二〇一六年に本社機能を首都圏四都県に移した企業は三百十社で、他道府県への転出二百十七社を九十三上回り、六年連続の転入超過となったことが二十一日、帝国データバンクの調査で分かった。転入超過数は比較可能なデータがある一九八一年以降
 過去最多だった一五年の百四社に次ぐ多さ。


 地方創生を掲げる政府は、減税制度を創設して企業に地方移転を促しているが、なお東京一極集中に歯止めがかかっていない状況だ。四都県は東京、埼玉、千葉、神奈川。


 転入・転出の状況を道府県別にみると、大阪からの転入が七十五社と最も多く、全体のほぼ四分の一を占めた。次いで愛知三十一社、北海道二十社、茨城十九社、静岡十七社だった。


 一方、転出先は多い順に、茨城二十四社、大阪二十一社、静岡二十社、愛知十六社、群馬十四社だった。


 帝国データバンクは「首都圏は取引先が集中するため営業面の利便性が高く、最先端の情報も多いとメリットを感じている企業が多い。一方、人手不足に直面する地方への転出は減少傾向にある」と指摘している。


 同社がデータを持つ全国百四十六万社について、登記上の本社のほか、総務や人事部門といった本社機能も含めた移転の有無を調べた。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201703/CK2017032202000113.html