【北海道】経済を考える18〜レベル5は北の国から〜
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経済発展と社会的課題を両立する新たな社会「Society 5.0」のコンセプトが
提唱され、そこに紐づきSDGsや各種エネルギー施策が推進され、
社会全体を通して持続可能な社会の構築が急激に加速しつつある。
また、日本の自動運転の推進役となるのは、北海道をはじめとする地方が起点になる可能性が大きい。
北海道は広大な土地に加え、自動運転の試験に欠かせない積雪や寒冷な環境を売りに
企業の試験を誘致している。自動車・部品メーカーなどが道内に持つ自動運転の試験場は全国最多の28カ所である。
視野を広げれば、社会の課題をひもとく手段にもなるはずだ。
以下のフィールドを参照し、これからの課題や展望について、
情報提供や持論展開、議論をしていただきたく。
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1540568511/
<北海道の情報>
◆北海道新聞 ttps://www.hokkaido-np.co.jp/news/n_hokkaido/
◆リアルエコノミー ttp://hre-net.com
◆日本経済新聞 ttps://www.nikkei.com/
<主要資料・データ>
◆北海道の産業概観と地域分析
ttp://www.creative-hive.com/creativehive/uploader/uploader.cgi?mode=downld&no=2622
◆DATA-SMART CITY SAPPORO HP
ttps://data.pf-sapporo.jp
◆2019年度 北海道経済の見通し(年央改訂)
<北洋銀> ttps://www.hokuyobank.co.jp/company/report/2019/0808.pdf
<道銀> ttps://www.hokkaidobank.co.jp/common/dat/2019/0801/15646408141894558783.pdf
<行政情報>
◆北海道
経済動向・統計−最新の経済動向・統計
ttp://www.hkd.meti.go.jp/information/keizai/index.htm
IT・情報政策
ttp://www.hkd.meti.go.jp/information/it/index.htm
◆札幌市
データで見る!さっぽろ経済の動き
ttp://www.city.sapporo.jp/keizai/top/jyouhou/data/index.html
札幌市産業振興ビジョン改定版(平成28〜34年度)
ttp://www.city.sapporo.jp/keizai/top/keikaku/documents/honsyo-all.pdf
主要 6 産業の課題と今後の施策展開
ttps://www.city.sapporo.jp/keizai/top/keikaku/documents/6sanshou.pdf <経済過去スレ>
【北海道】札幌の経済政策の戦略議論
ttp://potato.2ch.net/test/read.cgi/develop/1459608754/
【北海道】札幌の経済戦略議論 2
ttp://potato.2ch.net/test/read.cgi/develop/1459608754/
【北海道】 経済戦略議論 3 【札幌市】
ttp://potato.2ch.net/test/read.cgi/develop/1477653535/
【北海道】経済戦略議論 4 【札幌市】〜生産性向上への道しるべ〜
ttps://egg.2ch.net/test/read.cgi/develop/1487956199/
【北海道】経済戦略議論 5 〜産業基地〜【札幌市】
ttps://egg.2ch.net/test/read.cgi/develop/1495034568/
【北海道】経済戦略議論 6 〜稼ぐ力〜【札幌市】
ttps://egg.2ch.net/test/read.cgi/develop/1499602921/
【北海道】経済戦略論 7 〜景気回復〜【札幌市】
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1502466787/
【北海道】経済戦略論 8 〜投資拡大〜【札幌市】
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1507351472/
【北海道】経済戦略9【札幌市】〜拓銀破綻20年〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1511187069/
【北海道】経済戦略10〜原油価格高騰〜【札幌市】
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1516706289/ 【北海道】経済戦略議論 11 〜地域事情と生産性〜
ttp://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1524676265/
【北海道】経済戦略12〜自由貿易と保護貿易の狭間
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1532796227/
【北海道】経済戦略を考える13〜復興需要とBCP〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1540568511/
北海道経済を考える14〜インフラ危機がリアルに〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1549979525
【北海道】経済を考える15〜令和経済の課題は?〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1557056501/
