仮想通貨「ビットコイン」(BTC)取引所「マウントゴックス」(東京、破産手続き中)のBTC消失事件で、顧客から預かった資金を着服したなどとして業務上横領などの罪に問われたマウント社最高経営責任者(CEO)、マルク・カルプレス被告(32)=仏国籍。11日に東京地裁(入江猛裁判長)で開かれた初公判で、カルプレス被告は、「神に誓って無実。不正にお金を使ったことは一切ない」と起訴内容を否認した。

 一方、BTC取引所「マウントゴックス」をめぐっては、債権者への配当にコインをあてることも含めて検討が進められている。BTCのレートは破綻当時から約5倍に高騰しており、現時点で債権総額を上回る事態となっている。

 マウント社が今年3月時点で保有している資産は、預金約10億円と約20万BTC。破産管財人が東京地裁に提出した報告書によると、これまでに約2万件、約263兆円の破産債権届が出され、このうち約456億円を債権と認定した。

 一方、BTCのレートは高騰傾向にある。約20万BTCの価値は、平成26年2月の破綻当時の約120億円相当から、現在は約600億円相当にはねあがっているとされる。

 商取引に詳しい専門家は「債権の1、2割しか配当を受けられないことも多い中で、倒産に至った会社の資産が増えることも珍しいが、5倍にもなることは例がない」と指摘している。

http://www.sankei.com/affairs/news/170711/afr1707110031-n1.html