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「米軍資料の読み方」への反論

 ビルマ・ミッチナにおける米軍資料は、吉見氏がもっとも重要なポイントだという「慰安婦の生活は奴隷状態」の
主張を根底から覆すもので、吉見氏は躍起になって「この資料を額面どおりに信用してはいけない!」と力説している。
しかしこの資料は吉見氏が編集した資料集に入っており、解説で自ら「大変興味深い資料である」「ヨリチ軍曹は
二週間にわたって一人ずつ詳細に調べ、膨大な報告書をつくってOWIレド本部に送ると大評判になったという」と
その価値を高く評価しているではないか。自分の運動に都合が悪くなったからといって途端に資料の評価を変えるとは、
学者としての信用性を疑わざるを得ない。
 …(略)…その他の資料の解釈の仕方も、すべて全く根拠のない推測・憶測を述べたに過ぎず、「慰安婦とは性奴隷
でなければならない」という結論がまず最初にあり、無理やりその結論に結び付くような解釈をひねり出しているとしか
思えない。「木を見て森を見ない」どころか「木を見て海だと言い張る」ようなすさまじい資料操作である。
 また、重要な部分をわしが隠しているかのように書いているが、「いい仕事がある」とだまされたケースが多かったが
実際には多額の前借金が親に渡っていて、暗黙の了解があった、ということはすでにテレビ等でも言っているし、
「小林氏は意図的にこれを無視している」と吉見氏がいう「心理戦尋問報告」第2号という資料にはこんなことが書いて
ある。
◇軍は彼女(慰安婦・引用者注)たちの人身売買からは何らの利益も得なかった。
◇慰安婦は彼女自身が稼いだ額の50パーセントを受け取り、…(略)…
◇…(略)…
……どこが性奴隷なんでしょうか。軍は何か悪いことしてますか?
 そして「契約違反で慰安婦が帰国できなかったと明記してあるのに、意図的に無視している」と吉見氏がいう文は、
こうである。
   …(略)…
 軍は実際に慰安婦の帰国について便宜を図っていたのである。それが実行できなかったのは戦況の悪化で安全に
帰国させる保証がなかったから、ただそれだけのことであるし、「他愛もなく説得されて残留した」というのも、命懸けで
帰国したくなるほど過酷な生活ではなかったという証明に他ならない。
 吉見氏は読者が資料を読んでないのをいいことに、自分の「意図的な解釈」だけを披露し、「小林はこれを意図的に
無視している」などとデマを流しているが、なかなかの悪人ですなと感心することしきりである。

「未成年の使役」への反論

 吉見氏は熱心に「国際法違反」を言うが、では明らかに「国際法違反」を犯して数十万人を殺した都市空襲や原爆投下、
国際法を踏みにじったアウトローの所業だった東京裁判についてはなぜ不問に付し、「未成年の売春」などという、一人の
死者を出したわけでもない違反について50年以上もさかのぼって断罪しようというのか。そもそも未成年の売春なんて
古今東西どこにでもあるのだから、日本について国際法でこれを処罰しようというのなら、当時の条約加盟国すべての
未成年売春の実態を徹底調査し、日本と同様の処罰を与えなければならないわけで、これを行わずして日本の未成年
売春だけを断罪するというのは、それこそ国際法を踏みにじるものだ。
「他がみんなやっているからといって免罪されない」という主張は道徳の話としては聞いてもいいが(小学生の道徳では
あるが)、法の運用の話となるとまったく別である。小学生の道徳で法をねじまげられたのでは、たまったものではない。
第一、吉見氏は国内法の「時効」を何だと思っているのだろう。国際法の精神を踏みにじって日本だけ裁き、さらに日本
の国内法の「時効」を踏みにじってまで処罰しようというのだろうか。
 吉見義明氏は商学部の教授だが、氏の勤める「中央大学」は明治18年創立の「英吉利(イギリス)法律学校」を前身と
する法科の名門校である。その教授がこんなことを言ってていいのか、強く疑問を持つ。