【北海道】経済を考える16〜課題先進地域の課題〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1560960478/
【北海道】経済を考える17〜増税と電子決済〜
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/develop/1568898403/ 「平成28年度(2016年度)道民経済計算」の概要
経済成長率
名目 ▲0.2% …4年ぶりの減少(全国 0.7%)
実質 ▲1.3% …2年ぶりの減少(全国 0.9%)
・名目の成長率は、建設業、宿泊・飲食サービス業などが伸びたが、製造業、金融・保険業などが
減少したことから、0.2%の減少。
・実質の成長率は、建設業などが伸びたが、製造業、農林水産業、金融・保険業などが減少したこと
から、1.3%の減少。 道内総生産
19 兆 181 億円(対前年度 304 億円減)
・建設業、宿泊・飲食サービス業などが増加したが、
製造業、金融・保険業などが減少したことから、4年ぶりの減少。
所得
1人当たり道民所得 261 万 7 千円(前年度比 0.2%減、5 千円減)
・平成27年度(262 万2 千円)から5 千円減少し、261 万7 千円となった。
一方、全国は308 万2 千円と1 万3 千円増加し、その差額は46 万5 千円となった。 経済活動別道内総生産
・第1次産業は、水産業が対前年度比3.8%減少したが、農業が5.6%、林業が0.2%増となり、
全体では3.2%増加した。
・第2次産業は、建設業が5.6%増加したが、製造業が6.0%、鉱業が14.4%減となり、
全体では1.5% 減少した。
・第3次産業は、金融・保険業、電気・ガス・水道・廃棄物処理業などが減少したが、
宿泊・飲食サービス業が10.7%、専門・科学技術、業務支援サービス業が4.6%の増となったことなどから、
全体では0.2%増加した。 道民所得
・雇用者報酬が対前年度比1.3%の増加となったが、企業所得が5.2%、財産所得も4.7%の減となり、
合計の道民所得は0.8%減少した。
・1人当たり道民所得は、261 万 7 千円と前年度から 5 千円(0.2%)減少し、
全国(308 万 2 千円)と の差は、平成27年度の44万7瑞迚~(対全国比85.4%)から
46 万 5 千円(同 84.9%)に拡大した。 道内総生産(支出側)
・民間需要は、家計最終消費支出が減少したことなどから、対前年度比1.3%減少した。
・公的需要は、公的総固定資本形成のうち一般政府が増加したことなどから、1.3%増加した。
公的需要の割合は、前年度から0.6 ポイント増加して31.8%となり、全国(25.1%)に比べて6.7
ポイント高くなっている。
・移出入は、移入超過額が2 兆4,786 億円で、647 億円(2.7%)増加した。 北海道経済の見通し
<道銀>(2019 年度年央改訂)
ttps://www.hokkaidobank.co.jp/common/dat/2019/0801/15646408141894558783.pdf
<名目道内総生産>(百万円)
19年度【見通し】19,657,119
18年度【実績見込】19,399,694
17年度【実績見込】19,277,248
<実質道内総生産増加率>
19年度【見通し】0.6%
18年度【実績見込】0.3%
17年度【実績見込】0.7% 2019 年度経済見通しの要約
日本経済(予測の前提)
■輸出の弱含みや設備投資の減速などから、緩やかな成長となる見通し
○4-6 月期の国内景気をみると、省力化投資などを追い風に設備投資が堅調に推移したほか、
大型連休による一時的なサービス消費の増加などが追い風となり、個人消費は増加に転じた。
一方、海外経済の減速などから輸出の増勢は鈍い。このため、同期の実質GDP成長率(前期比)
は輸入の増加などもあり、前期から小幅増加にとどまったとみられる。
○7-9 月期以降を見通すと、18 年度第2次補正予算や、19 年度本予算の執行本格化などを通じて、
公共投資は増加しよう。
一方で、海外経済の減速が続く中、景気の先行き不透明感は依然強く、輸出は弱含みで推移するだろう。
この流れを受けて企業業績の伸び率は鈍化するとみられ、設備投資は減速するとみられる。
他方、所得情勢の緩慢な改善を受けて、個人消費は小幅な増加にとどまる。
この結果、2019 年度の日本経済は、潜在成長率を下回る緩やかな成長となるだろう。
○以上をふまえ、2019 年度の実質GDP成長率は 0.5%(名目 1.2%)と予測した 北海道経済
■堅調な民需、公需の下支え、観光消費の回復などから、持ち直しテンポが高まる見通し
○足元までの道内経済をみていくと、住宅投資および輸出で弱い動きがみられるものの、
改元に伴う大型連休(10 連休)などによる観光入込客数の増勢持続に加えて、
個人消費や設備投資は底堅く推移しており、全体としては緩やかに持ち直している。
○2019 年度の道内景気を見通すと、
住宅投資は強い供給過剰感を背景とした貸家の減少傾向持続などに伴い弱い動きとなろう。
他方、@個人消費の緩やかな持ち直し基調持続、A設備投資の堅調さ、
B国土強靭化等に伴う公共投資の増加、C観光消費の増勢持続、などがプラス材料となり、
2018 年度から景気持ち直しのテンポが高まると予測した。
○以上をふまえ、2019 年度の実質道内経済成長率は 0.6%(名目 1.3%)と予測した 19 年度を見通すと、
住宅投資は強い供給過剰感を背景とした貸家の減少傾向持続などに伴い、前年水準を下回るとみる。
一方、個人消費は雇用・所得情勢の改善、旅行・娯楽といった「コト消費の増加」などを背景に、
緩やかな持ち直し基調を維持しよう。
企業部門をみると、設備投資は、製造業における能力増強、観光客受け入れ態勢整備の進展、
市街地再開発工事の本格化などに伴い、製造業・非製造業ともに増加すると予想。 公的部門では、政府消費が医療費の拡大、幼児教育・保育の無償化の実施などに伴う
現物社会給付の増加を受けて、伸び率は高まるとみる。
公共投資は、地震災害復旧工事を含む防災・減災、国土強靭化対策関連の本格化により、前年実績を上回ろう。
