5月10日 11時54分
菅官房長官は午前の記者会見で、「ムン・ジェイン(文在寅)氏に心からお祝いを申し上げる。日本にとって韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国だ。日韓両国の協力と連携は、北朝鮮問題への対処など、
地域の平和と安定に極めて重要、不可欠だと考えている。新政権との間でもさまざまな分野で日韓協力をさらに進め、未来志向の新時代を築きあげていきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、ムン氏が、選挙戦で、慰安婦問題をめぐる日韓合意の再交渉を公約に掲げていたことについて、「日韓合意は、国際社会から高く評価されており、
日韓それぞれが責任を持って実施していくことが極めて重要だ。政府としては、引き続き、韓国側に粘り強く、あらゆる機会を捉えて合意の着実な実施を求めていきたい」と述べました。

さらに、菅官房長官は、記者団が、「安倍総理大臣からムン氏に対して合意の履行を求めるのか」と質問したのに対し、「合意していることであり、お互いの将来を考えた中で、責任を持って進めていこうという話は当然することになる」と述べました。

一方、菅官房長官は、安倍総理大臣とムン氏との電話会談について、「現在調整中だ」と述べました。

自民 河村氏「大いに期待」
日韓議員連盟の幹事長を務める、自民党の河村元官房長官は、国会内で記者団に対し、「ムン新大統領のもと、これから韓国が生まれ変わって新しい国家づくりが始まるということで、大いに期待している。
慰安婦問題をめぐる日韓合意については、韓国側がどういう形で対応するかを見極めなければいけないが、北朝鮮の問題や安全保障をはじめ、共通の優先課題が多くあるので、うまく切り分けて考えていくことになるのではないか」と述べました。

岸田外相「しっかりと協力を」
岸田外務大臣は、衆議院外務委員会で、「ムン新大統領は、北朝鮮に融和的だという見方があることは承知している。首相や閣僚の選任にはまだ時間がかかると思うし、具体的政策となるとさらに先になり、いましばらく時間がかかると認識している」と述べました。
そのうえで、岸田大臣は、「韓国は戦略的な利益を共有する大切な隣国だ。日韓の連携、協力は、北朝鮮問題をはじめとする地域の平和と安定にとっても不可欠だ。新政権との間においても、しっかりと協力を進めなければならないと基本的には考えている」と述べました。

民進 野田幹事長「祝意を示したい」
民進党の野田幹事長は、国会内で記者団に対し、「新しい大統領を国民が選び、隣国の新しいリーダーが決まったということなので、祝意を示したい。未来志向のいい関係になればと期待したい」と述べました。

公明 山口代表「新たな友好的な関係を」
公明党の山口代表は、党の参議院議員総会で、「ムン氏に心から敬意と祝福を送りたい。
日韓関係は極めて重要で、北朝鮮の問題が緊迫の度を増し、対話も模索される中、両国の関係を一層う強化し、未来志向で新たな友好的な関係を築いていきたい」と述べました。

共産 小池書記局長「対話の再開に期待」
共産党の小池書記局長は、記者会見で、「平和への強い願いを受けて誕生した新大統領であり、北朝鮮の核・ミサイル開発の停止や朝鮮半島の非核化など、
東アジアの平和と安定を目指し、対話の再開に向けた取り組みが強められることを期待したい」と述べました。

維新 片山共同代表「現実的な選択をするはず」
日本維新の会の片山共同代表は、記者会見で、「あまり固定観念で見ない方がいい。ややこしく、偏った人の方が柔軟になったり、丸くなったりする。大統領に就任して、国を統べて、いろいろな国とつながりを持てば、
今までと同じことは言えないと思う。日本などに言うことは言うが、仲よくするところは仲よくするという方式をとるだろう。現実的な選択をしない人が大統領になるわけがない」と述べました。

島根県知事「極めて重要な隣国」
竹島がある島根県の溝口知事は、「日韓両国は、歴史的にも経済的にも深い関係にあり、極めて重要な隣国だ。
新しい大統領には、竹島問題を含め、両国間のさまざまな課題に対して率直に意見交換を行い、連携・協力していくことを期待する」とするコメントを出しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170510/k10010976191000.html?utm_int=news_contents_news-main_003