月刊WiLL 2023年7月号
移民・難民問題
■坂東忠信×森永康平
強姦魔が難民申請だって!?
ttps://www.web-wac.co.jp/magazine/will/2023%e5%b9%b47%e6%9c%88%e5%8f%b7
工作員は身近にいる

【坂東】 陰謀論ではなく実例があります。七年ほど前、筑波研究学園都市のとある研究室でデータを盗まれたという研究員が
一人の専門家を通じて私にコンタクトを取ってきました。話を聞くと、研究室の教授が中国人留学生の女性と仲良くなり、成績も
優秀だったので、すっかり信用して研究データの管理を任せるようになったとか。すると、しばらくして突然、数年分の研究データ
が一気になくなったそうです。

【森永】 典型的な例ですね。

【坂東】 ところが、しばらくしたら相談が来なくなった。聞いたら研究室内で箝口令(他人に話すことを禁止する命令)が出たという
のです。研究機関はスポンサーがいるから研究を続けられるので、もし自分の研究室からデータが盗まれた、あるいは警察が
出入りしていると明るみに出れば、スポンサーが離れてしまう。それなら今回の件はなかったことにして、二度と起こさなければ
いい――そうして私に相談が来なくなった。
 おそらく、これも氷山の一角と考えるべきで、われわれの想像以上に日本の大学や機関の研究所で黙殺さている情報漏洩が
山のようにあるのではないか。

【森永】 もとは純粋な留学生でも、日本国内で活動に勧誘さケースもある。

【坂東】 むしろそのケースの方が多く、ハリウッド映画に出てくるような調練された工作員が送り込まれるなんていうケースのほう
が珍しい。
 それに本人が無自覚のうちに善意で工作に加担しているケースもあり、そうなると怪しさが表情に出ないのです。留学生のなか
に工作員がおり、そうとは知らず「このUSBを教授のパソコンに挿すだけでいいから」と言われ、手伝いをしたつもりが工作活動
だった。それがバックドア(コンピューターへ不正に侵入するための入り口)になって、毎晩定時になると新しく追加されたデータが
抜かれるなんてケースもあります。