外需項目をみると、観光消費の好調さ持続、国内景気の緩やかな成長に伴い、移輸出は底堅く推移しよう。
控除項目である移輸入は、道内需要の持ち直し持続に伴い増加するとみる。
これらをまとめると、@個人消費の緩やかな持ち直し基調持続、A設備投資の堅調さ、
B国土強靭化等に伴う公共投資の増加、C観光消費の増勢持続、などがプラス材料となり、
18 年度から景気持ち直しのテンポが高まると予測した。 <需要項目別>
雇用・所得情勢
個人消費や住宅投資の動向に影響が大きい雇用・所得情勢について、まず民間部門をみていく
と、雇用面では、19 年6月の有効求人倍率(パート含む常用:1.16 倍)が 113 ヵ月連続で前年実
績を上回っており、労働需給は引き続き引き締まっている。
また、雇用者数は 14 年度半ばに底を打って以降、振れを伴いながらも増加基調を維持している。
一方、所得面について名目賃金指数(調査産業計、事業所規模5人以上)をみると、
16 年度半ば以降、夏冬の賞与時期に大きく変動するものの、均してみれば前年水準を上回って推移している。
ただ、19 年度の賞与は、企業業績の先行き不透明感の強まりなどを背景に前年実績を下回るとみられ、
所得面の改善は緩やかなものにとどまるだろう。
他方、政府部門(公務員)では、定員数削減が続く中、人事院勧告を受けて給与の引き上げなどが見込まれる。
この結果、官民合わせた雇用者報酬全体では、緩やかな増加基調が続くとみられる。
以上をふまえ、19 年度の名目雇用者報酬は前年比 1.0%増と予測した。 民間最終消費支出(以下、個人消費)
足元までの個人消費は、雇用環境の堅調さや所得情勢の緩やかな改善などを背景に、
持ち直しの動きが続いている。
供給(販売)側の統計をみると、主要6業態別小売店の合計販売額は、
コンビニエンスストアやドラッグストアをけん引役に、持ち直し基調で推移している。
また、4-6 月期では、大型連休に伴う行楽需要なども、消費の押し上げに働いたとみられる。
10 月に控える消費増税については、駆け込み需要後の反動減や家計における節約志向の高まり
などによる個人消費の腰折れは回避されるだろう。
19 年度を通してみると、@堅調な雇用環境・緩やかな所得情勢の改善、
A旅行・娯楽などの「コト消費増加」などを背景に、緩やかな持ち直し基調を維持しよう。
以上をふまえ、19 年度の実質個人消費は前年比 0.3%増(名目:同 0.5%増)と予測した。 民間住宅投資
住宅投資の先行指標となる新設住宅着工戸数は、19 年 4-5 月累計が前年同期比▲13.2%となった。
利用関係別にみると、持家(同 13.1%増)は、消費増税を見据えた駆け込み着工により前年を上回った。
また、分譲戸建て(同 17.0%増)は駆け込み着工に加えて、高止まりする持家・分譲マンションの
物件価格と比べた相対的な値ごろ感への支持も追い風となった。
一方で、供給過剰感などから投資抑制傾向が続く貸家(同▲24.3%)や、
消費増税を見据えた前倒しの動きが昨年度までにほぼ終了した分譲マンション(同▲57.0%)の減少が、
着工戸数全体の押し下げ要因となった。
こうした足元の動向をふまえて 19 年度を展望すると、貸家の減少傾向持続に加え、持家が減少に
転じるとみられることなどから、全体の着工戸数は3年連続で前年水準を下回ろう。 なお、政府による消費増税前後の需要を平準化するための各種施策による効果などもあり、
持家などの駆け込み着工は、前回増税時と比べ小幅にとどまっている。
この点を勘案すれば、駆け込み着工後の反動減も、前回増税時に比べると小幅な落ち込みにとどまろう。
利用関係別の着工戸数をみていくと、
持家は、消費増税を見据えた駆け込みによる先食い(18 年度第3四半期〜19 年度第1四半期)
の反動減を主因に、前年比▲1.2%と5年ぶりに前年実績を下回るとみられる。
貸家は、強い供給過剰感(空室率上昇や利回り低下→投資意欲を抑制)や、
用地不足などが引き続きネックとなり、同▲8.7%と3年連続の減少を見込む。 分譲住宅をみていくと、分譲マンションは札幌市内の再開発事業に伴う大型物件の着工状況などを
考慮して、同▲9.8%と3年連続で前年実績を下回るとみられる。
一方、分譲戸建ては駆け込み着工の反動減が下押し圧力となるも、相対的な値ごろ感から札幌市内近郊
の需要が底堅く推移するとみられ、同 1.7%増と4年連続で前年実績を上回ろう。
ただ、分譲住宅全体では、分譲戸建ての増加分よりも分譲マンションの減少分が大きいことから、
同▲3.5%と2年連続で前年実績を下回るとみられる。
以上をふまえ、19 年度の新設住宅着工戸数は 33,748 戸(前年比▲5.6%)と予測。
工事出来高ベースに展開した 19 年度の実質住宅投資は前年比▲1.8%(名目:同▲0.8%)と予測した。 民間設備投資(以下、設備投資)
建設投資の先行指標となる民間建築物着工床面積(非居住用)をみると、
19 年 4-5 月累計では前年同期比▲12.1%と前年実績を下回った。
用途別では、運輸(同 149.7%増)、教育関連(同 161.5%増)、医療・福祉(同 227.9%増)
などが増加したものの、製造業(同▲19.3%)、宿泊業・飲食サービス業(同▲72.4%)などが減少している。
一方、主要機関の設備投資計画アンケート調査の結果(直近期調査)をみると、
19 年度は製造業・非製造業とも前年から投資を積み増す計画となっており、
特に製造業での伸び率が高くなっている。
このため、民間建築物着工床面積(非居住用)は前年比ベースで次第に上向くと予想される。 こうした動きをふまえて 19 年度の設備投資を展望すると、
製造業・非製造業を問わず、道内経済における成長期待分野(食・観光・エネルギー)などを
中心に投資が上向くとみられる。
目的別では、能力増強、設備老朽化に伴う維持・更新(含む耐震化)、
人手不足に対応した省力化・合理化、都市機能の向上など、
本道の優位性や競争力をさらに高めるための投資がけん引役になろう。 製造業では、食料品製造業、化学工業、鉄鋼業などにおける需要拡大に対応した能力増強投資、
省力化・合理化投資が増加しよう。
また、非製造業では、
