「ねえ、かあちゃん。がいこく、いったこと、あっけ?」
「がいこくけ。かあちゃんは みなみの しまが、よいわぁ」
 はやいこと でかなって、かあちゃんを つれてってま」
「うん。かあちゃん、まかいといて。やしのみ たべさしてあげっちゃ」

「ほんまけえ?」
「あっ、かあちゃん」

 ぷ────ぅ

「へー、たれてしもたわ」
「だらぶちっ! なにけよぉ・・・・  なんちゅうくっさいがいね」

「ねえ、かあちゃん」 「なにけ?」
「ねえ、かあちゃん」 「だから なにぃね?」
「よぼっただけやちゃ」 「まったく・・・」 

「いいかげんにしられま!」
 かあちゃん かあちゃんって やかましいわ。ちょっこの あいだで よいから
 かあちゃん かあちゃんって いわんといてま」
「ならー」

「ママ?」
「そいが。いっかいで よいから、
 やさしーなと ママって よぼってほしかったがやちゃー」

「−って、おいっ そいういう もんだいで なかろがいね」
 あさから よさるまで ぺらぺら ぺらぺら
 しゃべりっぱなしで ほんまに やかましいわ」
「なにけよ。かあちゃんかって いっつも ぺらぺら ぺらぺら
 しゃべっとるないけー」
「おとなはねー だいじな はなしが あれやこれやとあんが!」
「こどもかって だいじな はなしは あるがやぜ」
「なんや、いうてみ? なにが だいじな はなしや?」
「なにけよ、いうてみられま? なにが だいじな はなしけよ?」
「ねえ かあちゃんー」

「ばんごはん なんけ?」 

(おしまい)


翻訳/とやまのおかんこと 中川晴恵さん 2012年5月