野村不、名古屋中心部にマンション、260億円投じ6棟
日本経済新聞 2017/5/17 7:05
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO16473020W7A510C1L91000/

 野村不動産は約260億円を投じ、名古屋中心部に今後3年間でマンション6棟を建設する。
戸建て需要が強い中部では東京などよりマンション建設が遅れてきたが、高齢者を中心に
手入れの手間が少ないマンションにシフトする動きが広がっている。リニア中央新幹線の開
業で都心部への人口集中が一段と進むと判断し、名古屋中心部でのマンション販売を強化
する。

野村不動産は名古屋市の栄地区に分譲マンションの販売拠点を設ける(イメージ図)
http://www.nikkei.com/content/pic/20170517/96958A9E889DE3E4E6E5E1E2E0E2E3E4E2E7E0E2E3E59EEBE3E2E2E2-DSXMZO1646944016052017L91002-PB1-3.jpg

 野村不は2020年3月までに名古屋市中区と東区に分譲マンション6棟を建設する。合計
600戸以上で、価格は3LDKで4000万〜8000万円程度。販売単価が1億円以上の「億ション」
も用意する。

 これまで同社は名古屋市や周辺市で約200物件のマンションを供給してきたが、郊外が
中心で、栄や伏見地区など名古屋中心部では6物件にとどまっていた。

 モデルルームを備えた販売拠点「プラウドラウンジ名古屋」を7月中旬までに市営地下鉄
栄駅近くに開設。19年3月末まで常設する。

 構想から約30年かけて野村不が販売にこぎ着けたマンション「プラウドタワー名古屋栄」
の売れ行きが好調だったことが背景。総戸数347戸、地上29階建ての大規模マンションに
スーパーマーケットやレストラン、医療施設も入居する。「半年で完売し、名古屋では記録
的な売れ行きだった」(同社)という。購入者のうち、60歳以上が3〜4割を占めた。

 三井不動産レジデンシャルも18年に名古屋市中心部の丸の内地区で分譲マンションを
完成させる。市営地下鉄丸の内駅から徒歩2分と駅にも近く、久屋大通駅や伏見駅も徒歩
圏内だ。アクセスの良さなどを売り込む。

 従来、車社会の愛知県では戸建て需要が根強く、東京や大阪などに比べて都心部の
マンション建設が遅れていた。

 だが少子高齢化などに伴い、住宅購入者の嗜好も変わってきた。東京カンテイ名古屋
支店の有馬義之ゼネラルマネージャーは「高齢者を中心に戸建てより住みやすい都心の
マンションを選ぶ人が増えてきた」と指摘する。なかでも伏見駅を中心にした半径2キロメ
ートル範囲だけで16年6月から18年7月にかけて約20物件の完成、および建設が予定さ
れている。

 積水ハウスが伏見地区で手がける複合施設「御園座タワー」も今年12月に完成予定だが、
既にほぼ完売したもよう。同地区では20年度の完成に向け、「錦二丁目7番街区」の再開
発事業も進んでおり、約300戸のタワーマンションや商業施設の大型複合再開発が控える。
消費者のニーズの変化と物件の供給が合わさり、名古屋でも都心部でマンションの集積
が進みつつある。