@空港関連・宿泊施設の新設および増改築など、観光客受け入れ態勢整備の進展(不動産、宿泊・飲食サービス)、
A札幌市内をはじめとする複数の市街地再開発工事の本格化(不動産)、
B風力発電など再生可能エネルギー関連の発電・送電施設整備(電力・ガスなど)、
といった分野における投資拡大が押し上げ要因になると見込んだ。
これらに加えて、病院・介護福祉施設などの新設、増改築(医療・福祉)、
大学をはじめとする教育関連施設の移転集約・新設および認定こども園等の整備拡充(教育)、
老朽化に伴う店舗等建て替えの増加(卸・小売)なども期待材料として挙げられる。
これらの結果、設備投資全体は増勢を維持するとみている。
以上をふまえ、19 年度の実質設備投資は前年比 3.0%増(名目:同 3.2%増)と予測した。 政府最終消費支出(以下、政府消費)
19 年度の政府消費を展望すると、各種政策(幼児教育・保育の無償化や消費増税)の実施に伴う、
現物社会給付などの増加を主因に、小幅ながら伸び率が高まるとみる。
項目別にみると、雇用者報酬(公務員)は定員数削減が続くものの、
人事院勧告を受けた給与引き上げなどに伴い、増加しよう。
固定資本減耗は、18 年度公共投資の減少による影響などもあり、引き続き低い伸び率となろう。
ウェートの大きい現物社会給付は、高齢者数の増加に伴う医療費の拡大に加えて、幼児教育・保育の無償化や、
消費増税に伴う診療報酬のプラス改定などを受けて、伸び率は高まると予想。
以上をふまえ、19 年度の実質政府消費は前年比 0.9%増(名目:同 1.7%増)と予測した。 公的固定資本形成(以下、公共投資)
昨年度、全国で豪雨・地震などによる大規模災害が相次ぐ中、道内でも地震による大きな災害が発生した。
これらの復旧に向けて、政府は「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を 18 年 12 月に策定した。
こうした中、公共投資の先行指標となる公共工事請負金額をみると、
19 年 4-6 月期では前年同期比 7.2%増と2四半期連続で前年実績を上回った。
足元における発注額は上向きつつある。
19 年度の公共投資を展望すると、政府による緊急対策が反映されることもあり、
地震災害復旧を含む河川や道路整備向けなどが、工事発注額の押し上げに寄与しよう。
発注部門別でみると、公的企業部門では、北海道新幹線工事(新函館北斗―札幌間)が上向くものの、
高速道路新設工事の減少に伴い、前年実績を下回ると予想。 一方、官公庁部門をみていくと、国(北海道開発事業費)は当初予算の増額に加えて、
18 年度第2次補正予算の大半が、19 年度に繰り越されたとみられるため、前年実績を大きく上回ると予想。
また、道・市町村は災害復旧、防災対策関連などへの重点的な取り組みに伴い、前年実績を上回る見込みである。
この結果、19 年度では、年度予算および前年度補正予算分による 4-6 月期以降の発注増に伴い、
投資額(出来高ベース)でも前年実績を上回ろう。
以上をふまえ、19 年度の実質公共投資は前年比 2.4%増(名目:同 4.2%増)と予測した。 財貨・サービスの移輸出(以下、移輸出)
財の移輸出について、まず、財の輸出をみると、19 年 4-6 月期(通関金額ベース・名目)
は前年同期比▲30.7%と大幅減となった。
年度を通じてみると、一部の道内主要工場の生産体制変更を受けた「化学製品」や「自動車の部分品」、
噴火湾のホタテ不漁を受けた「魚介類及び同調製品」などの減少が下押し圧力となり、
前年実績を下回る展開となろう。
次に、財の移出(北海道→都府県)について道内製造業による二次産品の生産動向をみると、
19 年度の鉱工業生産指数(原指数)は前年水準を下回る見通しである。
一方で、道内の主要産業である農水産業など一次産品の生産動向をみると、19 年度は前年実績を
上回る見通しである。 他方、サービスの移輸出について観光入込客数をみると、
昨年発生した地震の影響から一時的に減少に転じたものの、国・自治体の各種支援策
による下支え効果もあり、昨年末には増勢を取り戻している。
足元の動向をみると、サービスの輸出に含まれる海外客による観光消費では、
その参考指標となる外国人入国者数(19 年 4-6 月期)が前年比 9.7%増と、
31 四半期連続で前年実績を上回っている。
今後も各種イベントによる押し上げ効果もあり外国人観光客数は増勢が続くとみられ、
サービスの輸出は好調に推移するだろう。
一方、サービスの移出に含まれる道外(国内)客における観光消費では、来道者数の増加
(19 年 4-6 月期累計:前年同期比 3.8%増)を受けて、引き続き増加基調を維持するとみられ、
移出の押し上げに寄与しよう。
以上をふまえ、19 年度の実質移輸出は前年比 0.2%増(名目:同 1.2%増)と予測した。 財貨・サービスの移輸入(以下、移輸入)
移入(都府県→北海道)は、設備投資や公共投資など道内内需の堅調な推移
(19 年度実質:前年比寄与度 0.9%ポイント増)を受けて、設備機器や建設資材などを中心に増加が予想される。
一方、輸入では、19 年 4-6 月期(通関ベース・名目)が前年比 3.8%増となった。
ただ、年度を通じてみると、一部の道内主要工場の生産体制縮小に伴い「石油製品」の減少傾向
が続くことを勘案すれば、19 年度の輸入は前年実績を下回るとみられる。
以上をふまえ、19 年度の実質移輸入は前年比 0.7%増(名目:同 1.0%増)と予測した 生産側からみた道内経済見通し(主要業種別純生産)
□第2次産業
製造業
足元における製造工業生産指数をみていくと、
5月は 97.0(季節調整済・前月比 1.4%上昇)となり、3ヵ月ぶりに上昇した。
上昇は一時的要因によるものとみられ、低下基調が続いている。
原指数でみると、19 年 1-3 月期まで5四半期連続で前年同期比低下。
19 年 4-5 月平均も「電気機械」「化学・石油石炭製品」による下押しを主因に
92.6(同▲4.3%)となり、生産活動は低調と判断できる。 19 年度を展望すると、前年度に発生した地震などの災害復旧工事本格化や、
旺盛な設備投資需要を受けて、「金属製品」「窯業・土石製品」での増産が見込まれる。
