覚せい剤取締法違反容疑で逮捕され、有罪判決が確定した元プロ野球選手、清原和博氏の事件に絡み、
テレビ朝日の「報道ステーション」で、同氏に暴力団組員を紹介したかのように報じられたとして、元プロ
ボクシング世界王者の渡辺二郎氏(62)=大阪市=が、同社に1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が
29日、大阪地裁であった。森田浩美裁判長は「2人に交友関係はなかった」として放送内容が名誉毀損に
当たると認定、同社に150万円の支払いを命じた。

 判決によると、番組は昨年2月、清原氏の事件を取り上げる中で「関西の元暴力団担当刑事」と称する
人物にインタビュー。覚醒剤の入手先に関し、大阪を拠点にする「元プロボクサーで世界チャンピオンを
とった人」から「暴力団員の紹介を受けた」との証言を放送した。

 判決で森田裁判長は、匿名で報じられた元チャンピオンについて、暴力団との過去の関係などから
「相当数の視聴者が渡辺氏と認識した」と指摘。一方で、清原氏とは過去に一度、偶然会った際に
あいさつをしたことがあるだけだったとして、報道内容が真実との立証がなされていないと判断した。

 テレビ朝日は「主張が認められず、誠に残念。判決内容を検討し対応を決めたい」とコメントした。

http://www.sankei.com/west/news/170629/wst1706290075-n1.html
http://www.sankei.com/images/news/170629/wst1706290075-p1.jpg
元プロ野球選手の清原和博氏