市民団体や労組、川崎市議会などからなる「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」は「(川崎市在住の男性は)これまでヘイトスピーチを繰り返してきており、デモは許されない」と主張。デモが行われるとの情報を事前に知ったデモ反対派が神奈川県公安委員会にデモを不許可とするよう申し入れていた。

 デモが予定されていた公園には、有田氏や対レイシスト行動集団(旧レイシストをしばき隊)などが参集を呼びかけ、約400人が「神奈川県警はデモをさせるな」「ヘイトをやめろ」などと声を上げ、周囲は騒然とした。

 一方、デモ隊側はJR・東急武蔵小杉駅近くにマイクロバスで乗りつけ、関係者によると、数十人がデモ行進した。しかし、デモに気づいたデモ反対派が近づき騒然となり、一行はバスに戻った。

 中原平和公園周辺では、ヘイトスピーチ対策法制定後間もない平成28年6月、同じ男性が主宰する団体メンバーがデモを計画し、数メートルデモ行進した直後にデモをあきらめて撤収したことがあり、瀬戸氏はブログで「リベンジ」と呼びかけていた。

 一方、有田氏は「コソコソ。あいつらに見つからないうちに早く、早く、うわっ、見つかった。バスに逃げ込め、痴的でシュール。カウンターの勝利」(原文ママ、要旨)などと書き込み、“勝利宣言”した。(WEB編集チーム)

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デモに抗議しようと集まった人たちの周囲で警戒する警察官=16日午前、川崎市中原区