また、生乳生産量の増加、工場新設備稼働、中食需要の拡大を受け、乳製品・加工食品をはじめとする
「食料品」は増産へ転じよう。
一方、生産ライン縮小や工場閉鎖による「化学・石油石炭製品」「パルプ・紙・紙加工品」での減産が、
大きな下押し圧力になるとみている。
これらの結果、製造業全体の産出額は、2年連続で前年実績を下回ると予想。
燃料価格や原材料価格が幾分落ち着きをみせていることから、中間投入比率は概ね横ばいで推移しよう。
以上をふまえ、19 年度における製造業の純生産は前年比▲2.7%と予測した。 建設業
民間からの受注工事額をみていくと、
「住宅」は、強い供給過剰感などを背景に投資意欲の弱さが続く貸家が下押し圧力となり、減少しよう。
「非住宅」は、観光客受け入れ態勢整備や市街地再開発工事の本格化などに伴い増加すると見込んでいる
一方、全体に占めるウェートが大きい官公庁からの受注工事額は、国や道における 19 年度予算の増加、
および前年度補正予算分の繰り越し執行などが押し上げ要因になると予想。
災害復旧工事を含む防災・減災、国土強靭化に関連する工事の本格化に伴い、前年水準を上回ろう。
これらの結果、19 年度の工事額(出来高ベース)は2年ぶりに増加へ転じる見通しである。
なお、コスト面では、建設資材価格や人件費などで緩やかな上昇が続こう。
以上をふまえ、19 年度における建設業の純生産は前年比 0.3%増と予測した。 □第1次産業
農業
主要作物の生育は、春先以降好天の日が多かったことから、総じて順調に推移している。出来
秋までの天候が平年並みで推移する前提で、全体として作柄は平年作を見込んだ。
19 年度の産出額(=粗生産額)を見通すと、
作物部門において、米は米食需要飽和に伴い価格が軟化(定番銘柄では上昇)するものの、
総体収量の増加効果(作付面積は減少も、不作だった前年に比べて単収増)を受けて増加。
小麦は収量増(不作だった前年から回復)に加えて価格も上昇(道産小麦への評価の高まりに伴う需要増)
が見込まれるため、前年実績を上回ろう。 一方、畜産部門では生乳がけん引。
肉用牛飼養頭数が減少するものの、農場大規模化に伴い乳用牛飼養頭数は増加しよう。
このため、生乳の産出額は、搾乳量増加に総合乳価引き上げも加わって、増加が見込まれる。
これらの結果、農業の産出額は作物部門・畜産部門ともに前年実績を上回り、
総体では前年比3.0%増を見込む。
また、前年大きく上昇した原油価格の落ち着きなどを主因に、農業資材など生産コストの
上昇テンポは幾分和らごう。
以上をふまえ、19 年度における農業の純生産は前年比 2.8%増と予測した。 水産業
主要魚種の漁獲量をみると、ホタテガイは、一部地区で落ち込みが予想されるものの、
全体の約8割を占めるオホーツク地区において、過年度発生した漁場被害からの回復傾向が持続する見通しである。
秋サケは凶漁に伴う低水準からの回復がみられた前年に引き続き、回復傾向が続くと予想。
産出額では、ホタテガイが緩やかな価格上昇に伴い、前年実績を上回ろう。
秋サケは漁獲量増加に伴う押し上げが見込まれる。
また、その他魚種の産出額は、資源不足・海水温上昇といった近年における漁場環境変化を背景として、
海面漁業ではやや減少を予想。
養殖漁業では“育てる漁業”の強化に伴う取り組み持続を背景に、堅調な推移を見込む。
これらの結果、水産業全体の産出額は前年比 5.0%増と、緩やかな持ち直しを予想。
原油価格の上昇一服に伴う燃料コストの緩やかな減少を受けて、
中間投入比率はやや低下すると見込まれる。純生産は4年ぶりに増加しよう。
以上をふまえ、19 年度における水産業の純生産は前年比 4.1%増と予測した □第3次産業
19 年度は住宅投資の減少に伴い、卸売・小売業(建設資材、家具、電化製品といった耐久消費財など)
の一部において、収益面での押し下げ要因になると見込まれる。
他方、@個人消費の緩やかな持ち直し、A観光入込客の増勢持続、
B市街地再開発工事の本格化、C防災・減災、国土強靭化に向けた公共投資の増加、
などが押し並べてプラス材料となろう。
また、農産物・水産物などの産出額増加も追い風だ。
これらに加えて、業務効率化をはじめとする生産性向上ニーズの高まり、仕入価格・人件費上昇分の価格転嫁、
などに向けた動きが徐々に進んでいくことから、幅広い業種において、収益面での押し上げ材料になろう。
以上をふまえ、19 年度における第3次産業の純生産は前年比 1.8%増と予測した。 平成 28 年度札幌市民経済計算 結果の概要
ttps://www.city.sapporo.jp/toukei/sna/documents/h28gaiyou.pdf
◆経済成長率 名目 0.6%(4年連続プラス) 実質 0.3%(2年連続プラス)
◆市内総生産 名目 6兆 7301 億円 実質 6兆 5907 億円
「専門・科学技術、業務支援サービス業」、「宿泊・飲食サービス業」などが増加に寄与
◆1人当たり市民所得 265 万7千円(前年度比 0.2%減)
2年ぶりに減少、全国との格差は拡大
◆市内総資本形成 1兆 1243 億円(前年度比 10.3%増)
「総固定資本形成」は「民間」、「公的」ともに増加 名目市内総生産を経済活動・産業別にみると、
「卸売・小売業」が1兆 970 億円(全体の 16.3%)、「不動産業」が 9222 億円(13.7%)、
「専門・科学技術、業務支援サービス業」が 8296 億円(12.3%)など。
前年度と比べると、「専門・科学技術、業務支援サービス業」が 278 億円の増加(3.5%増)
で最も増加が大きく、以下、「宿泊・飲食サービス業」が 175 億円の増加(8.8%増)、
「不動産業」が 158 億円の増加(1.7%増)、「保健衛生・社会事業」が 123 億円の増加(1.7%増)など。
一方、減少した産業をみると、「製造業」が 159 億円の減少(6.2%減)、
「金融・保険業」が 150 億円の減少(4.7%減)など。
増加寄与度をみると、「専門・科学技術、業務支援サービス業」がプラス 0.4%、
「宿泊・飲食サービス業」がプラス 0.3%、「不動産業」及び「保健衛生・社会事業」がともにプラス 0.2%
などとなっており、この4産業の寄与度が高くなっている。 市民所得(分配)
平成 28 年度の市民所得は5兆 2035 億円で前年度比 61 億円の増加(0.1%増)。
内訳をみると、「市民雇用者報酬」は3兆 7362 億円で 554 億円の増加(1.5%増)と
「財産所得」は 3165 億円で 183 億円の減少(5.5%減)、
「企業所得」は1兆 1507 億円で 310 億円の減少(2.6%減)。
1人当たり市民所得は 265 万7千円で5千円の減少(0.2%減)と、2年ぶりの減少。
1人当たり市(道)民所得の対全道比(北海道=100)は 101.5 で、前年度と比べて横ばい。
また、1人当たり市(国)民所得の対全国比(全国=100)は 86.2で、
前年度と比べて 0.5 ポイント低下。 平成 28 年度の市内総生産を各経済部門が購入した財貨・サービスの総額すなわち
最終生産物に対する支出の面からとらえ、これを項目別にみると、
「民間最終消費支出」は4兆 4029 億円で前年度比 112 億円の増加(0.3%増)、
「政府最終消費支出」は1兆 6540億円で 79 億円の増加(0.5%増)、
投資部門を示す「市内総資本形成」は1兆 1243 億円で 1049 億円の増加(10.3%増)。
「市内総資本形成」の内訳をみると、「総固定資本形成」は 9.1%の増加、「在庫品増加」は 175.5%の増加。
「総固定資本形成」の内訳をみると、公的総固定資本形成の「住宅」が 36 億円の減少(26.6%減)
「一般政府」が275 億円の増加(17.5%増)、民間総固定資本形成の「住宅」が 241 億円の増加(10.9%増)、
「企業設備」が 454 億円の増加(7.8%増)など。 「地域しごと創生」を巡る現状と課題について
・毎年、地方圏から東京圏へ、約10万人の若者が流出。
・最も働きたいと思う勤務地について、全都道府県の大学生に調査を行ったところ、
→3大都市圏及び福岡、北海道(札幌)で75%を占める。
・残る地方希望の就職人気先も、地方自治体、金融機関等、実業を支援する側の職場に集中する傾向がある。
・都道府県別に現金給与額(ボーナス等を除く)をみると、東京、神奈川、愛知、大阪が400万円を超える
一方、沖縄、青森は300万円を下回るなど、大都市圏と地方では、大きな開き。
・傾向としては、現金給与額の大きな自治体ほど、労働生産性も高い傾向に。
◆地域経済の伸び悩みの構造
・1990年代以降はどの地域においても趨勢的に製造業が低下、非製造業(すなわちサービス業)が上昇。
→サービス業の生産性対策に手を打たない限り、地域の生産性はますます低下。
・サービス業の労働生産性を見ると、労働集約型サービス業(複合サービス業、卸・小売、運輸、医療・福祉など)は
労働生産性が低いため、経済の労働集約型のサービス経済化によって、労働生産性が低下することになる。 ◆労働生産性の比較
・日本の生産性は、製造業を除き総じて低く、しかも、サービス業については、1991年から2012年の間に、その生産性が低下している。
特に、労働生産性の低いサービス業のシェアが拡大したことも、2013年に向けて我が国生産性低下の原因に。
・米国と比べると、製造業において高い生産性を誇る一方で、我が国のGDP及び就業者数の約7割を占め、
地域経済を支えるサービス産業を中心とした国内産業の生産性は低い水準にとどまる。
・県民所得を就業者数で除した労働生産性をみると、全国では2倍近くの大きな開き。
(「帰属家賃」が含まれているため、不動産価格の影響もあることに留意。)
・労働生産性は、産業構造に大きく左右。製造業の比率だけを重ね合わせてみても、一定の相関関係あり。
労働集約的な卸・小売、医療・福祉等のウエートが高く、かつ、その労働生産性が低い。
情報通信業、金融など生産性の高い業種を見ると、就業者構成比は低く、その生産性も倍近い開きがある。
◆企業規模と生産性、設備投資と生産性の相関関係
・非製造業では、製造業と比べて、労働生産性の低い中小企業や個人企業の構成比(従業者数)が高い。
・設備投資水準が高い都道府県ほど、労働生産性も高い傾向あり。
投資が活発な地域には製造業ウエートの高い都道府県が多く、結果として、その労働生産性も高めに出る傾向に。 ◆サービスの生産性向上に向けて
・一定の規模がないと投資を誘発できない側面あり。同業種間、異業種間など地域事業者間の連携を促しつつ、
一定の規模もしくは成長可能性のある投資案件の組成を促す。
・投資資金の活用や事業者間連携に慣れた海外や全国規模の事業者とも積極的に連携し、域外から地方への投資を引き出す。
・他方、今の事業規模のままでも、宿泊業における従業員の働き方など改善できる項目はあり。地道な改善活動を推進する。
また、知見の共有、支援拠点の整備、人材育成など、様々な形でサービス業の改善支援環境を整える。
◆ものづくり企業の現状
・全国には約43万のものづくり企業が存在。
このうち、既にグローバル市場で活躍する実力を持ったグローバル成長企業が数百社。
独自の販路を持ち地域経済を牽引できる実力のある地域成長企業が数千社存在。
・数千社の成長企業には、グローバル成長企業のポテンシャルを持つ企業が多数存在。
また、隠れた実力を持ち成長企業となるポテンシャルを持ちながら、既存の取引の中で埋もれている隠れた企業が数万の単位で存在。
これらをどう引き上げるかが鍵。 ◆地域経済の課題
「生産・販売→分配→支出」の地域経済循環拡大には、「域外からの稼ぐ力」か「域外からの投資」が必要。
・どちらも弱い地域経済は、日本経済全体の好不調と関係なく、同じ規模で回り続ける傾向あり。
・マーケテイングと販路開拓に弱く、域外から稼ぐ力を上げられない。
また思い切ったマーケテイングや販路開拓に取り組もうとすれば、地域資源を均等かつ平等に取り扱うことが難しく、
地域内部の利害関係を調整しきれないために、次の一歩を踏み出せないことも多い。
・外部からの投資資金を活用した経験が浅い。
かつての日本の大企業のように、メインバンク、持ち株方式が主流となっているため、直接外部から資金を調達した経験に乏しい。
また、外部の投資家目線を受け入れたことがないために、経営ガバナンスが脆弱な場合が多い。 →プロジェクト組成をリードする人材の不足(特に、よそ者or若者パワーの不足)
→民間活力を活用した事業設計・管理ノウハウの不足(特に、投資を引き入れるガバナンス経験の不足)
→思い切った戦略プロジェクトの立ち上げ資金の不足(特に、シーズ段階の事業を立ち上げる成長資金の不足)
◆地域商社と中規模市場
小規模地元市場 : 域内 * 地元ファン 市場 商品の良さについて説明が不要。しかし、規模と値付けに限界。
大規模全国市場 : 域外 * No地元ファン 市場 競合過多の既存市場の取り合いに。入り込めば、商品の性格も変容。
新たな中規模市場: 域外 * 地元ファン 市場 本来の商品の良さをそのままに、本当に好きな域外の人に販売 ◆地域商社機能の整備
新たな中規模市場の開拓のためには、以下の3課題の克服が必要
@ 多くの生産者が、直接販売経験がなく、値付けも商品開発も弱い
A 個々の生産者で、独自に販路を開拓するのは困難。
B 独自販路を維持するには、顧客リストと商品ラインアップが不可欠
◆イノベーションの視点から見た地域企業の課題
課題1:技術のBlack Box
・隠れた成長企業を中心に、レベルも分野もまちまちな状態のまま既存取引の中で優れた技術が死蔵。
・企業経営者も、新たな販路開拓より、既存取引の維持と技術の秘匿に関心。
課題2:弱い投資家リンク
・産学連携R&Dプロジェクトはじめ公的支援支援は行われているが、研究開発成果の事業化支援、
投資家リンクが弱体。成長企業への脱皮を困難に。
◆日本版イノベーション・エコシステムの構築に向けた検討課題
対応1:中核企業支援、プロフェッショナル人材事業などにより、経営者に新たな事業展開を促す。
対応2:目利きサービス事業者や、VC、標準専門家などが総掛かりで、眠れる技術を探し当てる。
対応3:投資家・事業家からなるグローバル・コーデイネータ・コミュニテイを形成し、
地域の技術を世界の市場へとつなげるパイプを太くする。 世界をみてみるとデータ量は2年ごとに倍増し、ハードウェアの性能は、指数関数的に進化する。
これまで実現不可能と思われていた社会の実現が可能に。これに伴い、産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性も・・・。
こうした中で、世界各国で第4次産業革命の新技術・新事業を自国に引き込むための国際競争が激化している。
サンドボックス制度を有する国家間での新技術確保・人材確保の競争が始まっている。
置かれた規制環境を利用して、実証・実験のハブとなろうとしている国も存在する。
ICTの発達により、様々な経済活動等を逐一データ化し、そうしたビッグデータを、インターネット等を通じて集約した上で分析・活用する
ことにより、新たな経済価値が生まれている。また、AIにビッグデータを与えることにより、単なる情報解析だけでなく、
複雑な判断を伴う労働やサービスの機械による提供が可能となるとともに、様々な社会問題等の解決に資することが期待されている。 ◆第4次産業革命でどう変わる?
・人の能力を補完 ⇒ より創造的な仕事に移行し、担い手不足を解消。
・個人の趣向に合わせた製品やサービスの提供 ⇒ 生活の質の向上。
・関連情報の見える化 ⇒ 生産性、効率性の飛躍的な向上
◆第4次産業革命の基盤技術
・集まった大量のデータを分析し、新たな価値を産む形で利用可能に(ビッグデータ)
・多様かつ複雑な作業についても自動化が可能に(ロボット)
・実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可能に(IoT)
・機械が自ら学習し、人間を超える高度な判断が可能に(人工知能(AI)) ◆各戦略分野における具体的戦略
1「移動する」(ヒトの移動、モノの移動)
2「生み出す、手に入れる」(スマートサプライチェーン、製造・生産現場における高度化・効率化)
3「健康を維持する、生涯活躍する」(健康、医療、介護)
4「暮らす」(「新たな街」づくり、シェアリングエコノミー、FinTech)
◆新たな経済社会システムの構築:産業構造・就業構造変革による横断的課題
1ルールの高度化(データ、知財、標準、規制・制度)
2イノベーションエコシステム(CoE拠点、産学連携・大学、企業R&D、AIロードマップ、ベンチャー)
3経済の新陳代謝システム(リスクマネー・無形資産投資、事業再編・産業構造転換、ガバナンス・対話)
4人材育成・活用システム
5社会保障システム
6地域・中小企業システム
7グローバル展開 ◆第4次産業革命をリードする地域づくり
@データ利活用促進に向けた環境整備
データプラットフォームの構築、データ流通市場の創成
個人データの利活用の促進
セキュリティ技術開発や人材育成等の強化
第4次産業革命における知的財産政策の在り方
第4次産業革命に対応した競争政策の在り方
A人材育成・獲得、雇用システムの柔軟性向上
新たなニーズに対応した教育システムの構築
グローバルな人材獲得
多様な労働参画の促進
労働市場・雇用制度の柔軟性向上
Bイノベーション・技術開発の加速化(「Society5.0」)
オープンイノベーションシステムの構築
世界をリードするイノベーション拠点の整備・国家プロジェクト構築・社会実装の加速(人工知能等)
知財マネジメントや国際標準化の戦略的推進 Cファイナンス機能の強化
リスクマネー供給に向けたエクイティファインナンスの強化
第4次産業革命に向けた無形資産投資の活性化
FinTechを核とした金融・決済機能の高度化
D産業構造・就業構造転換の円滑化
迅速・果断な意思決定を可能とするガバナンス体制の構築
迅速かつ柔軟な事業再生・事業再編等を可能とする制度・環境整備
E第4次産業革命の中小企業、地域経済への波及
中小企業、地域におけるIoT等導入・利活用基盤の構築
F第4次産業革命に向けた経済社会システムの高度化
第4次産業革命に対応した規制改革の在り方
データを活用した行政サービスの向上
戦略的な連携等を通じたグローバル展開の強化
第4次産業革命の社会への浸透 第5世代移動通信システム「5G」とは?
ttps://5gmf.jp/about-5g/
2020年以降のマーケット状況や移動通信に求められる要求条件を考慮し、
移動通信システムのさらなる高度化として、第5世代移動通信システム(5G)
の検討が世界的に進められている。
本稿では、複数の5G研究団体や学会などで議論されている5Gのユースケース
を踏まえた要求条件および技術について5Gの概要として述べる。 (1)高速・大容量化
現在、LTEの普及が世界的に進み、LTE-Advancedの導入も一部地域で開始されている。
これらシステムにより、移動通信システムの高速化、大容量化が図られ、
スマートフォンの普及に伴うトラヒックの増加に対しても、当面はユーザーニーズを
満たすことができると考えられる。
しかしながら2020年代を考えた場合に、ウェアラブルデバイスの本格的な普及や4K/8K動画に
代表される動画コンテンツの大容量化、娯楽や宣伝のみならず、セキュリティ、医療、教育も含め、
高精細静止画・動画コンテンツのニーズはより一層高まると予想される。
これらのユースケースを想定すると、2020年代のトラヒック量は、2010年のトラヒック量から
1000倍に増加すると予想されており、5Gシステム容量はこれをサポートすることが大容量化の
要求条件となっている。また、これらの大容量コンテンツをユーザーが快適に利用できるようにするために、
高速化の要求条件は10Gbps以上の速度を達成することが要求条件となっている。 (2)超多数端末接続
現在、人と人の通信やサーバー上のコンテンツを人が利用する人と物の通信が主要な通信形態であるが、
IoT(Internet of Things)やM2M(machine to Machine)通信に代表される、
物対物の通信に対する期待が高まっている。電力・ガスなどのメーターに対する通信モジュールの設置は現在、
普及段階にあり、農業、畜産業、建築物に対するセンサーの設置に対する要求も高まっている。
2020年代には、これらの普及がより一層進むと考えられ、さらに、多種多様なものに通信モジュールを
設置することで、ユーザーに対する利便性の向上、セキュリティ向上、コスト削減などの効果が期待できる。 特に自動車や電車などの輸送機器に対する移動通信の期待は高く、自動運転含むドライバーのサポートや、
娯楽、安全性の向上等のユースケースがよりいっそう重要視される。
家電や家屋、オフィスに対する遠隔制御やセキュリティ確保もより普及すると考えられる。
また、ウェアラブル端末のような人に対する通信手段も多様化すると考えられる。
眼鏡型端末が代表例としてあげられるが、2020年代には触感通信も実用化されると考えられており、
触感を利用したサービスの普及も予想される。
また、ヘルスケアのために衣類などにセンサーと通信機能をもつデバイスを設置するというような
ユースケースも考慮されている。
これらユースケースの多様化を考慮すると、現状と比較して極めて多くの端末が存在すると考えられており、
5Gに向けては現状の100倍以上の端末接続をサポートすることが要求されている。 (3)超低遅延、超高信頼性
LTE / LTE-Advancedにおいても、数十ミリ秒程度の低伝送遅延を実現できているが、
2020年代に向けては、触感通信など、ユースケースによってはさらなる低遅延が要求される。
さらに、低遅延かつ高信頼性が求められるユースケースも挙げられている。
車対車通信による事故回避や、ロボットの遠隔制御等が高信頼性のユースケースとして挙げられている。
これらのユースケースを踏まえ、遅延に関してはend-to-endでミリ秒オーダーの低遅延が要求され、
特に無線区間においては1ミリ秒以下の伝送遅延が要求される。
更に高信頼性に関しては、99.999パーセントの信頼性が求められる。
ただし、これら低遅延、高信頼性の実現を常にどこでも実現することは、技術的には可能であっても、
ネットワーク構築費用的には非現実的であり、特定のユースケースでのみ実現可能とする等の考慮が必要とされている。 (4)省電力化、低コスト化
省電力化の要求はあらゆる産業や社会に於いて重要視されており、ICT産業に於いても例外ではない。
ICT産業の発展に伴い、ICT産業のしめる電力消費の割合は増加傾向にあり、
無視できない状況である。
更に通信事業者のシステム運用のコスト低減のためにも、省電力化は非常に重要な要求条件となっている。
低コスト化については、過去あらゆる世代の移動通信システムで定性的な要求条件として考慮されており、
5Gに向けても重視する必要がある。
特に、トラヒックの延びが顕著な現状において、通信事業者の収入増加は逆に鈍化傾向にあり、
5Gに向けてはより一層の低コスト化が求められる。
現段階で、省電力化および低コスト化に関する要求条件として、その定義の仕方とともに具体的な要求条件
の数値が世界的に明確になってはいないが、省電力化および低コスト化は5Gの重要な要求条件として
考慮されている。 5G無線技術
〜高周波数帯の利用や超多素子アンテナ技術が有力候補に
1)高周波数帯の活用
前述の高速大容量化の要求条件を満たすには、無線アクセス技術の進歩だけでは達成は困難であり、
さらなる小セル化とともに周波数の拡張も必須である。
特に、10Gbpsの伝送速度を達成するには、数百MHz以上の周波数帯域幅が必要である。
その一方で、これまで移動通信向けに利用されてきた数百MHzから3GHz程度の周波数帯は、
移動通信はじめ多くの無線システムで既に利用されており、これらの周波数帯での追加周波数割当
は世界的に困難な状況である。
ましてや、数百MHz以上の周波数帯域幅をこの周波数帯で新たに5G向けに割り当てることはほぼ不可能といえる。
そこで5Gでは、これまで移動通信に用いられていなかった準ミリ波からミリ波までも考慮した
高周波数帯の利用と、それを可能とするための技術への期待が高まっている。
具体的には、最大100GHzまでを対象とした検討が進められている。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています