路面電車見直された割には増えてないってどうよ?
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>>1
世界1の大都会、多極集中【東京】がどれくらい巨大都市か
一極集中【ニューヨーク】newyorkと比較した■4K空撮360°パノラマ
https://
www.youtube.com/watch?v=s5KWgPVzJSA
東京はニューヨークの何10倍都会?■4K空撮360°パノラマ
https://
www.youtube.com/watch?v=4_ReWJ0PuFo
ニューヨークって人口は東京くらい多いが市街地がクソ狭くて
日本の都市に例えると札幌か名古屋か博多くらいの規模。
文明、インフラ、テクノロジーの発達が日本の昭和時代に負けるレベルで、
ビル、施設や道路もどこもボロくて汚くて貧乏で臭い。
鉄道は小規模な地下鉄網しかなく、エレベーターも無い、駅も車両も
ボロくて汚い貧乏施設の上に常にションベン臭い。
https://
pds.exblog.jp/pds/1/201206/07/05/b0007805_11272056.jpg
東京どころか大阪より圧倒的に田舎で全てが劣る。
https://
onyanco.mkosugi.com/wp-content/uploads/2018/04/tokyotrain.jpg
ニューヨークって「人口が多いだけの貧乏発展途上国の貧乏田舎都市」
そのものなんだよなぁ
アメリカじゃ大都会扱いのシカゴもロサンゼルスもサンフランシスコも
ショボくて日本の全都道府県どこにもある30万人都市クラスで
広島、仙台より圧倒的に田舎でショボい。
アメリカは広島、仙台より都会がニューヨークしかないド田舎の国。
けど、こんなド田舎の貧乏発展途上国アメリカが世界に影響を与え続けてるって
凄いなぁとも思った
先進国に認定された事が無い中国、韓国などの底辺の貧乏発展途上国は
アメリカよりさらに文明、インフラ、テクノロジーが圧倒的に未発達な
上にド田舎で、経済もド貧乏で汚いボロ家住まいの奴ばかりだけどね。
世界一の超高層ビル大国、世界一の大都会大国、
世界一の多極都市、世界一の巨大都市、世界一の文明国、
世界一の先進国、世界一の金持ち経済大国
【 Youtube 解説動画 】 このままガソリン価格が上がれば路面電車復活するんだろうか そろそろまじめにやろうぜ
路面電車の運賃、沿線地域が同意なら値上げ可能に…コロナ禍の業績悪化受け制度改正
2022/02/22 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20220221-OYT1T50292/
国土交通省は、コロナ禍が経営を直撃している全国の路面電車網を維持するため、
運賃制度を改める方針を固めた。沿線地域の同意を得れば、値上げを行いやすくする。
3月にも路面電車を対象とする軌道法の関連通達を改正する。
路面電車の運賃は、電気やガスと同様に、人件費や設備維持費など必要コストに、
一定利潤を上乗せして算出する「総括原価方式」に基づいて決まる。現在、
値上げを行うには、事業者は原則3年先まで赤字が続くとの見通しを十分に示し、
国から認可を得る必要がある。
改正後は、自治体など地元関係者らで構成する協議会の場で合意を得られれば値上げできるようにする。
コロナ禍で路面電車の乗客数は大幅に減っており、3年先まで連続して赤字に
陥ることまでは見通せないものの、経営状況が深刻な事業者が増えているという。
急速な業績悪化を放置すれば、地域交通網の縮小を招きかねないと判断した。
国交省によると、路面電車は昨年9月時点で全国21都市に敷設され、
総延長は206キロ・メートル。 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! 全国のLRT導入ムードに暗雲も
梅原 淳 : 鉄道ジャーナリスト
2015/10/16 13:30
https://toyokeizai.net/articles/-/88225
都市の道路上に敷設されたレールの上を走る路面電車は、鉄道のなかでもひときわ注目を浴びる存在だ。
その度合いは蒸気機関車や寝台列車に匹敵する。
かつては都市の交通機関として人々の移動を支えてきた路面電車も、1960年代から1970年代にかけて
多くが廃止となってしまった。それでも1980年代以降、路面電車は何度か見直され、低床式の高性能車両の導入、
それに一部の都市では路線の延伸が実施されている。
近年になって路面電車をLRT(Light Rail Transit、低床式車両を活用した交通システム)へと転換させようとする動きも見られる。
しかし、全体的な傾向としてみれば路面電車は旧態依然のままであり、21世紀の都市にふさわしい姿へと変化を遂げていない。
(以下ソース) 都心部ビジョン策定 宇都宮市、LRTを公共交通の基軸に
3/4 5:00
https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/561019
【宇都宮】市はこのほど、JR宇都宮駅付近から桜通り十文字付近にかけての将来像を示す
「都心部まちづくりビジョン」を策定した。計画中の次世代型路面電車(LRT)の同駅西側延伸
を踏まえ、公共交通と一体となった都心部の活性化を進める内容となった。
同ビジョンは、2030年頃の都心部を見据え、芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会の
「LRTまちづくり部会」が19年9月から検討を重ねてきた。
主な特徴は、(1)LRTなどを活用したまちづくり(2)「宇都宮らしさ」をより高める視点(3)地域の
成り立ちを踏まえたエリア別の将来像−の3点。
市が公共交通の基軸とするLRTを踏まえ、ビジョンでは「定時性・速達性」という特性を生かした
まちづくりを描いた。大通りでの移動時間が予測でき移動ストレスが低減することで、人の動きが
活発になり、多様性のある一体的な空間を創出。周辺地域から都心部にアクセスしやすい環境
づくりも進める。 路面電車建設「反対意見」は本当に正しいか 道路の邪魔、バスで十分…欧州の例から検証
橋爪 智之 : 欧州鉄道フォトライター
2018/03/11 9:00
https://toyokeizai.net/articles/-/211826
栃木県宇都宮市で、路面電車建設に対する動きが活発化してきた。昨年9月の宇都宮市議会、
および翌月の栃木県議会でも建設案が可決され、今年3月に着工する運びとなった。今回、
着工が予定されている、宇都宮駅東口から芳賀町にある本田技研正門までの14.6キロが
完成すれば、地域の利便性は格段に向上することだろう。
しかし、現段階においても路面電車建設に反対する声はまだまだある。富山や福井などで
路面電車がそれなりの成功を収めたにもかかわらず、まだ道路交通に頼ろうという声が
聞かれるのは、宇都宮市が過去に路面電車が走った歴史がない都市であることも関係
しているかもしれない。
だが、その反対理由の中には、誤解から生じたと思われるものも少なくない。海外では
先進的な都市交通として、各地で建設や路線網拡大が行われている路面電車だが、
日本では宇都宮市に限らず、既存の路面電車を高規格化・路線延伸するといった
事業に対しても、反対意見が一定数存在する。
(以下ソース) 路面電車のアナウンスでプロポーズ、いかが
神崎卓征2022年2月22日 9時30分
https://www.asahi.com/articles/ASQ2P6R54Q2GPPZB006.html
スマートフォンに録音したメッセージを、路面電車の車内でアナウンス――。岡山電気軌道が
そんなサービスを23日から始める。題して「メッセージ伝車(でんしゃ)」。家族への感謝やプロポーズもOKだ。
録音の募集は23日まで。専用サイト(https://okaden-message.jp/別ウインドウで開きます)にアクセスし、
電停を選択。スマホで次の電停名を読み上げ、好きなメッセージを録音する。メッセージが採用されれば
アナウンスされる時刻が本人に連絡される。
運行は23、26、27日の3日間、午前11時から午後4時の間。さて、どんなメッセージが並ぶか。担当者は
「熱い思いを伝えるお手伝いがしたい」と話す。(神崎卓征) 【速報】広電の路面電車、中扉からも降車可に 12日から順次
3/7(月) 16:30配信
中国新聞デジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/8627c3f70de9bea6213b342bee8407a9528eca9b
広島電鉄(広島市中区)は7日、路面電車の連結車両で、12日から順次、乗車専用だった中扉からも
降りられるようにすると発表した。カード型IC乗車券の利用者が対象で、どの扉でも降りられるようになる。 >>375
@最高時速が40km/hな上に信号待ちが長いので評定速度が遅い
A事故が多い
B全長30mという制限がある上に電停の改修も必要で輸送力が高められない
C運転用電力の消費率が高い
ということか 路面電車、バスの乗車券システム クラウドで初の商用化 レシップなど開発着手
2022年3月5日 05:00
レシップホールディングス子会社の...
(ここからは有料コンテンツになります。会員登録が必要です。)
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/49802 長崎市宝町で朝の通勤時間帯に路面電車と車の事故 けが人なし
テレビ長崎
2022年3月4日 金曜 午前11:45
https://www.fnn.jp/articles/-/324788
4日朝、長崎市の国道で、路面電車と車が衝突する事故がありました。
けが人はいませんでしたが、通勤時間帯に、電車が約30分間にわたり
運行を見合わせました。
事故があったのは、長崎市宝町の国道206号です。
警察などによりますと、4日午前8時半すぎ、交差点を右折しようとして
軌道敷内に入った60代の男性が運転する普通乗用車と、赤迫発 崇福寺
行きの路面電車が衝突しました。
男性と、電車の乗員・乗客あわせて約50人にけがはありませんでした。
長崎電気軌道によりますと、この事故により約30分間、1号系統の
下り線11本が運行を見合わせ、約550人に影響が出ました。 常識破りの「観光路面電車」は世界を驚かすか
2019年1月27日 5時20分
https://news.livedoor.com/article_detail/15931888/
岡山市内で路面電車を運行する岡山電気軌道が、驚くべき観光電車を登場させた。その名は「おかでんチャギントン電車」。英国発の人気鉄道CGアニメ「チャギントン」に登場する車両を、そのまま実物にしてしまったのだ。
デザインはキャラそのもの
2018年のクリスマスに報道公開されると、集まった報道陣はその内外装に度肝を抜かれた。 車両は青い「ブルースター」と赤い「ウィルソン」の2両。先頭部の形状からして、これまでの路面電車から見れば「非常識」だ。愛嬌のある”顔”はチャギントンのアニメに出てくるキャラクターそのもの。ボンネットタイプの独自の形状は明らかに量産に向かない。しかも、運転席には目玉までついている。この目玉はカーテンに描かれており、運転時には巻き上げるようにできているが、後方は目玉の状態にするという。
側面の窓も2両で形が異なり、ブルースターは角形なのに対してウィルソンは丸窓。運転席の上にはラッパまでついているが、これらの特徴もアニメに登場するキャラクターそのものだ。
デザインを手掛けたのは、JR九州の車両で知られ、岡山電気軌道など両備グループのデザイン顧問である水戸岡鋭冶氏。原作のモデルがある車両には初めて取り組んだという。 観光客向けの路面電車としては、歴史的な車両を復元した函館市電の「箱館ハイカラ號」や、かつての電車をイメージしたレトロ車両である鹿児島市電の「かごでん」などがあるほか、海外からの輸入車両を活用した高知県のとさでん交通の貸切運行などもある。だが、これらは通常運賃をベースとした利用料金、あるいは貸切料金だ。
一方「おかでんチャギントン電車」は最近各地の鉄道で見られる観光用列車と同じく、この車両に乗ることを目的とした集客を行い、その付加価値に対して対価を得る形で運行する。その点で、ほかの観光客向け路面電車とは異なり、国内初の「本格的な」観光路面電車であるといえる。 この日は車内が初公開となったが、これまた実にユニークだ。至る所にチャギントンに登場するキャラクターが描かれており、座席はそれらのキャラクターを引き立たせる華やかな柄と暖色系の色合い。カーテンはなんと三重構造になっており、それぞれにチャギントンのキャラクターが描かれている。シチュエーションによって雰囲気を変えることを想定した仕様だという。 不思議な構造の座席、そのわけは…
座席には、観光列車では常識ともいえる1人ずつのシートの区分は見当たらない。さらに、座りやすそうな部分の背もたれに出っ張りがあったり、座面の手前に柵があったりして、どうみても大人の体では使いにくそうだ。
この出っ張りについて、水戸岡氏は1〜2歳の子どもが座ることができるようにしたと説明する。なるほど、素足でシートに上がり、この出っ張りに腰掛けると、子どもにとってはシートの座面が「床」になる。ちゃんと頭載せ(ヘッドレスト)もついているし、ひざを載せて窓の外を見ることもできそうだ。
そこで子どもが間違って転落しないように、シートが狭いところには柵も設けてあるほか、テーブルなどはぶつかってもけがをしないようにとすべて丸く面取りをしてある。床にはモニターが埋め込まれていて、チャギントンの映像を流すのだそうだ。子どもたちはシートも床面も関係なく車内を走り回ることだろう。ちなみに、チャギントンの対象は未就学児だそうだ。
そんな子ども目線を前提としているため、通常は無味乾燥な座席下までキャラクターが描かれ、床面にはぜいたくな寄せ木細工が使われている。また、天井は電気鋳造による格天井となっており、それぞれの格子にはチャギントンのキャラクターが描かれている。水戸岡氏によると、子どもは実に目がよいので細かいところにも手を抜いていないのだそうだ。「本物」を体験させることが重要なのだという。
実はチャギントンのアニメには車内が描かれていない。それだけに、どのような車内とするかは、子どもがどんな遊び方をするかも含めて想像をめぐらせながら手探りで進めることとなった。予想以上に手間と時間を要する、しかし面白く楽しい案件だったと水戸岡氏はいう。
車両の製造費用は約5億円。設計のベースとなった電車「MOMO」はいま2編成在籍しているが、2本目の「MOMO2」が2億8000万円だったため、8割ほど製造費が高い。いかに思い切った投資かがわかろう。
岡山電気軌道の小嶋光信社長(両備グループ代表)はその点について、公共交通を利用することで「歩いて楽しいまちづくり」と「子どもの楽しいまちづくり」という2大テーマによる地域活性化に取り組む一環と位置付けていると説明する。チャギントン電車単体での利益を考えているわけではなく、この電車が走ることによる地域への注目度向上や集客効果を重要視しているといえるだろう。 路面電車の新たな方向性
運行開始は3月16日から。コースは岡山駅前発と、車庫のある東山発の2つがあり、平日は計4回、土休日は計5回運行する。定員は大人16人・子ども20人で、料金は大人3500円、子ども2000円(土日祝)。乗車時間約1時間でこの金額は一見割高な感じもするが、岡山電気軌道の1日乗車券と記念品、東山にある「おかでんミュージアム」の入館券(大人1000円、子ども500円)が付く。
応募多数の場合は抽選となるが、初回の3月16日〜31日の運転日14日間の予約数は応募締切1週間前の時点で2000人超に達し、締切日には、申し込み代表者の数だけで1100人を超えたという。2〜3人の子連れでの参加であろうから相当な数で、滑り出しは好調のようだ。公式ウェブサイトには「世界初!」「さあ!岡山へ行こう!」との文言が躍る。おかでんチャギントン電車は、路面電車ではこれまでなかったタイプの「観光電車」という新たな方向性を打ち出す車両として注目されそうだ。 転スラ路面電車、関西初上陸!阪堺電車に擬態して走行開始!
#転生したら阪堺電車やった件 #転スラ路面電車
株式会社講談社
2022年2月17日 11時35分
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003989.000001719.html
リムル様の全国行脚は大阪の地で一区切りを迎えます!富山地鉄、長崎電気軌道、福井鉄道、とさでん交通、都電荒川線、函館市電、広島電鉄、鹿児島市電に続き、9路線勢揃い!そしてフォトコンテスト企画も発動!? 昨年夏から始まったリムル様の?路面電車擬態?全国行脚の旅。日本全国9路線で勢揃いとなりました。
シリーズ累計3,000万部を突破し、Jリーグとのコラボでも話題の『転生したらスライムだった件』、
今秋公開の劇場版にも期待が高まるばかりです。
さて今回はリムル様の擬態する路面電車の関西初登場のニュースです。日本全国、北は北海道、南は鹿児島まで全9路線となります!『転生したら阪堺電車やった件』のロゴも眩しくリムル様が大阪の街を駆け回ります!その姿を現地から入手しました! リムル様とテンペストの仲間たち、そして大阪グルメの競演!饗宴!
見どころもお腹もいっぱいの、くいだおれの街大阪ならではの姿ではないですか!
全国各地のリムル様の姿、「#転スラ路面電車」で発見報告をお待ちしております!
なんと、転スラ路面電車のフォトコンテストも企画が進んでいるということですーーー!!
リムル様の全国行脚、これからもますます目が離せませんね! 現在走行中の路線は以下の通りです。(※走行開始順)
・富山地方鉄道 市内電車(富山県富山市)
・長崎電気軌道(長崎県長崎市)
・福井鉄道 福武線(福井県福井市)
・とさでん交通(高知県高知市など)
・東京都交通局 東京さくらトラム(都電荒川線)
・函館市企業局交通部 函館市電(北海道函館市)
・広島電鉄 市内線(広島県広島市)
・鹿児島市交通局 鹿児島市電(鹿児島県鹿児島市)
・阪堺電気軌道(大阪府大阪市・堺市) コミックス『転生したらスライムだった件』(シリウスKC/講談社刊)
1〜19巻大好評発売中!最新20巻は3月9日発売!
※一部地域では発売日が異なる場合があります。
転スラポータルサイト:https://www.ten-sura.com/ >>380
注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! 全国のLRT導入ムードに暗雲も
2015/10/16 13:30
梅原 淳 : 鉄道ジャーナリスト
https://toyokeizai.net/articles/-/88225
都市の道路上に敷設されたレールの上を走る路面電車は、鉄道のなかでもひときわ注目を浴びる存在だ。その度合いは蒸気機関車や寝台列車に匹敵する。
かつては都市の交通機関として人々の移動を支えてきた路面電車も、1960年代から1970年代にかけて多くが廃止となってしまった。それでも1980年代以降、路面電車は何度か見直され、低床式の高性能車両の導入、それに一部の都市では路線の延伸が実施されている。
近年になって路面電車をLRT(Light Rail Transit、低床式車両を活用した交通システム)へと転換させようとする動きも見られる。しかし、全体的な傾向としてみれば路面電車は旧態依然のままであり、21世紀の都市にふさわしい姿へと変化を遂げていない。 路面電車は自転車よりも遅い
路面電車が停滞気味となっている理由はいくつか挙げられる。
鉄道・軌道全体やJR旅客会社、大手民鉄はもとより、多くの都市で路面電車廃止後に整備された地下鉄、それから路面電車と同等の輸送力をもつ新交通システム(ゆりかもめなど)やモノレール、トロリーバスと比較しながら検証していこう。
最初の検証項目は速達性だ。路面電車という乗り物は道路上をのんびりと進むというイメージをもつ。運転区間の距離を、停車時間を含めた所要時間で除した「表定速度」は新交通システムやモノレールと比べると著しく低い。 表1は全国の路面電車、新交通システム、モノレールの中から「旅客人キロ」と「旅客輸送密度」(旅客人キロ÷年間の延べ営業キロ。数字が多いほど多くの旅客を運んでいることを示す)とが、それぞれ最多もしくは最少のものを取り上げて比較した。
各社とも平日の午前8時に主要路線の起点から終点へと向かう列車を取り上げて比較した。なお、法規上では路面電車は列車とは言わないが、理解しやすくするよう列車と表す。 最高時速はわずか40キロ
結果を見ると路面電車の劣勢は明らかであり、新交通システムやモノレールと比べて時速にして10キロメートル分は低い。特に広島電鉄の時速8.8キロメートルなど、自転車が瞬間的に出す速度よりも遅く、渋滞に巻き込まれればさらに表定速度は下がるであろう。
そのような中、東京急行電鉄世田谷線の時速16.7キロメートルという健闘ぶりは目立つ。世田谷線は道路上ではない専用の敷地内に線路が設けられているので、当然の結果と言えるであろう。
ちなみに、東京都を営業エリアとする東京都交通局のバスの平均速度は時速11.2キロメートル。平均速度とは停車時間を含まない数値であるので、表定速度に換算すれば恐らくは時速10キロメートルを割り込むであろう。
路面電車の表定速度が低い理由はいくつか考えられる。最高速度が時速40キロメートルに抑えられているという点がまず一つだ。 旅客の乗り降りに時間を要しているからと多くの人は考えるかもしれない。乗降時間短縮のため、停留場に乗車券の券売機を置くなどして、車内での運賃支払いの時間を省く「信用乗車方式」を勧める向きもある。 信号待ちがかなり多い
しかし、国土交通省中国運輸局が2005年3月に発表した「路面電車のLRT化を中心とした公共交通体系の再構築の検討調査報告書」によると、広島電鉄の全路線平均運行時間のうち、走行時間は54.0パーセント、信号待ちは30.8パーセント、乗降は11.9パーセント、前を行く列車などを待つ時間は3.3パーセントであったという。特に、交差点で路面電車が左折または右折すると、表定速度を大きく落とすことが判明している。
スピードアップのためには列車が近づくと信号が青に変わるような方策が考えられるものの、他の交通との兼ね合いから完全には実施できない。結局のところ、道路上を走らないようにすれば解決するのだ。
続いては安全性を見てみよう。表2は列車キロと事故件数とによって事故1件当たりの列車キロを求めたものだ。2012年度の結果はご覧のとおりで、事故1件当たりの列車キロは路面電車が33万2847キロメートルに対し、新交通システム、モノレールでは事故そのものが起きていない。さらには、JR旅客会社や大手民鉄、地下鉄と比べても事故が起きる頻度は高いと言える。
路面電車の事故で最も多いのは、道路上の車両や歩行者と衝突または接触する道路障害事故だ。事故全体の77.7パーセントを占める56件が発生しており、解決策としてはやはり道路上を走らないようにするほかない。 表3は営業収支だ。極論ではあるが、いかに遅く、事故が多かろうと、儲かっている限り、路面電車は安泰に違いない。そうした観点で見ていくと、意外な結果が得られた。
路面電車全体の2012年度の営業収支は、営業収益240億4777万7000円、営業費用267億2903万2000円であったため、26億8125万5000円の営業損失を計上している。全国18の軌道経営者中、営業利益を計上したところは富山地方鉄道(軌道整備事業者である富山市の営業収支を含まない)、京福電気鉄道、岡山電気軌道、広島電鉄、とさでん交通の5つしか存在しない。
営業費の増加を招いている要因の一つは運転費の比率の高さにある。主に運転士の人件費から構成される運転費の割合は、路面電車のように輸送力が小さいと上昇しがちだ。路面電車のなかで運転費の比率が最も高い鹿児島市交通局の場合、運転士の人件費は8億1567万6000円であり、運転費全体の90.7パーセント、営業費全体の49.9パーセントにも達する。 輸送力を高められない理由
輸送力を上げるには複数の車両を連結して運転すればよい。しかし、路面電車の場合、連結した車両の全長を30メートル以内としなければならないという決まりがあるし、停留場その他の設備上の理由からなかなか困難だ。
運転費を下げるには新交通システムのような無人運転の導入も考えられる。しかし、自動車の自動運転もまだ実用化されていない現時点では無理であろう。輸送力を上げるにしろ、無人運転を実施するにしろ、路面電車の営業収支を向上させるには、道路上での走行をあきらめるほかない。
いま輸送力という言葉が登場したので、路面電車の輸送力についても検証してみよう。輸送力を比較する際に役立つ指針は表1でも用いた旅客輸送密度だ。
路面電車全体の旅客輸送密度は8230人であり、新交通システムの2万3533人、モノレールの3万1769人よりも少ない。新交通システムやモノレールでは営業利益を得られないとか、建設費を償却できないと見込まれたところが路面電車として存続を許されたのだと言える。 トロリーバスは3336人、首都圏・中京圏・京阪神圏の乗合バスは1232人という旅客輸送密度をそれぞれ記録した。一見、トロリーバスの輸送力はバスよりも高いように思えるが、1台当たりの定員はどちらも70人前後であるから、同等の輸送力を備えた交通機関だ。以上を勘案すると、路面電車の旅客輸送密度が3000人を割り込むようであれば、バスに置き換えてもよいという厳しい局面を迎える。
最後に路面電車の運転用電力の消費率について検証してみたい。表5は電力1キロワット時につき車両が何キロメートル走行できるかという「電費」を示したものだ。 路面電車が抱えるジレンマ
鉄道・軌道全体とモノレールとが0.46キロメートル、新交通システムが0.60キロメートルというなか、路面電車の0.39キロメートルはそう悪い数値には見えない。とはいえ、表定速度の低さを考えれば速度が遅い割に電力消費量がかさんでいるとも言える。
1旅客人キロ当たり、つまり旅客1人を1キロメートル乗せたときの電力消費量を求めると路面電車の欠点が際立つ。表5のとおり、路面電車全体では135.5キロワット時となり、新交通システムの102.3キロワット時、モノレールの78.0キロワット時、トロリーバスの77・9キロワット時と比べてもよくない。いま比較した3形態の鉄道は、いずれも鉄の車輪に比べれば摩擦の大きなゴムタイヤで走行するので「電費」は悪くなりがちだ。
にもかかわらず、路面電車はさらによくないのだから深刻な状況とも言える。全線が新設軌道の東京急行電鉄世田谷線では41・2キロワット時と好調であるため、繰り返しとなって恐縮ながら、このような状況を打破するには道路上を走らないようにするほかないのであろう。 軌道経営者を訪ねて取材してみると、LRTへの転換など夢のまた夢で、いまある設備を維持していくので精いっぱいというところばかりである。巨額の投資を行うには輸送需要の増加が欠かせないものの、そうなってしまうと今度は路面電車では今回検証した速達性、安全性、営業収支、運転用電力の消費率の各面での不利な面が如実に示されるというジレンマが存在するからだ。
路面電車は新交通システムとバスとの間に収まる輸送規模に適した交通機関であるというと聞こえはよいものの、バスの輸送力が向上したり、少量の輸送人員でも採算ラインに乗る新交通システムが開発されたりすると、路面電車の存続は難しい。新たなLRTがなかなか現れない事情もどうやらこのあたりにあるようだ。 明日の話題に使えるIT小話 第123回
街を走るデジタル路面電車は“地上の人工衛星”になるか
2022年03月11日 読了時間: 4分
鈴木 良介 こゆるぎ総合研究所 コンサルタント・代表取締役
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00105/00123/
車や歩行者と一緒に街並みを走行するトラム(路面電車)が高度化しつつある。イスラエルやイタリアのトラムは、各種のセンサーやアルゴリズムを駆使し、スムーズな運行を実現。所要時間の短縮や利用者増加につなげている。センサーを搭載し、定期的に街を巡回するトラムの役割を進化させれば、様々な用途に応用できそうだ。 NHK総合テレビで放送されている「ヨーロッパ トラムの旅」が大好きだ。ベルリンやプラハ、アムステルダムといった欧州の街をトラム(路面電車)が走る様子を淡々と映している。ナレーションが一切ないことも大変良く、仕事中には録画した「トラムの旅」をBGM代わりにずっと流している。
筆者は普段、路面電車を使う機会がない。いつも利用する鉄道は車道や歩道とは隔絶されている。そのため、トラムが自動車や歩行者の間を走っているのがとても新鮮だ。運転手目線の映像の中で、車がすぐ近くを走っていたり、すり抜けるような横断を試みる歩行者がいたり、ヒヤッとすることもある。
歩行者や一般車両に交じって走るトラムについて、情報通信技術でその運行を高度化する取り組みは世界中で進んでいる。例えば、イスラエルで2009年に創業したスタートアップ「アクシリオン」はその一社だ。 アクシリオンは、トラムの通行を優先しながらも、一般車両が渋滞しないようにする信号制御技術を11年までに開発。交差点に設置されたセンサーと、独自のアルゴリズムにより構成されている。これにより、エルサレムのトラム運行の所要時間は80分から40分に半減した。便利になったためか、乗客数は4万人から20万人に増加。現在は、その技術を武器に米国にも進出。ニューヨーク5番街でのバス路線を対象とした実験も成功させている。
(このコンテンツ・機能は会員限定です。) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220311/k10013525101000.html
地方鉄道“存続の危機” 〜どう維持する“地域の交通”〜
2022年3月11日 17時54分
「利用客が少ない路線を、このまま放置できない…」
ことし1月、JR西日本の経営トップがインタビューで発したことばが波紋を広げました。地方の赤字路線の抜本的な見直しに、JRがいよいよ着手すると受け止められたのです。
日本全国に張り巡らされた“地域の移動の足”に今、何が起きているのか?
そして、地方路線の存続に必要なことは何なのか?
取材班が各地の状況を徹底取材しました。
(NHK地方鉄道問題 取材班) JR西日本トップ インタビューの波紋
NHKが年始の1月2日に放送したJR西日本の経営トップのインタビュー。
長谷川一明社長は、厳しい状況が続く地方路線について、こう切り出しました。
JR西日本 長谷川社長
「経営が厳しい状況で、利用が少ない路線をこのまま放置できない…」
そして語気を強め、こう続けたのです。
JR西日本 長谷川社長
「赤字を継続しながら事業としてやっていくのは非常に困難です。
『輸送密度』が2000人に満たない路線は、どのような形にしても黒字化は非常に難しい状況です。
『バスへの転換』という手もありますし、新しい時代にあった地域交通を再構築していくことを、一緒に考えていただけないかと申し上げています」
月に1度の定例記者会見でも“慎重に言葉を選ぶタイプの経営者”という印象だった長谷川社長。
その長谷川社長が、これまで先送りにされてきた赤字路線の問題について「どのような形でも黒字化は難しい」「バスへの転換も含め検討」とはっきり口にしたことで、関係者に波紋が広がりました。 “廃線の境目” 5割超の衝撃
長谷川社長が説明する「輸送密度」とは何なのでしょうか。
「輸送密度」は、鉄道1キロメートルあたり、1日に平均何人を輸送したかを示す、鉄道経営にとって重要なデータです。
35年前の旧国鉄民営化の際、赤字の地方路線を廃線にするかどうかの境目になったのは「輸送密度4000人」でした。
こちらは、その「輸送密度4000人未満」のJRの路線を示した地図。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220311/K10013525101_2203111534_2203111542_01_04.jpg
「黄色の線」が4000人未満の路線で、「赤色の線」は、輸送密度がさらに少ない2000人未満の路線です。
長谷川社長が「どのような形でも黒字化は難しい」と説明した2000人未満の路線も全国各地に広がっていることが分かります。
それでは、“廃線の境目”にある路線は全国にどの程度あるのでしょうか?
こちらは、その割合を示したグラフです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220311/K10013525101_2203111246_2203111426_01_05.jpg
4000人未満の路線は、旧国鉄がJRに民営化した1987年度は全体の36%でしたが、人口の減少などで地方鉄道の利用客が減少し、2019年度には41%にまで拡大しました。
そしてコロナ禍で移動が抑えられたことで、その数はさらに増加。
昨年度・2020年度には、実に57%と全国のJR路線の半分を超えたのです。
2000人未満の路線も35%、200人に満たない路線も4%にまで拡大しています。 赤字補う“ビジネスモデル”限界に
ただ、地方の赤字路線の問題は、以前から指摘されていたはず。
なぜ今になって、抜本的な見直しの議論が始まったのでしょうか?
鉄道会社、とりわけ旧国鉄から民営化したJRには、公共インフラとしての役割が強く求められています。
このため「地域の移動の足」である地方路線は、たとえ赤字であっても存続させ、利用客が多い都市部や、新幹線で得た収益で赤字を補うというビジネスモデルを確立してきました。
しかし、新型コロナの影響でリモートワークが定着するなど、ライフスタイルの変化によって、都市部でも鉄道需要が減少。
JR西日本の決算は、2020年度、2332億円の最終赤字となったのに続き、2021年度も最大1165億円の最終赤字になる見通しになっています。
つまり、コロナ禍で都市部の収益が減ったことで、これまでのビジネスモデルが限界を迎え、赤字路線の維持が難しくなっていると指摘されているのです。
JR西日本 幹部
「コロナで10年分の変化が一気に来た。
今、地域の輸送を再構築しなければ先がない。
今後のあり方をどうするか、真剣に向き合う時期に来ている」 生活に欠かせない地方路線
存続が危ぶまれる地方路線。
しかし、長年、地域の移動を支えてきた鉄道の廃線には強い反対の声があります。
大規模なスキー場が点在する豪雪地帯、長野県小谷村に住む高校2年生の鷲澤れいさんです。
鷲澤さんが毎朝、通学に使っているのが長野県と新潟県を結ぶJR大糸線。
自宅から2キロ離れた最寄り駅の北小谷駅から大糸線の始発列車に乗り、40キロ離れた高校に通っています。
鷲澤さんが、今の高校に通えるのも、大糸線があるからこそ。
沿線には10前後の高校があり、通学で使っているほかの生徒も少なくありません。
ただ、大糸線の利用客は、減少の一途をたどっています。
JR西日本が運行しているのは、新潟県の糸魚川駅と長野県の南小谷駅を結ぶ35.3キロの区間。
車窓から四季折々の景色を楽しむことができ「乗り鉄」や「撮り鉄」といった鉄道ファンにも愛されてきましたが、この区間の昨年度の輸送密度はわずか50人と、ピーク時の20分の1以下に落ち込んでいるのです。 “廃線”協議 沿線自治体は猛反発
年始のインタビューで、経営トップがバスへの転換を含む、赤字路線の見直しについて言及していたJR西日本。
2月3日、この「大糸線」について、沿線の自治体などとともに“今後のあり方の協議を始める”と発表しました。
しかし、この発表直後、沿線の自治体から猛烈な反発の声が上がりました。
JR側の“今後のあり方の協議”ということばに「バスへの転換」や「廃線」もありえるといった、地元にとって認めがたい要素を感じ取ったからだといいます。
沿線自治体の期成同盟会会長 長野県大町市 牛越市長
「沿線の地域は、人口が減少し豪雪地帯であることに加えて、コロナ禍による観光客の減少などもあり、JRの経営が厳しい状況であることは認識しています。
ただ、大糸線をどう生かしていくかが議論の原点であり、“バスへの転換ありき”という話にはなりません」
大糸線で通学している鷲澤さん。
今は最寄り駅まで両親に車で送ってもらっていますが、仮に廃線となれば、今の4倍以上の8.5キロ離れた別の駅まで送ってもらわなければならず、両親の負担も増えることになります。
鷲澤れいさん
「利用者が減ってくると鉄道も廃止していかなければならないことは理解できるところもあります。
ただ、地域の中で鉄道を使う人が1人でもいるのであれば廃線にしてほしくはないですし、利用する人が少なくなっても、残すべきだと思います」
大糸線の沿線には、長野オリンピックのジャンプ競技の舞台ともなった白馬村があり、スキーシーズンには観光客の利用も多い路線です。
れいさんの父親の善和さんは、沿線のスキー場で働いていますが、廃線になった場合、村の観光業が衰退してしまうのではないかと懸念しています。
鷲澤善和さん
「観光業で成り立っている村なので、観光客などが来にくい村になってしまうという懸念があります。
コロナ後にはローカル路線で旅行したいというニーズもあると思います。
今は赤字路線ですが、弱者を切り捨てずに細々とでも運行を続けてほしいです」 国にも危機感 検討開始
「全国の地方路線は危機的な状況にある…」
大糸線の“協議”発表から10日ほどたった2月14日、国土交通省は、地方路線・地域交通の刷新を掲げた検討会を立ち上げました。
初会合の冒頭、国土交通省の上原淳鉄道局長は、参加した有識者や鉄道事業者らを前に「新型コロナの影響などにより、大都市圏の鉄道事業収益で地方路線を維持するこれまでの構造が立ちゆかなくなった。一部の線区については危機的状況にあると言わざるをえない」と発言。
会議の大半は非公開でしたが、出席した鉄道事業者の幹部や専門家などからは「このままの形で鉄道を維持するのは難しい」「単に“鉄道を残す”ということではなく、地域の利便性を高めることが重要だ」といった意見が出されたといいます。
地方の赤字路線を維持するのが難しくなっている鉄道事業者。
国としては、事業者任せで赤字路線が相次いで廃線になる前に、国や自治体が手を携える形で地方の公共交通を維持する方策を、今こそ講じなければならないという強い焦りがあるのです。
国の検討会座長 東京女子大学 竹内教授
「ただ単純に“廃止”か“存続”かということではなく、最適な戦略を導き出し、利用者本位の望ましい解決策を見いだしていきたい。
そして、それを実施するために国にも応援してもらう。
鉄道事業者任せでは立ちゆかないというのが今の姿ですから、お互いに情報を共有し、お互いがどこまで出来るか理解し合うことで、よりよい回答が見つかると考えています」 JR西日本 “異例”の収支公表
国の検討会発足の2日後。
JR西日本は再び動きました。
特に採算が厳しい目安とされる「輸送密度2000人未満」の「線区(=路線の一定の区切り)」について、収支を個別に公開する方針を打ち出したのです。
収支の公開は会社発足以来、初めてのこと。
懐具合をあえて公にすることで、沿線の自治体などにも“わがこととして捉えてもらいたい”というのがねらいです。
今後は、対象となる30線区の収支を順次公表し、バス路線への転換なども含めて議論を進めたいとしています。
JR西日本 幹部
「もはや、JR西日本という会社だけでこの事態を切り抜けることはできないし、赤字路線の議論を先送りする体力はもう残されていない。
“今後のあり方を協議”と打ち出したのは“このままではJR単独で地方路線を維持できなくなる”という危機感を、沿線自治体などと共有したいという思いがあった」 どう維持する? 地域の移動
どうしたら“地域の移動の足”を維持できるのか?そのヒントになるのが富山市のケースです。
富山市は、16年前の2006年、廃線になったJR富山港線の路線を譲り受け、最新技術を取り入れた路面電車=LRTを導入しました。
富山市と地方鉄道などが出資する第三セクターとして事業を始め、市は初期の設備投資に約17億円、維持管理費として毎年1億5000万円程度を負担しました。
4つの新駅を設け、運行本数を増やしたほか、街なかで花束を買うと無料で利用できるユニークなサービスも。
65歳以上で定期券を購入した人を対象に、日中の都心部の利用は一律100円とするなど利便性の向上にも努めました。
その結果、2019年度の利用客はJRによる廃線直前の2倍以上に増加。
現在は地方鉄道と経営統合し、市の費用負担は毎年およそ8000万円まで減りました。
当時の富山市長だった森雅志さん。
将来の利用者のためにも新たな交通網への転換が必要だったと振り返ります。
富山市 森 前市長
「LRTの立ち上げに向けて行った住民説明会では『これからは車で十分。税金を使ってまでやることか』といった厳しい意見も多くありました。
ただ、これから高齢化が進み、いずれ車を運転できない人は多くなります。
将来の市民のために、街を変えていかなければならないと訴えました。
鉄道事業に税金を投入することに厳しい意見があるのは当然ですが、説得する努力をちゅうちょしてはいけない。
自治体が汗をかいて協議の場を作り、誰が費用を負担するのか議論を尽くさなければならないと思います」
これまでに鉄道事業者に頼ってきた費用の一部を、自治体が負担し、地域の移動の足を維持しようという取り組み。
ほかにも、鉄道の運行は事業者が行い、線路や用地などは自治体が保有することで、自治体と事業者が費用を負担し合う「上下分離方式」によって、廃線を免れた路線もあります。 鉄道の維持か? 新たな形にシフトか?
東日本大震災から11年。
震災で深刻な被害を受けた被災地の路線でも、鉄道の存廃は深刻な議論になりました。
そしてことしは、国鉄民営化35年に加え、日本で初めて鉄道が開通してから150年という節目の年でもあります。
鉄道は地域の発展を望む先人たちの願いから誕生し、人々の生活や経済を支え、長い歴史を刻んできました。
しかし、開業当時とは生活様式も劇的に変わり、社会情勢も大きく変化しているのも事実です。
これからも鉄道を維持していくのか。
それとも新たな形の公共交通にシフトさせるべきなのか。
国は、検討会での議論を踏まえ、ことし7月をめどに方向性を示したいとしていますが、鉄道事業者や国、沿線自治体の議論から導き出される答えは、私たちの日々の生活に大きな影響を与えることになりそうです。 https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1510092
路面電車の線路と車道が交差…どっちが優先? 福井市の田原町駅近く、全国でも珍しい地点
2022年3月12日 午前7時20分 福井県福井市の田原町駅近くに、路面電車の線路と車道が交差している場所がある。「車と電車、どっちが優先?」との疑問の声が福井新聞の調査報道「ふくい特報班(通称・ふく特)」に寄せられた。福井県警によると、車用の信号も踏切もなく電車が車道を横切る場所は県内唯一だという。法的には「電車優先」が結論だが、慣れていないドライバーは特に注意が必要だ。
この場所は、フェニックス・プラザの東側。福鉄福武線の電車が田原町駅を出入りする際に、通称フェニックス通りの車道を横切る。北進する車から見れば右後方から電車が近付き、目の前を横切って駅に入る。もしくは駅から出てきた電車が左前から横切って南進していく。ここには電車用の信号はあるが車用の信号はなく、どちらかが譲らないと衝突してしまう。 田原町のような交差地点は、全国でも珍しいとみられる。ちなみに同市の大名町交差点などでも交差地点はあるものの、車用と電車用に連動した信号があり、同時に交差することはない。
県警交通規制課によれば、「路面電車の通行を妨げてはならず、電車が近づいてきた際は軌道敷外に出るか、十分な距離を保たなければならない」と道路交通法に定められている。つまり、信号がなくても「電車優先」というわけだ。 福鉄によると、社内規定の「最徐行」は時速15キロ。田原町の交差地点では時速10キロ以下で慎重に走行している。県警の調べでは、少なくとも過去5年間(2017〜21年)は、ここで電車と車の接触事故は起きていないという。
すぐ北側にはえちぜん鉄道の踏切があり、車列が連なると交差地点に停車してしまう恐れもある。道交法では軌道敷内の停車も禁止されており、県警は「前後左右をしっかり確認し、電車の進行を妨げないよう安全に通行を」と呼び掛けている。 https://japan.cnet.com/release/30659170/
路面電車南北接続2周年記念イベント「つながるWeekend」を開催します!
富山市 2022年03月14日 10時00分
From 共同通信PRワイヤー
3月14日
富山市
富山駅での路面電車の南北接続から2周年を迎える3月18日から21日にかけて、路面電車沿線で南北接続2周年記念イベント「つながるWeekend」を開催します。
富山駅周辺における飲食イベントやこどもの遊び場設置のほか、中心市街地でのトランジットモールなど、富山駅を中心とした路面電車沿線の計15会場において、24イベントを一体的に開催します。
当日は「とほ活アプリ」を使ったポイントラリーも開催し、南北が繋がり便利になった路面電車を利用して、まち全体を楽しむことができます。
■開催日時
令和4年3月18日(金)〜21日(月・祝)
■場所
富山駅など路面電車沿線の市内15会場
■内容
<よぞら駅道>(18日 15時〜19時)
富山駅南北自由通路〜北口駅前広場において、飲食店やキッチンカーによるナイトマーケットを開催します。
星空の下で春の夜風を感じながら、友達やご家族で音楽とグルメを楽しむひとときを。
<えきのあそびば/えきの食卓>(19日〜21日 10時〜16時)
富山駅北口駅前広場にて、木製遊具やキックターゲットなどの「こどものあそびば」や、キッチンカーやフードスタンドなど富山のおいしいが集まる「えきの食卓」を同時開催します。
その他、盛りだくさんなイベントを開催します。
ぜひ路面電車に乗ってまちへ繰り出し、まちの魅力を存分に感じてください。
この週末は家族や仲間とまちを楽しもう!
◆富山市ホームページ
リンク
関連情報
https://kyodonewsprwire.jp/release/202203118513 https://news.yahoo.co.jp/articles/862c5a121f133e86597764f0d94e377b27de29f6
路面電車の岡山駅前広場への乗り入れ 事業のスケジュール公表【岡山・岡山市】
3/12(土) 12:29配信
RSK山陽放送
岡山市が路面電車の岡山駅前広場への乗り入れについて、事業のスケジュールを公表しました。
岡山市が2月定例議会で公表したスケジュールでは、路面電車の岡山駅前広場への乗り入れ事業は、工期が当初の予定より2年半延びるということです。
計画では、まず来年度からJR岡山駅前のタクシーゾーンと一般車の送迎ゾーンの位置を入れ替えるなどの東口広場のリニューアル工事に着手します。
そして、2023年度から地下街のテナントに移転してもらい、軌道を敷くために必要な地下の補強工事を約2年間かけて行います。
その後、軌道の延伸工事をして、最終的に完成するのは25年度中ごろの予定です。 https://news.infoseek.co.jp/article/trafficnews_116311/
「イモムシ電車」が地下を走行!? 「東急新玉川線」建設時に浮上した幻の「玉電地下化計画」
乗りものニュース / 2022年3月13日 14時12分
田園都市線の地下区間である渋谷〜二子玉川間が建設される際、当時地上を走っていた路面電車を地下に走らせようという計画がありました。なぜそんな計画が生まれたのでしょうか。 渋谷?二子玉川間はかつて路面電車だった
東急田園都市線の地下区間、渋谷〜二子玉川間の歴史は比較的浅く、開通は45年前の1977(昭和52)年です。それ以前は同じルートの地上を「東急玉川線」が走っていました。
現在の東急世田谷線と同じ、路面電車のスケールの小さな電車がトコトコ走っていた路線で、当然ながら時代とともに輸送容量が限界に達しつつありました。そのため、一般的な電車規格の新線を地下に建設し、さらに地下鉄へ乗り入れて都心直通を図ったのです。この区間は2000(平成12)年まで「新玉川線」と呼ばれていました。
さて、この新玉川線は渋谷から駒沢大学を過ぎた地点まで、国道246号の真下を通っています。おりしも、この国道246号の真上に、首都高渋谷線の建設計画が浮上、それならば両者を一体で工事しようという方針になりました。
そこで首都高速道路公団(以下、公団)と東急の間で工事に関する調整が進められましたが、そこで浮上した課題が「国道246号を路面電車として走っている玉川線を、工事中どうするか」でした。
公団は、「玉川線を廃止してバス代行にすべき」と提案。いっぽう東急は「バス代行をすれば道路渋滞がひどくなる」と反対、そこで出した代案が「玉川線地下化計画」です。1967(昭和42)年8月のことでした。
この地下化計画は、高速道路の基礎を兼ねた地下鉄構造物を先行して建設し、完成後にその地下線で玉川線を仮営業。その間に高速道路を建設し、完成後に今度は地下線の本工事に移る、というもの。14年ほど前から社内で検討されてきた、東急の「腹案」とも呼べる提案でした。
実現すれば数年間にわたり、「芋虫」「ペコちゃん」のあだ名で親しまれた玉川線のデハ200形電車など路面電車の車両が、地下トンネルを走っていたはずです。しかしそれは現実にはなりませんでした。 結局「廃止」になるまでの紆余曲折
地下化の提案に公団は「事が大きすぎる」と難色を示します。代わりに公団は、「玉川線をいったん道路端の仮線に移設する」という計画を提案します。この提案に首都圏整備委員会や建設大臣も賛同。東急は建設省に直談判するなどしましたが、結局この平面移設案で進むことになりました。
この平面移設案は、両側の歩道を削って車道スペースを確保し、道路中央を走っている電車を、地下線と高架橋脚の工事進捗にあわせて仮移設していくというものです。
その平面移設案で施工計画を調整していくと、東急が懸念していたとおり、あちこちで支障が生まれることが判明します。まず車道の幅が十分に取れない場所があり、池尻と三宿で出入口の設置が困難となるうえ、三軒茶屋では道路の立体交差の建設ができず、工期も長くなってしまうことなどです。東急はこの時点でも地下化を再提案していましたが、工期や建設費用の面で課題があるのは同じでした。
1969(昭和44)年8月、玉川線の措置は、けっきょく公団の最初の提案である「バス代行」に決定。東急はこの案をのむ条件として、「玉川線全線と砧線(二子玉川〜砧本村)を廃止し、世田谷線は残す」「バス代行への準備期間は半年」「渋谷駅の東口の旧都電のりばを東急バスが使う」などを求め、認められました。さらに、軌道施設の撤去などのため、公団が補償金として17億円を払うこととなりました。
そのまま同年に着工。それから8年後、悲願の東急新線が開業を迎えることとなるのです。 https://www.asahi.com/articles/ASN2N3FKJN1ZPITB01B.html
被爆電車のトミカ まちを勇気づけた歴史と路面電車愛
有料会員記事 核といのちを考える
宮崎園子 2020年2月20日 18時00分
子どもに愛され続け、今年で発売50周年を迎えるミニカー「トミカ」。1千種類を超えるシリーズの中で、製品化された唯一の国内の路面電車が広島電鉄650形だ。通称「被爆電車」。発売から1年以上たつが、人気は衰えていない。 トミカの「広島電鉄650形」は、クリーム色と深緑色のツートーンの車体を162分の1の大きさで再現したものだ。車体に記された「651」は1945年夏、広島への原爆投下時に爆心地の南約700メートルを走っていた車両の番号。爆風に飛ばされ黒こげになったが、修理を重ね、今も朝のラッシュ時に街を走る。
「トミカのジオラマは道路がメイン。だけど路面電車なら街の中に落とし込めて、トミカの世界観に違和感なく入り込める」
製造元のタカラトミー(東京都)で開発に携わって14年となる山之内宏行さん(51)は、誕生の経緯をこう語る。過去にサンフランシスコのケーブルカーを発売したことはあるが、国内の路面電車は初めて。富山や高知、長崎でも路面電車が走る中、なぜ広島なのか。
「広電(広島電鉄)は日本で一…
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「広島新駅ビル」路面電車が2階広場に乗り入れ、商業施設やシネコンが出店- 2025年竣工へ
広島駅ビルの建て替えにより、新たな商業空間や屋上広場が誕生。また、路面電車が乗り入れ、JR広島駅と繋がる場所へと生まれ変わる。竣工は2025年春を予定。 広島駅ビルが生まれ変わる、2階には路面電車が乗り入れ
JR西日本グループが、広島市の「広島駅南口広場の再整備等に係る基本方針」に基づいて進めている広島駅ビル建替え工事。新たな駅ビルは、広島・せとうちの玄関にふさわしく、広島に新たな賑わいや交流をもたらす場所を目指す。
特にビルの象徴的な場所となるのが、大きなガラス面から太陽の光が降り注ぐ、開放感あふれる2階の広場。駅ビルに路面電車が乗り入れ、JR広島駅改札からの乗り換えが便利になる。
また、7階から9階まで重層的につながる屋上広場は、穏やかな広島の風景を彷彿させるアースカラーで彩られた憩いの空間に。7階の広場には、雁木のような大階段が設けられ、路面電車駅前大橋ルートの直上のロケーションから路面電車や広島の街を眺めることができる。随時イベントも実施される予定だ。 多彩な店舗が揃う商業施設やシネコン
新駅ビルの1階から6階には多種多様な店舗を揃える商業施設、7階から9階にはシネマコンプレックス「松竹マルチプレックスシアター」、7階から20階にはホテルが整備される。
シネマコンプレックス「松竹マルチプレックスシアター」は、初の広島県での出店。松竹作品をはじめとする邦画、人気のアニメ作品、ハリウッド洋画大作、よりすぐりのアート作品等を上映するほか、コンサートや演劇、オペラ、スポーツのライブビューイング、松竹グループならではのコンテンツ「シネマ歌舞伎」など、バラエティに富んだラインナップを取りそろえる。
【詳細】
広島新駅ビル(名称未定)
竣工時期:2025年春(予定)
所在地:広島県広島市南区松原町2番37他
建築面積:約14,000u
延床面積:約111,000u
構造等:鉄骨造、地上20階・地下1階、高さ約100m
用途:商業・ホテル・駐車場 福岡県大牟田市にある「大牟田駅」には、JR鹿児島本線と西鉄天神大牟田線が乗り入れます。 大牟田駅の西口を出てすぐ目の前にある広場に、レトロな路面電車が鎮座しているのです! この車両は、1943年に製造された「204号」。
大牟田市内線、福岡市内線といった路面電車で活躍し引退。長らく山口県光市の図書館で保存されていましたが、2011年に大牟田市に里帰りしました。
大牟田市に路面電車が走っていたのは1927年から1952年までの25年間。
炭鉱のまちとして栄えた大牟田市民の足として活躍していました。「旭町」は当時の大牟田市内線の終点の駅です。 そんな、懐かしの路面電車を利用したカフェが『hara harmony coffee』です。 店内、いや車内は路面電車として活躍した当時の面影を色濃く残しています。 「玉屋」はかつて福岡にあったデパート。恐らく福岡市内線を走っていた頃の広告ですね。 片側の運転席は当時のままでした。レバーを回せば今でも電車が動き出しそう。 そんな『hara harmony coffee』でいただけるのはサンドイッチ。
中でもフルーツサンドは種類が豊富です。
チョイスしたのは「ミックスサンド」。
バナナ・キウイ・パイナップルが入って、甘さ控えめのホイップがたっぷり!フルーツサンドの中身は季節によって変わるそうなので、何度も足を運びたくなりますね。 ホットコーヒーは1杯毎にハンドドリップで淹れてくれます。苦みが少なくてスッキリした味わい。
いつもとはシチュエーションが違った、レトロな路面電車で味わうコーヒーはまた格別でした。皆さんもぜひ『hara harmony coffee』を訪れてみては!
■こちらでもオススメのお店などを紹介しています!
ブログ:https://www.masatetsudo.com/
Twitter:https://twitter.com/masatetsudo
https://twitter.com/5chan_nel (5ch newer account) Hara Harmony Coffee(ハラハーモニーコーヒー)
〒836-0045 福岡県大牟田市久保田町2丁目300番 駅前広場 路面電車204号
*この記事は2021年11月時点の情報を基に作成しています。
*新型コロナウイルス感染症の影響で、営業状況や掲載内容に変更が生じる場合があります。最新の情報は、事前に各店舗・施設の公式情報をご確認ください。
*「ニッポンごはん旅」は、新型コロナウイルス終息後の旅行先として検討いただきたいという想いで各地の情報を発信しています。
ライター:マサテツ 長崎県の長崎電気軌道は3月14日、新型車両6000形6001号の運行を3月24日午後から開始すると発表した。 同車は2月にアルナ車両で製造された全低床電車で、車内は「人にやさしいユニバーサルデザイン」としたオールロングシート仕様で、乗降ドアをノンステップ化。車椅子スペースが2か所設けられている。
制御方式はVVVFインバータ制御で、ブレーキは電気指令式だが、制動時に電力を生成する回生・発電ブレンディングを採り入れることで走行時のCO2排出を抑制する。
台車は低床用に新規に製作されており、車体と台車を繋ぐ「心皿(しんざら)」と呼ばれる部分を可能な限り下げるとともに、小型の三相誘導モーターを組み込むことで、通路部分の低床化を図っている。
レスポンス 佐藤正樹(キハユニ工房) https://www.sunsuntv.co.jp/news/2022/02/2720132
高知市で路面電車が脱線 出発して2分後になぜ? 乗客おらず運転士にケガはなし 原因調査中【高知】
情報掲載日: 2022年2月23日(水)
とさでん交通によりますときょう(23日)午後3時11分、高知市本宮町で路面電車の後輪が脱線。出発地点の鏡川橋電停を出て2分後のことでした。乗客はおらず運転士にケガはないという事です。脱線の原因は調査中で分かっていません。路面電車は鏡川橋と上町5丁目の間で運行を休止。バスによる代替輸送が行われています。(23日午後6時現在) https://www.sanyonews.jp/town/event/news_detail/1229074
路面電車の環状化事業を一時凍結 岡山市、コロナで採算性見込めず
2022年02月14日 20時06分 更新
岡山市は14日、路面電車の延伸・環状化で優先整備を目指す新市民会館(同市北区表町)周辺ルートについ...
この記事は会員限定です。 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220223/k10013498271000.html
高知市中心部で路面電車が脱線 けが人なし
2022年2月23日 18時55分
23日午後、高知市の中心部で路面電車が脱線する事故があり、現在も一部区間で運行ができなくなっています。路面電車を運行するとさでん交通は脱線した原因を調査するとともに復旧作業を進めています。 23日午後3時すぎ、高知市本宮町でとさでん交通の路面電車が脱線する事故がありました。
事故当時、乗客は乗っておらず乗員にもけがはなかったということです。 会社によりますと、脱線した電車は、午後3時9分に「鏡川橋電停」を出発し、「後免町電停」に向かっていたということで、車両が進行方向に向かって右側にずれた状態で止まり、後部の車輪がレールから外れているのが確認できます。
この影響で「鏡川橋電停」から「上町五丁目電停」までの上下線で運転ができなくなっていて、バスによる代替輸送を行っているということです。
会社では脱線した原因を調査するとともに復旧作業を進めています。 https://www.jcp.or.jp/faq_box/001/201216_faq_romen_densya.html
排ガス対策に
路面電車復活をの声があるが?
2000年12月16日(土)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 車の排ガス対策として、路面電車、トロリーバスを復活させようという考え方をどう思いますか。(千葉・一読者) 〈答え〉 日本で、運輸部門から出る二酸化炭素の排出量は、全体の二割といわれ、なかでも自動車からの排出量は、運輸部門の九割を占めます。輸送人キロあたりの二酸化炭素の排出量は、鉄道一〇〇、乗り合いバス四一三、自家用自動車九四九ですから、路面電車・トロリーバスなどの公共交通機関が、大気を汚染をしない環境に優しい輸送機関であることがわかります(「運輸白書」九八年度)。
日本は、モータリゼーション(自動車化政策)の促進で路面電車の廃止が相次ぎ、いま稼働しているのは、十九都市にすぎません。しかし近年、路面電車は、環境に優しい交通機関として、また交通渋滞を解消させ、在来市街地を活性化させる対策として重視され、復活を求める声が広がっています。さらに最近は、車いすの人も介護なしに利用できる低床車両のLRT(軽快電車)の機能改善が図られ、高齢者・障害者の交通バリアフリー化への対策の面からも、脚光を浴びています。
日本共産党は、公共交通機関の整備・充実とともに、環境に優しい交通機関の復活・普及を積極的にすすめるべきだと考えます。
路面電車の整備は、世界的に見ると一つの流れになっています。一九七八年以降、路面電車(LRTを含む)を新設した都市は、アメリカ十三、ドイツ二、フランス五、イギリス四、ロシア二、その他四十四カ国・三十六の各都市に上ります(『JRガゼット』十月号)。この流れの背景には、大都市を中心に大気中の窒素酸化物が深刻化し、対策の強化が求められていること、大気中の二酸化炭素等の温室効果ガスの増加による地球温暖化が、重大な環境問題となっていることがあげられます。
地球温暖化防止会議のとりきめで、温室効果ガスを削減する先進国の目標が決められています。日本は、削減目標の達成という点からも、モータリゼーション優先から路面電車等の公共交通機関の整備促進の方向に転換することが求められています。
(阿)
〔2000・12・16(土)〕 同ビジョンは、2030年頃の都心部を見据え、芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会の「LRTまちづくり部会」が19年9月から検討を重ねてきた。
主な特徴は、(1)LRTなどを活用したまちづくり(2)「宇都宮らしさ」をより高める視点(3)地域の成り立ちを踏まえたエリア別の将来像−の3点。
市が公共交通の基軸とするLRTを踏まえ、ビジョンでは「定時性・速達性」という特性を生かしたまちづくりを描いた。大通りでの移動時間が予測でき移動ストレスが低減することで、人の動きが活発になり、多様性のある一体的な空間を創出。周辺地域から都心部にアクセスしやすい環境づくりも進める。 https://news.livedoor.com/article/detail/21632515/
宇都宮のLRT「道路の真ん中区間」レール敷設まもなく! 開業まで1年強 進捗は?
2022年2月6日 14時12分
乗りものニュース
2023年3月を目指し工事が進められている芳賀・宇都宮LRT。そのなかでも“路面電車らしい”道路の真ん中に線路が構築される区間の工事が始まっています。全線にわたり、いよいよその全貌が見えてきてます。 全貌が見えつつある宇都宮LRT
過去に路面電車が存在しなかった宇都宮市域にできる芳賀・宇都宮LRT、愛称「ライトライン」。そのなかでも路面電車らしい、道路の真ん中に線路が通る区間のレール敷設に向けた工事が進んでいます。他の区間も含め、その全貌が見えてきつつあります。
2021年11月から、起点の宇都宮駅東口から延びる大通り「鬼怒通り」では線路構築に向け車線が変更されています。2022年2月中旬からは、国道4号をまたぐ峰町立体の中央2車線を規制し工事を行うほか、2月7日(月)から19日(土)にかけては、線路が道路上から専用高架に移り変わる平出地区にて、橋梁架設のため夜間に道路の北側のみを活用した対面通行を実施します。
さらに3月からは市の東部、ゆいの杜地区でも、道路の中央に線路を敷設する工事が始まります。宇都宮市LRT整備課によると、これはレールの下の路盤構築から行うとのことで、実際にレールが姿を現すのは鬼怒通りが先行するといいます。
その他の区間も着々と線路敷設に向けた工事が進んでいます。LRT専用に新設した643mの鬼怒川橋梁は2021年夏に架設が完了し、現在、ここも線路構築工事が進んでいるそうです。先行して工事が進んだ清原団地内などでは、一部停留場もできてきています。
芳賀・宇都宮LRTは当初、2022年3月の開業が予定されていましたが、2021年1月に工事の遅れなどから1年延期が発表され、2023年3月を目指して事業が進められています。 https://toyokeizai.net/articles/-/88808
栃木・宇都宮に「LRT」が走る日は来るのか 路面電車に大規模投資、増える自治体負担
2015/10/22 9:00
森口 将之 : モビリティジャーナリスト
北関東最大の都市に、多くの都市交通関係者の目が注がれている。
1993年度から市内東西方向の交通軸を検討してきた宇都宮市で、2012年の市長選挙にLRT(次世代型路面電車システム)導入を争点の1つに掲げて佐藤栄一氏が三選して以来、同市がLRT導入に向け加速しているからだ。 軌道系交通として近年例のない大事業
そもそも「宇都宮LRT」が注目される理由は、約15キロメートルもの線路をゼロから敷設し、営業主体と呼ばれる運営事業者を新たに選定するなど、わが国の軌道系交通としては近年例のない大規模事業であるからだ。
20世紀後半にモータリゼーションの影響を受けて廃止が続いた日本の路面電車は、近年は地球環境に優しく高齢者・身障者が利用しやすいことから見直しの機運にある。
しかし、日本初の本格的LRTとして2006年に開業した富山ライトレールはJR路線の後継であり、富山地方鉄道富山軌道線の環状線化やJR富山駅乗り入れ部分も含めて、新設部分は合わせて約1キロメートルにすぎない。
今年12月には、札幌市電の「すすきの−西4丁目」間が延伸され環状運転が始まるが、こちらも約400メートルの延長に留まっている。宇都宮LRTが、いかにビッグプロジェクトであるかがわかるだろう。
2012年の市長選の結果を受けて宇都宮市は、2013年に「東西基幹公共交通の実現に向けた基本方針」を策定。JR宇都宮駅東側の優先整備、東隣の芳賀町までの延伸などを明示した。同時に自治体(宇都宮市、芳賀町)が走行空間などを整備・保有し、民間の営業主体が運行・維持管理を行う「公設型上下分離方式」の採用も決めた。
建設にかかる事業費は、市長選前に383億円(JR宇都宮駅東側260億円+西側123億円)という数字を出している。同じ区間をBRT(バス高速輸送システム)で整備した場合(約160億円)に比べて2倍以上になる。
しかし広島市が1994年に開業したAGT(新交通システム)アストラムラインは18.4キロメートルに約1744億円を費やしており、地上を走るLRTは他の軌道系交通よりは安価に済むことが分かる。 駅東側の事業費は当初計画の5割増し
ところが2014年、宇都宮市は朝夕の需要増に伴う車両増、交差点周辺の交通円滑化のためのルートを見直し、時間短縮を促す快速列車の導入などを理由に、駅東側の事業費をそれまでの約260億円から約406億円へと大幅に上方修正した。うち半分が国、残り半分が市の支出になる。
さらに今年6月に営業主体を公募したところ、応募したのは宇都宮市を本拠に置くバス会社の関東自動車のみだった。結局、宇都宮市と芳賀町は翌7月、営業主体を行政51%(宇都宮市40.8+芳賀町10.2%)、関東自動車などからなる民間49%の出資とする第3セクターに改め、決定した。資本金は1.5億円。市の出資は6120万円となる。
以前から宇都宮市には、膨大な事業費を理由にLRT導入への反対意見があった。市長選では推進派候補が当選しているのですでに民意は決しているが、その後事業費の増加や営業主体の第3セクター化などが決まり、市の支出が膨らみ続けている。
この点について宇都宮市はどう考えているのか――。建設部LRT整備室副主幹の大根田友範氏は次のように語る。
「営業主体については以前から、既存の民間企業、新設の民間企業、第3セクターの3つを考えていました。どの程度の応募が来るのか、予想はできませんでしたが、今回の結果は想定外ではありません。路線がすべて新設で、車両も新しくそろえ、50人以上の運転手を育成しなければならないという大規模事業なので、既存の軌道事業者は挑戦しにくかったのかもしれません」
関東自動車が応募したにもかかわらず、第3セクターとした理由については、「同社の提案内容は自治体への依存度が高かったので、相談のうえ第3セクターを選んだ」(大根田氏)という答えが返ってきた。また大根田氏は、宇都宮LRTはゼロからのスタートであり、運転手養成などの準備を無収入の中で進めなければならず、公的支援が必要だと強調していた。 将来の出資比率は民間主導に
ちなみに49%の民間資本に関しては、宇都宮市と芳賀町の経済団体がまとめ役を担当し、地方銀行などが出資の意向を示している。関東自動車は10%出資し、JRとともにターミナルを持つ東武鉄道も、グループ会社でバスを走らせる東野交通と合わせて5%出資することが明らかになった。将来的には現在1.5億円の資本金を10億円まで増資するとともに、国や県にも出資を掛け合い、比率を行政49対民間51に逆転させたいとしている。
現時点で軌道事業者の出資はない。ただし、技術協力に応じるパートナーは存在する。東京急行電鉄や富山地方鉄道、京福電気鉄道、岡山電気軌道、広島電鉄などが、2014年の段階で内定している。その後、事業規模が大きく1社だけでは賄えないと考え、5社に協力を依頼したという。
このうち東急は2015年4月から実際に技術者を派遣している。ただ、これらの事業者が営業主体に応募しなかったことについては、事業規模の大きさに加え、「各社の本拠地から遠く、栃木県の状況を十分に把握していないことが関係したのではないか」と、大根田氏は語る。
パートナーの1社、岡山電気軌道が属する両備グループ広報部長の山木慶子氏に応募しなかった理由を伺うと、同じような意見が返ってきた。
「欧米では高齢化対策や環境対策のまちづくりにふさわしい公共交通として、LRTが続々導入されています。日本は20〜30年遅れています。宇都宮市の計画は大規模であり、応援したい気持ちはあります。しかし、公共交通は地元に委ねるべきであり、こちらから押し掛けるつもりはありません。もちろん先方からお願いされた場合は喜んで協力していくつもりです」
しかし、その後に事業費計画が増大し、公設民営の上下分離方式を打ち出しながら営業主体が第3セクターに決まるなど、自治体の負担が強まりつつあるのが事実である。市長選でLRT推進派に票を投じた市民の中には、複雑な思いで状況を見つめる人もいるのではないか。 恩恵を受けるのは一部の市民のみ?
LRTの成功例として引き合いに出されることが多い富山市では、LRTが走る中心市街地への居住を促進すべく、商業施設や文化施設を誘致し、住宅建設、住宅取得や家賃などへの支援を行った。その結果、1970年代から減少が続いていた中心市街地の人口が、一部で増加に転じている。
それに比べると、宇都宮LRTは周辺事業に目立った計画がない。宇都宮市ではフィーダーバス停留所やパークアンドライド駐車・駐輪場を集結させた交通結節点(トランジットセンター)を数カ所用意する計画だが、沿線の商業施設や住宅開発については、民間に委ねるという姿勢に終始している。
2019年度の開業へ向けて、2016年度に着工し、2017年には運転手の養成も手掛けるスケジュールに、現在変更はない。しかし、LRTは路線開通がゴールではなく、むしろスタートである。宇都宮LRTの場合、市の東部にある工業団地への通勤路線というイメージが強く、「一部の市民しか恩恵を受けないので無駄遣い」という評価につながっている可能性がある。
たしかに市長選で民意は得た。しかし事業費の増大や営業主体への出資という状況の中で、市民の理解を深め、事業者からの出資を増やすためには、沿線開発を積極的に行い、一人でも多くの市民の支持を得ることが必要とされているのではないかと考える。 お前ら和歌山県出身の下村拓郎様(35歳独身、元自衛官)についてご存じか。この方は神のような素晴らしい人間性を有しているので覚えていた方がよいぞ https://news.yahoo.co.jp/articles/dfcce2f0eb2bae6bd193dc3f44ec33d5e2f6b116
路面電車の富山駅南北接続2周年 課題も
3/18(金) 19:03配信
北日本放送
マル―トが入るJR富山駅ビル前を走る路面電車は、富山駅の南北で接続されてから間もなく2年を迎えます。 それを記念するセレモニーが18日行われ、19日からの3連休に向けて沿線でイベントも行われます。
路面電車が乗り入れている富山駅の南北自由通路で行われたセレモニーには、県と富山市などから関係者が出席し、南北接続2周年を祝いました。
富山駅の南北がつながって2年。路面電車を運行する富山地方鉄道は、接続により1日あたりの利用者を平均で2万人と見込んでいました。
しかし、南北接続後まもなく新型コロナの感染が拡大して外出自粛などの影響が広がり、昨年度の利用者は、当初の予想よりおよそ4割減の1日あたり1万5千人に。
今年度はおよそ1割回復しましたが、想定した2万人には届いていません。 藤井富山市長
「富山は観光のお客さんも多いわけですけど、ビジネスのお客さんが多いのが特徴でして、そういう方々が富山を訪れる機会が減ったというのは一番寂しいことだと思いました」
そうした中、富山駅そばに商業施設のマル―トが開業。
コロナ禍の先を見据えて新たな人の流れを生み出すことが期待されます。
藤井富山市長
「ビヨンドコロナを見据えた新たなスタートにしたいと思います」
南北接続2周年を記念して、富山駅や沿線の15会場では今月21日にかけての3連休に「つながるWeekend」と題したイベントが行われます。 https://www.fnn.jp/articles/-/334015
富山駅“路面電車南北接続”2周年記念イベント…21日まで駅周辺や沿線で多彩に つながるWeekend
富山テレビ
地域
2022年3月18日 金曜 午後7:35
路面電車南北接続2周年を記念し、富山駅周辺や路面電車沿線で、18日から「つながるWeekend」と題してイベントが始まりました。 18日は、イベントに先立ち富山駅の南北自由通路で式典が開かれ、富山市の藤井市長が「南北接続による利便性の向上や賑わい創出などを市民に実感して欲しい」とあいさつし、南北接続2周年を祝いました。
この後、富山商業高校の書道部が「つながる」をテーマにした書道パフォーマンスを披露し、オープニングを飾っていました。 *藤井裕久市長「公共交通で移動してもらいながら街も楽しんでもらう。そして健康になってもらう。そうしたことを実感してもらえればいいなと思う」
18日から始まった「つながるWeekend」は、19日から富山駅北口駅前広場で食のイベントや富山大和で総曲輪春の感謝祭。
20日は、個性的なお店が並ぶ「〜越中大手市場〜トランジットモール」や、環水公園で「スプリングマルシェ」が開かれるなど、21日の春分の日まで富山駅を中心とする路面電車沿線の15会場で24の多彩なイベントが開催されることになっています。 https://mainichi.jp/articles/20220318/ddl/k16/040/258000c
路面電車、乗客数好調 路線、本数増で便利に 「まちづくりの軸」富山市が力 /富山
毎日新聞 2022/3/18 地方版 有料記事 753文字
富山市の路面電車が乗客数を伸ばしている。市が路線や運行本数を増やした結果、利用しやすくなったのが一因。大きな収益を見込みにくい地方都市では珍しい取り組みで、富山大の中川大教授(交通工学)は「公共交通は市民のために必要なものだという意識が一貫している」と評価する。 中川さんによると、欧州などでは、公共交通サービスは自治体が予算を使って提供するものだという考え方が主流。一方、日本では採算が取れるかどうかが重視されがちだ。人口の少ない地方では赤字路線が廃止され、住民生活に影響を与えるケースも多い。
1913年に開業した富山市の路面電車も、70年代以降は不採算区間の廃止が続いていた。そうした状況を一転させたのが、市が掲げた「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」政策。「公共交通は道路や公園などと同じ都市インフラ」と位置付け2003年度から予算を充実させた。
この記事は有料記事です。
残り371文字(全文753文字) https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/toyama/20220318/3060010007.html
NHK 各地のニュース
富山県のニュース
NHK富山放送局
路面電車「南北接続」2周年を記念する催し
富山市内の南北を走る路面電車の直通運転、いわゆる「南北接続」が始まって3月で2年になるのを記念する催しが18日から始まり、富山駅でオープニングセレモニーが行われました。 富山市内の南北を走る路面電車が富山駅の高架下で接続されて直通運転を行ういわゆる「南北接続」が始まってから3月21日で2年になります。
これを記念して富山市などで作る団体が記念の催しを行うことになり、初日の18日は富山駅でオープニングセレモニーが行われました。
はじめに、富山市の藤井市長が「このイベントを通して路面電車や人のつながりを実感してほしい」と挨拶しました。
続いて、富山商業高校の書道部員によるパフォーマンスが行われ、高校生たちが軽快な音楽にあわせてリズミカルに筆を走らせ、作品を完成させました。
作品は3月末まで富山駅に展示されるということです。
駅をよく利用するという富山市の男子高校生は「駅の南北がつながったことで、乗り換えせずに目的地へ行けるようになってよかったです」と話していました。
富山駅の周辺など複数の会場では18日から3月21日まで南北接続2周年にちなんださまざまな催しが予定されています。 https://www.fnn.jp/articles/-/334066
毎月第3日曜日は「路面電車こども無料の日」 長崎電気軌道が発表
テレビ長崎
地域
2022年3月18日 金曜 午後8:11
長崎電気軌道は毎月第3日曜日を「路面電車こども無料の日」にすると発表しました。
初回を含むこの週末の3連休は、すべての日で小学生以下の運賃を無料とします。 「路面電車こども無料の日」は、新型コロナウイルスの感染拡大で友人との交流が制限されている子供たちを支援する、長崎電気軌道の取り組みです。
県子育て条例で「家庭の日」となっている「毎月第3日曜日」に実施し、小学生以下の運賃を無料とします。
さらに、初回を含む19日からの3連休については、すべての日で小学生以下の運賃を無料にするとしています。
長崎電気軌道は「家族での外出機会を創出し、家族が子供を中心としたふれあいを深めるきっかけづくりを目指したい」としています。 https://www.denkishimbun.com/archives/189546
北陸電力グループ/富山駅前で美化清掃、路面電車南北接続2周年控え
2022/03/18
北陸電力グループは16日、富山駅の路面電車南北接続2周年記念イベントを前に、駅周辺の環境美化清掃を実施した。富山駅の北口側にある百川ビルと、南口側にある富山電気ビルデイングに入居するグループ会社9者の従業員約150人が、富山駅北口、南口周辺の歩道や緑地帯でごみを拾った。
清掃に参加したのは、北陸電力、北陸電力送配電、北電産業、北電技術コンサルタント、北電テクノサービス、北陸電力ビズ・エナジーソリューション、北電情報システムサービス、ケーブルテレビ富山、北陸電気保安協会。
>>この記事の続きは『電気新聞』本紙または『電気新聞デジタル』でお読みください https://news.livedoor.com/article/detail/6283888/
路面電車がある街って走りづらいですよね【車中泊女子の全国縦断記】
2012年2月16日 7時30分
clicccar(クリッカー) 先日、久しぶりにクルマで熊本市内まで行ってきました。
熊本市には、路面電車が走っています。
他にも神奈川、札幌、函館、富山、滋賀、広島、岡山、愛媛、高知、長崎、鹿児島など路面電車が走っている地域はありますが、都電のように専用軌道ではなく一般道路上に線路が敷設されているので、旅行者など慣れていない方は右折する時などに「線路に入っていいのだろうか?」と迷うのではないでしょうか?
熊本市内で免許を取ったわたしでも、線路を横切るのはドキドキします。 路面電車は、道路交通法では「レールにより運転する車」と定義づけられています。
なので路面電車にもクルマと同じように信号が適用され、また路面電車専用の信号もあります。 わたしの記憶では、「電車が走っていない時はクルマが線路を走ってもいい」と言われていました。
電車に追いついた場合は、左側からのみ追い越してもいいと言われていました。
ただし電車が電停(停留所)に停車している場合は、乗客の乗降が終わるまで、後ろで待っていなくてはならない、と。
(道路上にある電停は、道路交通法上では「安全地帯」となっています) が、これはローカルルール?のようで道路交通法では自動車の通行を禁止していました!
一部の地区では線路もバス専用/優先道路と同じ扱いになっているところがありますが、判らない場所では線路を横切る・右折する以外、線路に進入しないことが無難ですね。
右折する時も、線路上で待っていていつまでも渡れずに後ろから電車がやって来る場合があるので、線路の手前で待っておいた方がいいですよ。
(松本しう周己)
【リンク切れ、画像がすべて見られない方は】http://clicccar.com/114592 https://www.asahi.com/articles/ASQ3K6SBNQ39PTLC00T.html
松山の中心市街地「ポテンシャルあるのに」 道後との連携に課題
照井琢見2022年3月18日 9時30分
【愛媛】4年前の松山市議会議員選挙で市選挙管理委員会が配った選挙公報を調べると、公約で「まちづくり」に言及する候補が53人中24人もいた。一大観光地である道後温泉街を抱える一方で、松山市駅前広場の整備計画が進み、中心市街地は姿を変えようとしている。市中心部のあり方は、今回も争点の一つになりそうだ。 市中心部の一番町3丁目にある松山三越は、昨秋に1年以上の大規模改装を経てリニューアルオープンした。百貨店フロアを縮小し、ホテルやフードホールなどが入った。
社長の浅田徹さん(58)は、2018年4月に東京から松山に赴任した。4年前の状況は「撤退してもおかしくなかった」と振り返る。10年に三越から分社化して以来、赤字が続いており、客足も減少していた。それでも撤退を選ばなかったのは、「松山という立地のポテンシャルを感じたから」と説明する。 松山城や道後温泉などの観光地に、中心商店街や飲食店街などの商業地、大学など教育機関、それに官公庁・ビジネス街、住宅地までがコンパクトに集まる街。「中心部に、これだけの機能がギュッと集中している街は珍しい。人口減少が進んでも、中心部の経済規模はまだ期待できる」
ただ「もったいないな」と感じていることもある。それは「連携の不足」だという。道後地区の催しが中心商店街と連動していなかったり、中心商店街の一部だけで行う催しがあったりする。浅田さんは「行政も含めて市中心部と道後が連携する必要がある。エリアの強みを生かし切るには、工夫の余地がまだまだある」と強調する。 道後商店街振興組合理事長で、土産物店を営む石田匡暁(まさとし)さん(45)も「宿泊客が中心部のビジネスホテルにシフトして、観光客の動線は『道後完結型』から中心市街地を含む形に大きく変わった」とみる。
石田さんはここ数年、来店客のピーク時間帯が早まるのを感じている。以前は道後の旅館に泊まる客が夜遅くまで浴衣姿で買い物に来ていた。ところが最近は、夕方に買い物を済ませ、路面電車に乗って中心部に向かうという。
ただ、道後地区と中心地の連携には独特の難しさがあると話す。「観光客に非日常を提供する道後と、住民が日常を過ごす中心商店街。活性化策を一緒くたに考えるとターゲットがあいまいになる」と指摘する。 道後地区では市と地元団体が連携し、アートを生かした街づくりが進む。道後温泉別館飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)の中庭は、写真家・蜷川実花さんの撮影した極彩色の花の写真で埋め尽くされ、若い女性を中心に人気を集める。
「ハード面にそんなにお金をかけず、ターゲットを明確化できた。費用対効果は抜群で、市には今後も続けてほしい」と石田さん。その果実を中心部にどう引き込むか。「同じ観光地の松山城周辺に広げるとか、客層を考えて取り組む必要がある」と語る。
石田さんは各候補が「どこまで具体的に、リアリティーをもって街を捉えているか」をみるつもりだ。「僕なら街の強みを磨く。コロナ禍で人が動かないうちに、選ばれる街にする種をどうまくか。街のブランドをどう作るかが大事だ」と話した。(照井琢見) https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/566242
宇都宮市副市長に東氏起用へ 国交省から4人目
3/17 10:00
佐藤栄一(さとうえいいち)宇都宮市長は16日、国土交通省出身の鎌田秀一(かまたしゅういち)副市長(55)が今月末で辞任することを受け、後任に同省都市計画課都市計画調査室長の東智徳(ひがしとものり)氏(51)を起用する方針を明らかにした。24日の定例市議会最終日に人事案を提出する。 次世代型路面電車(LRT)整備を進める市は2013年度以降、2人の副市長のうち1人を同省から招いており、東氏で4人目となる。
こちらは「有料会員向け記事」です。 https://www.nishinippon.co.jp/item/n/893319/
渋滞対策にLRTどうですか? 高島市長に市議が提案
2022/3/19 6:00 [有料会員限定記事]
野間 あり葉
都心部に次世代型路面電車(LRT)を導入したらどうか−。18日に開かれた福岡市議会条例予算特別委員会の総会質疑で、田中慎介議員(市民クラブ)から交通渋滞対策としてこんな提案があった。かつて新たな交通政策とした「ロープウエー構想」を断念した高島宗一郎市長を当てこすった形だ。...
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栃木労働局が次世代型路面電車LRT工事現場を視察
栃木労働局は6日、2023年の開業を目指して建設が進められている次世代型路面電車LRTの工事現場を訪れ、安全対策の取り組みを確認した。転落や転倒のリスクがある穴の開いた箇所に手すりや囲いなどの安全対策がなされているかや熱中症対策として温度計や給水設備が設置されているかなどについて細かくチェックした。 https://www.nna.jp/news/show/2307356
2022/03/08(火)
南スマトラのLRT、21年乗客数は5割増
インドネシア南スマトラ州パレンバン市の軽量軌道交通(LRT)の2021年の乗客数は約160万人だった。新型コロナウイルスの影響で20年は落ち込んだものの、21年は前年比52%増となり、22年も順調に回復している。 NNAが運輸省から入手したデータによると、1日平均の乗客数…
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車体製造チョタウィー、LRT試作車が完成
トラック車体などを製造するチョ・タウィーは8日、軽量軌道交通(LRT)の試作車が完成したと発表した。
東北部コンケン県中心部でLRTの「レッドライン」建設が計画されており、車両の納入に向けて開発した。国立ラチャモンコン(ラチャマンカラ)工科大学イ...
(2022年3月9日 9:32)
※有料サービスをご契約の企業にニュースを配信しています。契約をご検討の際は無料トライアルをご利用いただけます。 https://www.yomiuri.co.jp/stream/article/17578/
次世代型路面電車(LRT)車両完成…宇都宮
宇都宮市中心部などを走る次世代型路面電車(LRT)の車両(1編成=3車両)が完成し、5月31日、沿線住民代表者らを招いたお披露目式と内覧会が開かれた=宇都宮支局 安田英樹撮影 2021年5月31日公開 https://hamarepo.com/story.php?story_id=5763
横浜にLRTが走る計画はどうなった?
2016年12月25日
ライター:福原 麻実
大阪に住んでいたころに何度か乗った路面電車。そして、神奈川では江ノ電にもお世話になっている。 いずれもレトロな雰囲気が大好きなのだが、近年、国内ではその路面電車を近代化したものが走っている。LRTだ。
なお、LRTは本来Light Rail Transitの略で、軽量軌道交通と和訳されることもある。この和訳の通り「近代的」「次世代」などの意味を含む単語はないが、ライトレール交通協会は江ノ電や東急世田谷線などもLRTとしている。
しかし、この記事では国土交通省の定義に従い「次世代型車両(低床車両)を導入している路線」に限定させていただく。 こんな車両が横浜の街を走る日が来るのだろうか? ぜひ乗ってみたいが、いつから、どこを走るのだろう?
はまれぽでは以前にもLRTについて取材しているが、あれから4年が経過した現在、何か変わっただろうか? 答えを知るべく、横浜市都市整備局都市交通部を訪ねた。 横浜にLRTが走る日はくる?
LRTが走るとすれば楽しみだが、走るとしたら、電車に地下鉄、そしてバスと、すでに交通網が発達している横浜の、いったいどこにLRTを走らせるのだろうか?
お話を聞かせてくださったのは、横浜市都市整備局の岡哲郎(おか・てつろう)課長補佐と遠藤佑介(えんどう・ゆうすけ)さん。
お二人によると横浜市は現在、横浜都心部の機能強化と、より魅力的なまちづくりを目指して作られた「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」という計画に基づき、LRTを含めた新しい交通機関の導入が検討されているそうだ。
新たに交通機関の導入を検討している場所は横浜市の都心臨海部とのこと。横浜駅周辺地区、みなとみらい21地区、関内・関外地区、山下ふ頭周辺地区、東神奈川臨海部周辺地区の5地区である。観光などで横浜を訪れる人の回遊性を高めることを目的としている。
その回遊性の確保のために、これまでコミュニティサイクルや水上交通ネットワークの強化・拡充なども行っているが、それらに加えて、5地区を結ぶ交通網を新設するそうだ。
新しい交通機関導入のための調査は、LRTや連節バスを対象とした新たな交通について2014(平成26)年と2015年(平成27)年の2年間で、総額約3800万円をかけて行われた。
しかし、LRTを数年のうちに入れることは難しいと2016年(平成28)年に市が判断。
既存の道路にLRTの線路を敷設すると道路幅を考えると自動車交通量に見合った車線を確保できないという問題があるさらに、費用面での課題もある。LRTにかかるコストは1kmあたり20〜30億円と言われているのだ。
そこで、当面はLRTと同じく候補に挙がっていた連節バスを中心に計画をしていくそうだ。 連節バスが横浜の街を走るのはいつ? ルートは?
連節バスについては、2020年の運行開始を目指して計画を進めているという。ルートやダイヤの詳細はまだ決まっていないとのこと。
また、導入の費用については車両が1台あたり数千万円(外国車のためレートによって異なる)と、通常の路線バスよりも高額だが、車内は後部のエンジンがある部分を除いてほぼフラットでバリアフリーの面でも優れており、しかも輸送可能な人数も120〜130人と、LRTと大差ないそう。
また、連節バスを走らせるにあたり、バス停もバスに合わせて長さのあるものが必要になる。
バス停だけでなく、ガードレールの間隔も調整することになるというが、それらの作業が必要になったとしても既存の道路を使用できるため、新しく線路を引くLRTよりも導入がしやすいそうだ。そういった理由で連節バスのほうが現実的なのだ。
しかしながら、LRTが横浜の街を走る可能性が完全にゼロになったわけではなく、現状期限は設けていなが今後もLRT導入の検討はしていくそうだ。バス路線と異なり、鉄道は地図に載るなど、横浜に初めてきた人にもわかりやすい。そして線路を走るために、道路を走るバスよりも定時性が確保しやすいなど、利点も多い。
LRTがすぐに導入されることはないようだが、横浜市の一大経済圏といえる都心臨海部の交通網がさらに多様化することは歓迎すべきことに思える。他地域の住民にとっては「そこだけ交通網が充実しても・・・」という思いはあるだろうが、それでも多くの人にとって便利になるのではないだろうか。連節バスの運行が開始される2020年、そしてその先の未来に期待したい。
ちなみに、本牧にLRTが走る計画はあるのかと伺ってみたところ「現在そのような計画はありません」とのことだった。バス路線が充実しているとはいえ、少し残念である・・・。 取材を終えて
人の流れや経済効果と同時に、新交通網に使用される車体のデザインもキニナル。これもまだ決定していないが、横浜らしい素敵なものであってほしい。4年後の連節バス、近い将来実現するかもしれないLRT、いずれも詳細が決定し次第、はまれぽ内にてお知らせする。
―終わり― 注目を浴びるLRTとその現実
高齢者の自動車運転による事故は後を絶たないが、同情すべき事情がないわけでもない。なぜなら、公共交通機関が貧弱な地域では、運転免許を返納すると買い物すらままならないからだ。解決策として、人件費を抑制できる自動運転バスの導入などのアイデアが生まれているが、そのひとつに在来線の次世代型路面電車(LRT)化がある。
LRTは「Light Rail Transit」の略で、低床式車両(LRV)を使った路面電車の進化形だ。バスに比べると運行の定時性や乗降のしやすさで優れている。未来のモビリティ都市創造に欠かせない公共交通として、各地で構想が存在している。
東京都内では、南北の交通手段がほぼバスに限られている江東区の亀戸〜新木場間や、中央区の銀座〜晴海にLRTの整備が検討されている。なお現在、中央区の新橋〜晴海間にはバス高速輸送システム(BRT)が運行しており、この路線を将来的にはLRTに置き換える構想が存在する。
かつて都内を走っていた路面電車には、自動車の道をふさぐ「時代遅れの乗り物」として次々と廃止された過去がある。しかし皮肉にも、路面電車の進化形であるLRTは多くの人数が時間通りに利用でき、かつ環境的にもクリーンという点で注目されているのだ。
2006(平成18)年開業の富山ライトレール(現・富山地方鉄道富山港線)に続き、栃木県宇都宮市では同市と芳賀町(はがまち)を結ぶ宇都宮ライトレールが完全新設路線として2023年の開業を目指している。ただ、LRTが各地で検討されるようになったのは21世紀の初頭であり、それを考えると、路線改良・新設で誕生したのがこの2路線のみという事実は、いささか残念と言わざるを得ない。
その利便性が理解されながら、物事がスピーディーに運ばないのはなぜか――。その現状を表しているのが、岡山県で計画されている吉備線のLRT化構想だ。
吉備線のLRT化は、路線を運営するJR西日本がその検討を発表したことに端を発している。ときは2003年2月。当時、富山ライトレールのLRT化も同時に発表されている。こちらが、発表後わずか3年で開業に至ったのに対し、吉備線は具体化が進まなかった。 計画が進んだのは2018年になってから
岡山市では当時、岡山国体の開催(2005年)を前に道路整備が進み、また吉備線でも混雑する道路付近の高架化が行われていたものの、LRT化は進まなかった。富山ライトレールが開業した2006年時点でも、JR西日本は 「構想の域を脱していない」(『山陽新聞』2006年1月28日付朝刊) として、LRT化を考慮していなかった。岡山県も、新設の道路と吉備線が交差する部分に立体交差を建設するなどの対応を行っていたが、建設費の負担などについては具体的な議論を進めていなかった。そして、地域からの要望や構想の深化だけが進んでいる状況だった。
2010年には、路面電車の岡山電気軌道を運営する両備グループが路線の岡山市役所、岡山大学病院への延伸計画を示したが、LRT化された吉備線への乗り入れも「将来検討」となっている。 ようやく計画が進んだのは、2018年4月。岡山市と総社市、JR西日本が約10年をかけて開業を目指すことを合意したのだ。
初期投資額として約240億円を計上。負担割合は ・岡山市:29%(約70億円) ・総社市:9%(約21億円) ・JR西日本:24%(約58億円) とし、残りは国の補助を利用。運行経費のうち、両市が年間約1億円とされる修繕費の半額を負担するとした(『山陽新聞』2018年4月5日付朝刊)。このときの計画では、運行本数を最大2倍に拡大、駅を7か所新設することも発表されている。
進展の背景には、岡山市と総社市による都市計画の具体化がある。岡山市では2040年の高齢化率が32%、総社市では34.4%に達すると予測。また、吉備線沿線は田園風景が広がっており、人口も広範囲に点在している。そのため、吉備線沿線の駅やバス停周辺の人口を集約したコンパクトシティが目標として打ち出されたのだ。
もうひとつが、LRT化による交通渋滞の抑制だ。岡山市と総社市との間の地域は昼間の人口移動が盛んで、特に総社市から岡山市への通勤・通学割合は全体の18.1%を占めていた(2010年)。このように、往来が盛んにも拘わらず両市を結ぶ幹線道路は国道180号線のみで、慢性的な渋滞が発生していた。 岡山市では2019年に新駅の計画案が策定され、住民との意見交換も進められるなど計画は大幅に進んだ。沿線には吉備津神社や備中国分寺といった観光資源もあるため、自転車の積み込みを可能にして観光客を誘因できるプランも登場している。
ところが2020年に入って計画は一転、暗雲が立ちこめた。コロナ禍で三者協議が先延ばしとなり、2019年度中に策定されるはずだった基本計画が完成しなかった。そして2021年2月になり、事業化のための協議の中断がついに決定されてしまった。 LRT導入は都市再開発の一部
中断の理由は、三者の大幅な財政悪化だ。
JR西日本の2020年4月から12月までの売上高は前年の4割程度に落ち込み、第三四半期までの連結純利益で1618億円の赤字となった。岡山市と総社市も税収の減少と新型コロナ対策費でダメージを受けた。こうして高齢化を見据えたLRT化は再び暗礁に乗り上げた。
吉備線と富山港線の明暗をわけたのは、何だったのか?
もともと、富山港線は富山市内中心部への通勤・通学路線として利用されていたが利用者は少なく、1日に20本程度の列車が走る路線だった。その後、北陸新幹線の開業を前に富山駅の高架化が計画されると、高架化費用に対する需要が見込めないため、富山港線は廃止となる可能性もあった。
ところが、バスへの転換による利便性の低下や渋滞の可能性もあり、LRT化が決定。駅数も増加し、最大10分間隔の運行となったことで、閑散とした路線は一変した。
それに比べて、吉備線は現在でも岡山市〜総社市間の幹線として需要があり、急ピッチでLRT化を進める必然性がなかった。また、富山港線の営業キロが8kmだったのに対して吉備線は20.4kmと、交差する道路の改良も含めると費用は膨大で、その捻出先がまとまらなかったことも大きい。LRT導入の避けられない問題――。それは、既存路線を改良するだけでも膨大な費用がかかることだ。
また都市部であれば、工事は交通量の多い道路を含む大規模なものとなる。冒頭で記した江東区の場合、JR越中島貨物線と明治通りを利用するとしているが、交通量の多い明治通りでは工事計画も難航することが予想される。中央区でも一時は晴海通りにLRTを建設する、「都電の復活」ともいえる案が浮上したものの、すぐに立ち消えとなった。晴海通りは現在でも慢性的に渋滞しているため、LRTの新設は困難だろう。
LRTの導入は都市再開発の一部とも言える。都市の将来像と、それを可能にする予算をまとめることには今後も困難が付きまとうだろう。
弘中新一(鉄道ライター) https://www.sbbit.jp/article/cont1/34876
会員限定 2018/05/01
動き始めた全国のLRT計画、岡山や栃木はどう取り組んでいるのか
全国の地方自治体が次世代路面電車(LRT)に熱い視線を注いでいる。岡山県では岡山市と総社市、JR西日本がJR吉備線のLRT化で合意したのをはじめ、栃木県では宇都宮市と芳賀町によりLRT新設工事が始まった。本格的なLRTを導入した国内の自治体は富山県富山市だけだが、コンパクトシティの実現で一定の成果を上げているほか、東京都葛飾区など構想を描く自治体も少なくない。関西大経済学部の宇都宮浄人教授(交通経済学)は「LRTは鉄道よりコストが低く、バスより輸送力がある。存在が明確なため都市交通の軸となり、観光客にも分かりやすい。デザイン次第で街の顔になる」とみている。
政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい) JR西日本と岡山、総社の両市が整備で合意
岡山市北区のJR岡山駅から総社市の総社駅まで20.4キロを結ぶJR西日本の吉備線。非電化の単線路線で、桃太郎線の愛称がつけられている。岡山市の中心部を抜けると、周囲は田園地帯。車窓からのどかな景色を見せながら、ワンマン列車が1時間に1〜2本程度、運行している。
吉備線の輸送密度(1日1キロ当たりの輸送量)は2016年度で5,749人。JR西日本が発足した1987年度の6,690人に比べ、約1,000人少ない。
沿線人口が今後、減少すると予想されていることから、JR西日本は2003年、LRT化を提案し、2014年に検討会議が計画のたたき台をまとめた。費用負担で3者の調整が難航していたが、それがようやく解決し、正式合意したわけだ。
合意によると、運行本数は朝のラッシュ時で岡山駅−備中高松駅間が1時間6本、備中高松駅−総社駅間が4本に増え、それ以外の時間帯も3本に増やす。現在の10駅に加えて新たに7駅程度を新設する。
費用は車両の購入や新駅の整備など初期投資に240億円程度かかる見込み。国の補助金91億円を除き、岡山市が70億円、総社市が21億円、JR西日本が58億円を分担する。運行経費は年間6億円と見積もられているが、JR西日本が5億円、両市が1億円を出す。
運行はJR西日本が受け持ち、両市は新駅設置場所の選定などを担当する。JR西日本が既存路線をLRT化し、運営に携わるのは初めて。今後基本計画を策定したあと、建設工事に入るため、開業時期は未定という。
岡山市交通政策課は「地域の活性化を図るインフラとして1日も早く開業できるよう力を合わせたい」、総社市都市計画課は「沿線の開発を進め、地域振興を図っていきたい」と期待を口にした。 富山ライトレールはコンパクトシティに貢献
LRTは「ライト・レール・トランジット」の略。国土交通省は
低床式で排気ガスの少ないタイプの車両を導入し、段差がないバリアフリーのホームを設置している
電車と同一のホームでバスやタクシーに乗り継ぎが可能
役所や観光地への案内板を設置している
などの条件を満たしたものを指すと定義している。条件に合致する路線は富山市の富山ライトレールだけだ。
旧世代の路面電車は20世紀の高度経済成長期まで都市交通の中心となり、日本の戦後復興や経済発展を支えてきた。しかし、モータリゼーションが進むと、交通渋滞が社会問題になる。路面電車も乗客が減っていたため、次々に廃止された。
今も北海道の函館市電、東京都の都電荒川線、大阪府の阪堺電車、広島県の広島電鉄など現役路線は各地にあるが、大都市では地下鉄、地方都市では路線バスに主役の座が移っている。
これに対し、欧米諸国ではLRTの導入が着実に進み、2013年時点で140以上の都市で導入されている。欧州では道路拡張や駐車場増設の余地がない旧市街の基幹交通として再評価され、地域の名物になっているところが少なくない。
国内では2006年に富山市が富山ライトレールを開業した。JR西日本から全長7.6キロの富山港線を譲り受け、LRTに転換して第三セクター方式で運行している。少子高齢化時代を見据え、中心市街地に都市機能を集約させるコンパクトシティの一環で、公共交通の整備により、中心部に人を集めるのが狙いだ。
JR時代は乗降客が少ないことから、運行本数を減らし、さらに乗降客が減る悪循環に陥っていた。だが、富山ライトレールは昼間でも15分間隔で運行し、JR時代の1日当たり乗降客数平日2,266人、休日1,045人(2005年10月)を大きく上回る1日5,000人台の乗降客を毎年確保している。
三セク会社の経営は補助金があるとはいえ、11年連続の黒字。富山市路面電車推進課は「高齢者の外出が増え、都市の無秩序な郊外拡大にも一定の歯止めがかかった。十分な成果が出ている」と胸を張る。 LRTをめぐる国内自治体の最近の主な動き
愛媛県松山市 松山空港へのLRT新設構想で空港リムジンバス廃止など9条件を満たせば、費用対効果が見合うと検討会が3月に試算
東京都葛飾区 JR新金貨物線の活用調査で2017年度、LRTの優位性を確認。2018年度から踏み込んだ検討に入る
沖縄県 那覇−名護間を結ぶ鉄軌道導入構想でLRTも検討対象に
群馬県前橋市 上毛電鉄へのLRT導入の可能性調査で、市は2017年、コスト負担が大きいとする結果を公表
滋賀県 彦根市の近江鉄道沿線活性化のため、LRTなど代替交通手段の導入も想定した交通ネットワーク調査を2018年度に実施
名古屋市 2027年のリニア中央新幹線開業を見据え、都心部にLRTとBRTの長所を生かした革新的な新交通システム導入を検討
東京都八王子市 多摩ニュータウンと市中心部間のLRT新設構想で、石森孝志市長が2016年末、着工困難との見方を表明
出典:各自治体ホームページ、議会議事録などから筆者作成 この続きは会員限定です
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車両お披露目「宇都宮LRT」、喜び一色でない現実 インフラ整備も進みつつあるが事業費大幅増加
2021/06/04 4:30
小佐野 景寿 : 東洋経済 記者
2023年3月の開業を目指し、栃木県宇都宮市と隣接する芳賀町で建設中の次世代型路面電車(ライトレール)「芳賀・宇都宮LRT」。その車両が5月31日、ついに姿を現した。
工事が進む車両基地の一角で、関係者約80人が出席して開いた「お披露目式」。宇都宮市の佐藤栄一市長や芳賀町の見目匡(けんもく・ただし)町長らによって車体を覆う幕が取り払われると、鮮やかな黄色とダークグレーのカラーリングに包まれた流線形の車体が青空の下に輝いた。
2013年3月に同市がLRTの整備に向けた基本方針を策定してから約8年、2018年6月に建設工事が始まってから約3年。シンボルとなる車両の登場は、LRT事業の大きな節目といえる。式典で佐藤市長は「車両をお披露目できることは、本事業の1つの集大成」と強調、車両を活用することで「より一層開業に向けた機運醸成に取り組みたい」と述べた。 黄色い車体は「雷」イメージ
芳賀・宇都宮LRTは、JR宇都宮駅東口から市東部の清原工業団地を経て、隣接する芳賀町の芳賀・高根沢工業団地まで約14.6kmを結ぶ予定の路線。多くの区間は道路上を走り、鬼怒川を横断する付近など一部は専用の軌道を通る。インフラは市と町が整備し、運営は第三セクターの「宇都宮ライトレール」が担う。
黄色に輝く車両は3つの車体を連ねた3連接車で、愛称は「ライトライン」。LRT(ライトレールトランジット)のライトや、雷が多い宇都宮周辺の呼び名であるという「雷都」などの意味を含んでいる。黄色のカラーリングも雷光のイメージで、デザイン案や愛称は住民アンケートに基づいて決定した。先鋭的な先頭部の形や塗り分けは、LRTの「L」字を意識している。
車両の構造では、輸送力を高めるため「国内最大・最多」が目立つのが特徴だ。全長は国内の路面電車車両では最大級となる29.52m、車体幅も低床式の電車では国内最大の2.65m。長さと幅を広げることで、定員は国内の低床車両で最多という約160人を確保した。
乗降用のドアは1編成あたり片側4カ所で、すべてのドアに乗車・降車用のICカードリーダーを設置した。芳賀・宇都宮LRTは、従来の路面電車やバスのように運賃支払いに時間がかかるのを避け、速さや定時性を確保するためにICカード利用を主体とする想定だ。カードリーダーはスムーズな乗降のため、角度や配置などを工夫したという。
車内は外観と同様、黄色とグレーを基調としたデザイン。座席は50人分あり、向かい合わせのボックスシートを主体として各車両に1カ所ずつロングシート型の優先席を設けている。1人当たりの座席幅は450mmで、座り心地は柔らかめ。吊り手は一部に木をあしらい、「輪になった部分だけでなく、その上の部分も握りやすくした」デザインだ。 すでに8編成目まで製造着手
このほか、バリアフリー対応として車いすスペースを先頭車両に各1カ所設置。ベビーカーや自転車などを置けるフリースペースも中間車両に1カ所設けた。また、車内の換気システムは2分程度で空気を入れ替えることが可能。開発当初からの設計というが、コロナ対策として重要な意味を持つことになった。
製造は新潟トランシスが担当し、価格は1編成当たり約4億円。宇都宮市やメーカーの担当者によると、車両はすでに8編成目まで製造に着手済みで、2023年の開業時までに全17編成が揃う予定だ。
あと2年ほどで走り出す予定の「ライトライン」だが、設計は「その後」も見据えている。
現在は路面電車の法規である軌道法に基づいて車両の長さを30m以内に抑えているが、担当者によると中間に車両を増結できる構造。最高速度も同法が定める時速40kmだが、一般のLRT車両よりモーターなどを強化しており、性能としては時速70km運転が可能という。将来の増結やスピードアップについて、市LRT企画課協働広報室の担当者は「開業後に必要性などを検証しながら、現在進めている宇都宮駅西側への延伸計画も踏まえつつ検討していきたい」と話す。
ついに車両が姿を現した芳賀・宇都宮LRT。2021年に入り、3月には宇都宮地域の路線バスや開業後のLRTで使える地域連携の交通系ICカード「totra(トトラ)」のサービスが始まり、4月には全19停留場の名前が決定するなど、開業に向けた動きは着々と進んでいる。鬼怒川にかかる橋梁も、今春に両岸がつながった。
ただ、LRTを取り巻くのは「お祝い」の要素だけではない。
影を落とすのが事業費の増加だ。宇都宮市は今年1月、用地取得の遅れから開業予定を従来の2022年3月より1年程度延期するとともに、これまで412億円としていた概算事業費について、約191億円増の約603億円(宇都宮市域分)になる見込みと発表した。高架区間で軟弱地盤が確認されたことによる構造の変更や豪雨災害対策の強化などが主な理由だ。 コンパクトシティーの「軸」
新路線の建設で事業費が増加するケースは少なくない。ただ、今回は約1.5倍という増額幅とともに、LRT事業の是非が争点の1つとなった昨年11月の市長選から約2カ月後という公表のタイミングが議論を呼んだ。その後、2018年の時点で増額に関して記載した内部文書の存在も判明。市民らに不信感を与えることとなった。
事業費の増加は整備の費用対効果を表す指標「費用便益比」(B/C)にも影響を及ぼす。費用便益費の数値は1を上回ると効果があるとされ、市によると従来は開業後30年で1.07だったが、増額後は1を下回る0.73となった。市は「LRTは開業による税収増の効果などもある」(LRT企画課協働広報室の担当者)と説明するが、巨額の投資に対しどれだけの効果を引き出せるかは重要な課題だ。
また、コロナ禍による行動変容で従来の需要予測の前提が変わる可能性もある。ただ、新たな需要予測について市は「その必要性も含めて(実施するかどうか)見極める必要がある」(前出の担当者)と、あくまで今後の検討課題との考えを示す。
人口減少時代を見据え、都市機能を集約する「コンパクトシティー」が脚光を浴びる中、宇都宮市は市内各地に設けた地域拠点を公共交通網で結ぶ「ネットワーク型コンパクトシティー」構想の先駆者として注目を集める。LRTはその基軸となる交通機関だ。もう後戻りは難しい段階まで進んだといえるLRT事業。「成功」といえる効果をもたらし、不安や批判を払拭できるかどうか、これからが正念場となる。 https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00465/
【池袋の次世代型路面電車(LRT)構想➀】LRT先進都市・ストラスブールの事例、そして池袋
フリーランスライター
小林 裕子
池袋で2003年から構想されているLRT
以前HOME'S PRESSでもレポートしたのだが、池袋(東京都豊島区)は今、街の姿を大きく変えようとしている。豊島区役所移転(2015年5月)に伴う旧庁舎跡地一帯では、2020年の五輪開催までにシネマコンプレックスや新ホールなどが誕生するという一大プロジェクトが進行中。また、池袋のランドマーク的存在であるサンシャインシティの南東側の隣地には造幣局東京支局があるが、2016年10月にさいたま市へ移転するため、その跡地を防災公園などに整備する計画が進められている。このほかにも複数のプロジェクトが計画され、再開発機運が高まっている池袋にあって、街づくりの軸として豊島区が検討しているものがある。それは次世代型路面電車システム「LRT(Light Rail Transit=ライトレールトランジット)」の導入。現時点では構想段階なのだが、2003年から13年越しで検討され続けている。池袋駅東口の駅前からグリーン大通り、サンシャインシティと造幣局東京支局の間を通り、サンシャイン通りから駅前へと周回する2.1kmの区間に、LRTを走らせたいという。
このLRTが実現したら池袋はどう変わるのだろう? そんな関心を抱きつつ、『池袋LRT(路面電車)計画が描く未来』と題した公開講演会の取材に出向いた。今回から2回に分けて講演会レポートをお届けしたい。 新たな公共交通機関として世界で注目されているLRT
この講演会を主催するのは「池袋の路面電車とまちづくりの会(以下、「まちづくりの会」)」。豊島区が池袋LRT構想を発表した2003年に地元の商工業者によって設立された団体で、池袋LRT実現を通じて池袋全体の活性化をめざしたいと、さまざまな活動に取り組んできている。
講演会の前半で登壇したのは、「まちづくりの会」事務局長の溝口禎三氏。「まちづくりの会」では2015年秋に豊島区観光協会、東京商工会豊島支部との共催でフランス・ストラスブール市などの視察ツアーを行なっており、ツアーに参加した溝口氏から視察報告とストラスブールの街づくりについて語られた。ストラスブールはフランス北東部、ライン川左岸に位置する地方都市。EU(欧州連合)の欧州議会などヨーロッパの主要な機関が置かれているのだが、1994年にLRTを導入して街全体の活性化に成功し、都市公共交通システムの先進都市として知られるようになった。人口は豊島区(約28万人)よりもやや少ない約27万人ながら、世界各国から多くの視察団が訪れている。
まず、溝口氏による視察報告をお伝えする前に、LRTについて整理したい。もともと路面電車は排気ガスをほとんど出さない、環境にやさしい乗り物なのだが、それをさらに発展させた高性能の電気軌道車両を用いるのがLRT。特徴として挙げられるのは、まずバリアフリーに対応した設計で高齢者や幼児でも乗り降りしやすいこと。車いすやベビーカーの利用者でも安全にかつ楽に乗り降りができるように電車の床を低くし、プラットフォームとの段差をなくしている。運行時の振動が少なく、騒音も小さいことや、車両の連結運転ができるので多数の乗客を輸送できることも特徴。さらにLRTは専用軌道を走るのでほぼ定時に発着することが可能であることも、大きなポイントとなっている。また、地下鉄のように地面を掘ったり、モノレールのように高架橋脚を作る必要がないため、建設費用も安く済む。
こうした利点からLRTは新たな公共交通機関として世界で注目されている。1978年にカナダのエドモントンで世界初のLRTが導入されて以降、欧米の都市を中心に導入事例は増え続け、この約35年の間にLRTを新設したのは160都市以上にもなるという。そうしたひとつが、フランスのストラスブールを走るLRTで、「トラム」とも呼ばれ、街のシンボルになっている(以下、ストラスブールのLRTについてはトラムと記述する)。市民の通勤通学などの足としてはもちろん、約2000年もの歴史が刻まれた古い街並みをめぐる観光の目玉でもある。 トラムを軸にしたストラスブールの街づくりとは
そんなストラスブールを訪れ、視察をした溝口氏。講演会壇上でまず、「美しい街並みにトラムが走る風景は感動的でした。カメラのシャッターを押したくなるフォトスポットが多く、歩いて楽しい街でした」と、印象を語った。この「歩いて楽しい街」であることこそが現在のストラスブールの大きな魅力であり、トラム導入による街づくりがもたらした成果であると、溝口氏の話から知ることができた。
1994年にトラムが導入される以前、1980年代のストラスブールは歩いて楽しい街どころか、街は自動車であふれ返り、交通渋滞や大気汚染の問題、さらには街の中心部が空洞化して商店街はさびれてしまっていたという。そんな状況を解決する鍵となったのがトラムだった。始まりは1989年の市長選挙。交通渋滞を解消するために地下鉄を導入する政策を掲げた現職の市長に対し、トラムを導入することを掲げたカトリーヌ・トロットマン氏が当選した。そうして6年後に約10kmの区間でトラムが開通(その後、路線延長がなされている)。
ここで重要なのは、車に代わる交通手段としてのトラム開通が目的だったのではなく、多くの人が集い活気ある街にするための手段としてトラムを導入したということだ。トラムの開通に伴い、車道や駐車場を歩道やオープンカフェに変える、トラムの専用軌道を緑地にするといった取り組みを行なった。なかでも画期的だったのが、トランジットモールと呼ばれる歩行者専用道路を設けたこと。トランジットモールを通行できるのは歩行者のほか、トラムなどの公共交通のみで、つまりは車を締め出した空間というわけだ。そして、車が街の中心部に乗り入れできないよう、車の乗り入れを規制し、「パークアンドライド」システムを取り入れた。パークアンドライドとは、自動車を都市周辺の駐車場に止め、そこから鉄道やバスなどの公共交通機関に乗り換えて街の中心部へ入る形態のこと。ストラスブールでは街の中心部入口に駐車場を設け、そこからトラムなどに乗り換えて移動するという仕組みを整えた。さらには自転車の専用道路の整備や、トラムを補完する交通機関として郊外にBRT(※)を新設するなど、交通網を総合的に整備したのだった。
「その昔は、歴史的な建造物であるストラスブール大聖堂の周囲も駐車場と化していたそうですが、今では車の姿はなく、人が歩いて楽しめる広場になっています。つまり、トラムを導入するとともに、街の景観を整備し、景観美のクォリティを高めたわけです」と、溝口氏は解説した。そうした取り組みで街に活気がよみがえったストラルブール。LRTを導入したことで、住民の買い物行動にも変化があり、街の中心部での買い物回数はLRT導入以前に比べて約3割増えたという。
(※)BRT=Bus Rapid Transit:バス高速公共交通。専用の軌道をもち、一般自動車交通と共存しながらも、通常の路線バスよりも大容量、高速、高頻度に運行するバス輸送システムのこと。 「駅袋」からの脱却をめざす池袋
さて、池袋のLRT構想であるが、どこまで検討が進んでいるのだろう。冒頭で記述したように池袋にLRT構想が生まれたのは2003年。LRTを導入することで池袋がめざすものはさまざまにあるのだが、まず、通称「駅袋」と呼ばれる状況からの脱却が挙げられる。池袋駅は山手線などJR各線や西武池袋線、東武東上線、地下鉄3線が乗り入れる巨大ターミナル駅で1日に約260万人もの人が乗降するにもかかわらず、駅に直結する百貨店などを利用するだけで駅の外には出てこないという。また駅の外に出てきても、サンシャインシティへと向かうサンシャイン60通りに人が集中しているため、人の流れの回遊性を高めることも課題となっている。そして池袋のイメージアップ。新宿や渋谷などに比べていまいちダサいというイメージがあるため、LRTを走らせることで渋谷や新宿など他の繁華街にはない新たな魅力を創りたいとしている。 近い将来、池袋駅東口は歩行者広場に
現在はまだ実現に向けて検討・検証を重ねている段階というが、実現の可能性はどうなのだろう? 冒頭で記述したように現在、池袋ではさまざまな再開発プロフェクトが進められているのだが、このなかのひとつ、豊島区役所新庁舎の東側で工事が進行中の「明治通りのバイパス(環状5の1号線)」の完成が、LRTの実現へと近づけてくれるものとして、溝口氏をはじめ関係者は期待を寄せている。「明治通りは池袋駅東口の前を通っているのですが、バイパスが完成することで駅前の車の交通量の大幅な減少が見込まれています。このバイパスは東京五輪が開催される2020年の春に完成する予定です。バイパス開通後、豊島区では東口駅前を歩行者広場にする構想をもっています。この池袋の玄関口にあたる広場が、LRTの走るトランジットモールへと発展していくことを願っています」と、溝口氏は語った。
池袋のLRT実現には、車両基地の用地確保、LRT導入に伴う自動車交通やバス・タクシー、物流事業者などへ与える影響はどうなのかといった問題など、多くの課題の解決が必要となっている。また、「池袋にLRTが必要なのか?」と考える地域住民との合意形成もこれからだろう。LRT計画の進展の道筋は立っていないわけだが、それは池袋に限ってのことではない。日本では多くの都市でLRT導入が検討されてきているが、導入されたのは富山県富山市の富山ライトレール富山港線(2006年開通)のみにとどまっているという事実が物語るように、日本ではLRT導入が進んでいない。そんななか、20年以上の検討期間を経て、LRT運行計画を始動させた都市が栃木県宇都宮市である。2016年度内に着工し、2019年の運行開始に向けて動き出している。その宇都宮LRT計画に学識経験者として関わってきた早稲田大学理工学術院教授・森本章倫氏が、この講演会の後半に登壇した。森本氏の講演内容は、次回記事でレポートする。
☆取材協力
池袋の路面電車とまちづくりの会
http://www.i-tram.com/
☆主な参考資料
・池袋の路面電車とまちづくりの会 会報『iとらむ』
・『池袋副都心再生プラン』(2004年4月:豊島区都市整備部都市計画課)
・『池袋副都心交通戦略(池袋の交通のあり方を考える)』(2011年9月:豊島区都市整備部都市計画課)
・『まちづくりと一体となったLRT導入計画ガイダンス』(2005年10月:国土交通省都市・地域整備局都市計画課都市交通調査室)
2016年03月14日 11時00分 https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00464/
【池袋の次世代型路面電車(LRT)構想➁】日本でのLRT導入の課題と街づくりがめざすものとは?
フリーランスライター
小林 裕子
約20年の議論を経て動き出した宇都宮のLRT計画
池袋(東京都豊島区)のLRT(次世代型路面電車システム)計画をテーマにした講演会レポートの2回目。今回は、講演会後半に登壇した早稲田大学理工学術院社会環境工学科教授・森本章倫氏の講演をお伝えしよう。森本氏は交通計画、都市計画を研究フィールドとし、2014年に早稲田大学の現職に移るまでの20年間、宇都宮大学(栃木県宇都宮市)で教鞭を取り、宇都宮市のLRT計画にも学識経験者として関わってきた。また、2013年秋に発足した「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」では委員長を務め、現在にいたる。
前回記事でもふれているように、日本各地でLRT構想が検討されているものの、実現にいたったのは2006年開通の富山ライトレール富山港線(富山県富山市)のみとなっている。そうした状況にあって、宇都宮のLRTは20年以上に渡る議論を経て、2016年度内に着工、2019年の運行開始をめざし、具体的に動き出している。 自動車依存社会を変える手段として見直されている公共交通機関
この宇都宮の実例を交えながら、森本氏によって日本におけるLRT導入の課題と展望が語られた。講演冒頭で「既に運行している路面電車に、LRV(Light Rail Vehicle)と呼ばれる低床式の車両を取り入れる事例は、日本でも増えています。たとえば、岡山や広島の路面電車がLRVを採用しています。しかし、車両をLRVにするだけではなく、街づくりのツールとして導入するものを、我々はLRTと定義しています」と、森本氏は話した。
海外ではLRTを導入する都市は増え続けており、特に2000年以降は欧米を中心に年間5〜6都市のペースで増えているという。「なぜLRTかというと、自動車依存社会が行き過ぎたからです」と、森本氏は話す。「自動車がなければ生活できない」という車依存が進むと、交通渋滞や交通事故、環境汚染の要因になるだけではなく、バス、鉄道など公共交通の衰退や、中心市街地の空洞化やシャッター街化といった現象をも引き起こす。そこで公共交通を整備して自動車依存社会からの脱却と、街の活性化をはかろうということで着目されるようになったのがLRTだといい、自動車大国のアメリカでもLRT導入の事例が相次いでいるという。ここ数年の傾向では、中国でのLRT導入がめざましく、2014年までに12都市でLRTが新設されている。 海外で進むLRT導入、なぜ日本では普及しないのか?
このように世界で普及しつつあるLRTなのだが、日本ではなぜ導入が進まないのか? その理由として森本氏は、次の3点に要約されると語った。
まず1点目は合意形成の問題。LRT導入は行政側が一方的に推し進めるのではなく、民間事業者などとの協働や、地域住民の声に耳を傾けながら行なうことが必要不可欠となる。そのプロセスで課題になるのが、民間事業者や地域住民などとの合意をどう形成するか、ということだ。全員の賛同を得られればスムーズにいくのだが、なかなかそうはいかない。
「特に自動車利用者の賛同が得にくいという問題があります。地方都市の場合ですと、人々は移動手段の大半を車に頼り、車での生活に慣れ親しんでいるため、LRT導入の必要性を感じていないのです。また、LRT新設となると、道路に専用軌道を作ることになるので走行車線が減少し、渋滞を招くのではないかと懸念する意見もあります」
と、森本氏。加えてLRT導入予定路線沿線の商店街からは、
「今の顧客の大半が車での来店なので、LRTが開通すると顧客が減ってしまう」
と危惧する声が多数挙がってくる。そうした人たちにいかにしてLRT導入を理解してもらうのかが、重要な課題になる。ちなみに前回記事で紹介したフランス・ストラスブール市でも中心市街地の商店街の人たちは同様の理由でLRT導入に反対していたというが、LRT開通後は歩行者通過量が20〜30%増え、それに伴って商店街の売上も増えたという。
次に挙げたのは財源確保の問題である。LRTの建設費用は約30億円/kmといわれ、地下鉄(約300億円/km)やモノレール(約100億円/km)の比較では、低コストで整備が可能とされている。が、従来のバスとの比較では多額の整備費が必要になる。海外では公共交通整備に対して事業税、消費税など独自の財源を確保しているのに対し、日本ではそれに該当する財源が存在しないという。また、日本では公共交通事業は独立採算を基本としていることもあり、LRTを維持・管理していく財源をどう確保していくかが課題となる。
そして、3点目は関連する制度や関係者間調整の問題。近年は、日本でもLRT整備に対する補助金など各種支援制度が整いつつあるので、制度面でのLRT導入のハードルは下がっているのではないかと森本氏は話す。現在、大きな課題となっているのは、既存のバスやタクシー会社などとの調整という。
「LRTとバスが競合し、乗客を奪い合うというような状態になってはいけません。それが原因で失敗したのが、イギリス・シェフィールド市で1994年に開通したLRTです。最終的にLRTがバス会社に吸収されてしまいました。そうした事態にならないよう、LRTとバス路線の調整をはかり、公共交通体系の見直しをすることが重要です。海外のLRT先進都市のなかにはLRTとバス路線とがうまく連携できた結果、バスの乗車数も増えたという成功事例が数多く見られます」
と森本氏は言う。 LRTはコンパクトシティを実現するための基幹公共交通
こうしたさまざまな課題と向き合いながら、富山市(富山ライトレール)に続く国内2番目のLRT導入都市をめざして始動した宇都宮市。栃木県の県庁所在地で人口約51万人の中核市。東部地区には大規模な工業団地があり、工業都市としての顔ももつ。
そんな宇都宮市を走るLRT計画の概要を紹介すると、まず区間であるが、JR宇都宮駅をはさみ、西側の中心市街地と、市東部の工業団地や宇都宮市に隣接する芳賀町の高根沢工業団地までの約18kmを結ぶ公共交通機関として計画されている。先行してJR宇都宮駅東側の14.6kmを整備する。富山ライトレールのケースは、利用客減少という問題を抱えていたJR富山港線を富山市が買い取り、約7.6km(富山駅北〜岩瀬浜)のLRTとして再整備したもので、既存の線路6.5kmに新たに路面電車の専用軌道1.1kmを敷くという形での開通だった。つまり新設したのは1.1kmだったのだ。が、宇都宮の場合は全線が新設路線として計画されているので、全線新設路線のLRTとしては日本初の試みとなる。
LRTの事業方式は公設型上下分離方式を採用。「下」の部分にあたるレールや停留場などのインフラを公共(宇都宮市・芳賀町)が整備を行ない、「上」にあたるLRTの運行・運営については官民出資による第3セクターの宇都宮ライトレール株式会社(2015年11月設立)が行なうことになった。概算事業費は先行して整備を行なう区間で約458億円。平日の利用者を約1万6000人と試算し、開業初年度から黒字が見込めると想定しているという。
「宇都宮市でLRTが公的に議論されたのは、1993年にさかのぼります。当初、宇都宮市の東部地区に集中する工業団地の激しい渋滞を緩和するための交通手段として着目されたのがLRTでした。しかし、2000年になると、車社会の進行で中心市街地の衰退が問題になり、まちなかを活性化させるためのツールとしてLRTを走らせることが検討されるようになりました。そして、今、LRTはコンパクトシティを実現するための目的のひとつと位置づけられています。人口減少社会が進むなか、それに対応し、生き残るための街づくりをするという大きなフレームの中でLRT計画が動き出しています」
と、森本氏は語る。コンパクトシティとは、商業圏や生活圏など拡散してしまった都市機能をいくつかの地域拠点に集約させていこうとするもので、地域拠点を結ぶ軸として期待されているのがLRTやバスなど公共交通なのだ。 どういう街にしたいのか、グランドデザインを描くことが重要
宇都宮に限らないことだが、人口減に加え超高齢化社会に突入し、車を運転できなくなる高齢者も増え続けているなか、LRTやバスなど公共交通で移動しやすい街へと転換をはかることは、必要なことではあると筆者も思う。ただ、自治体によってLRT導入が適す都市とそうでない都市があるだろう。
「LRTを導入することでいかに魅力的な街を創り出すことができるのか。その都市の状況に合わせて“こういう街にしたい”というグランドデザインを描くことが重要です。池袋の場合、地方都市ではなく、東京の都心にあることを活かし、多くの民間活力を導入するといった取り組みが可能になるのではと考えます。池袋にLRTが走れば、新宿や渋谷にはない、大きな魅力になるでしょう」と森本氏は話した。
この講演会の最後には豊島区の高野之夫区長も登壇し、「池袋にLRTが走ることで行ってみたい街として魅力を高め、環境にやさしい都市として世界に向けて発信していけるようになると思います。そんな街づくりをするために挑戦していきたい」と締めくくった。
前回記事でレポートした内容と合わせ、池袋のLRT計画にとどまらず、宇都宮市の動向、日本でのLRT導入の課題やよる街づくりの可能性など新たな気づきを得た講演会となった。
☆取材協力
池袋の路面電車とまちづくりの会
http://www.i-tram.com/
☆主な参考資料
『我が国におけるLRT導入時の課題に関する研究』(森本章倫)
『持続的に発展する 魅力あるまちづくりに向けて LRT(次世代型路面電車システム)の整備』(2015年3月/宇都宮市)
『LRT沿線の権利者・関係者向け事業説明会』資料(宇都宮市建設部LRT整備室)
2016年03月14日 11時05分 宇都宮も思ったより金かかってるから続くところはなかなか出ないかもな >>502
渋滞対策にLRTどうですか? 高島市長に市議が提案
2022/3/19 6:00 [有料会員限定記事]
野間 あり葉
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/893319/
都心部に次世代型路面電車(LRT)を導入したらどうか−。18日に開かれた福岡市議会条例予算特別委員会の総会質疑で、田中慎介議員(市民クラブ)から交通渋滞対策としてこんな提案があった。かつて新たな交通政策とした「ロープウエー構想」を断念した高島宗一郎市長を当てこすった形だ。
高島市長は、交通渋滞緩和策として2016年に導入したバス高速輸送システム(BRT)に加えて打ち出したロープウエー構想を、自民党市議団などに反対され、19年3月に取り下げた経緯がある。しこりもあって、議会では渋滞緩和策の議論を避ける雰囲気があった。
そこに、この日の田中議員の質問だ。「何らかの交通システムを導入する必要があるのでは」とLRTを提案。議員らは答弁に注目した。
高島市長は「車線の減少で既に混雑している道路交通へのさらなる負荷をかけるなど(LRT導入は)さまざまな課題がある」と慎重な姿勢に徹した。 (野間あり葉) >>539
渡辺通LRTとか言ってたのはどうなったんだろう http://yamane-memorial.main.jp/news54.htm
04.10.29
福岡市 渡辺通〜天神〜那の津間にLRT敷設案が浮上
福岡市随一の繁華街天神を中心として南北に貫く渡辺通は当然として交通渋滞に悩まされている。只今この通りは天神を起点として渡辺通を貫き西方の橋本まで延びる地下鉄3号線も工事中であるが(05年2月開業予定)、これが完成しても来街者にっとて交通渋滞と環境の改善は望むべくもないし課題である。
04年5月、九州電力、西鉄、福岡銀行や地元商店街とで「天神・渡辺通まちづくり研究会」を立ち上げ、抜本的提言作りに乗り出したが、このほど提案を纏めて発表した。
渡辺通を北部の那の津・長浜地区から南部の渡辺駅付近までの約2kmをLRTで結ぶ。LRTは定員150人乗りの4両編成。
通りの中央部分に線路を敷き、200〜300mごとに電停を設ける。
南北両端に大規模駐車場(2000台分)を設け来街者にはLRTへの乗換を促す
渡辺通を3つのゾーンに分け整備を進める、
北側は港と魚市場を生かしたリゾート地区 (現在の競艇場は移設)
中央天神地区は商業施設と文化交流施設が併存する市民サロン
南はオフイスが集積するビジネスセンター
投資額は駅など関連施設を含めて100億円以下
研究会は今後、詳細な事業計画を作成する。同時に提言を実現するための「都市経営機構」の設立するべく福岡市や関係者と協議を進める。
プランの完成目標:2014年
(西日本新聞、日経新聞、読売新聞、浜松市Nさんからの情報による) https://www.asahi.com/eco/SEB200811110010.html
福岡市で路面電車復活? 西鉄が検討開始へ
2008年11月11日18時49分
西日本鉄道(福岡市)が福岡市の路面電車復活に向けた検討を始める。11日にまとめた今後10年の経営方針に、公共交通の利用を増やす手段として「LRT(新型路面電車)導入の検討」を盛り込んだ。
西鉄は約90年間、福岡、北九州両市などで路面電車を運行。61年度には計2億6700万人が利用した。交通渋滞がひどくなって福岡市は79年、北九州市では00年に全廃し、主軸を路線バスに移した。だが、原油高や乗客減でバス事業は03年度から5年続けて赤字だ。
地下を掘る工事がいらないLRTは建設費が地下鉄より安く、1人を1キロ運ぶのに排出するCO2もバスの3分の1だ。地下鉄とバスの「いいとこどり」の交通機関として注目され、06年に日本初の本格的なLRTが富山市で運行を始めた。
ただ、交通渋滞がさらに悪化するなどの問題があり、実現はそう簡単ではない。西鉄の高崎繁行経営企画本部長は「(復活は)福岡市などの協力が得られるのが前提だが、市内を循環する路線があってもいい」と話している。(米谷陽一) https://biz-journal.jp/2017/03/post_18243.html
東京都内に多数の路面電車計画?葛飾区は推進、豊島区は実質消滅…事故と渋滞の懸念も
2017.03.07 00:12
文=小川裕夫/フリーランスライター
東京都葛飾区が貨物線を利用したLRT(次世代型路面電車)構想を発表。同構想を実現するため、2017年度予算に調査費を計上する。 このほど葛飾区が発表したLRT構想は、葛飾区内にある小岩駅−金町駅を結ぶ貨物線(通称・新金線)を利用して次世代型路面電車を運行するというものだ。新金線は葛飾区を南北に結ぶ路線で、現在は貨物列車が一日に3本ほどしか走っていない。葛飾区の鉄道網は東西に延びる路線がほとんどで、南北の移動は不便だった。そうした不便を解消するために、貨物列車の合間を縫って路面電車を運行。これに伴い、南北間の人的・物的交流を活発化させる狙いがある。
東京都では昭和40年代から次々と都電が廃止されて、現在は荒川線のみが残っている。各地でも高度経済成長期に次々と市電が廃止された。路面電車を復活させるというニュースは、古きよき昭和を再現するかのように受け取られがちだが、LRT構想はそうした懐古主義的なものではない。
自動車の普及により、ヨーロッパの都市は著しく郊外化した。荒廃した中心市街地を再生させるべく、ヨーロッパでは路面電車の導入が相次ぎ、そして見事に街は再生した。 そうした潮流は日本にも到来。06(平成18)年にはJR富山港線が路面電車に転換されて、新たに富山ライトレールが誕生。富山をきっかけに、全国各地で路面電車を新設もしくは復活させる動きが活発化した。特にそうした傾向が強かったのは、首都・東京だ。
先の葛飾区のLRT構想もそのひとつといえるが、東京都では豊島区・江東区・中央区で路面電車の構想が検討されている。地下鉄が網の目のように敷設され、頻繁にバスが走る東京23区はどこに行くのにも苦労しない。交通至便な東京23区で路面電車が求められたのは、交通渋滞の緩和、環境問題への対応、高齢化社会に対するバリアフリー対応といった名目があったからだ。 江東区は白紙撤回
富山ライトレールが誕生して上げ潮ムードにあったLRT構想だが、現在は停滞した状態になりつつある。葛飾区と同様に貨物線を活用して路面電車を走らせることを検討していた江東区の担当者は、こう話す。
「江東区にも小岩駅と越中島貨物駅とを結ぶ貨物線があります。葛飾区と同様に、江東区でも貨物線を利用して路面電車を走らせることを検討しましたが、費用対効果の面がネックになっています。そのためにLRT計画は保留にして、江東区は地下鉄8号線の延伸計画を優先して進める予定です」 地下鉄8号線の延伸計画とは、有楽町線を豊洲駅から分岐させて半蔵門線住吉駅まで延伸させる計画のことだ。住吉駅より先は、半蔵門線に乗り入れることも検討されている。そのため、埼玉県南部・千葉県北西部の自治体からも早期実現を望む声が高まっている。
地下鉄8号線の延伸計画を実現するには、江東区が構想しているLRT計画よりも莫大な建設費用が必要になる。それでも地下鉄計画を優先するということは、実質的に、江東区がLRT計画を白紙撤回したということでもある。
LRT構想が持ち上がっていた豊島区でも同様だ。豊島区では、サンシャイン60を中心にした東池袋の再開発が昭和60年代から議論されてきた。再開発に合わせて、東池袋にLRT計画も浮上した。東池袋のLRT計画は、推進派の高野之夫区長が当選したことで勢いを増した。豊島区の職員は、こう話す。 「池袋ではLRTの線路が建設されることを想定し、西武池袋本店に通じるグリーン大通り沿いのコンビニエンスストアの出店を規制しました。その理由は、グリーン大通りに路面電車が走るから、というものです。路面電車とコンビニでは街の景観として調和しないので、なんとかコンビニ出店を辞退してもらい、替わりにカフェが出店しています」
これは路面電車が走る街にはオープンカフェが似合うという高野区長の意向に沿ったものだとされている。それほど豊島区はLRT構想に力を入れていたが、東池袋の再開発が終わりに近づいても路面電車は姿形も現していない。まだ、豊島区のLRT構想は完全に潰えたわけではないようだが、実現可能性はほとんどゼロに等しい。
「豊島区には都電荒川線が走っているので、区民にとって路面電車は親しみのある存在です。その一方で、豊島区がLRT構想を打ち出した際にも都電荒川線のような“チンチン電車”をイメージする区民が多くいました。豊島区が打ち出したのは、ヨーロッパで盛んに走っている新型の路面電車であり、レトロな路面電車ではありません。しかし、どうしても旧来の路面電車という概念を払拭できず、『なんで、いまさら路面電車なんだ』という反対意見も聞かれました。高齢者のみならず、若年層にも路面電車は古いというイメージが定着していて、思うように理解が広がらなかったのです」(同) 自動車交通の邪魔?
路面電車が時代遅れというイメージを抱いているのは、豊島区民ばかりではない。地域差はあるものの、各地で持ち上がっているLRT構想には少なからず反対の声が存在する。そうした反対意見で、頻繁に聞かれるのが「自動車交通の邪魔になる」といった声だ。 2020年の東京五輪開催を控えて、中央区でも繁華街・銀座と選手村のある晴海にLRT構想が打ち出された。東京都は路面電車計画を否定するものではないとしながらも、BRTと呼ばれるバス輸送システムを導入することを決定。BRTが導入されることで、実質的に銀座−晴海間のLRT構想は闇に葬り去られた。BRTに比べて、道路上に線路を敷設するLRTは、道路を占用するから邪魔になる――BRTとLRTの議論を見ていると、そんな思惑が透けてみえる。
鉄道への依存度が高い東京でさえ路面電車への理解は低い。まして、自動車依存が強い地方都市でLRTに対する理解は一向に深まらない。 栃木県宇都宮市は中心市街地で慢性的な渋滞が発生し、長年の行政課題となっていた。そうした渋滞を解消するために、市はLRT計画を発表。LRT建設の是非は、市長選の公約のひとつにもなった。選挙の結果、推進派の市長が当選したが宇都宮市のLRT計画は順調に進んでいるとはいいがたい。どうして、これほどまでに路面電車は忌避されるのか。
「ヨーロッパや北米といった先進国では、道路は“みんなのもの”という概念から歩行者を中心に自動車も路面電車も使える空間として整備されています。一方、日本でも道路は“みんなのもの”という概念ですが、道路の一部とはいえ路面電車が走ると自動車交通を阻害することになるため、“鉄道が道路を占用している”と思われてしまうのです。また、道路上に電車と自動車が一緒に走ることで事故の危険性が高まります。道路管理者や警察は“交通安全”を題目として、路面電車を排除してでも安全を確保しようと考えています。そうしたことから、道路に電車を走らせるのは好ましくないという空気があり、LRT構想は遅々として進まないのです」(道路関係のシンクタンク職員)
葛飾区が発表したLRT構想は、貨物線を利用するから路面電車が道路を走ることはない。それでも、線路と道路の交差部などに踏切が設置されて、それが渋滞の原因になるという理由から反対する声もある。
葛飾区がLRT構想を発表したことで、沈滞ムードになっていた全国の路面電車構想が活性化することはあるのか。道路における自動車と電車の対立は、今も続いている。
(文=小川裕夫/フリーランスライター) https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kitanihon/region/kitanihon-20220323004948
城端線・氷見線のLRT化へ調査 高岡商議所
北日本新聞2022年03月23日00時49分
高岡商工会議所は22日、高岡市の高岡商工ビルで通常議員総会を開き、県西部の交通ネットワークの調査研究などを盛り込んだ新年度の事業計画を決めた。同商議所が推進するデジタル化の一環として、総会の一部出席者は手元のタブレット端末で資料を確認した。 新たに実施する調査研究は、城端線・氷見線のLRT(次世代型路面電車)化における設備投資、ランニングコスト、収益などをシミュレーションし調査報告書を策定する。このほか、創業予定者らを対象とした「高岡スタートアップ塾」の開講や、「加賀藩前田御膳」をコンセプトにした食の開発にも取り組む。
報告事項では、同ビルのレストラン運営などを担う商工ビルサービスが2021年11月期で黒字化し、26年に債務超過を解消、31年には無借金経営となる見通しが示された。
塩谷雄一会頭は「伴走型の経営支援に全力を挙げ、まちづくりにも積極的に取り組みたい」とあいさつ。角田悠紀高岡市長が新年度予算案について講演した。 https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/568455?top
LRT沿線は需要堅調 温泉街、コロナ禍が影響 栃木県内公示地価
3/23 10:30
国土交通省が22日公表した1月1日時点の県内公示地価は、住宅地と商業地の下落幅がそれぞれ前年より縮小し、工業地は2年ぶりに下落から上昇へ転じるなど回復傾向を示した。住宅地と商業地は、大規模な開発が進む次世代型路面電車(LRT)事業沿線の地域などで需要が堅調だった。また前年に引き続き本年も新型コロナウイルスの感染拡大が観光地などに影響を及ぼした。
住宅、商業地の下落幅縮小 工業地は2年ぶり上昇 栃木県内公示地価
住宅地で前年上昇率が最も高かったのは宇都宮市ゆいの杜(もり)4丁目でプラス5.8%だった。2022年地価公示代表幹事を務める不動産鑑定士の永井正義(ながいまさよし)氏は「LRT整備、新小学校開校などの要因があり、周辺工業団地への通勤利便性から人気が高く、地価が上昇した」と説明した。
市町別の対前年平均変動率は宇都宮市が住宅地、商業地ともにプラス0.5%でトップだった。これに住宅地プラス0.4%、商業地プラス0.2%といずれも上昇した小山市が続いた。 https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00465/
【池袋の次世代型路面電車(LRT)構想?】LRT先進都市・ストラスブールの事例、そして池袋
フリーランスライター
小林裕子
池袋で2003年から構想されているLRT
池袋LRTの構想は池袋駅東口の駅前からグリーン大通り、サンシャインシティと造幣局東京支局の間を通り、サンシャイン通りから駅前へと周回する2.1kmの区間だ 池袋LRTの構想は池袋駅東口の駅前からグリーン大通り、 サンシャインシティと造幣局東京支局の間を通り、 サンシャイン通りから駅前へと周回する2.1kmの区間だ
以前HOME'S PRESSでもレポートしたのだが、池袋(東京都豊島区)は今、街の姿を大きく変えようとしている。豊島区役所移転(2015年5月)に伴う旧庁舎跡地一帯では、2020年の五輪開催までにシネマコンプレックスや新ホールなどが誕生するという一大プロジェクトが進行中。また、池袋のランドマーク的存在であるサンシャインシティの南東側の隣地には造幣局東京支局があるが、2016年10月にさいたま市へ移転するため、その跡地を防災公園などに整備する計画が進められている。このほかにも複数のプロジェクトが計画され、再開発機運が高まっている池袋にあって、街づくりの軸として豊島区が検討しているものがある。それは次世代型路面電車システム「LRT(Light Rail Transit=ライトレールトランジット)」の導入。現時点では構想段階なのだが、2003年から13年越しで検討され続けている。池袋駅東口の駅前からグリーン大通り、サンシャインシティと造幣局東京支局の間を通り、サンシャイン通りから駅前へと周回する2.1kmの区間に、LRTを走らせたいという。
このLRTが実現したら池袋はどう変わるのだろう? そんな関心を抱きつつ、『池袋LRT(路面電車)計画が描く未来』と題した公開講演会の取材に出向いた。今回から2回に分けて講演会レポートをお届けしたい。 新たな公共交通機関として世界で注目されているLRT
講演会で登壇する溝口禎三氏。税理士として活動するかたわら、「池袋の路面電車とまちづくりの会」事務局長を務める講演会で登壇する溝口禎三氏。税理士として活動するかたわら、「池袋の路面電車とまちづくりの会」事務局長を務める
この講演会を主催するのは「池袋の路面電車とまちづくりの会(以下、「まちづくりの会」)」。豊島区が池袋LRT構想を発表した2003年に地元の商工業者によって設立された団体で、池袋LRT実現を通じて池袋全体の活性化をめざしたいと、さまざまな活動に取り組んできている。
講演会の前半で登壇したのは、「まちづくりの会」事務局長の溝口禎三氏。「まちづくりの会」では2015年秋に豊島区観光協会、東京商工会豊島支部との共催でフランス・ストラスブール市などの視察ツアーを行なっており、ツアーに参加した溝口氏から視察報告とストラスブールの街づくりについて語られた。ストラスブールはフランス北東部、ライン川左岸に位置する地方都市。EU(欧州連合)の欧州議会などヨーロッパの主要な機関が置かれているのだが、1994年にLRTを導入して街全体の活性化に成功し、都市公共交通システムの先進都市として知られるようになった。人口は豊島区(約28万人)よりもやや少ない約27万人ながら、世界各国から多くの視察団が訪れている。
まず、溝口氏による視察報告をお伝えする前に、LRTについて整理したい。もともと路面電車は排気ガスをほとんど出さない、環境にやさしい乗り物なのだが、それをさらに発展させた高性能の電気軌道車両を用いるのがLRT。特徴として挙げられるのは、まずバリアフリーに対応した設計で高齢者や幼児でも乗り降りしやすいこと。車いすやベビーカーの利用者でも安全にかつ楽に乗り降りができるように電車の床を低くし、プラットフォームとの段差をなくしている。運行時の振動が少なく、騒音も小さいことや、車両の連結運転ができるので多数の乗客を輸送できることも特徴。さらにLRTは専用軌道を走るのでほぼ定時に発着することが可能であることも、大きなポイントとなっている。また、地下鉄のように地面を掘ったり、モノレールのように高架橋脚を作る必要がないため、建設費用も安く済む。
こうした利点からLRTは新たな公共交通機関として世界で注目されている。1978年にカナダのエドモントンで世界初のLRTが導入されて以降、欧米の都市を中心に導入事例は増え続け、この約35年の間にLRTを新設したのは160都市以上にもなるという。そうしたひとつが、フランスのストラスブールを走るLRTで、「トラム」とも呼ばれ、街のシンボルになっている(以下、ストラスブールのLRTについてはトラムと記述する)。市民の通勤通学などの足としてはもちろん、約2000年もの歴史が刻まれた古い街並みをめぐる観光の目玉でもある。 トラムを軸にしたストラスブールの街づくりとは
そんなストラスブールを訪れ、視察をした溝口氏。講演会壇上でまず、「美しい街並みにトラムが走る風景は感動的でした。カメラのシャッターを押したくなるフォトスポットが多く、歩いて楽しい街でした」と、印象を語った。この「歩いて楽しい街」であることこそが現在のストラスブールの大きな魅力であり、トラム導入による街づくりがもたらした成果であると、溝口氏の話から知ることができた。
1994年にトラムが導入される以前、1980年代のストラスブールは歩いて楽しい街どころか、街は自動車であふれ返り、交通渋滞や大気汚染の問題、さらには街の中心部が空洞化して商店街はさびれてしまっていたという。そんな状況を解決する鍵となったのがトラムだった。始まりは1989年の市長選挙。交通渋滞を解消するために地下鉄を導入する政策を掲げた現職の市長に対し、トラムを導入することを掲げたカトリーヌ・トロットマン氏が当選した。そうして6年後に約10kmの区間でトラムが開通(その後、路線延長がなされている)。
ここで重要なのは、車に代わる交通手段としてのトラム開通が目的だったのではなく、多くの人が集い活気ある街にするための手段としてトラムを導入したということだ。トラムの開通に伴い、車道や駐車場を歩道やオープンカフェに変える、トラムの専用軌道を緑地にするといった取り組みを行なった。なかでも画期的だったのが、トランジットモールと呼ばれる歩行者専用道路を設けたこと。トランジットモールを通行できるのは歩行者のほか、トラムなどの公共交通のみで、つまりは車を締め出した空間というわけだ。そして、車が街の中心部に乗り入れできないよう、車の乗り入れを規制し、「パークアンドライド」システムを取り入れた。パークアンドライドとは、自動車を都市周辺の駐車場に止め、そこから鉄道やバスなどの公共交通機関に乗り換えて街の中心部へ入る形態のこと。ストラスブールでは街の中心部入口に駐車場を設け、そこからトラムなどに乗り換えて移動するという仕組みを整えた。さらには自転車の専用道路の整備や、トラムを補完する交通機関として郊外にBRT(※)を新設するなど、交通網を総合的に整備したのだった。
「その昔は、歴史的な建造物であるストラスブール大聖堂の周囲も駐車場と化していたそうですが、今では車の姿はなく、人が歩いて楽しめる広場になっています。つまり、トラムを導入するとともに、街の景観を整備し、景観美のクォリティを高めたわけです」と、溝口氏は解説した。そうした取り組みで街に活気がよみがえったストラルブール。LRTを導入したことで、住民の買い物行動にも変化があり、街の中心部での買い物回数はLRT導入以前に比べて約3割増えたという。
(※)BRT=Bus Rapid Transit:バス高速公共交通。専用の軌道をもち、一般自動車交通と共存しながらも、通常の路線バスよりも大容量、高速、高頻度に運行するバス輸送システムのこと。 「駅袋」からの脱却をめざす池袋
さて、池袋のLRT構想であるが、どこまで検討が進んでいるのだろう。冒頭で記述したように池袋にLRT構想が生まれたのは2003年。LRTを導入することで池袋がめざすものはさまざまにあるのだが、まず、通称「駅袋」と呼ばれる状況からの脱却が挙げられる。池袋駅は山手線などJR各線や西武池袋線、東武東上線、地下鉄3線が乗り入れる巨大ターミナル駅で1日に約260万人もの人が乗降するにもかかわらず、駅に直結する百貨店などを利用するだけで駅の外には出てこないという。また駅の外に出てきても、サンシャインシティへと向かうサンシャイン60通りに人が集中しているため、人の流れの回遊性を高めることも課題となっている。そして池袋のイメージアップ。新宿や渋谷などに比べていまいちダサいというイメージがあるため、LRTを走らせることで渋谷や新宿など他の繁華街にはない新たな魅力を創りたいとしている。 近い将来、池袋駅東口は歩行者広場に
現在はまだ実現に向けて検討・検証を重ねている段階というが、実現の可能性はどうなのだろう? 冒頭で記述したように現在、池袋ではさまざまな再開発プロフェクトが進められているのだが、このなかのひとつ、豊島区役所新庁舎の東側で工事が進行中の「明治通りのバイパス(環状5の1号線)」の完成が、LRTの実現へと近づけてくれるものとして、溝口氏をはじめ関係者は期待を寄せている。「明治通りは池袋駅東口の前を通っているのですが、バイパスが完成することで駅前の車の交通量の大幅な減少が見込まれています。このバイパスは東京五輪が開催される2020年の春に完成する予定です。バイパス開通後、豊島区では東口駅前を歩行者広場にする構想をもっています。この池袋の玄関口にあたる広場が、LRTの走るトランジットモールへと発展していくことを願っています」と、溝口氏は語った。
池袋のLRT実現には、車両基地の用地確保、LRT導入に伴う自動車交通やバス・タクシー、物流事業者などへ与える影響はどうなのかといった問題など、多くの課題の解決が必要となっている。また、「池袋にLRTが必要なのか?」と考える地域住民との合意形成もこれからだろう。LRT計画の進展の道筋は立っていないわけだが、それは池袋に限ってのことではない。日本では多くの都市でLRT導入が検討されてきているが、導入されたのは富山県富山市の富山ライトレール富山港線(2006年開通)のみにとどまっているという事実が物語るように、日本ではLRT導入が進んでいない。そんななか、20年以上の検討期間を経て、LRT運行計画を始動させた都市が栃木県宇都宮市である。2016年度内に着工し、2019年の運行開始に向けて動き出している。その宇都宮LRT計画に学識経験者として関わってきた早稲田大学理工学術院教授・森本章倫氏が、この講演会の後半に登壇した。森本氏の講演内容は、次回記事でレポートする。 https://www.homes.co.jp/cont/press/buy/buy_00464/
【池袋の次世代型路面電車(LRT)構想?】日本でのLRT導入の課題と街づくりがめざすものとは?
フリーランスライター
小林裕子
約20年の議論を経て動き出した宇都宮のLRT計画
池袋(東京都豊島区)のLRT(次世代型路面電車システム)計画をテーマにした講演会レポートの2回目。今回は、講演会後半に登壇した早稲田大学理工学術院社会環境工学科教授・森本章倫氏の講演をお伝えしよう。森本氏は交通計画、都市計画を研究フィールドとし、2014年に早稲田大学の現職に移るまでの20年間、宇都宮大学(栃木県宇都宮市)で教鞭を取り、宇都宮市のLRT計画にも学識経験者として関わってきた。また、2013年秋に発足した「芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」では委員長を務め、現在にいたる。
前回記事でもふれているように、日本各地でLRT構想が検討されているものの、実現にいたったのは2006年開通の富山ライトレール富山港線(富山県富山市)のみとなっている。そうした状況にあって、宇都宮のLRTは20年以上に渡る議論を経て、2016年度内に着工、2019年の運行開始をめざし、具体的に動き出している。 自動車依存社会を変える手段として見直されている公共交通機関
この宇都宮の実例を交えながら、森本氏によって日本におけるLRT導入の課題と展望が語られた。講演冒頭で「既に運行している路面電車に、LRV(Light Rail Vehicle)と呼ばれる低床式の車両を取り入れる事例は、日本でも増えています。たとえば、岡山や広島の路面電車がLRVを採用しています。しかし、車両をLRVにするだけではなく、街づくりのツールとして導入するものを、我々はLRTと定義しています」と、森本氏は話した。
海外ではLRTを導入する都市は増え続けており、特に2000年以降は欧米を中心に年間5〜6都市のペースで増えているという。「なぜLRTかというと、自動車依存社会が行き過ぎたからです」と、森本氏は話す。「自動車がなければ生活できない」という車依存が進むと、交通渋滞や交通事故、環境汚染の要因になるだけではなく、バス、鉄道など公共交通の衰退や、中心市街地の空洞化やシャッター街化といった現象をも引き起こす。そこで公共交通を整備して自動車依存社会からの脱却と、街の活性化をはかろうということで着目されるようになったのがLRTだといい、自動車大国のアメリカでもLRT導入の事例が相次いでいるという。ここ数年の傾向では、中国でのLRT導入がめざましく、2014年までに12都市でLRTが新設されている。 海外で進むLRT導入、なぜ日本では普及しないのか?
このように世界で普及しつつあるLRTなのだが、日本ではなぜ導入が進まないのか? その理由として森本氏は、次の3点に要約されると語った。
まず1点目は合意形成の問題。LRT導入は行政側が一方的に推し進めるのではなく、民間事業者などとの協働や、地域住民の声に耳を傾けながら行なうことが必要不可欠となる。そのプロセスで課題になるのが、民間事業者や地域住民などとの合意をどう形成するか、ということだ。全員の賛同を得られればスムーズにいくのだが、なかなかそうはいかない。「特に自動車利用者の賛同が得にくいという問題があります。地方都市の場合ですと、人々は移動手段の大半を車に頼り、車での生活に慣れ親しんでいるため、LRT導入の必要性を感じていないのです。
また、LRT新設となると、道路に専用軌道を作ることになるので走行車線が減少し、渋滞を招くのではないかと懸念する意見もあります」と、森本氏。加えてLRT導入予定路線沿線の商店街からは、「今の顧客の大半が車での来店なので、LRTが開通すると顧客が減ってしまう」と危惧する声が多数挙がってくる。そうした人たちにいかにしてLRT導入を理解してもらうのかが、重要な課題になる。ちなみに前回記事で紹介したフランス・ストラスブール市でも中心市街地の商店街の人たちは同様の理由でLRT導入に反対していたというが、LRT開通後は歩行者通過量が20〜30%増え、それに伴って商店街の売上も増えたという。
次に挙げたのは財源確保の問題である。LRTの建設費用は約30億円/kmといわれ、地下鉄(約300億円/km)やモノレール(約100億円/km)の比較では、低コストで整備が可能とされている。が、従来のバスとの比較では多額の整備費が必要になる。海外では公共交通整備に対して事業税、消費税など独自の財源を確保しているのに対し、日本ではそれに該当する財源が存在しないという。また、日本では公共交通事業は独立採算を基本としていることもあり、LRTを維持・管理していく財源をどう確保していくかが課題となる。
そして、3点目は関連する制度や関係者間調整の問題。近年は、日本でもLRT整備に対する補助金など各種支援制度が整いつつあるので、制度面でのLRT導入のハードルは下がっているのではないかと森本氏は話す。現在、大きな課題となっているのは、既存のバスやタクシー会社などとの調整という。「LRTとバスが競合し、乗客を奪い合うというような状態になってはいけません。それが原因で失敗したのが、イギリス・シェフィールド市で1994年に開通したLRTです。最終的にLRTがバス会社に吸収されてしまいました。そうした事態にならないよう、LRTとバス路線の調整をはかり、公共交通体系の見直しをすることが重要です。
海外のLRT先進都市のなかにはLRTとバス路線とがうまく連携できた結果、バスの乗車数も増えたという成功事例が数多く見られます」と森本氏は言う。 LRTはコンパクトシティを実現するための基幹公共交通
こうしたさまざまな課題と向き合いながら、富山市(富山ライトレール)に続く国内2番目のLRT導入都市をめざして始動した宇都宮市。栃木県の県庁所在地で人口約51万人の中核市。東部地区には大規模な工業団地があり、工業都市としての顔ももつ。そんな宇都宮市を走るLRT計画の概要を紹介すると、まず区間であるが、JR宇都宮駅をはさみ、西側の中心市街地と、市東部の工業団地や宇都宮市に隣接する芳賀町の高根沢工業団地までの約18kmを結ぶ公共交通機関として計画されている。先行してJR宇都宮駅東側の14.6kmを整備する。富山ライトレールのケースは、利用客減少という問題を抱えていたJR富山港線を富山市が買い取り、約7.6km(富山駅北〜岩瀬浜)のLRTとして再整備したもので、既存の線路6.5kmに新たに路面電車の専用軌道1.1kmを敷くという形での開通だった。つまり新設したのは1.1kmだったのだ。
が、宇都宮の場合は全線が新設路線として計画されているので、全線新設路線のLRTとしては日本初の試みとなる。LRTの事業方式は公設型上下分離方式を採用。「下」の部分にあたるレールや停留場などのインフラを公共(宇都宮市・芳賀町)が整備を行ない、「上」にあたるLRTの運行・運営については官民出資による第3セクターの宇都宮ライトレール株式会社(2015年11月設立)が行なうことになった。概算事業費は先行して整備を行なう区間で約458億円。平日の利用者を約1万6000人と試算し、開業初年度から黒字が見込めると想定しているという。
「宇都宮市でLRTが公的に議論されたのは、1993年にさかのぼります。当初、宇都宮市の東部地区に集中する工業団地の激しい渋滞を緩和するための交通手段として着目されたのがLRTでした。しかし、2000年になると、車社会の進行で中心市街地の衰退が問題になり、まちなかを活性化させるためのツールとしてLRTを走らせることが検討されるようになりました。そして、今、LRTはコンパクトシティを実現するための目的のひとつと位置づけられています。人口減少社会が進むなか、それに対応し、生き残るための街づくりをするという大きなフレームの中でLRT計画が動き出しています」と、森本氏は語る。コンパクトシティとは、商業圏や生活圏など拡散してしまった都市機能をいくつかの地域拠点に集約させていこうとするもので、地域拠点を結ぶ軸として期待されているのがLRTやバスなど公共交通なのだ。 どういう街にしたいのか、グランドデザインを描くことが重要
宇都宮に限らないことだが、人口減に加え超高齢化社会に突入し、車を運転できなくなる高齢者も増え続けているなか、LRTやバスなど公共交通で移動しやすい街へと転換をはかることは、必要なことではあると筆者も思う。ただ、自治体によってLRT導入が適す都市とそうでない都市があるだろう。
「LRTを導入することでいかに魅力的な街を創り出すことができるのか。その都市の状況に合わせて“こういう街にしたい”というグランドデザインを描くことが重要です。池袋の場合、地方都市ではなく、東京の都心にあることを活かし、多くの民間活力を導入するといった取り組みが可能になるのではと考えます。池袋にLRTが走れば、新宿や渋谷にはない、大きな魅力になるでしょう」と森本氏は話した。
この講演会の最後には豊島区の高野之夫区長も登壇し、「池袋にLRTが走ることで行ってみたい街として魅力を高め、環境にやさしい都市として世界に向けて発信していけるようになると思います。そんな街づくりをするために挑戦していきたい」と締めくくった。
前回記事でレポートした内容と合わせ、池袋のLRT計画にとどまらず、宇都宮市の動向、日本でのLRT導入の課題やよる街づくりの可能性など新たな気づきを得た講演会となった。 https://www.nikoukei.co.jp/news/detail/455975
見目芳賀町長、下原宅地開発に民間誘導、かしの森公園を再整備
2022/03/24 日本工業経済新聞(栃木版)
芳賀町は2023年3月のLRT開業を見据え、下原地区6・5haを住宅団地として宅地開発を計画しているほか、桜の名所「かしの森公園」の再整備に乗り出すことが分かった。見目匡町長が本紙のインタビューに答えた。下原地区はハウスメーカーなど民間事業者の誘導を図り、町は道路の配置や上下水道など基盤整備を想定。かしの森公園は、近隣に所在する事業所職員のアンケート調査や有識者の意見などを踏まえ、基本構想を策定する。(4面に見目匡町長インタビュー)
見目町長は下原地区の開発に複数のハウスメーカーが興味を示しているとし、地元との事前調整を踏まえ、開発許可など都市計画変更の手続きに早期に着手していく意向。
下原地区は交通結節点の芳賀町工業団地管理センターに整備されるトランジットセンターから直線距離で約500mと利便性も高く、現在の用途は山林と一部農地となっている。
町は新年度に下原地区まちづくり事業路線測量を実施するため、1910万円の調査費を予算化。また、地区の生活拠点に関するまちづくり計画の策定費275万円も盛り込んだ。
同事業はLRT開業で高まる関心と沿線開発のニーズを踏まえ、地区の既存住宅地の環境向上や居住地域を確保。現況測量を実施し、エリア内の道路の高さなどを検討する。
かしの森公園は、道路の拡幅で敷地面積が6・98haから6・6haに縮小。地元をはじめLRT利用者や通勤者、親子連れなどが憩いの場として活用を見込んだ観光スポット的な整備を想定。LRT整備で道路を拡幅し、伐採された沿道の桜を公園内で楽しめるよう趣向を凝らす。
当初はLRT開業の22年度の供用を目指し、景観プランニング(宇都宮市)で基本設計をまとめた。これまでの検討では、1日を過ごせるような日陰や水辺の整備、営業を停止している売店のリニューアルなどを想定していた。 https://www.sbbit.jp/article/cont1/34876
動き始めた全国のLRT計画、岡山や栃木はどう取り組んでいるのか
全国の地方自治体が次世代路面電車(LRT)に熱い視線を注いでいる。岡山県では岡山市と総社市、JR西日本がJR吉備線のLRT化で合意したのをはじめ、栃木県では宇都宮市と芳賀町によりLRT新設工事が始まった。本格的なLRTを導入した国内の自治体は富山県富山市だけだが、コンパクトシティの実現で一定の成果を上げているほか、東京都葛飾区など構想を描く自治体も少なくない。関西大経済学部の宇都宮浄人教授(交通経済学)は「LRTは鉄道よりコストが低く、バスより輸送力がある。存在が明確なため都市交通の軸となり、観光客にも分かりやすい。デザイン次第で街の顔になる」とみている。
政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい) JR西日本と岡山、総社の両市が整備で合意
岡山市北区のJR岡山駅から総社市の総社駅まで20.4キロを結ぶJR西日本の吉備線。非電化の単線路線で、桃太郎線の愛称がつけられている。岡山市の中心部を抜けると、周囲は田園地帯。車窓からのどかな景色を見せながら、ワンマン列車が1時間に1〜2本程度、運行している。
吉備線の輸送密度(1日1キロ当たりの輸送量)は2016年度で5,749人。JR西日本が発足した1987年度の6,690人に比べ、約1,000人少ない。
沿線人口が今後、減少すると予想されていることから、JR西日本は2003年、LRT化を提案し、2014年に検討会議が計画のたたき台をまとめた。費用負担で3者の調整が難航していたが、それがようやく解決し、正式合意したわけだ。
合意によると、運行本数は朝のラッシュ時で岡山駅−備中高松駅間が1時間6本、備中高松駅−総社駅間が4本に増え、それ以外の時間帯も3本に増やす。現在の10駅に加えて新たに7駅程度を新設する。
費用は車両の購入や新駅の整備など初期投資に240億円程度かかる見込み。国の補助金91億円を除き、岡山市が70億円、総社市が21億円、JR西日本が58億円を分担する。運行経費は年間6億円と見積もられているが、JR西日本が5億円、両市が1億円を出す。
運行はJR西日本が受け持ち、両市は新駅設置場所の選定などを担当する。JR西日本が既存路線をLRT化し、運営に携わるのは初めて。今後基本計画を策定したあと、建設工事に入るため、開業時期は未定という。
岡山市交通政策課は「地域の活性化を図るインフラとして1日も早く開業できるよう力を合わせたい」、総社市都市計画課は「沿線の開発を進め、地域振興を図っていきたい」と期待を口にした。 富山ライトレールはコンパクトシティに貢献
LRTは「ライト・レール・トランジット」の略。国土交通省は
低床式で排気ガスの少ないタイプの車両を導入し、段差がないバリアフリーのホームを設置している
電車と同一のホームでバスやタクシーに乗り継ぎが可能
役所や観光地への案内板を設置している
などの条件を満たしたものを指すと定義している。条件に合致する路線は富山市の富山ライトレールだけだ。
旧世代の路面電車は20世紀の高度経済成長期まで都市交通の中心となり、日本の戦後復興や経済発展を支えてきた。しかし、モータリゼーションが進むと、交通渋滞が社会問題になる。路面電車も乗客が減っていたため、次々に廃止された。
今も北海道の函館市電、東京都の都電荒川線、大阪府の阪堺電車、広島県の広島電鉄など現役路線は各地にあるが、大都市では地下鉄、地方都市では路線バスに主役の座が移っている。
これに対し、欧米諸国ではLRTの導入が着実に進み、2013年時点で140以上の都市で導入されている。欧州では道路拡張や駐車場増設の余地がない旧市街の基幹交通として再評価され、地域の名物になっているところが少なくない。
国内では2006年に富山市が富山ライトレールを開業した。JR西日本から全長7.6キロの富山港線を譲り受け、LRTに転換して第三セクター方式で運行している。少子高齢化時代を見据え、中心市街地に都市機能を集約させるコンパクトシティの一環で、公共交通の整備により、中心部に人を集めるのが狙いだ。
JR時代は乗降客が少ないことから、運行本数を減らし、さらに乗降客が減る悪循環に陥っていた。だが、富山ライトレールは昼間でも15分間隔で運行し、JR時代の1日当たり乗降客数平日2,266人、休日1,045人(2005年10月)を大きく上回る1日5,000人台の乗降客を毎年確保している。
三セク会社の経営は補助金があるとはいえ、11年連続の黒字。富山市路面電車推進課は「高齢者の外出が増え、都市の無秩序な郊外拡大にも一定の歯止めがかかった。十分な成果が出ている」と胸を張る。 LRTをめぐる国内自治体の最近の主な動き
愛媛県松山市 松山空港へのLRT新設構想で空港リムジンバス廃止など9条件を満たせば、費用対効果が見合うと検討会が3月に試算
東京都葛飾区 JR新金貨物線の活用調査で2017年度、LRTの優位性を確認。2018年度から踏み込んだ検討に入る
沖縄県 那覇−名護間を結ぶ鉄軌道導入構想でLRTも検討対象に
群馬県前橋市 上毛電鉄へのLRT導入の可能性調査で、市は2017年、コスト負担が大きいとする結果を公表
滋賀県 彦根市の近江鉄道沿線活性化のため、LRTなど代替交通手段の導入も想定した交通ネットワーク調査を2018年度に実施
名古屋市 2027年のリニア中央新幹線開業を見据え、都心部にLRTとBRTの長所を生かした革新的な新交通システム導入を検討
東京都八王子市 多摩ニュータウンと市中心部間のLRT新設構想で、石森孝志市長が2016年末、着工困難との見方を表明
出典:各自治体ホームページ、議会議事録などから筆者作成 https://hamarepo.com/story.php?page_no=1&story_id=5763
横浜にLRTが走る計画はどうなった?
ココがキニナル!
横浜市が次世代路面電車の導入調査を始めたそう。実現する?進捗は?(brooksさん/yakisabazushiさん/miyukidさん/象の鼻さん/キングカズさん/マッサンさん/nobaxさん)
はまれぽ調査結果!
横浜市では都心臨海部の回遊性向上のためLRTを含めた新たな交通の導入を検討。2020年を目処に連節バスの導入を決めたが、LRTは引き続き検討段階
2016年12月25日
ライター:福原 麻実 大阪に住んでいたころに何度か乗った路面電車。そして、神奈川では江ノ電にもお世話になっている。
いずれもレトロな雰囲気が大好きなのだが、近年、国内ではその路面電車を近代化したものが走っている。LRTだ。
なお、LRTは本来Light Rail Transitの略で、軽量軌道交通と和訳されることもある。この和訳の通り「近代的」「次世代」などの意味を含む単語はないが、ライトレール交通協会は江ノ電や東急世田谷線などもLRTとしている。
しかし、この記事では国土交通省の定義に従い「次世代型車両(低床車両)を導入している路線」に限定させていただく。
こんな車両が横浜の街を走る日が来るのだろうか? ぜひ乗ってみたいが、いつから、どこを走るのだろう?
はまれぽでは以前にもLRTについて取材しているが、あれから4年が経過した現在、何か変わっただろうか? 答えを知るべく、横浜市都市整備局都市交通部を訪ねた。 横浜にLRTが走る日はくる?
LRTが走るとすれば楽しみだが、走るとしたら、電車に地下鉄、そしてバスと、すでに交通網が発達している横浜の、いったいどこにLRTを走らせるのだろうか?
お話を聞かせてくださったのは、横浜市都市整備局の岡哲郎(おか・てつろう)課長補佐と遠藤佑介(えんどう・ゆうすけ)さん。
お二人によると横浜市は現在、横浜都心部の機能強化と、より魅力的なまちづくりを目指して作られた「横浜市都心臨海部再生マスタープラン」という計画に基づき、LRTを含めた新しい交通機関の導入が検討されているそうだ。
新たに交通機関の導入を検討している場所は横浜市の都心臨海部とのこと。横浜駅周辺地区、みなとみらい21地区、関内・関外地区、山下ふ頭周辺地区、東神奈川臨海部周辺地区の5地区である。観光などで横浜を訪れる人の回遊性を高めることを目的としている。
その回遊性の確保のために、これまでコミュニティサイクルや水上交通ネットワークの強化・拡充なども行っているが、それらに加えて、5地区を結ぶ交通網を新設するそうだ。
新しい交通機関導入のための調査は、LRTや連節バスを対象とした新たな交通について2014(平成26)年と2015年(平成27)年の2年間で、総額約3800万円をかけて行われた。
しかし、LRTを数年のうちに入れることは難しいと2016年(平成28)年に市が判断。
既存の道路にLRTの線路を敷設すると道路幅を考えると自動車交通量に見合った車線を確保できないという問題があるさらに、費用面での課題もある。LRTにかかるコストは1kmあたり20〜30億円と言われているのだ。
そこで、当面はLRTと同じく候補に挙がっていた連節バスを中心に計画をしていくそうだ。 連節バスが横浜の街を走るのはいつ? ルートは?
連節バスについては、2020年の運行開始を目指して計画を進めているという。ルートやダイヤの詳細はまだ決まっていないとのこと。
また、導入の費用については車両が1台あたり数千万円(外国車のためレートによって異なる)と、通常の路線バスよりも高額だが、車内は後部のエンジンがある部分を除いてほぼフラットでバリアフリーの面でも優れており、しかも輸送可能な人数も120〜130人と、LRTと大差ないそう。
また、連節バスを走らせるにあたり、バス停もバスに合わせて長さのあるものが必要になる。
バス停だけでなく、ガードレールの間隔も調整することになるというが、それらの作業が必要になったとしても既存の道路を使用できるため、新しく線路を引くLRTよりも導入がしやすいそうだ。そういった理由で連節バスのほうが現実的なのだ。
しかしながら、LRTが横浜の街を走る可能性が完全にゼロになったわけではなく、現状期限は設けていなが今後もLRT導入の検討はしていくそうだ。バス路線と異なり、鉄道は地図に載るなど、横浜に初めてきた人にもわかりやすい。そして線路を走るために、道路を走るバスよりも定時性が確保しやすいなど、利点も多い。
LRTがすぐに導入されることはないようだが、横浜市の一大経済圏といえる都心臨海部の交通網がさらに多様化することは歓迎すべきことに思える。他地域の住民にとっては「そこだけ交通網が充実しても・・・」という思いはあるだろうが、それでも多くの人にとって便利になるのではないだろうか。連節バスの運行が開始される2020年、そしてその先の未来に期待したい。
ちなみに、本牧にLRTが走る計画はあるのかと伺ってみたところ「現在そのような計画はありません」とのことだった。バス路線が充実しているとはいえ、少し残念である・・・。 取材を終えて
人の流れや経済効果と同時に、新交通網に使用される車体のデザインもキニナル。これもまだ決定していないが、横浜らしい素敵なものであってほしい。4年後の連節バス、近い将来実現するかもしれないLRT、いずれも詳細が決定し次第、はまれぽ内にてお知らせする。
―終わり― https://railf.jp/japan_railfan_magazine/2019/698/698-126.html
2019年6月号
台湾の2都市で運行する最新形LRT
鉄道網が充実してきている台湾について,2都市の最新事情をお届けします.まず,高雄(カオシュン)LRT環状線は,2015年に第1期区間が開業,2019年に開業予定の第2期区間が完成すると,高雄の外周を走る環状線になるもので,集電方式に特徴があります.もうひとつは,台北(タイペイ)北部の新北(シンペイ)市で,2018年に開業した淡海LRTで,地平区間と高架区間があることが特徴です.両都市とも,LRTと既存の鉄道線の結節が進み,利便性向上が期待されます. https://www.nna.jp/news/show/2313890
2022/03/23(水)
ジョホールでLRT計画、5社連合で推進へ
マレーシアの化学メーカー、アンコムと子会社ナイレックス・マレーシア、建設大手LBSビナ・グループなど5社は、ジョホール州とシンガポール間で建設中の高速輸送システム(RTS)に接続する形で、軽量高架鉄道(LRT)を建設する事業を合弁で進めることで基本合意した。沿… https://toyokeizai.net/articles/-/468313
試走で衝突、インドネシア「国産LRT」が抱える問題 政府要求「無理な工期」と安全意識欠如が重なる
高木 聡 : アジアン鉄道ライター
2021/11/14 6:30
インドネシアの首都ジャカルタ郊外で10月25日、建設中の軽量高架鉄道「LRTジャボデベック」の試運転車両が停止中の車両に追突する事故が起きた。先頭車両は大破したが試運転のため乗客はおらず、運転していた作業員は負傷したものの命に別状はなかった。
LRTジャボデベックはジャカルタ都心と郊外のブカシ市・デポック市を結ぶ国営の軽量高架鉄道で、2022年8月の開業を目指し、現在急ピッチで準備が進んでいる。10月17日には31本目の電車が国営車両製造(INKA)マディウン工場から搬入されてすべての車両が揃い、開業に向けてまた一歩前進した矢先の出来事であった。
鉄道の国産化を推進するインドネシア。「国産LRT」という触れ込みの路線で起きた事故の背景を探ると、同国のインフラ整備をめぐる課題が浮かび上がる。 「突如」着工した国営LRT
国営LRTジャボデベックは、2015年9月に突如工事が始まった。土木は国営建設会社アディカルヤ、信号・通信を国営信号会社LEN、車両を国営車両会社INKAがそれぞれ担当し、運営は国営インドネシア鉄道(KAI)が担う。
路線はジャカルタ都心を起点に途中で2方面に分岐し、都心のドゥクアタス―チャワン間約11kmは主に一般道路の直上、チャワンから分岐してブカシティムールまでの約18.5km(ブカシ線)とハルジャムクティまでの約15km(チブブール線)は高速道路脇の緩衝地帯に建設。自動運転で、朝ラッシュ時は最短3分間隔で運行する計画だ。
同区間には2012年ごろ、国営の中量輸送システムとして国産モノレールの建設が計画されたことがある。当時、ジャカルタ都心部にはシンガポール資本による民間モノレール(JM:ジャカルタモノレール)の建設計画があり、国産モノレール計画は、これに対してナショナリズムを高揚させる意図があったと考えられている。しかし、JMは資金調達の目途が立たず頓挫。国産モノレールも建設する意義がなくなってしまい、一度は中量輸送システムの導入計画自体が凍結された。
しかしその後、国営中量輸送システムの構想は再燃することになる。引き金となったのはやはり外国技術による軌道系交通の整備だった。
2013年11月に円借款と日本の技術によるジャカルタ州営MRT(地下鉄)が着工、さらに2015年には韓国の技術による州営LRTの建設が決定した。これを受け、政府はかつてのモノレール計画をLRTに変更し、国家戦略プロジェクトに指定。州営MRTやLRTに「追いつけ追い越せ」とばかりに、2018年末〜2019年初頭の開業を目指して2015年9月に着工した。
折しも、2015年9月には日本と中国が受注を競ったジャカルタ―バンドン間の高速鉄道建設が中国案で決定。予算の圧縮と土地収用期間の短縮のため、ジャカルタ側の始発駅が都心のドゥクアタスから東ジャカルタのハリムへと変更された。都心からハリムへの交通の便は非常に悪く、軌道系アクセス手段の建設は必須だった。当初案の段階からハリムを経由する国営LRTの建設は高速鉄道に必要不可欠であり、事実上の「抱き合わせ案件」とも言えた。
いずれにせよ、着工当時は具体的な工期や仕様も不明瞭な部分が多く、日本の業界関係者にとっても寝耳に水の話であったと聞く。 開業延期続き膨らむ予算
突如ともいえる着工が可能になった背景には、州営MRT、LRTに遅れを取りたくないという中央政府のプライドや、高速鉄道開業に間に合わせなければならないという焦りもあるものの、民間プロジェクトとして進められていたことも大きい。
インドネシアの国営企業は国を筆頭株主とした株式会社化(民営化)を完了しており、その中の複数の国営銀行(Mandiri、BNI、BRI)および国内外の民間銀行が、LRTの運営主体となるKAIに18年ローンで資金を貸し付けている。インドネシア政府が近年インフラ整備に積極的に採用しているPPP(官民連携)プロジェクトだ。
だが、融資契約が締結されたのは着工から2年後の2017年だった。その時点までプロジェクトの筆頭企業がオペレーターのKAIなのか、インフラ側の国営建設アディカルヤになるのか定かではなかったためだ。また、そもそも工期に無理があるため開業はたびたび延期されており、予算は当初予定の約23兆ルピアから膨れ上がっている。銀行から再融資を受けたほか、2021年11月には政府からKAIに高速鉄道と合わせて6.9兆ルピア(うちLRT向けは2.6兆ルピア)の国家予算が投じられる事態にもなった。
国営LRTは「オールインドネシア」を標榜するが、全体設計はフランス国鉄が出資する世界的に有力な鉄道コンサルタント、シストラが請け負い、車両・運行システム一式は入札基準から欧州仕様で固められている。そのため、インドネシアで組み立てはしているものの、車両の主要部品はスペインのCAF、自動運転・信号・通信関連機器はドイツのシーメンスと、欧州製品で占められている。
インフラについては日本の大手建設コンサルタント、オリエンタルコンサルタンツグローバルが施工管理を行っている。ただ、ジャカルタMRTで実施されたような、人材育成を目的としたソフト面に対するコンサルティングは行われていない。実は着工の際に日本の鉄道コンサルにも声がかかっていたが、プロジェクトに不確定要素が多すぎることに加え、日本側はMRTに割く人材で手いっぱいだったことから参画が見送られた経緯がある。
現在、国営LRTは車両の走行試験(受け取り試験)をINKAの手で実施しており、KAIはまだ車両の引き取り前のため、運転はINKAの作業員が行っている。試験は信号、保安装置も使用しない完全なマニュアル運転で、今回の事故はその最中に起きた。信号なしで運転するため、1駅間を走行可能なのは1編成だけである。
本来なら追突などありえないはずだが、なぜ事故が起きたのか。 車両基地の工事遅れが大きな要因
これは工事の遅れ、とくに車両基地の建設が土地収用の問題で大幅に遅れていることが密接に関わっている。基地は2020年にようやく着工したものの、現時点での進捗率は5割程度で車両の留置は不可能だ。また、基地は運行管理センター(OCC)を併設しているため、完成しないことには営業運転同様のオペレーションは不可能で、ブカシ線には車両の入線すらできていない。
このため、走行試験はチブブール線(主にタマンミニ―ハルジャムクティ間)で実施しており、事故当時31本あった車両も全て同区間の本線上に留め置かれていた。この留置車両に試運転車両が追突したのである。正確には、試運転を終えた編成(第29編成)を留置位置に戻す際に、前方に留置中の編成(第20編成)に追突した。車両はどちらも大破しており、INKAの発表によると第20編成の前方に留め置かれていた2編成も損傷を受けているという。
車両入れ換え時の最高速度は時速5kmに定められているが、追突車両は留置車両に乗り上げるような形で破損しており、明らかに速度オーバーしていたことがうかがえる。INKAは事故発生日の夕方にはオンライン上で会見を開き、ヒューマンエラーであると断定したうえで、車両システムのトラブルではないことを強調した。事故現場は直線区間で、なぜ減速できなかったのか作業員の証言が待たれるところだが、11月中旬時点で公表されていない。
国営LRTはオペレーターがKAIであるため開業に向けた鉄道マンはそろっており、一から人材を育成する必要がないのがアドバンテージでもあった。しかし、試運転中の事故は盲点だったといえるだろう。INKA作業員は工場内で試運転の経験はあれど、本線上でハンドルを握ったことはない。
筆者は事故発生の1カ月ほど前に、事故発生区間の試運転に便乗したことがある。当時、試運転は時速10km以下で実施とのことだった。ただ、スタッフから漏れ聞こえてくる会話から察するに、来賓がいないときはもっと速く走っていることがうかがえた。これこそが事故の芽であったといえるが、1区間に1編成しかなければ、信号がなくても追突することはない。
しかし、車両基地の建設遅れという問題を抱えつつ開業時期が迫る中、打開策として本線上に車両を留置したままで走行試験を開始してしまった。そこに安全意識と規定順守の欠如が加わった。つまり、起こるべくして起きた事故と言っても過言ではないだろう。
事故後、政府に批判的立場をとる一部メディアは、高速鉄道への国費投入とともに国営LRT問題を多く取り上げている。ただ、出てくるのは車両の一部資材や設計が運輸省の規定する仕様と異なっていたという調査結果や納期の遅延など、INKAに関するスキャンダル的な話ばかりである。政府も事故後、全体的な説明責任をまったく果たしておらず、すべてINKAに押し付けている格好である。 「4年スパン」が問題の根源
しかし、政府が求めるわずか4年という短すぎる納期こそが、今回の事故を含め、国営LRTに関わる諸問題の根源である。
民主化後、インドネシアの物事は大統領の任期である4年スパンで決まると言われて久しいが、ジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領が2014年に就任して以来、その傾向は顕著になっている。長期ビジョンが描けないのである。
大統領は1期目の任期中、次期選挙対策として、根拠のない「2019年までに完成」という大型インフラプロジェクトを続々と打ち上げた。高速鉄道も国営LRTもその一つである。大統領令を出されている以上、現場は無理を承知で進めなければならない。その結果費用は膨らみ、そして事故という最悪の事態に至った。
現在2期目のジョコウィ政権は2024年に任期満了を迎え、再選はない。確かにこの7年間でインフラは大きく発展した。ただ、この反動はいずれ必ず来るだろう。国費投入からわかるように、PPP万能論にもほころびが見え始めている。次期大統領次第では、強力に推し進められていたインフラ整備も転換期を迎えるかもしれない。
現在、インドネシアに残る日本の大型鉄道案件としては「ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)東西線」と「ジャワ島北幹線鉄道高速化事業」があるが、いずれも事前準備調査の段階で止まっており、その後の進捗は見られない。日本の開発援助が要請主義を取っている以上、インドネシア側からのアクションなしにプロジェクトは動かないが、明らかにインドネシアのインフラ開発がトーンダウンしている印象は否めない。
ただ、インドネシア側に揺るぎないものもある。それは国産化率の向上である。政権が変わろうとも、この方針だけは変わることはない。鉄道案件で言えば、アディカルヤを始めとした国営建設会社、そして、INKA、LENといった鉄道関連会社での現地生産化を約束しなければ、円借款供与とはいえインドネシア政府を動かすのは難しい情勢である。
日本が関わる案件としてはもう1つ、2014年に「ジャカルタ首都圏鉄道輸送能力増強事業(I)」として163億円が供与されている。車両基地の拡張、新型車両の調達などが含まれる事業だが、予算執行がほとんどされていない。インドネシア側が自国予算と自国企業で実施するとしたためで、事実上この事業は宙に浮いている。 日本流の「安全意識」広げる契機に
実は、まもなく執行期限を迎えてしまうこの予算を用いて、ジャカルタ首都圏のKAI路線に保安装置(日本式のATS)を導入する計画が水面下で進んでいる。2015年に起きた元JR205系同士の衝突事故を契機として導入の機運が高まった。
ただ、インドネシア側の動きは鈍い。また、ジャカルタ首都圏の日本製車両のみならず、地方から乗り入れる長距離列車用のジャワ島すべての機関車に設置するとなれば、とうていこの予算には収まらない。しかし、乗務員の目視による確認のみに頼り、3分間隔で運行している現在の状況は、いつ事故が起きてもおかしくない。
今回の国営LRTでの事故は、試運転中で死者が出なかったのが不幸中の幸いではあったものの、鉄道国産化を推し進めるインドネシア政府の威信に傷が付いたことは間違いない。保安装置すら作動させられないイレギュラーな運用をせざるをえなかった状況ではあるが、それがいかに危険であるかが改めて認識されたはずである。
これを機に、保安装置の議論が深度化していくのを期待するのと同時に、乗務員、作業員への安全意識教育が州営MRTのみならず、全土的に広まっていくことを望みたい。我が国も、「日本の鉄道は安全」という常套句を並べるだけではなく、過去の事故の積み重ねの上に今があると言うことを、伝えていかなければならないだろう。 https://www3.nhk.or.jp/lnews/k/nagasaki/20220324/5030014384.html
長崎市の路面電車 バリアフリーの新型車両を導入
長崎電気軌道は24日、バリアフリーの新型車両を導入し、今後も同様の車両を計画的に導入していきたいとしています。
導入された新型車両は「6000形」と呼ばれ、出入り口には折りたたみ式の渡り板が設置され、車いすやベビーカーの利用者は乗り降りしやすくなっていて、車両内には車いす用のスペースが設けられています。
長崎市の浦上車庫で行われた出発式で、長崎電気軌道の中島典明社長は「バリアフリー化に向けてこの車両は今後のモデルになるのではないかと思う。市民や観光客に愛される路面電車の運行を目指したい」と述べました。
テープカットの後、新型車両は運行を開始しました。
今回の導入で長崎電気軌道は保有車両、合わせて71両のうちおよそ1割にあたる7両がバリアフリー対応になります。
長崎電気軌道経営企画室の白倉一副主査は「車いすの人やベビーカーを利用する家族、それに年配の方など、多くの人に快適に利用してほしい。今後もバリアフリーの車両を計画的に導入していきたい」と話していました。
03/24 14:45 https://news.yahoo.co.jp/articles/d0e5d3cb43cd7c20d94038770ffbeb0c1f75b4d0
長崎市の路面電車 バリアフリー対応新車両導入
3/24(木) 19:28配信
NIB長崎国際テレビ
長崎電気軌道に、バリアフリー対応の新型車両「6000形」が導入され24日、出発式が行われた。
長崎電気軌道の伝統の緑色を基調とした車両。3年ぶりに新しく導入されたバリアフリー対応の「6000形」の車両。床が低い「低床式電車」は、これまで複数の車両で編成されていましたが今回初の単車型となる。単車型の低床式電車としては世界で初めてロングシートを採用。座席は28席あり定員は62人。車いすやベビーカーでも乗り降りしやすい「人にやさしい」ユニバーサルデザイン。国と長崎市からの補助金を活用し約2億円をかけ導入した。出発式の後は試乗会も行われた。新車両は、24日午後から長崎市内のすべての路線で運行している。 https://www.fnn.jp/articles/-/336896
“世界初”の肩書も!?長崎の路面電車に新バリアフリー車両が導入
テレビ長崎
2022年3月24日 木曜 午後6:53
長崎の路面電車に3年ぶりに新車両が登場しました。
“世界初”の肩書きも付いています。
長崎電気軌道が24日導入した新型車両6000形です。
段差がなく、車椅子でも乗り降りしやすい低床式の車両です。
ロングシートタイプの座席が導入された低床式の路面電車の運行は、世界初だといいます。
KTN記者 「新しい車両はスロープがついていて、バリアフリーに対応しています。車内の通路は少し狭くなりましたが、車いすが乗れる場所が2カ所に増えました」
1両編成の新型車両には28人が座れます。
これまでの車両より4トン軽い18トンで、モーターへの負荷が少なく、メンテナンス費を抑えられます。
これまでの低床式の車両2種類は、連結された3両合わせても座席に27人しか座れず、車椅子のスペースは1ヵ所だけでした。
長崎電気軌道経営企画室経営企画係 白倉 一 副主査 「私たちの車両は車いす対応の車両が少ないのが課題としてあった。1両さらに増やすことができて、車いすの人の利便性向上につながれば良いなと考えています」
長崎電気軌道は2023年度にも新型車両を1台追加予定です。 https://www.nbc-nagasaki.co.jp/nbcnews/%E9%95%B7%E5%B4%8E%E5%B8%82%E3%81%AE%E8%B7%AF%E9%9D%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A%E3%80%80%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%83%90%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E8%BB%8A%E4%B8%A1%E3%81%8A%E7%9B%AE%E8%A6%8B/
2022/03/24/19:04
長崎市の路面電車 新型バリアフリー車両お目見え
長崎市の路面電車を運行する長崎電気軌道は、省エネ性能などを向上させた新型のバリアフリー車両を24日から導入しました。
長崎電気軌道が新たに導入した「6000形」は乗り降り口の段差をなくした低床式の新型車両です。従来の低床式が3連接なのに対して6000形は単車で、重量は従来型より4トン軽く、レールへの負担を軽減できます。車内には車いすスペースが2か所あり、室内灯にはLEDが使われ、省エネ性能も向上。また、長崎電気軌道によりますと、ロングシート座席の単車型低床電車の運行は世界初だということです。
(長崎電気軌道・中島典明 代表取締役社長)
「これから先、バリアフリー化をどんどん進めていく上で、この6000形というのがこれからのモデルになるんじゃないかと」
長崎電気軌道が新車を導入するのは3年ぶりで、購入費用1億9500万円のうち半額を国と長崎市が補助しています。新型車両「6000形」は24日から運行を開始しています。 >>588
低床でロングシートが世界初ってのは盲点だった https://www.fnn.jp/articles/-/337662
路面電車の衝突脱線事故「電車の信号無視が原因」広島電鉄に改善指示 中国運輸局
テレビ新広島
2022年3月25日 金曜 午後8:53
先月、広島市西区で起きた路面電車と車の衝突事故について中国運輸局は24日広島電鉄に再発防止を求める業務改善指示を出しました。 この事故は、先月20日、広島市西区己斐本町の交差点で広島電鉄の路面電車と車が衝突し、その衝撃で電車が脱線したものです。
中国運輸局は、事故を受け広島電鉄の監査を実施。路面電車に搭載されたドライブレコーダーの映像から運転士が信号を無視して交差点に進入したことを確認しました。
また、事故を起こした運転士は、以前から声を出して安全確認をしていないとして社内で繰り返し指摘されていたということです。
中国運輸局は広島電鉄に対し、再発防止策の策定と運転士の適切な管理を行うよう指示しました。 https://toyokeizai.net/articles/-/1710
都市公共交通の新潮流・路面電車 国は道路財源使い建設を促進せよ
2008/08/04 17:30
かつては、交通渋滞の元凶として目の敵にされたこともある路面電車が、今再び脚光を浴びている。 路面電車の歴史は古く、わが国における最初の営業は1895年に京都市で開通した京都電気鉄道(後の京都市電)にさかのぼる。営業のピークは1932年。簡便な市民の足として、全国65都市、82業者、総路線長1479キロメートルに達した。
しかし戦後も60年代になるとモータリゼーションが本格化、路面電車は交通渋滞の元凶として、一転、邪魔者扱いされるようになる。全国で廃止が相次ぎ、現在、わずか19事業者を残すのみの状態だ。 ところが最近、流れが再び大きく変わりつつある。その例を富山市で見てみよう。
富山市の路面電車の歴史は1913年に始まる。当初は民営の富山電気軌道として開業、20年に富山市に譲渡された。戦争中の43年に「陸上交通事業調整法」に基づき富山地方鉄道(以下、「地鉄」と略)に譲渡、再び民営となった。最盛期の60年代には総路線長11キロメートル、6系統が運行されていたが、その後縮小。現在は6・4キロメートルが運行されている。
と、ここまでは富山市もほかの都市と同様、縮小の軌跡をたどってきたが、そこに一石を投じたのが旧JR富山港線の路面電車化である。
旧富山港線は、路線距離8・0キロメートルの小さなローカル線だった。2006年2月までJR西日本が運営していたが、JRの赤字路線分離政策により第三セクターの富山ライトレールに移管、同年4月から路面電車化して営業を再開した。 予想を上回る乗客数
JR時代の2002年度の実績に基づく1日当たり利用者数の目標は3400人。しかし、開業直前の05年10月に実施した利用者の実数調査では、平日2200人台、日曜日1000人台という実績で目標達成が危ぶまれた。
富山ライトレール富山港線は06年4月29日に開業したが、運行を開始してみると利用者数は予想以上で、07年3月末までの初年度(営業日数337日)の乗客数は165万人、1日当たり4901人と目標を大きく上回った。2年目の07年度も、新たな目標4000人/日を上回る4480人の実績を残した。
富山市は、人口減少や高齢化に対応するため、「公共交通を利用したコンパクトなまちづくり」を重要施策として掲げているが、富山ライトレールはその中核だ。
市内路面電車網全体の計画としては、09年開業の目標で地鉄富山市内軌道線の新線建設による環状線復活計画がある。これは、地域公共交通活性化法に基づいて上下分離(線路の建設・保有主体と運行主体の分離)方式をとることになっている。
08年5月には森雅志富山市長が、地鉄上滝線(富山市の南富山駅と中新川郡館山町の岩峅寺駅を結ぶ12・4キロメートル)のLRT化(後述)と市内軌道線との直通運転を行うという構想を示唆している。
さらに14年の北陸新幹線富山乗り入れ、JR富山駅の高架化に合わせて、富山ライトレール線と地鉄市内軌道線を接続、直通運転を実施することも計画されている。
このように、富山市では路面電車の整備による都市活性化策が積極的に進められており、しかも当初の予想を上回る結果を出しつつある。 では、なぜ今、路面電車なのか。
第1に、市内の商店街との親和性の高さだ。モータリゼーションの進展が、国道沿いのロードサイド店や郊外型大規模店舗を栄えさせた代わりに、駅前や市中心部の商店街を衰退させてきたことはよく知られている。これに対し路面電車は逆に、市内の在来型商店街に顧客をもたらし、地域振興に貢献する。
第2に、路面電車は、階段を経ずに道路から直接乗車できるため、高齢者、身障者などの交通弱者に優しい。今後高齢化が進めば、自家用車を利用できない人々が増加する。路面電車はこうした人々にとって最も利用しやすい公共交通機関である。
第3に、同じ公共交通機関の路線バスと比較して、時刻表どおり運行する定時性に優れている。これは乗客にとって大きなメリットだ。
第4に、建設費が安い。新交通システムの10分の1、地下鉄の20分の1の建設費で可能だ。
第5に、環境面での優位性だ。路面電車に限らず、鉄道は排ガスを出さないだけでなく、一定速度に加速してからは慣性で走行するため、公共交通機関の中でも最もエネルギー効率が高い。
富山県は、1世帯当たりの自家用車保有数が全国第2位(05年3月末)と高く、国道沿いに路面店が発達しており、本来、公共交通機関にとっては極めて厳しい環境にある。それにもかかわらず、富山市が路面電車を中核とした公共交通機関の整備を進めてきたことは、今後の日本社会の変化と将来のニーズを先取りしているわけであり、高く評価したい。
公共交通機関は、鉄道、地下鉄、バスに加え、モノレール、新交通システムなど、ハード面のバリエーションが増えた。路面電車でも大きな進歩が見られる。
一つは、最初ヨーロッパで開発され、国内でも製造されているLRT(Lihgt Rail Trail)と呼ばれる新型車両である。これは超低床構造でバリアフリー思想が徹底している。すでに前述の富山市や広島市などに導入されている。 電力架線が不要な車両も出現
さらに最近では、二次電池(充電池)を使用したまったく新しい車両をJRグループの鉄道総合技術研究所や川崎重工業が開発した。最大の特徴は、電力を二次電池に充電して走ることで、電力架線が不要となる。充電は、乗客の乗降の際、停留所に備え付けの電源装置に電極を接続して行う。架線が不要であることは、建設費の削減に大きく貢献する。
またブレーキをかける際にモーターを発電機として使い、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して二次電池に回収するため、エネルギー効率が非常に高い。
鉄道総研の実験では、往復約1キロメートルの試験区間でリチウムイオン電池にフル充電してから約半分の容量になるまで、15往復以上の走行ができた。この走行結果によれば、500メートルおきに停留所のある15キロメートルの路線を走行することが可能だという。
川崎重工の「SWIMO」も、主要なコンセプトは鉄道総研の車両とほぼ同じだが、二次電池がニッケル水素電池である点が異なっている。当初年間150〜300両規模で生産し、価格は3両1編成で2億5000万〜3億円を想定している。
このように、路面電車には新たな都市公共交通として多くのメリットがある。これは欧米では広く認知されている。国は路面電車導入への支援を表明しているが、ここはさらに踏み込んで、道路財源を使って財政的に建設を後押しすべきだろう。
(福永 宏 =週刊東洋経済) https://news.livedoor.com/article/detail/19868303/
なぜダイハツ販売店に路面電車の駅が存在? 摩訶不思議な光景の正体とは
2021年3月18日 9時10分
愛媛県松山市を走る路線の一部区間が愛媛ダイハツ販売松山店の敷地の真ん中を通っているほか、その場所に駅まで存在する場所があるといいます。
なぜ、敷地内に線路や駅が存在するのでしょうか。 愛媛ダイハツ販売松山店の北側敷地を北東から南西にかけて、100m弱の距離を斜めに突っ切っているのは、伊予鉄道大手町線(環状線)の路面電車で、敷地部分には「宮田町駅」という停留所も存在します。
路面電車が走る敷地内には愛媛ダイハツ販売の本社があり、愛媛県内で販売の中枢となる重要な店舗であることが伺えます。
周辺にはフジグラン松山というショッピングモールや松山地方法務局があり、松山市でも栄えている場所であるようです。
愛媛ダイハツ販売松山店を南西に抜けた大手町線は、両側4車線の愛媛県道19号線の中央を走り、南へと続いていきます。
松山城から西に1kmと街中にあることもあいまって不思議な光景となっていますが、なぜこのような状況になっているのでしょうか。 一風変わった場所にある路線と駅について、伊予鉄道の広報担当者は以下のように話します。
「1955年当時、路面電車の路線があった場所に、愛媛ダイハツ販売さんが別の場所から移転され店舗ができ、現在のようなお店を突っ切る形となったと聞いています。
その後、1967年に宮田町の停留所が作られています。正直、当時の状況や詳しい経緯は分かりません。
ですが、こういった店舗を線路が突っ切るケースは、少なくとも伊予鉄道のほかの路線ではなく、全国的に見てもまれなケースでしょう。
店舗の敷地を突っ切っていますが安全性には配慮されており、利用されるお客さまからも特段お声をいただくこともありません。
むしろ宮田町駅として当たり前の風景になっているという感覚すらあります。
ショッピングセンターやスーパーがあることから、生活の足としても愛されている駅となっています」 また、伊予鉄大手町線の宮田町駅の存在について、愛媛ダイハツ販売のスタッフは以下のように話します。
「昔から敷地内にあるので、とくに違和感は覚えません。むしろ停留所から徒歩0分という好立地ですので、クルマを持っていないお客さまにも気軽にお越しいただけると思います」
※ ※ ※
地図を詳しく見てみると、大手町線の線路を境界線として、中古車販売を行う「愛媛ダイハツ販売U-CAR松山」と、新車販売や修理などのサービス部門のある「愛媛ダイハツ販売松山店」の店舗がそれぞれ存在します。
実際にそれぞれのホームページには、「敷地内には伊予鉄市内電車の電停もあり、アクセスもしやすい立地となっております」と、交通の利便性をアピールしているようです。
一見、変わった景色に見える伊予鉄道大手町線の宮田町駅ですが、愛媛ダイハツ販売や地元民からすると50年以上も前からある停留所となっており、地域に溶け込んでいる風景といえます。 https://news.yahoo.co.jp/articles/5f2fbb6804a49acfd0a7c3eee5cb829fc6d8a170
構想から約30年 LRT開業まであと1年
3/25(金) 16:50
とちぎテレビ
特集です。
LRT開業まで1年という話題です。宇都宮市と芳賀町が整備を進める次世代型路面電車・LRT。開業はもともと今頃でしたが地盤の改良工事やコロナの影響があって1年開業が伸びてしまいました。 JR宇都宮駅東口を起点に芳賀・高根沢工業団地までの14.6キロ。19の停留場が設けられています。気になるのは運行間隔ですがピークには6分間隔、日中などのオフピークでも10分間隔とそれほど待たずに乗れます。 全線の所要時間は普通で44分、運賃は150円から400円。 現地の整備状況を取材してきました。 車両は全部で17導入されますが現在は11編成あります。黒と黄色のスタイリッシュなデザインでライトラインの愛称がついています。 今週、車両基地では車両の修理を行う検修庫が完成しました。さらに中には22日納入されたばかりのピカピカの車両が。 車両に入ります。広い、明るい、窓が大きい。床のデザインは大谷石。椅子は固めでフィットします。 車両の導入を担当する宇都宮市LRT整備課の北岡勇介さんに聞きました。
宇都宮市LRT整備課 北岡勇介さん:「低床車両の最大級の広さ。ICカードですべての扉から降りられる。担当者としてもわくわく感はある。皆さんに早く乗ってもらいたい」 ICカードがあれば全てのドアから乗り降りできます。もちろん現金での運賃箱も先頭車両についています。 車両現地説明会を開くと皆さん「早く乗りたい」と話すそうです。 では地元の人の思いはどうか。
LRT構想は1993年に「勉強を進める」と始まって以来さまざまな道のりを経てきました 工事は地盤の改良などもあって1年伸びているのですがすべての区間で整備が進んでいます。
宇都宮駅東口ではホーム設置工事の真っ最中でした。驚いたのは周辺の再開発事業。ホテルやオフィス、病院などつい最近まで空き地であったのがうそのような光景で、さらに周辺に新しいマンションがたくさんできていました。
出来上がりが楽しみなのが道路に線路が敷かれること。実際に線路が敷かれるのは4月に入ってからになります。 最も重要なのがLRTとほかの交通との乗りかえが便利かどうかです。
トランジットセンターが5カ所設けられてバス、地域内交通、自転車の駐輪場も置かれます。
すでに完成間近のところも。
LRTによって、整備の過程でも街が激変しています。市の最も東、芳賀町に接する「ゆいの杜」地区はLRT開業を見越して人口が急激に伸び3万人を超えました。 この地域の皆さんは清原地域振興協議会を立ち上げて交通渋滞の問題にも早くから取り組んでいました。
この中でLRT特別委員会の委員長も務めた82歳の石川裕夫さんに話を聞きました。
石川裕夫さん:「ゆいの杜のこの辺りに駅が。かなり便利になった。工事が進んで楽しみ。20年振り返ると夢の話が現実になった。」
ゆいの杜地区はつい最近まで畑、山林が広がり石川さんも栗畑を持っていました。
ゆいの杜小学校は市内で26年ぶりの新しい学校で700人近い児童がいます。ゆいの杜地区は子どもが多いと石川さんは話します。 清原地区の住民は地域振興協議会を中心に自分たちで街の課題解決に取り組んできたといいます。
福祉の基礎は「移動手段・足の確保」と話す石川さん。
様々な意見がある中で、ここまで街を変えてくれたLRT事業を住民から成功に導かないといけないと話しています。
石川裕夫さん:「1年後はゴールではなくスタート。ただ便利だけでなく足としてうれしいが起爆剤にしないといけない。できたよ、よかったね、終わりだねではいけない」 https://toyokeizai.net/articles/-/410167
宇都宮LRT、新幹線…「新線工事」はなぜ遅れるか 延期は仕方ないが、問題は「その後の対応」だ
2021/02/06 5:10
枝久保 達也 : 鉄道ジャーナリスト
栃木県宇都宮市は1月25日、2022年3月の開業を目指してJR宇都宮駅東口から本田技研北門(同県芳賀町)まで14.6kmの整備を進めている「芳賀・宇都宮LRT」について、開業時期が1年程度遅れるとともに、事業費が226億円増額する見通しだと発表した。 鉄道の新線整備をめぐっては、北陸新幹線金沢―敦賀間の開業時期が当初予定の2023年春から1年程度遅れる見込みとなり、あわせて事業費の上振れが明らかになったことも記憶に新しい。
なぜ、鉄道の新路線整備は遅れてしまうのだろうか。 宇都宮LRTは「用地取得」が要因
新線の開業までには計画決定、鉄道事業法に基づく許可申請や環境アセスメントなどの各種手続き、用地取得、工事発注、工事といったさまざまなステップがある。工事は複数の工区に分けて同時並行で進められるが、鉄道は1本の線であるから、1カ所でも工事が完了しなければ開業することはできない。つまりいずれかの場所で、工程に1つでも狂いが生じた場合、工期は延び、開業は遅れるのである。
もちろん、工事計画の立案にあたっては一定の余裕を盛り込んであるし、やむをえず遅れが生じた場合は工事方法を変更して遅れを取り戻すことになる。しかし、工事においては自然を、交渉においては人間を相手に進めなければならない新線建設において、不確定要素を完全に排除することはできない。
具体的に見ていこう。芳賀・宇都宮LRTのケースでは用地取得の遅れが工事スケジュールに影響し、開業延期に至った。
宇都宮市の発表によると、2020年12月末時点で同市域の事業用地については事業面積全体の約95%を取得しているものの、未取得の用地については「今後1年程度の期間を要するものと想定される」ことから、開業時期は当初目標の2022年3月から1年程度遅れる見通しであるとしている。用地取得が遅れている原因について、宇都宮市の建設部LRT企画課協働広報室は、コロナの影響で対面での交渉が行いづらいなどの事情により時間を要していると説明する。 一方、北陸新幹線の場合は土木工事の遅れが開業延期に直結している。昨年12月10日に国交省の「北陸新幹線の工程・事業費管理に関する検証委員会」が発表した中間報告書によれば、石川県と福井県の県境に位置する全長5.5kmの加賀トンネルと、敦賀駅の工区において大幅な遅延が生じているという。
加賀トンネルについては2020年3月、トンネル底部に「盤ぶくれ」による亀裂が確認され、935mの区間について地盤を抑え込む固定ボルトを設置するなどの対策工事が必要となった。盤ぶくれとは、トンネル底部の地盤が地下水や大気と反応して、トンネル底部が隆起する現象だ。この対策工事に約7カ月、工事の効果の計測に3カ月が必要となり、全体で10カ月超の遅延が見込まれることとなった。
敦賀駅については工事以外の要因も大きく影響している。2017年3月の土木工事契約締結後に大幅な設計変更が行われたのである。北陸新幹線は当初、フリーゲージトレイン(軌間可変電車)を導入し、敦賀から大阪方面に乗り換えなしで結ぶ計画であり、敦賀駅もその前提に基づく設計だった。
だが、フリーゲージトレインの開発が難航したことから同年10月、新幹線と在来線特急の乗り換え利便性向上策として、北陸新幹線敦賀駅の1階に在来線特急ホームを設置し、上下乗り換えを可能にすることとした。この結果、土木工事の着手は約1年遅れの2018年4月となったのだ。北陸新幹線のケースでは、主な要因は計画決定の遅れと工事の難航の2点と言えるだろう。 鉄道工事は「遅れるのが常」
しかし、この2路線の工事が特別というわけではない。鉄道工事は遅れるのが常である。
例えば、2019年11月に開業した相鉄・JR直通線も、2009年10月に工事施行認可を受けた時点では2015年4月の開業を予定していた。ところが、東海道貨物線横浜羽沢駅構内における線路切り替え工事に当初想定以上の工期が必要なことが判明。2013年に開業時期を2018年度内に延期すると発表した。その後、2016年には用地取得の難航により工事着手が遅れているとして、再び2019年度下期に延期した経緯がある。
2022年度下期に開業予定の相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線・東急新横浜線)も、当初は2018年度の開業を予定していた。こちらは用地取得の遅れと、新綱島地区の地質調査の結果、当初想定よりも地質が軟弱であることが判明し、施工に時間がかかった。新綱島駅本体工事はシールドマシンの発進基地を兼ねており、このためトンネルの掘削開始が遅れた。その結果、鶴見川の直下を横断する工事が掘削を制限される出水期に当たる見込みとなり、玉突き的に工期が延びることになった。
また、福岡市地下鉄七隈線(天神南―博多駅間)は、2020年度末の開業を予定していたが、2016年11月8日に発生した博多駅前2丁目交差点付近での道路陥没事故により、トンネル内に流入した水や土砂の撤去や、再発防止のための地盤改良に18カ月の工期延長が必要となり、開業予定を2022年度に延期した。 さらに、2000年代に開業した地下鉄である営団地下鉄(現・東京メトロ)南北線や半蔵門線(水天宮前―押上間)、東京メトロ副都心線も、用地取得の遅れや埋蔵文化財の発掘調査が必要になったことから開業予定が延期された経緯がある。
とはいえ、開業延期は仕方ないとも言っていられない。工期と事業費は表裏一体の関係にある。工事が延びれば必要な労働力は増え、さらに物価や人件費も上昇するので事業費の増加は免れない。同時に工期を短縮する努力が必要になるが、そのためには工法や材質を変更したり、より多くの作業員を投入せねばならない。要はお金で解決するしかないので、さらに事業費はかさんでいく。そうすれば路線の採算性にまで影響を及ぼすことになる。
つまり、工程管理におけるリスクマネジメントは経営上の重要課題なのである。 LRT事業費は226億円増加
では、今回の芳賀・宇都宮LRTと北陸新幹線の事例はどこに問題があったのだろうか。芳賀・宇都宮LRTについては、事業費が当初想定していた458億円から684億円へと226億円、割合にして約50%も増加している。
内訳をみると、工事については地質調査の結果、鬼怒川周辺・野高谷地区の高架構造物区間、車両基地などで構造物を支える杭基礎の長さの変更や地盤改良の深層化が必要になったことや、用地測量の結果、買収面積や補償物件数が増加したことなど、現地の施工条件などへの対応で117億円の増加。工事に支障となる電力ケーブルやガス管、上下水道管などの地下埋設物の移設などで46億円の増加。変電設備の設置費用が4億円の増加となっている。
そのほか、建築需要の増加を背景とした現場管理費などの増加や物価上昇、豪雨災害対策の強化などで39億円の増加。さらに、安全対策やバリアフリー対策の強化、利便性の向上など社会情勢やニーズの変化に対応するため48億円の増加となった。軌道構造の見直しで28億円のコストダウンを行ったが、差し引き226億円の増加である。 前述の相鉄・JR直通線でも事業費は当初計画から42%、相鉄・東急直通線は49%増加している。とくに地下の地質や埋設物に関しては、着工してからでないとわからない点も多く、芳賀・宇都宮LRTの場合は国内初となる新設LRT路線であるから、ノウハウが不足していたという側面も大きいだろう。
やむをえない面があったとはいえ、宇都宮市の佐藤栄一市長は昨年11月の市長選でLRT事業の凍結を掲げる対立候補を破って5選を果たした経緯がある。市長は1月になって報告を受けたと説明するが、開業延期と事業費の大幅な増額は、選挙という重要な意思決定の機会の前に開示されるべきであった。 北陸新幹線工事の「負のスパイラル」
では、北陸新幹線についてはどうだろう。こちらも工事の遅れについては情状酌量の余地がある。着工当時は2025年度開業予定だったのを、2015年に政府・与党の整備新幹線検討委員会が3年前倒しを決めた経緯があり、もともと工期に無理があったのではないかという指摘はもっともだ。
国交省の中間報告書でも、2019年度に実施した入札において不調・不落が頻発することとなり、工期遅延を回避するため、積算単価に実勢価格を反映させた結果、発注金額が増額したことや、用地測量・買収が遅れた工区の工期を短縮するために、地域外から労働者や資機材を導入するなどの急速施工を行ったことで工事費が一層増えた経緯などが記されており、工期の遅延と事業費の増大が負のスパイラルに陥っていくさまが見えてくる。
しかし、ここで最大の問題となるのが、こうした状況をコントロールすべき立場の機能不全であった。
国交省の中間報告書は次のように綴っている。 北陸新幹線の建設を担当する鉄道・運輸機構大阪支社は、2019年秋の時点で敦賀駅工区に5カ月程度の遅れが発生し、土木JVから遅延回復が困難である旨が伝えられていたが、開業時期ありきの考え方に起因する甘い見通しの工期設定に基づき、作業員・資機材の増強により2022年度末の開業に間に合うと本社に報告していた。(要約)
その後も、鉄道・運輸機構本社には工事遅延の実態が伝わらなかった。
2019年12月には、大阪支社において土木工事の工期を当初の2020年7月から2022年2月まで約20カ月延長する契約変更がなされたが、支社から本社に対しては、信通機器室工事の追加に伴うものと報告しており、この時点においても本社は5カ月程度の遅れという認識で、土木工事の大幅な遅延について認識できていなかった。
2020年1月に建築JVとの工事契約を締結したが、その際、土木工事が大幅に遅延していることは建築JVには伝えられていなかった。このため2月に土木JV、建築JV、大阪支社で協議を開始したところ、土木工事の遅延の回復に資するものと想定していた土木工事と建築工事の同時施工が困難であることが判明したが、大阪支社は、建築工事と電気工事の同時施工等により2022年度末の開業に間に合うと本社に対し報告していた。(要約) なぜ適切な時期に工程の見直しができなかったのだろうか。整備新幹線は今まで開業延期をしたことがなかったというのも大きな要因かもしれない。成功体験を前提に問題を先送りし続けた結果、いよいよ行き詰まった段階で本社や国、自治体に「戦況」が伝えられることになったのである。 「遅れた後」の対応が重要
工事の遅れを早い段階で正確に認識していれば、実効性のある対策を取ることができたかもしれない。それでも工事が遅れてしまうのであれば次善策を打つことができたはずだ。だが、実際にはクリティカルパスである敦賀駅の工事が間に合わないのに、別の工区では2022年度末の開業に向けて急速施工を行うなど、事業費の浪費も積み重ねられていった。
国交省は昨年12月、鉄道・運輸機構に対し業務運営の抜本的な改善に関する命令を行った。これを受け機構は1月29日、工程管理・事業費管理の体制やルールの見直し、関係自治体等との情報共有の拡充を軸とする改善措置を発表した。
工事は遅れるものである。だからこそ、その後にどんな対応をするかが重要になる。芳賀・宇都宮LRTと北陸新幹線の事例は、新線建設の難しさとともに、マネジメントの重要性を私たちに教えてくれている。 https://www.tochigi-tv.jp/news2/page.php?id=76443
「ライトキューブ宇都宮」「宮みらいライトヒル」 JR宇都宮駅東口の愛称決定
栃木県宇都宮市の佐藤栄一市長は25日、定例記者会見を開き、JR宇都宮駅東口に整備を進める交流拠点施設と広場の愛称が決まったと発表しました。
JR宇都宮駅東口地区は、来年3月に開業を予定している次世代型路面電車LRTの発着点の整備とともに、交流の拠点となる施設と広場も建設が進められています。
2つの施設は今年11月に供用を始める予定で、2月にインターネットなどで3つの候補の中から愛称を決める投票が行われました。総投票数は1万を超え、このうち半数以上の票を集めた「ライトキューブ宇都宮」と「宮みらいライトヒル」の組み合わせが愛称として決定しました。
いずれも「輝き」と「雷の都」を表す「ライト」の音が含まれていて、宇都宮市の特徴やLRTに通じるとしています。 https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kitanihon/region/kitanihon-20220323004948
城端線・氷見線のLRT化へ調査 高岡商議所
2022/03/23 00:49
北日本新聞
高岡商工会議所は22日、高岡市の高岡商工ビルで通常議員総会を開き、県西部の交通ネットワークの調査研究などを盛り込んだ新年度の事業計画を決めた。同商議所が推進するデジタル化の一環として、総会の一部出席者は手元のタブレット端末で資料を確認した。
新たに実施する調査研究は、城端線・氷見線のLRT(次世代型路面電車)化における設備投資、ランニングコスト、収益などをシミュレーションし調査報告書を策定する。このほか、創業予定者らを対象とした「高岡スタートアップ塾」の開講や、「加賀藩前田御膳」をコンセプトにした食の開発にも取り組む。
報告事項では、同ビルのレストラン運営などを担う商工ビルサービスが2021年11月期で黒字化し、26年に債務超過を解消、31年には無借金経営となる見通しが示された。
塩谷雄一会頭は「伴走型の経営支援に全力を挙げ、まちづくりにも積極的に取り組みたい」とあいさつ。角田悠紀高岡市長が新年度予算案について講演した。 >>542
西鉄が構想してただけなんだね
もう2022年になるのに 車社会が変わらないんだから路面電車導入しても渋滞が悪化するだけ https://toyokeizai.net/articles/-/373022
小田原の路面電車「64年ぶり里帰り」実現するか 長崎に移籍の車両、クラウドファンディングで
森川 天喜 : フリージャーナリスト
2020/09/04 5:20
かつて小田原市内を走っていた路面電車(箱根登山鉄道軌道線)の車両を長崎から里帰りさせようというプロジェクトが進行している。1956年5月の同路線廃止後、長崎電気軌道に移籍した車両のうちの1両が、2019年3月に引退。受け入れ先を探していたのに対して、小田原で結成された有志団体「小田原ゆかりの路面電車保存会(以下、保存会)」が手を挙げたのだ。
保存会会長の小室刀時朗(としろう)氏は、「もし、実現すれば、実に64年ぶりの里帰りとなり、小田原の歴史を語り継ぐうえでのシンボルとなる」と話す。 小田原の路面電車とは?
小田原の路面電車の歴史は1888年の小田原馬車鉄道(国府津―小田原―湯本)の開業にまでさかのぼる。同時期に国府津から静岡まで延伸された東海道線は現在の御殿場線経由だったため、鉄道が通らないことで街が衰退するのを危惧した小田原と箱根湯本の有力者が発起人となり、この馬車鉄道を設立した。
同鉄道は自前で水力発電所を建設し、1900年3月に全線の電化を完了(電化完了に先立ち小田原電気鉄道に商号変更)。また、1919年6月には、湯本―強羅間の登山鉄道(現・箱根登山鉄道)を開業させた。
1920年に熱海線(後の東海道線)の国府津―小田原間が開業したのに伴い、小田原電気鉄道は重複する国府津―小田原間を廃止。その後、関東大震災の被災などによる経営危機を経て経営資本が変わり、1928年に箱根登山鉄道が設立され、小田原―湯本間を走る路面電車は箱根登山鉄道軌道線となった。
さらに、1935年に小田原―箱根湯本間の鉄道線が開業したことにより、同じ会社の路線が同じ区間で重複することになったため、軌道線は小田原駅前―箱根板橋間のみに短縮して営業を継続した。しかし、戦後の自動車交通量の増大による道路改修を機に、1956年5月31日に廃止された。
今回の里帰りプロジェクトの対象になっている車両(箱根登山鉄道202号車=長崎電気軌道151号車)は、1925年に王子電気軌道(後の都電荒川線)が新造した、齢95歳の長寿車両だ。1950年に箱根登山鉄道に移籍し、軌道線廃止後、ほかの4両とともに計5両(201〜205号車)が長崎電気軌道に移籍したが、現存するのは202号車1両のみとなっている。
里帰りプロジェクト立ち上げの経緯について、保存会副会長の平井丈夫氏は次のように話す。
「202号車が長崎にあるのは以前から知っていて、3年ほど前に(長崎電気軌道の)浦上車庫を訪問し、とてもきれいに手入れされているのを見て感激した。そのときは、いつか小田原に里帰りさせられないかと漠然と考えていたが、昨年、新聞記事で202号車が引退するのを知り、引退後の処置について長崎電気軌道へ問い合わせると、廃車・解体するとのことだった」
そこで、平井氏が譲渡の可能性について尋ねると、「古い車両なので、アスベスト(石綿)が使われている可能性があり、もし、使われていると移動は難しい」との回答だった。
その後、長崎でアスベスト調査が行われ、およそ1年が経過した今年3月初めに「アスベストは使われておらず、譲渡希望者は3月末までに、その意思表示をしてほしい」との連絡が来たという。
「譲渡の可能性は低いだろうと思っていたので、受け入れ場所など何も準備していなかった。しかも、新型コロナの影響で、人を集めて相談することもままならなかった」と、平井氏は当時を振り返る。 https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/c/0/640/img_c0a81af450d01ad823f23f743e094645656492.jpg
保存場所をどうするか
そんな状況ではあったが、近隣の鉄道愛好家を中心に声がけし、集まったメンバー10名で里帰りプロジェクトが立ち上がった。
プロジェクト立ち上げ後、最初の大きな課題は保存場所の確保だった。受け入れの意思表示はしたものの、保存場所が決まらなければ、「難民」になってしまう。
まずは、小田原市に相談を持ちかけたが、「今回の件は時間的な制約があり、予算確保を含め、交渉の土台に乗せるのが難しかった」(平井氏)という。また、場所さえ確保できれば、どこでもいいというわけではなく、できればかつての路線沿いで、ある程度の人通りがあり、人の目に触れる場所でなければ保存する意味がなく、保存場所の選定は難航した。
悩んでいた時期に、救いの手を差し伸べてくれたのが、小田原が生誕の地である二宮尊徳(金次郎)をまつる報徳二宮神社の宮司、草山明久氏だった。同神社が運営するまちづくり会社「報徳仕法株式会社」が、昼は観光回遊と消費促進の拠点、夜は地元の3世代が交流する暮らしの拠点とする新施設の準備を、2021年2月のオープンを目指して進めており、その敷地の一角に202号車を設置することを了承してくれたのだ。
同施設は、かつて路面電車が走っていた国道1号に面する「箱根口」交差点付近に位置し、立地としても申し分ない。
草山氏は、この新施設について、「昼は観光客向けに地場産品の販売や、レストラン・カフェを運営し収入を確保する。夜は、共働き世帯がふつうになる中、子どもを中心に地域の人々が自然に集えるような食堂などを開くことで、3世代が交流する地域コミュニティーの場とする」とし、この2つの機能を同じ施設が担うことで、地域経済の循環と地域課題の解決を持続可能(SDGs)な方法で実現させることを目指すという。
この点、202号車の保存事業もSDGsと親和性がある。90年以上の長きにわたり現役で活躍した車両は、日本の物づくり品質の高さと物を大事に扱う伝統を示す好例であり、子どもたちに小田原の歴史を伝える遺産となる。
https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/d/c/640/img_dc38b946477f7e437faee26d9b58c97a68100.jpg LRTの布石にも?
さらに、202号車の保存は、単に歴史モニュメントの保存という意味を超え、SDGsを市政運営の方針にかかげる小田原市の将来に向けた布石となる可能性もある。
具体的には、「地元の自然エネルギー事業者と連携したLRT(ライトレール)の敷設など、今後、小田原の二次交通整備に向けた計画が浮上すれば、そのシンボルとして202号車を活用することも考えられる」(保存会関係者)という。
つまり、202号車そのものを再び小田原で走らせることは難しいが、「LRTという省エネ性・環境性に優れた新たな形で路面電車が復活する様子を202号車に見守らせることで、路面電車という同じ軸で、小田原の過去から未来をつないでいく」(保存会関係者)という壮大な思いがプロジェクトに込められており、こうした理念があってこそ、今回のプロジェクトを進める意義が増すというのだ。
「こうした我々の思いをきちんとご説明申し上げたので、草山氏は設置をご了承くださった」と、保存会関係者は話す。
設置場所の確保に次いで、大きな課題となったのが、移設・保存に関わる莫大な事業費だ。概算で見積もると、輸送費の750万円を筆頭に、当面の費用として、総額で約1000万円が必要となることがわかった。
しかし、現在はコロナ禍により地元の商工業者の経営状況は厳しく、大口の協賛は期待できない。そこで、協賛金を小口化して募るとともに、クラウドファンディング(9月25日期限)を立ち上げることにした。内訳としては、保存会自己資金300万円、企業協賛募集200万円、残りの500万円をクラウドファンディングで調達することになる。
「長崎電気軌道には、クラウドファンディングの結果が出るまで、契約を保留してもらっている。クラウドファンディングが失敗すると、振り出しに戻ってしまう。全国の鉄道ファンの皆さんや小田原ゆかりの方々に、ぜひ、ご協力をお願いしたい」と、平井氏は支援を呼びかける。 「里帰り」未来にどう生かす
なお、資金調達が成功したならば、来年1月上旬を目標に、車両の移送・搬入を完了させる予定だが、その後も気を抜くことはできない。全国の保存車両の多くが、腐食が進んでいる状況を見れば、鉄道車両を保存・維持するのが容易でないことは一目瞭然だ。
紫外線に加え、小田原は海に近いことから塩害の影響も懸念され、紫外線カット塗料やさび止め剤などにかかる費用も少なからず発生する。また、清掃・メンテナンスの人手も確保しなければならない。
「メンテナンスに最善を尽くすのはもちろんだが、仮に車両の劣化が進んだ場合は、当然、われわれの責任で撤去することになる。その意味でも、保存場所の契約は10年を1区切りにする予定になっている」(保存会関係者)
里帰りが実現することを筆者も願ってやまないが、里帰りを果たした車両を小田原の未来へどのように生かしていくか、真の戦いはこれからになりそうだ。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC246MP0U2A320C2000000/
富山・高岡・金沢の中心街活性化4期目計画 国が認定
2022年3月24日 19:54
政府は24日、富山市、富山県高岡市、金沢市の2022年度から5年間の中心市街地活性化基本計画を認定した。3市とも1?3期の基本計画を引き継ぐ4期目の計画となり、にぎわいづくりを狙ったハード、ソフトの事業を盛り込んでいる。 中心市街地活性化法に基づき、国は事業を手厚く支援する。
富山市は富山駅での次世代型路面電車(LRT)の南北接続などの実績を生かし、にぎわいを面的に広げることを目指す。駅北側で街路樹や側道を備えた道路の再整備やイベントの実施、中規模ホールの整備などの事業を盛り込んだ。
高岡市は空き家や空き店舗といった遊休資産について民間活力によるリノベーションに力を入れる。新築、中古の住宅や新築マンション取得、三世代同居改修などを支援し、まちなか居住を後押しする。角田悠紀市長は「新たなチャレンジとライフスタイルを楽しめる場所として各種施策展開を図って中心市街地づくりに取り組む」とのコメントを出した。
金沢市は「多様性と包摂性の確保」で住む人と訪れる人にも快適で楽しいまちづくりを掲げた。市街地再開発事業で老朽ビルの更新や新たな住宅供給につなげたり、歩きたくなるまちづくりを進めたりする。 https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202108/0014554580.shtml
阪神間の大動脈「国道2号線」に路面電車が走っていた? 日本最長を誇った「阪神電気鉄道国道線」の記憶
大阪と神戸を結ぶ阪神国道(国道2号線)。阪神間の大動脈のひとつとして、いつもひっきりなしに自動車が通り過ぎます。かつて阪神国道に路面電車が走っていたことはご存じでしょうか。 ■茶色の電車が阪神国道を走っていた
1975(昭和50)年まで阪神国道には阪神電気鉄道国道線があり、大阪〜西宮〜神戸間で茶色の電車が走っていました。国道線は野田〜東神戸間26キロにも及び、当時国内で最も長い路面電車線として知られていました。他には北大阪線(野田〜天神橋筋六丁目)と甲子園線(上甲子園〜浜甲子園)があり、国道線と同じく地域の足としての役割を果たしました。
国道線が開通したのは1927(昭和2)年のこと。阪神国道の開通に伴い、阪神国道軌道が一気に開業させ、翌年に阪神電鉄に合併されています。
野田で阪神本線、北大阪線と大阪市電、上甲子園で甲子園線、西灘で阪神本線、東神戸で神戸市電と接続していました。国道線は大阪〜神戸間の直通客輸送ではなく、阪神や国鉄のサポート役に徹していました。そのため電停も阪神本線や国鉄線の近くに設置されていました。
1960年代になると自動車が急増し、スムーズな電車の運行が難しくなりました。末期には日中時間帯のダイヤは48分間隔となり、もはや「地域の足」とは言い難い状況に。1969(昭和44)年に東神戸〜西灘、1974(昭和49)年に上甲子園〜西灘、1975(昭和50)年に残りの上甲子園〜野田間が廃止になり、国道線並びに阪神の路面電車は消滅しました。 ■阪神国道を走っていた金魚鉢に出会える
国道線の全廃から40年以上が経った現在でも国道電車に出会えます。国道電車が保存されている公園のひとつ、水明公園を訪れました。阪神本線尼崎センタープール前駅から徒歩約10分のところにあります。
公園の脇に側面窓が大きい電車を見つけました。これが国道線を走っていた71形車両です。71形は1937(昭和12)年に製造され、計10両が国道線などで活躍しました。現役時代は上半分は薄い茶色、下半分は濃い茶色でしたが、この保存車は色が異なっています。
71形の特徴は何と言っても大きい側面窓。ここから「金魚鉢」という愛称が付けられました。登場時はずいぶんとモダンに映ったことでしょう。
ところでドア周りを見ると、通常の路面電車とは異なりドア位置が高いように感じます。国道線では野田を除き、道路上には「安全地帯」と呼ばれる島がありませんでした。そのため扉が開くと自動的にドア下に収納されているステップが出る仕掛けでした。
停車時は車掌さんが旗を持ち、自動車を停止させていました。現在では考えられないのどかなシーンが阪神国道で見られたわけです。 ■国道電車の代替、阪国バスも苦戦が続く
国道線の全廃後、阪神国道の輸送は阪神バスが引き受けることになりました。ところで我が家では阪神国道を走る阪神バスのことを「阪国(はんこく)バス」といいますが、神戸市内ではこの単語の通用率が年々下がっているような気がします。
現在の阪国バスは神戸市内〜西宮市内、芦屋市内〜尼崎市内、野田〜尼崎市内に分かれています。本数はそれぞれ異なりますが、驚くべきは野田〜尼崎市内です。
野田で尼崎市内行きのバス時刻表を確認しました。何と本数は1日1本しか来ません(2021年7月23日時点)。JR東西線(尼崎〜京橋)の開通などにより乗客が減り、現在では最低限のバス本数を保つ「免許維持路線」になっています。7月31日のダイヤ改正により、野田から尼崎市内行きバスは土休日のみの運行となりました。
廃止から40年以上が過ぎ、阪神国道線の記憶はどんどん薄れていくことでしょう。とはいえ、筆者のように興味深く思う人も少なくないと思います。保存車や書籍を通じて細々とでも良いので伝えたいと思います。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)
2021/8/1 ライトレールトレイン(LRT)2022の世界的な現在のコレクターと題された別の調査-市場調査レポートは、勢いと将来の市場の範囲の専門家と内外の評価、および製品仕様、ショーケースパターン、アイテムタイプ、中心点を考慮した作成調査の調査を提供しますたとえば、事実と数字、このレポートの提供から生み出された収入、業界全体の一部と各種類とアプリケーションの開発率、総利益、市場に向かう主要な変数。さらに、ポーターの5つの力、たとえば品質、弱さ、機会、ビジネスへの脅威などのSWOT分析を利用して、ライトレールトレイン(LRT)市場の現在のコレクターの内部および外部の評価を提供します。
レポートは主にライトレールトレイン(LRT)市場チェーン構造の電流コレクターの基本図に依存する業界の本質的な微妙な点を登録し、業界環境、上流と下流を通じた市場の進歩、業界全体の推測調査を示しています、コスト構造、業界戦略、計画、および改善を作成し、主要なプレーヤーは主要なビジネスの選択を推進し、ライトレールトレイン(LRT)の現在のコレクターが宣伝する過去、現在、および見積もりの??情報に基づいて、改善ビジネスの見通しを論理的に期待します2022-2028から。
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神戸市 新たな交通手段(LRT、BRT)の導入を検討
神戸市は11月10日、「新たな交通手段(LRT、BRT)の導入に関するコンセプト提案選定委員会」においてコンセプト提案の審査を行い、検討事業者5社を発表した。
この事業は、昨年9月に神戸市は神戸市総合交通計画を策定し、新たな交通手段としてLRTやBRTに関して運営ノウハウを有する民間事業者の事業計画のアイデアを検討するために行っている。
選定された5社と各社の提案内容は次の通り。
【神姫バス株式会社】
(BRT)『BRTによる交通アクセスの改善と中心市街地活性化』
BRTで人とまちを快適に繋ぎ中心市街地の活性化を目指す。医療産業都市の推進及び通勤、通学など市民の交通アクセス改善を図るべく、神戸の都心に新たな南北の交通軸を確立し、加えてウォーターフロントを東西に結び観光需要に対応する。
【みなと観光バス株式会社】
(BRT)『「スマートBRT」バスが発進する新たな公共空間』
スマートBRTとは自動車道にBRT専用レーンを設け信号制御システム(PTPS)により、ノンストップで各停留所を結ぶとともに、主要停留所には、サイクル/カーシェアリングのポートを設け、シームレスでラストワンマイルの移動を補完する交通サービス。
【WILLER ALLIANCE株式会社】
(LRT+BRT)『LRTでむすぶ世界一住みやすいデザイン都市プラン』
多様な文化・人が集まり賑わう街神戸を象徴する、最先端で遊び心のあるLRT
・わかりやすく、利便性の高い新たな回遊交通システムの導入により、豊かで安心できる街をつくる。
・ICT技術を活用して、移動と情報を結ぶことにより、地域経済の活性化を実現する。
【阪急電鉄株式会社】
(LRT+BRT)『ReDesign 神戸〜鉄軌道を主軸とした人とまちに優しい公共交通ネットワークの再構築〜』
「ReDesign 神戸〜鉄軌道を主軸とした人とまちに優しい公共交通ネットワークの再構築〜」を実現するために、既存ストックの有効活用を図りつつLRT・BRT を組合せて(1)公共交通の南北軸強化、(2)都心・ウォーターフロントにおける回遊性向上を実施します。
【阪神電気鉄道株式会社】
(LRT)『神戸縦貫軌道(山と港の連携を目指して)』
神戸縦貫軌道〜山と港の連携を目指して〜。新幹線・在来線・船舶の玄関口及び公共施設・病院等を都心中央と結ぶことにより、市都心部のさらなる地域振興と健康福祉施策を推進できるよう、LRTの路線を計画し、その上で近距離交通網の再構築を図る。
今後は、平成27年度に事業計画のアイデアを基に実現可能性を市として検討する。 >>544>>642
その後神戸はどうなったんだろう 女優の杏さんがナレーションを務めるTBSのドキュメンタリー番組「世界遺産」(日曜午後6時)。3月27日の放送は「世界の鉄道スペシャル 絶景の旅」と題し、雄大な自然の景観と新しい時代を切り開いてきた世界各地の鉄道の魅力を紹介する。 これまで同番組では、さまざまな鉄道を撮影してきた。オーストリアの「ゼメリング鉄道」やインドの「インド山岳鉄道群」など鉄道そのものが世界遺産に登録されているものから、ノルウェーの世界遺産「西ノルウェーのフィヨルド群」やイギリスの「ジャイアンツ・コーズウェイ」のような、自然遺産の中を運行している鉄道など。世界遺産としての位置づけも幅広く、列車のタイプも蒸気機関車から路面電車などさまざまだ。 イギリスのフォース湾にかかる「フォース鉄道橋」は全長2.5キロ、高さ110メートル。130年前に完成した巨大な鉄道橋には、いまでも蒸気機関車が走っている。ハンガリーの首都ブダペストには、電気で動く世界初の地下鉄があり、100年以上前のオリジナル車両の姿が見られる。 そのほか、溶岩が生んだ奇岩が続く英国の海岸「ジャイアンツ・コーズウェイ」を走る140年前の路面電車や、米国西部のコロラド高原を走る100年前のSLなども紹介。メキシコの豪華な「テキーラ・エラドゥーラ・エクスプレス」や、スイスの「レーティシュ鉄道」を走る100年前の除雪車モンスターなども登場する。 ヒマラヤ山脈を走り抜ける山岳鉄道には、トイトレイン(おもちゃの汽車)と呼ばれる蒸気機関車が走っている。オーストリアの首都ウィーンから地中海を結ぶ「ゼメリング鉄道」は、初めてアルプスを越えた山岳鉄道の先駆けだ。橋やトンネルで急こう配を克服する技術は、後の鉄道技術の手本となった。 >>66
長崎駅前かな?
あのあたりは横断歩道自体ないからな
長崎駅作り替えたから変わったかもしれないけど >>27
全面的に復権しているわけでもないからなあ 道路上に敷設されたレールを走る路面電車。かつては日本の多くの都市部で活躍していましたが、現在では路面電車が残る街は限られています。都市の風景に溶け込む電車の姿に、魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、「日本国内の路面電車で好きなのは?」というテーマで人気投票を実施します。乗っていて、あるいは見ていて楽しいという路面電車のある人は、ぜひ投票にご参加ください。ここでは、日本の代表的な路面電車から3つを紹介します。 都電荒川線/東京さくらトラム
都電荒川線は、東京都荒川区の三ノ輪橋停留場から、新宿区の早稲田停留場までを結ぶ都内唯一の路面電車です。2017年4月からは愛称が「東京さくらトラム」に決定しました。地域の生活に根付いているのはもちろん、観光客にも人気の高い路線です。 道路を走る併用軌道があるのは王子駅前〜飛鳥山の1区間ですが、下町の風情を横目にのんびりと走る都電には、乗っているだけで心安らぐ魅力がありますよね。2016年からは、クラシックモダンをイメージしたレトロな7700形車両も導入されています。 京福電鉄嵐山線
京福電鉄嵐山線は、京都市下京区の四条大宮駅と右京区の嵐山駅を結んでいる路線です。「嵐電(らんでん)」の通称で知られ、嵐山だけでなく東映太秦映画村や広隆寺などの観光スポットへの足としても利用されています。 車道との併用となっているのは、西大路三条〜山ノ内間と嵐電天神川〜蚕ノ社間、および太秦広隆寺駅の西側。とくに太秦広隆寺駅付近では、路面を走る嵐電と広隆寺楼門のコラボレーションを写真に収めることができます。 広島電鉄
広島電鉄は、鉄道事業以外にもバスや不動産、レジャー部門などを要する広電グループの中核企業。鉄道部門では軌道線6路線と鉄道線1路線を運営しています。軌道線は市内線と総称され、ほぼ全線が路面電車です。 原爆ドームや縮景園など観光スポットを巡るほか、市内の主要鉄道駅や繁華街の紙屋町・八丁堀などを結び、市民にとってもなくてはならない公共交通機関となっています。また原爆の「被爆電車」や、国内各地から譲り受けた車両も現役で走っていることから、「動く電車の博物館」とも呼ばれています。 あなたが一番好きな日本の路面電車は?
選択肢には、現在も運行を続けている国内17の路面電車を用意しました。どれも街の景色にとけ込み、観光や生活の一部として愛され続けている路線ばかりです。投票の際はぜひ、みなさんのお気に入りポイントなどをコメントで教えてください! たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしています。 なお、選択肢には路線内に併用軌道がある路面電車をピックアップしています。 富山市の路面電車が乗客数を伸ばしている。市が路線や運行本数を増やした結果、利用しやすくなったのが一因。大きな収益を見込みにくい地方都市では珍しい取り組みで、富山大の中川大教授(交通工学)は「公共交通は市民のために必要なものだという意識が一貫している」と評価する。 中川さんによると、欧州などでは、公共交通サービスは自治体が予算を使って提供するものだという考え方が主流。一方、日本では採算が取れるかどうかが重視されがちだ。人口の少ない地方では赤字路線が廃止され、住民生活に影響を与えるケースも多い。 1913年に開業した富山市の路面電車も、70年代以降は不採算区間の廃止が続いていた。そうした状況を一転させたのが、市が掲げた「公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり」政策。「公共交通は道路や公園などと同じ都市インフラ」と位置付け2003年度から予算を充実させた。
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「白いブラックサンダー」が札幌の街を走る 札幌市路面電車『白いブラックサンダー号』運行決定!
2022.3.29 13:57
PRTIMES 有楽製菓株式会社
2022年4月5日(火)より運行開始
有楽製菓株式会社(本社:東京都小平市、代表取締役社長 河合辰信)は、一般財団法人札幌市交通事業振興公社(北海道札幌市中央区、理事長:藤井透)とパートナー契約を締結し、同社の運営する路面電車1両にて、白いブラックサンダーラッピング電車「白いブラックサンダー号」の運行を2022年4月5日(火)より開始します。また、運行開始の4月5日(火)11時に出発式を行います。 白いブラックサンダーシリーズは2011年に北海道土産として発売開始し、2017年には累計販売本数1億本を突破するなど、発売から10年で北海道土産の新定番として成長してまいりました。現在では、様々なサイズ展開を行い、小型のパウチやばらまきに便利なビッグシェアパックなども発売し、手軽に配りやすいお土産としてご好評いただいています。 しかし、「白いブラックサンダー」は北海道土産としてお客様に人気の一方で、札幌市民の方々には北海道札幌市の工場で製造されていることがあまり知られておりません。 このような状況を受け、”旅のお土産として親しまれている「白いブラックサンダー」を、地元の札幌市民の皆様にも楽しんでいただきたい”という思いから、ラッピング電車の運行を実施することとなりました。 札幌市民に長年親しまれてきた路面電車に、「白いブラックサンダー」の世界観あふれるラッピングを施し、より親しみを感じていただくことで、今後も北海道の皆様に愛されるお菓子として成長してまいります。 白いブラックサンダーラッピング電車 実施概要
・期間 :2022年4月5日(火)〜2023年3月31日(金)
・名称 :「白いブラックサンダー号」
・運行区間 :西4丁目、狸小路、すすきの、東本願寺前、山鼻9条、中島公園通、行啓通、静修学園前、山鼻19条、幌南小学校前、東屯田通、石山通、中央図書館前、電車事業所前、ロープウェイ入口、西線16条、西線14条、西線11条、西線9条旭山公園通・西線6条、西15丁目、中央区役所前、西8丁目をループ運行します。
・ラッピング車両の使用車両:路面電車1両 特徴
発売10周年を迎えた「累計販売本数1億本超え※」の北海道お土産商品「白いブラックサン ダー」が路面電車になって札幌市を運行!
※2011年〜2017年自社出荷ベース
白いブラックサンダーシリーズは2011年に北海道土産として発売開始し、2017年には累計販売本数1億本を突破(※)するなど、発売から10年で北海道土産の新定番として成長してまいりました。発売開始から10周年を迎え、北海道の皆様にもっと知っていただきたいという思いから、札幌市を走る路面電車にラッピングを実施することとなりました。
(※)2011年〜2017年自社出荷ベース 車内も吊り革や窓上まで白いブラックサンダーに染まる!
乗っている間も楽しい工夫が盛りだくさん♪
車体のラッピングだけでなく、つり革や窓など車内も白いブラックサンダーの世界観に装飾いたします。白いブラックサンダーの作り方の説明やプチ情報を掲載したポスターに加え、巨大な白いブラックサンダーが天井から吊り下がっているような仕掛けも施されています。写真を撮ってみんなでシェアしてください♪ 4月5日(火)・4月6日(水)の2日間限定!
“白いブラックサンダー号”オリジナルデザインのノベルティをプレゼント!
白いブラックサンダー号の運行を記念し、4月5日(火)・4月6日(水)に乗車していただくお客様に数量限定でオリジナルデザインのノベルティをお渡しします。
白いブラックサンダー号のデザインの箱に、白いブラックサンダーが2袋入った記念ノベルティです。 運行開始の4月5日(火)11時から出発式を実施!
4月5日(火)11:00〜11:40に、札幌市路面電車すすきの臨時停留所にて出発式を実施いたします。テープカット、車内の内覧会など40分間のプログラムを予定しています。
※スペースが限られており、式中は場合によっては停留所内での撮影が難しい可能性があります。
※10:30から車両は停留所に留め置いていますので、出発式が始まる前に車両の撮影をしていただくことは可能です。 <出発式 概要>
日時 :2022年4月5日(火)11:00〜11:40
場所 :札幌市路面電車すすきの臨時停留所
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内容 :テープカット、車内の内覧会
プレスリリース詳細へ
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000064626.html https://toyokeizai.net/articles/-/316765
モノレールと新交通システムはLRTに勝てるか ゆいレール延伸、上野のモノレールは休止
2019/12/15 5:00
土屋 武之 : 鉄道ジャーナリスト
2019年10月は、1日にゆいレール(沖縄都市モノレール)の首里―てだこ浦西間が延伸開業した一方、31日限りで上野動物園モノレール(東京都交通局上野懸垂線)が運行を休止するという、モノレールに関する話題があった月であった。 上野動物園モノレールが休止
日本のモノレールは鉄道事業法が定める「鉄道」に該当する。1957年12月に開業した上野動物園モノレールも、遊戯施設のように思われていたが、れっきとした国土交通省管轄の鉄道だ。 わずか332mほどの路線延長ながら、園内だけを走るのではなく途中で公道をまたいでいるため、そのような扱いとなったのである。東京都は都電に代わる都内の交通手段を模索しており、モノレールもその有力な候補であったため、モデルもしくはテストケースとして上野動物園内に建設したという経緯がある。 モノレールの利点としては、急勾配や急曲線に強いことから建設ルートが柔軟に選べることがある。他の交通機関とは完全立体交差で、空中を進むため、幹線道路上、あるいは河川の上などにも建設が可能なのだ。 例えば、ゆいレールは那覇市の中心部において、久茂地川の上の空間を利用して駅などを建設している。その他のモノレールも、多くは都市計画道路に沿って建設されている。東京都は用地買収の手間が少ないことからも、モノレールの導入を検討したと思われる。 しかし、その後の東京23区内の人口、ひいては交通量の増加は予想以上であった。結局、モノレールの輸送力では対応しきれないと判断され、都電の代替は地下鉄とバスで行われた。 足立区西部の交通事情改善のため建設された「日暮里・舎人ライナー」(2008年開業)も東京都交通局が運営する鉄道であるが、「AGT」が採用されている。 日本では、自動案内軌条式旅客輸送システム(Automated Guideway Transit:AGT)のことを、一般に「新交通システム」と呼ぶ。こちらもモノレールと同じような利点を持つ。 1980〜90年代に「流行」
モノレールや新交通システムは、最初の区間が開業した時期が集中している点が特徴だ。 モノレールは、1960年代にはすでに技術的な基礎は確立されていたので、懸垂式(鉄製の線路にぶら下がる)の上野動物園モノレールに続いて、湘南モノレールも開業。跨座式(コンクリート製の線路の上に跨がる方式)では、東京モノレールが早い時期に開業している。 しかし、路面電車に代わる、一般の鉄道とバスの間を埋める「中量交通機関」として注目し導入を計画する都市が続出したのが、1970〜80年代であり、研究開発、建設期間を経て相次いで開業したという歴史があるのだ。一種の「流行」のようにも見える。 背景としては、1967年に当時の運輸省が「都市交通に適したモノレールの開発研究」を日本モノレール協会に依頼し、「日本跨座式」と呼ばれる標準仕様がまとめられたことがある。北九州モノレール以降に開業した跨座式のモノレールは、すべてこの仕様に準拠している。 一方のAGTは、1983年に「標準型新交通システム」の規格が定められたことにより、導入が促進された。双方とも、標準化が進むまでは各路線独自の仕様を導入することが多く、開発、建設、メンテナンス費用を抑えることが困難で、車両や軌道の互換性にも乏しかったのである。 2000年代に入れば、どちらも、ぱったりと新規開業が止まってしまう。ディズニーリゾートラインはその名の通り、東京ディズニーリゾート内を循環するテーマパーク内の輸送機関であるから、元から例外的だが、ゆいレールと日暮里・舎人ライナーも特殊例とも思えてくる。現在、計画が具体化している新規路線はなく、既存線の延伸計画も、多摩都市モノレールと大阪モノレールにある程度だ。 建設コストが高いデメリットも
モノレールやAGTの利点としてはほかに、専用の線路を走ることにより定時性が確保されること。踏切もないため安全性が高いこと。無人運転を導入しやすいことなども挙げられる。 運転士を省略した運転は、実際に多くのAGTやディズニーリゾートラインで実施されており、少子高齢化による労働人口の減少にも対応できる。ただ、これらは一般の鉄道でも同じ利点を持たせることは可能だ。 一方、欠点としては、多くの支柱を立てる必要があり、駅も基本的に高架構造となるため、建設費がかかることがある。そして、エレベーターやエスカレーターなどのバリアフリー施設も整えなければならないことが、それに拍車をかけている。しかも、初期投資が高額になる割には、一般の鉄道より輸送力が小さい。 ゆいレールの首里―てだこ浦西間4.1kmの事業費は約350億円で、1kmあたり約85億円となる。これに対し、現在、建設中の「宇都宮ライトレール(LRT)」は14.6kmを新規に建設するのに対し、事業費は約458億円。1kmあたり約31億円で済む。 LRT(Light Rail Transit)とは、日本ではよく「次世代型路面電車」とも呼ばれる。停留所にて段差なしで乗れる超低床式電車(LRV:Light Rail Vehicle)の導入など、従来の路面電車を改良した「軽鉄道システム」であり、やはり、一般の鉄道とバスの間を埋める中量交通機関と位置づけられる。 では、どのぐらい輸送力があるかと言えば、例えば広島電鉄で導入が進められている5車体から成る大型LRVでは、1編成あたり法定上の定員は149人(5100形の場合)となっている。 これに対し、ゆいレールの1000形電車は2両編成の定員が165人。それほどの差はない。AGTでは、日暮里・舎人ライナー320形の5両編成で262人などが例だ。 モノレールの時代は終わったのか?
もっともモノレールの場合、東京モノレール10000形のように6両編成で定員600人という輸送力をつけることも可能であるから、一概にLRTと同等とは言えないが、需要がそれほど大きくないルートに導入するには不利がある。 大都市と言えども、人口減少が見込まれ、公共交通機関も右肩上がりの利用客数が見込めなくなると、事業費に対して効率がさほど良くないモノレールや新交通システムを推す声が小さくなるのも当然だろう。 代わって、既存の路面電車の改良で整備することも可能で、新路線の建設費用も安くつき、かつ歩道から段差なく乗り込めるバリアフリーなLRTが着目されるのも、自然な流れと言える。 LRTは一般の鉄道と同じ鉄のレールを使うだけあって、既存の鉄道への直通運転も可能だ。ドイツなどでは高速列車と同じ線路を走っている例もあるが、日本でも富山ライトレールは、JR西日本のローカル線をほぼそのまま転用して2006年に開業している。 路面を走るだけではなく、道路交通に支障のないよう、専用の軌道や、高架、地下線を走ることもできる。これに対してモノレールやAGTは、一般の鉄道との互換性がまったくない。 取り巻く環境は厳しい
また、路面電車・LRTでは中古の電車が他社に売却される例がふつうに見られるが、モノレールやAGTでは他社への移籍例は皆無。車両が老朽化して取り替えが必要になっても、新製しなければならない。 しかも構造が特殊で、かつ顧客が限られているため、車両メーカーとしても手間がかかる。スケールメリットが活かせず、製造費が高くつくのだ。上野動物園モノレールが営業を休止した理由も、新車の値段が莫大な額になると見積もられたからである。 上野動物園モノレールだけではなく、千葉都市モノレールでも、費用対効果が認められないとして、延伸計画が断念された。 ゆいレールがある那覇市でも、今後はLRTを都市の基幹交通として位置づける方針を決めたと報道された。もちろんモノレールとLRTとの間では、直通運転はできず、利用客も乗り換えが必要である。 このように、モノレールやAGTを取り巻く環境は、非常に厳しいものがあると言わざるをえない。 子どもたちに社会体験や自然体験を通して創造力や考える力を育む体験教室が県内で行われています。 2泊3日で行われるこの体験教室は、現代教育の問題解決に取り組む一般社団法人・新都心教育開発富山支部が開催したもので、県内の小学生30人が参加しました。 市内電車に乗り子どもたちが向かったのは終点、南富山駅・・・を越えた先の整備車庫です。 実際に部品を見ながら、電車の仕組みや構造を職員に教えてもらいました。 「普段見ることはないんですが、実は電車の下にはこういった物がついています。ちょうど、この上に車体が乗るんです」(職員) 子どもたちが特に興味を持ったのは、車両の振動を吸収し、乗り心地を良くするためのバネ。 「足で踏んだらへこむんですか?お相撲さんが乗ったら?」(参加した児童) 子どもたちは知らないことの連続で、しきりに質問を投げかけるなど、めったにない機会を楽しんでいました。 参加した児童は…「皆さんが頑張ってくれるから僕たちが楽しく安全に乗れるなって思った」「電車に前までは少ししか興味がなかったけど、興味が沸いてきた」 新都心教育開発・吉川信也理事「とにかく富山のいろいろな面をしってほしいと思います。こどもたちには、知らない世界が待っていますので、いろいろなことを知ってもらって、挑戦してもらって成長してほしいです」 4月1日からは、文字を使ったアート「アンビグラム」の製作体験や自然体験も行われます。 https://sun-tv.co.jp/suntvnews/news/2022/03/31/50994/
2022年03月31日(木曜日) 15:06 地域・まち
次世代型路面電車が走る神戸の未来 報告書を久元市長に提出 神戸市が計画する三宮の再開発を巡り、次世代型路面電車が走る神戸の未来について検討を進めてきた委員会が報告書をまとめ久元市長に提出しました。 神戸市では、三宮からハーバーランドにかけてのウオーターフロントエリアで大規模な再開発が進んでいて、「次世代型路面電車(LRT)」を移動手段の一つとして議論しています。 市の委嘱を受け、委員会のメンバーを務める観光や子育てなどを専門とする企業の担当者らは、これまで意見交換を行っていて、「LRTが神戸の街を走ることで人々の生活がどのように変化していくのか」などについて報告書にまとめ、31日、久元市長に提出しました。 市は今後、LRT導入の実現に向けて検討を進めていきたいとしています。 https://news.livedoor.com/article/detail/9866729/
地方創生のカギは路面電車!? 北陸新幹線よりも注目されるワケ
2015年3月9日 11時50分
デイリーニュースオンライン 2015年3月14日、東京と長野を結んできた長野新幹線が、石川県の金沢駅まで延伸開業する。これまで長野駅止まりだったこともあり、“長野新幹線”と呼ばれてきた北陸新幹線は、これで名実ともに北陸新幹線となる。 これまで東京-金沢間の移動は羽田空港と小松空港とを結ぶ飛行機がメインだったが、北陸新幹線の開業で動線は大きく変わることになる。富山県・石川県・福井県では早くも期待が高まっているが、北陸新幹線の開業を間近に控え北陸の路面電車にも大きな変化が訪れようとしている。北陸、特に富山県は知る人ぞ知る“路面電車大国”でもある。 路面電車と聞くと、“昭和”や“ノスタルジー”といった形容詞で語られることが多い。しかし、それはあくまでも東京や名古屋、大阪といった大都市からの視点でしかない。 実は、「時代遅れの交通機関」といった烙印が押された路面電車だったが、社会構造が変化すると路面電車は再評価されるようになっている。路面電車は自動車社会で疲弊した「地方創生の救世主」、高齢化社会に適応した「次世代型公共交通」なのである。 路面電車の歴史を紐解くと、最盛期は昭和30年代。それまで、路面電車は日本各地で運行されていた。ところが、自動車の普及で路面電車は道路の邪魔者として次々に廃止に追い込まれた。 以降、公共交通機関は大量輸送・高速移動に向いている地下鉄、線路や駅舎などの大規模設備が不要なバスなどに転換されてきた。 富山ライトレールとして再出発した富山港線
そのターニングポイントとなったのは、2003年にJR西日本が不採算路線である富山港線を富山市に譲渡することを発表したことだった。富山港線は富山駅から岩瀬浜駅までの約8キロメートルの短い路線で、1日の利用者は平日平均2000人程度。昼間帯は一時間に1本ほどしか列車が運行されていない閑散路線だった。富山港線はJR西日本にとってお荷物的な存在だったが、それを譲り受けた富山市は路面電車に転換した。 路面電車化にあたり、富山市は利便性を向上するために高架線を付け替えて地上を走るようにし、停留所も増やした。これは高齢者や障害者、ベビーカーを押す若いママなどでも乗りやすいようにする措置だ。こうした利用促進策が功を奏して、新たに富山ライトレールとして再出発を果たした富山港線は開業初年から黒字を達成。その後も順調な経営を続けている。 富山ライトレールは開業以来、富山駅の北口を発着していた。このほど北陸新幹線の開業で富山駅が高架化したことから、駅の下に線路を延伸することになっている。 駅南側には別の路面電車・富山地鉄が走っているが、富山地鉄の線路も駅の下へと線路を伸ばしており、これらがドッキングして直通運転が予定されている。 ドッキングすれば、路面電車で市内を移動することも可能になり、市民はますます便利になるだろう。人の動きが活発化すれば、街は活性化すると期待されているのだ。 路面電車専門誌『路面電車EX』(イカロス出版)の佐藤信博編集長は、路面電車が再評価されている理由をこう話す。 「少子高齢化社会を迎え、自動車を運転できる人が少なくなったことが大きな理由です。このままでは、買い物や病院への通院など日常生活に支障が出てくるので、市民の足として路面電車が注目されているのでしょう。さらに国土交通省が路面電車の建設を後押ししていることも大きい」 こうした動きは、富山ライトレールや富山地鉄といった富山市内だけにとどまらない。富山県第2の都市である高岡市には、万葉線という路面電車が走っている。 万葉線は高岡市や射水市を走る第3セクターの路面電車だが、こちらには2003年から「アイトラム」という車両が運行されている。アイトラムは近未来型のデザインで、従来の路面電車のイメージとは大きく異なる。 「技術の進化で、路面電車の車両は大きく変化しました。最初に路面電車の復権を提唱したのは岡山ですが、その後につづいた広島や熊本も路面電車のイメージを大きく変えるのに一役買っています。低床化された車両とホームとの間には段差がなく、車内もフラットです。機能面だけではなく見た目も洗練されたデザインになり、スタイリッシュになりました。もう、一昔前の“チンチン電車”ではありません」(佐藤編集長) 路面電車のメリットは利用者が乗り降りするのに長い階段を上り下りしなくて済むことだ。東京や大阪、名古屋では地下鉄が市民の足になっているが、高齢者やベビーカーを押している若いママが利用するにはかなりの苦労を伴う。路面電車にはそうした困難がなく、利用者の負担は軽減される。 また、1キロメートルあたりの建設費は地下鉄が200億円程度。路面電車は約10億円で安価で建設できることも路面電車が再評価されるポイントだろう。さらに、バスのように排気ガスを出さないので環境にも優しく、渋滞に巻き込まれることもない。まさに、路面電車はいいことづくめの交通機関なのである。 新型路面電車はLRT(Light rail transit)と呼ばれるように、単なる交通手段ではない。都市装置の一部なのである。 福井鉄道でも進むバリアフリー化
路面電車がまちづくりの一翼を担っている県が、北陸にはもうひとつある。それが福井県だ。県都・福井市と越前市とを結ぶ福井鉄道では、2013年に低床車のf1000形「フクラム」が導入されるなど、こちらでもバリアフリー化が進められている。 そうしたバリアフリー化が進められて利用しやすくなる一方で、福井鉄道には路面電車とは思えない長大編成の車両200形が道路の上を自動車と一緒に走っている。 200形が道路を走る光景は、なかなか衝撃的なもので鉄道マニアには人気だったが、フクラムが導入されたことで役目を終えることとなり2016年に引退する予定だ。 福井鉄道は田原町駅でえちぜん鉄道三国芦原線と接続している。えちぜん鉄道は勝山市や坂井市といった郊外に線路を有しているが、今年中に福井鉄道と相互乗り入れを開始するべく駅の改良工事を進めている。工事が完了すれば、福井駅までのアクセスが向上し、ますます路面電車の存在感は高まるだろう。 しかし、今回の北陸新幹線の延伸開業は金沢駅までで、福井県に新幹線はやって来ない。福井県に新幹線がやって来るのは2022年の予定となっている。福井駅では北陸新幹線の開業を見越して、すでに高架駅への建て替えを始めている。 福井県は北陸新幹線が走るのを待ちわびているが、福井の路面電車も歩を同じくして、進化していくだろう。 北陸新幹線の金沢駅までの延伸開業で、注目されている北陸地方。北陸新幹線E7系・W7系の最高速度は260キロメートル。対して、路面電車は時速40キロメートル以内で走ることが法律によって規程されている。 スピードは新幹線に遠く及ばないが、新幹線と同じぐらいに北陸の路面電車にも熱い視線が注がれている。
(取材・文/小川裕夫) 小田原市を拠点に母親が笑顔になれる場づくりを行うNPO法人「ママズハグ」(山本加世代表)と、昨年3月にオープンした「箱根口ガレージ報徳広場」がコラボレーションした「電車のなかのママサロン」が3月18日に開催された。 国道1号に面した広場には、かつて小田原を走っていた路面電車モハ202号が展示されており、「ママたちが気軽に立ち寄れる憩いの場になるのでは」と地域活動を一緒に取り組む箱根口ガレージとママズハグが協働で企画した。 この日は、市内外から7人が参加し、子育ての悩みなどを分け合った。参加者は「電車の中でというのがユニーク。他のママたちとも話せて楽しい」と交流を楽しんでいた。企画を担当したママズハグの関由希さんと(株)報徳会館の田中優紀さんは「地域のママがつながるきっかけになりよかった。続けていきたい」と話した。 また、ママサロンとは別に4月15日(金)と5月13日(金)は「ミニママ学校」も路面電車を会場に開催する予定。午前10時〜11時。「わたしらしく笑って子育てできるように」をテーマに学ぶ(各回ドリンク付2300円)。(問)ママズハグ【電話】0465・20・6898、【URL】https://www.mamashug.net/ https://odawara-hakone.keizai.biz/headline/3720/
2022.03.25
小田原で「電車のなかのママサロン」 引退した路面電車の車内に笑顔あふれる NPO法人「mama's hug(ママズハグ)」(小田原市城内)が、3月18日に開催した「電車のなかのママサロン〜子育ての悩み、シェアしませんか?〜」に多くのママが集まり、会場となった引退車両「モハ202号」はにぎわいを見せた。 推進した山本加世子さんは「無事に1回目が開催できた。ふらりと寄ってくださるママもいて、ママたちの小旅行のような感じ。みんなで子育てのことや、自分の仕事の話をして過ごし、あっという間に時間が過ぎた。同じ場所にあるランドリーを使わせてもらって、洗濯している間に話をして、赤ちゃんを代わりばんこで抱っこして、とても充実したひととき。電車の中は笑顔と笑い声にあふれた」と振り返る。 「ママズハグ」では、引退車両「モハ202号」を使って、「電車のなかのママサロン」「電車のなかのミニママ学校」の2つの企画を実施していく。その第1回が今回のママサロン。山本さんは「初回が成功した意味は大きい。それだけママたちが集う催しを待っているのだと思う。やりがいがある。ママが元気なら子どもや家庭も笑顔になるはず」と話す。 「電車のなかのミニママ学校」は4月15日、5月13日に開催予定。 人流の創出課題
富山駅周辺で、富山市などが計画した広場や道路が完成し、18日には民間の大型商業施設もオープンした。ホテルの開業も相次ぎ、2年前には路面電車の南北接続も果たした。今後は施設を活用し、どのように人流を生みだしていけるかが、まちの活性化の鍵となる。(加藤亮) 富山駅周辺はかつて、線路によって市域が南北に分断されるような形になっていた。市は新幹線の開業を見据え、2006年度から駅前広場や自由通路などの整備に取り組んできた。 駅の顔となる南口の広場が整備されたのは16年3月。その後、新幹線の高架化に伴い、高架下を活用した南北自由通路が20年3月に、東西自由通路は同12月に整備され、南北が結ばれた。 21年11月には、駅西側の高架下の市道を南北につなぐ道路も約250メートルにわたって整備され、車での往来もしやすくなった。大きなロータリーが広がる北口広場も4月1日から供用開始となる。 道路や広場などのハード面の整備に合わせ、にぎわい創出に向けた施設の開発も進んだ。 市が土地の一部を所有している南口に整備された「JR富山駅ビル」には商業施設「 MAROOT 」とJRの「ホテルヴィスキオ富山」が入居し、18日にオープン。さらに周辺には「ホテルJALシティ富山」が1日に開業し、県内ではヒルトングループ初のホテルとなる「ダブルツリーbyヒルトン富山」も23年の開業に向けて工事が行われている。 一方、北口は市が中心となって整備する。「ブールバール広場」周辺の整備を今年度からスタート。歩行者空間に沿って芝生や可動式のいす、テーブルなどのストリート家具を設置し、地区の活性化につなげる考えだ。計画では24年3月に整備を終える。 また、23年度中には舞台芸術やライブコンサートなどが楽しめる700席ほどの中規模ホールの供用開始も予定されており、新たなにぎわい拠点となることが期待されている。 市活力都市推進課の高田興真課長は「南北の分断が解消されたことで、一体となったにぎわいづくりができる。これからはソフトの戦略が必要。民間事業者とも協力しながら活用方法を検討していく」と話す。 北陸経済研究所調査研究部の藤沢和弘担当部長は「ホテルの開業が相次いだことで、観光客らの受け入れ体制は整った。民間任せにするのではなく、行政も誘客に力を入れる必要がある」と指摘している。 かつては帝都・東京には多くの路面電車が行き交い、人々の足として大活躍していました。路面電車には、普通の電車やバスとも違う独特の魅力があります。路面電車について調べてみました。 路面電車はかつては花形の交通機関でした。東京都内にも路面電車の線路が縦横無尽に走っていました。しかし、モータリゼーションが進み、自動車の台数が増えるに従って、路面電車は渋滞を生むものとしてうとまれるようになりました。 特に渋滞の激しい都市部では路面電車は姿を消し、その役目は路線バス、地下鉄など、ほかの交通機関に受け継がれました。しかし、路面電車のある風景は風情があってなかなかいいものです。 例えば、海外でも人気になって、YouTubeで多数の人に視聴された(28万回以上再生:2月21日時点)「広島の路面電車(トラム)」というビデオがあります。
⇒『HD Timelapse Tram in Hiroshima 720p』
http://www.youtube.com/watch?v=EMqX-9a73T8 再生数が示すとおり「広島の路面電車はきれいだなあ」とぼーっと見てしまうこと請け合いの映像です。昔に比べてずいぶん洗練されたデザインになっていますが、路面電車には独特の魅力がありますね。 ■日本でまだ路面電車が走っているところ
日本でまだ路面電車が走っているのは以下の場所です。
●北海道札幌市 札幌市交通局 一条線、山鼻西線、山鼻線
●北海道函館市 函館市企業局交通部 本線、湯の川線、宝来・谷地頭線、大森線
●東京都 東京都交通局 荒川線
●東京都 東京急行電鉄 世田谷線
●愛知県豊橋市 豊橋鉄道 東田本線
●富山県富山市 富山地方鉄道 市内軌道線本線、支線、安野屋線、呉羽線、富山都心線
●富山県富山市 富山ライトレール 富山港線
●富山県高岡市、射水市 万葉線、高岡軌道線
●福井県福井市 福井鉄道 福武線
●滋賀県大津市 京阪電気鉄道 京津線、石山坂本線
●京都府京都市 京福電気鉄道 嵐山本線、北野線
●大阪府大阪市、堺市 阪堺電気軌道 阪堺線、上町線
●岡山県岡山市 岡山電気軌道 東山本線、清輝橋線
●広島県広島市 広島電鉄 本線、宇品線、江波線、白島線、皆実線、横川線
●高知県高知市、南国市、いの町 土佐電気鉄道 伊野線、桟橋線、後免線
●愛媛県松山市 伊予鉄道 城南線、大手町線、花園線、本町線
●長崎県長崎市 長崎電気軌道 本線、赤迫支線、桜町支線、大浦支線、蛍茶屋支線
●熊本県熊本市 熊本市交通局 幹線、水前寺線、健軍線、上熊本線、田崎線
●鹿児島県鹿児島市 鹿児島市交通局 第一期線、第二期線、唐湊線、谷山線 こうして見ると、西日本の方が多く路面電車の残っていることが分かります。 また、法律上は「鉄道」ですが、「路面電車」じゃないの? と言われるものもあります。例えば『江ノ電』の愛称で親しまれている『江ノ島電鉄』はその代表格です。 道路を走る路面電車は「軌道法」、鉄道線を走る電車は「鉄道事業法」で規定されるため、路面電車と普通の電車は法的に明確に違うのだそうです。で、江ノ電は「鉄道」であって、「路面電車」にはならないそうです。 路面電車も線路を引いてるのがほとんどじゃないの? などと思うのですが、そうじゃないそうです。難しいですな。 ■東京にも路面電車があるよ!
東京でも路面電車は残っています。東京都交通局の荒川線、東京急行電鉄の世田谷線です。ほとんど専用軌道を走っていますが、道路と交差する箇所などがあり、初めて乗車した人は少し驚くでしょう。 例えば、世田谷線が環状7号道路を渡る場所では、横断歩道のすぐ脇を電車が通ります。今の東京では珍しい光景です。うっかりして線路に近づくと、危険ですから電車に警笛を鳴らされます。筆者も一度鳴らされたことがあります(笑)。
(高橋モータース@dcp) *……道路に設けられた軌道のことを「併用軌道」と呼びます。「専用軌道」とは道路以外の場所に設けられた、新設軌道のことです。 思い立って豊橋に行ってみた。豊橋は仕事で行く機会も多く、馴染みが深い。行くたびに感じるのは、豊橋駅というのは三河の鉄道の要衝であるという事。JRだけでも東海道新幹線、東海道本線、秘境駅で有名な飯田線、そして同じ構内に名鉄のホームもある。 同じ改札からJRと大手私鉄どちらも乗れる駅というのは、なかなかない。歴史を紐解くと、もともと吉田駅で名鉄と飯田線で線路と駅を共用していたのを豊橋まで延伸した。その名残で未だに飯田線と名鉄は豊橋−伊奈間で線路を共用しているため、同じ構内にホームを構えている。 豊橋には私の大好きなローカル私鉄がある。豊橋鉄道だ。豊橋鉄道は普通の鉄道線と路面電車の軌道線の両方を所有する珍しいローカル私鉄(他に福井鉄道や伊予鉄などもあるが)。鉄道ファンからすれば希少価値の高いローカル鉄道と路面電車、両方見られる地元の方が羨ましい限り。 鉄道線は新豊橋から渥美半島の三河田原までの路線で、渥美線と言われている。総延長18kmを36分で結ぶ。一日の乗降客数は7500人余り。高校生や豊橋への通勤客が多く、ローカル私鉄としては経営が安定している。 この路線の鉄道ファン的な名物はカラフルトレイン。桜、つつじ、ばら、菜の花、菊、しでこぶし、椿、ひまわり、菖蒲、はまぼうの10種類。地元にちなんだ花の名前と塗色が付けられている。今回紹介するのは、田原市の天然記念物、緑の「しでこぶし号」。国鉄103系で育った私にとって、カラフルな車輌は昔を思い出してワクワクさせてくれる。 車輌は昭和42~43年製の旧東急7200系の1800系。私が生まれる前から走っている東急車輛の名車。今はここと大井川鉄道でしか走っていないレアな車輌。なぜ東急の7200系がローカル私鉄で重宝されるかというと、長さが通常の電車が20mのところを18mと短く、カーブなどの多いローカル私鉄で小回りが利くのと、ステンレス車体の為、軽くて線路や電力の負担が軽減され、しかも丈夫である事が挙げられる。 ちなみに豊橋鉄道での1800系の18は車体の長さを表している。渥美線では計30両が走っているので、まだまだ活躍する姿が見られそうだ。 そして路面電車の市内線。豊橋駅前の停留所からどこからか耳慣れた声が聞こえてくる。豊橋出身の豊橋ふるさと大使の松平健さんが市内線の案内をアナウンスしているのだ。そのアナウンスによると市内線の開業は大正14年とか。もうすぐ100年である。 路面電車が走っている街というのが私は大好きなのだが、以前、ギャンブル好きの先輩が、路面電車のある街は競輪場や競馬場がある街が多く、そこへ行くための交通手段の為に出来たと言っていた。市内線にも競輪場前という停留所があり、あながち嘘ではなさそう。 車輌は都電荒川線から来たモ3500形、名鉄岐阜市内線、揖斐線から来たモ780形、名鉄美濃町線、福井鉄道から来たモ800形など他所から来た車輌は、東京、岐阜、福井で走っていた頃の歴史を感じるし、通称「ほっトラム」、83年ぶりの自社発注車輌のT1000形低床式車輌は未来を感じる。 T1000形以外は全面広告車輌で、一時間に8本来るので、いろんな塗色の車輌が代わる代わる見られる。 夏は納涼ビール電車、冬は「おでんしゃ」なども市内線の名物企画。1時間20分かけて走ってくれるので熱いおでんを慌てて食べなくても大丈夫。 今年の4月で終了してしまったが、パトカーの塗色を模した通称「パト電」も走っていた。こういう他社が考えないようなアイデアを出してくるのも豊橋鉄道のいいところ。 豊橋に行ったら、豊橋鉄道、渥美線も市内線も乗ってみて!きっと豊橋、そして三河の魅力が分かるはず! ◆マグナム小林(まぐなむ・こばやし) 1971年千葉県千葉市に誕生。1994年8月、立川談志に入門、2000年8月上納金未納のため破門。以降、バイオリンエンターテイナーとして活動を開始。擬音ネタや東京節にあわせたなぞかけ、バイオリンとタップダンスをあわせた芸で多くの聴衆を魅了する。落語芸術協会と東京演芸協会に所属。千葉市立千葉高校時代には野球部のキャプテンを務めた。プロレスや競馬にも造詣が深い。 https://www.47news.jp/localnews/7605450.html
万葉線20周年祝う記念号 アイトラム 出発
2022.4.2 5:00
中日新聞
高岡、射水両市間を運行している路面電車「万葉線」の開業二十周年を祝う記念号(アイトラム)の発車式が一日、高岡市の万葉線本社であった。記念ヘッドマークを掲げた記念号の運行は十月末まで。記念事業として二 ... https://www.chunichi.co.jp/article/445725
万葉線20周年祝う記念号 アイトラム 出発
2022年4月2日 05時00分 (4月2日 12時00分更新) 高岡、射水両市間を運行している路面電車「万葉線」の開業二十周年を祝う記念号(アイトラム)の発車式が一日、高岡市の万葉線本社であった。記念ヘッドマークを掲げた記念号の運行は十月末まで。記念事業として二、三両日は全線一人百円で乗車できる。 発車式で同社の中村正治(まさじ)社長が「未来に向けてハピネス(幸せ)のレールをつないでいきたい」とあいさつした。 中村社長や北陸信越運輸局の平井隆志局長、蔵堀祐一副知事、角田悠紀高岡市長、夏野元志射水市長らがくす玉を割った。近くのすみれ保育園の園児が乗り込み、中村社長の「出発進行」の合図で出発した。 ヘッドマークは、桜の花びらをちりばめ、アイトラムと旧車を配したデザイン。フロントパネルには「開業20周年RUN to the future」と書かれている。 記念乗車券(一部千円)やヘッドマークをデザインしたハンドタオル(一枚五百五十円)、マグネット二種類セット(一枚七百七十円)の販売も本社や同社ホームページで始めた。 万葉線は高岡、射水両市の第三セクター会社として、加越能鉄道から引き継いで二〇〇二年四月から運行を始めた。一四年に高岡駅前停留場を駅構内まで延伸。一九年に累計輸送人員二千万人を達成した。(武田寛史) https://www.chunichi.co.jp/article/444998
万葉線沿線の風景 スタンプに QR付き 高岡、射水を紹介
2022年4月1日 05時00分 (4月1日 10時19分更新) 高岡市の高岡熱中寺子屋運営委員会は、高岡、射水両市を結ぶ路面電車「万葉線」の魅力をPRしようと、両市を題材にしたQRコード付き風景スタンプ二種を作り、電停二カ所に設置した。 同運営委員会が昨年五月に高岡大仏を題材に初めて企画したスタンプ「日本一男前高岡大仏」の第二弾。直径八センチで、絵柄で町の魅力を伝えつつ、QRコードをスマートフォンで読み込む事で、万葉線の専用ホームページから観光情報などを入手できる。 高岡市の絵柄は電車の運転席部分にQRコードを配し、高岡銅器の梵鐘(ぼんしょう)、高岡漆器の彫刻塗「二匹鯛(にひきだい)」、市の花「堅香子(かたかご)(カタクリ)」を描いた。坂下町電停近くの複合商業施設「サカサカ」に置いた。 射水市の絵柄は立山連峰を背に走る万葉線電車が見られる内川の風景と獅子舞。獅子舞の胴幕にQRコードを入れた。西新湊電停近くの複合交流施設「クロスベイ新湊」に設置した。 高岡熱中寺子屋は、全国に大人の学びやとして開校した熱中小学校プロジェクトの第三校として二〇一六年に開校。熱中小学校の講師を務める紙の仕事人・プロダクトデザイナー小杉博俊さんが風景スタンプを監修した。(武田寛史) https://toyokeizai.net/articles/-/252522
路面電車と一味違う「道路を走る列車」の記憶 特急やディーゼルカーが路上を堂々と快走
2018/12/02 5:00
南 正時 : 鉄道写真家 福井県武生市(現・越前市)出身の筆者が幼少の頃、武生から福井へ行くときに乗るのは福井鉄道福武線の電車だった。武生を発車するとのどかな田園地帯を走り、やがて福井新(現・赤十字前)駅を出ると路面電車と化して市内をノロノロと、そして堂々と走る。大名町ロータリーから福井駅前までは「ヒゲ線」と呼ばれる支線があり、そこが福井市内でも特ににぎわった商店街だった。 筆者にとっては郊外電車がそのまま市内電車として都市部の路面を走るのは何も違和感がなかったが、物心ついてから各地の電車を見ると、大型の郊外電車が路面を走るのは珍しいものであることがわかった。そして、日本国内では郊外電車の路面乗り入れがどれくらいあるのだろう?と興味を持った。 今回はそのような、いわゆる路面電車とは違う郊外電車や大型の電車が路面を走る(走っていた)路線を取り上げたい。 福井自慢の「200形」
北陸三県のひとつ、福井県は私鉄の発達した土地柄で、かつては京福電鉄(現・えちぜん鉄道)と福井鉄道が、路線自体は競合していないもののライバル同士だった。 福井鉄道(福鉄)は本社のある武生と福井を結ぶ福武線がメインルートで、並行する国鉄と熾烈な乗客獲得競争をしていた。福鉄の強みは、郊外電車ながらそのまま福井市内の路面区間に乗り入れ、福井駅前、田原町など市内のビジネス街や繁華街を直接結んでいることだ。 武生で生まれ育った筆者は幼い頃から福鉄を利用していたが、小学5年生だった1960(昭和35)年に登場した近代的な200形電車には目を見張った。スマートな形状の連接車で、この電車が急行のヘッドマークを付けて市内中心部の道路上を堂々と走るのだから鉄道ファンでなくとも福井っ子の自慢のタネであった。だが、その200形も現在は車検切れで休車扱い。福井の高度経済成長を支えた県の鉄道文化遺産とも言われる名車だけに、保存を求める声は大きい。 200形など郊外電車タイプの大型車は、床の高さを一般の鉄道用の高いホームに合わせている。このため、路面区間に入ると停留所ではドアからステップが自動的に降りて乗客が乗り降りする光景が日常的に繰り広げられていた。 福鉄も近年は路面電車タイプの車両が主力となり、2013年からは新型の超低床車両「フクラム」F1000形が導入され、路線も福井駅へ延伸。さらに2016年には西川一誠知事の第一期(2003年)マニフェストであった「えちぜん鉄道と福武線の相互乗り入れ」が実現した。今では両線の新型車両が往来し、市内線を通じて福井の鉄道は大きく発展を遂げている。 北陸地方から新潟県にかけての各県は私鉄が発達しており、福井以外にも郊外電車が道路上を走る路線があった。新潟県では、現在は県内の大手バス会社として知られる新潟交通が鉄道を運行していた。同線は新潟市中心部の県庁前駅(1985年の県庁移転により「白山前」に改称)から燕市の燕駅までの路線で、その一部である県庁前―東関屋間の約2.2kmが路面区間だった。狭い道路上を元小田急の電車などが走っていた。 沿線住民からは緑と黄色に塗り分けた車体の色から「かぼちゃ電車」や「電鉄」と呼ばれて親しまれていたが、利用者の減少に加え大型の電車が狭い路上を走るため騒音や振動などの問題もあり、路面区間は1992年3月に廃止。そして1999年4月5日には全線が廃止されてしまった。 大正生まれの「直通急行」
このほか、今では姿を消した同様の路線をたどってみたい。 名鉄岐阜市内線
名古屋地区の大手私鉄である名鉄(名古屋鉄道)にもかつては路面電車の路線があった。岐阜市内の路面電車であった「岐阜市内線」には、揖斐、谷汲方面へと延びる鉄道線の電車が乗り入れていた。 ここで有名だったのが、前身である美濃電気軌道が大正時代に導入したモ510形・モ520形電車で、揖斐線直通急行として活躍していた。前面に5枚の窓が並ぶ丸い先頭部が特徴の電車が、柳ケ瀬の交差点にある急カーブで連結面を「くの字」のようにして曲がる姿は迫力満点だった。 しかし、行政も市民も市内電車に対しては消極的で、廃止に当たってはさほど大きな反対もなく、2005年4月1日に市内線と揖斐線、谷汲線すべてが廃止された。 名鉄犬山線
名鉄にはいわゆる路面電車の区間だけでなく、本線上にも路面区間が存在していた。愛知県犬山市と岐阜県各務原市の木曽川にかかる犬山橋は鉄道と道路の併用で、線路は道路上に敷かれていた。 この橋は1925(大正14)年に建設された三連トラス橋で、翌年の10月に鉄道の運行が開始された。この区間は鵜沼発の常滑、知多方面行き特急が頻繁に通過し、名鉄のシンボルだったパノラマカーは派手なミュージックホーンを鳴らしながら「そこのけそこのけパノラマカーが通る」とばかり闊歩していた。名鉄犬山線から国鉄(JR)高山本線直通のキハ8000系ディーゼルカー「北アルプス」も同様に木曽川を渡っていた。 だが、道路は並行して建設された「ツインブリッジ」へ2000年3月に移設され、元の橋は電車専用となり、道路併用橋の役割は終わった 今も見られる「路上の大型電車」
■京阪京津線
現在は京都市営地下鉄東西線と直通運転している京阪電鉄の京津線は、かつて京津三条―御陵(みささぎ)間の3.9kmが路面区間だったが、1997年の地下鉄開業の際に廃止になった。 路面区間のうち、蹴上(けあげ)―九条山間には国鉄(JR)で最も急勾配だった信越本線の横川―軽井沢間と同じ66.7‰の急勾配があり、電車はモーターをうならせながら走っていた。ここを走っていた80形電車はモダンな3枚窓のスタイルで、路面区間での乗降をスムーズにするためドアと連動して自動的に降りる乗降ステップを車側に組み込んでいた。 一方、浜大津付近は現在も路面区間があり、全国的にも珍しい4両編成の地下鉄直通電車が堂々と路上を走っていて、往年の姿をとどめている。 ■江ノ電
「江ノ電」の呼び名で親しまれる江ノ島電鉄は路面電車ではなく鉄道だが、江ノ島―腰越間では道路上を走る。ここでは狭い商店街の真ん中に単線の線路があり、最大で4両編成の電車が堂々と走っている。この区間は国土交通省の特認を得た併用区間である。江ノ電といえば海沿いを走る湘南の電車、というイメージだが、この区間では下町の電車のような光景を見せている。 ここまでは、郊外電車など「鉄道」の車両が路面を走る路線を取り上げてきたが、最後に逆のパターンともいえる「路面電車が郊外に乗り入れて長距離を走る(走っていた)」路線を見てみたい。 ■西鉄北九州線
九州の大手私鉄である西鉄(西日本鉄道)もかつては路面電車網を抱えていた。その中でも北九州市内の広範囲に路線を広げていた「北九州線」は、最大で40kmを超える路線網を展開する郊外電車顔負けの路面電車だった。しかし、並行する鹿児島本線でJR発足以降、列車の増発が進んだことや、北九州市内の産業の低迷、当時の自動車優先の風潮などにより2000年をもって全線が廃止された。 一部区間で乗り入れを行っていた筑豊電鉄は現在も運行しているが、この路線は路面電車タイプの車両を使っているものの、法的には「鉄道」だ。 ■広島電鉄宮島線
路面電車王国と呼ばれている広島の路面電車は、私鉄の広島電鉄(広電)が運営して市内を幅広くネットしている。この市内線とは別に広電には「鉄道線」がある。広電西広島と広電宮島口間を結ぶ16.1kmの宮島線だ。 かつてはこの線限定で郊外電車型の車両も運転されていたが、現在は市内線から直通する「Green Liner(グリーンライナー)」や「GREEN MOVER(グリーンムーバー)」などの低床式大型路面電車が走り、駅のホームも路面電車スタイルの低いものとなっている。この区間はJR山陽本線との競合区間であるにもかかわらず、市内の主要観光地から直通できることもあって観光客などの利用で好調である。 路面・郊外直通がもたらす鉄道活性化
ヨーロッパ、特にドイツの主要都市では路面電車がそのまま郊外区間や地下鉄区間に乗り入れ、主力公共交通として大活躍しているのはトラムを大切にするお国柄といえるだろう。一方でわが国での大形郊外電車の路面乗り入れは戦後高度成長期の名残りのようでもあり、今回取り上げたように、すでに多くの路線が姿を消してしまった。 だが、最近は福井のように郊外電車を新型の路面電車タイプの車両に置き換え、郊外と市内や他路線との直通を行い、鉄道の活性化を実現している例もある。福井鉄道が2014年に運行を開始したF10形車両は、そういった例の本場といえるドイツ・シュツットガルトを走っていた路面電車で、現役の頃ドイツでその姿を見た筆者には喜ばしい。今後とも「路面を電車が走る都市」の発展を温かく見守りたいと思っている。 https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2003/13/news052.html
2020年3月13日
空がとっても広い! 架線を使わないリオの新世代路面電車が「スマートでめっちゃかっこいい」
感電? しませんよ……!!
[呼んでる渋沢,ねとらぼ] 「架線のない路面電車」がリオデジャネイロで運行中です。え? 架線がない路面電車とはどういうこと……? あ、でもスマートな車体でカッコイイですね! YouTubeのLuke Starkenburg氏チャンネルで、リオ市街地を軽やかに走る路面電車「VLT(ヴェー・エリ・テー/Veiculo Leve sobre Trilhos)Carioca」の様子が見られます。
https://www.youtube.com/channel/UCT3OT3Lr0I97uMa51rlhocA
https://www.youtube.com/watch?v=EtJKcXKkUio LVT Cariocaは、リオ五輪を機に2016年6月に開業した次世代型路面電車(LRT:Light Rail Transit)。新しい都市交通を担う最新鋭車両による明るい車内と、ホームと車両の段差が全くない構造、ICカードによる乗車方式などの最新技術を取り入れています。 周囲を見ると背景の空や街並みが実にすっきりきれい。もともと景観の美しい街ですが、景色を邪魔してしまう架線が一切ないこともかなり大きいでしょう。 電車は、文字通り電気でモーターを回して走る鉄道車両。大半はレールの上に架線を張り、屋根上のパンタグラフで電力を受け取って走ります。では架線のないリオの路面電車はどうやって走っているのでしょう……? リオの路面電車が採用したのは「地表集電方式」という方式です。電力をレールの間に施設したもう1本の給電用のレールから電力を受け取ります。 3本目のレールからというと「第三軌条方式」を想像するかもしれません。動画を見ると、人が給電用レールの上をスタスタと普通に横断しています。え、感電しないの……? 全く大丈夫なようです。地表集電方式は、電流が流れるのは車両が通過する瞬間のみ。普段はレールに触れても感電する心配はありません。 利点は「景観を損ねない」
架線レスによる最大の利点は「都市の景観を損なわない」ことです。歴史的建造物の多い都市でも景観破壊を回避しつつ、交通および観光の利便性を高める新しい交通システムを導入できます。 地表集電方式の路面電車はフランスでも運行しています(2003年開業)。また架線レスの新世代型路面電車には、地表集電方式の他に充電式もあります。車載したバッテリーとモーターで動く蓄電池電車のLRT「輕軌」が2018年に台湾・高雄で開業しました。バッテリーの電力で走り、駅に着くたびにパンタグラフを上げて充電する仕組み。なお、日本には残念ながら架線レスの路面電車/ライトレール路線はなく、具体化した計画も今のところないようです(2020年現在)。 LVT Cariocaは「最新鋭の姿でかっこいい」「街並みの風景がやはりきれいに見える」など、世界の鉄道ファンからの反応も上々。動画ではリオを走るこの他の個性豊かな鉄道も紹介されていました。ほぉぉ、日本では見られない強烈な車両、区間がたくさん……!! 思わずリオに行ってみたくなってしまいますね! https://dramanavi.net/articles/117656
『オリエント急行殺人事件』仕様の路面電車が日本で明日から運行スタート!
2017年11月8日 "ミステリーの女王"アガサ・クリスティーが生んだ名探偵エルキュール・ポアロの代表的な事件を、ケネス・ブラナー監督・主演、豪華キャストで映像化した映画『オリエント急行殺人事件』。日本では12月8日(金)より公開されることを記念し、大阪唯一の路面電車、阪堺電車とのコラボレーションが実現! 期間限定で特別車両となる「オリエント急行路面電車」が運行されることになった。 クリスティーがこの原作を発表したのが1934年、今回特別仕様された路面電車は1928年(昭和3年)に作られ、現在も現役として走る日本最古クラスの車両「モ161形車166号車」ということで、いわば同時代の文化遺産のコラボレーション。この特別車両は、オリエント急行の車体と同じロイヤルブルーをベースに、ジョニー・デップをはじめとする豪華キャストたちが電車に乗っているように配置されており、外から見ると乗客は彼らと一緒にオリエント急行に乗車しているように見えるというデザインだ。 20世紀フォックス映画 日本代表のジェシー・リー氏は、「この作品を皆さまにお届けする旅路を、今回、歴史ある阪堺電車さんとのコラボレーションで共に走れることは、実に喜ばしくエキサイティングです。今回の特別列車の運行により皆さまには、『オリエント急行殺人事件』の世界をよりリアルに感じていただけることと思います。ぜひ、特別列車とスクリーンの双方で、この極上のミステリーの魅力を存分に味わっていただければ幸いです。今回の特別列車に関してだけは、名探偵ポアロが登場するような事件も事故も起こらない、無事の運行を祈っております」と述べている。 本日11月8日(水)に初めてお披露目されたこの「オリエント急行路面電車」は、集まった報道陣を乗せて我孫子道〜天王寺駅前を運行。クラシカルかつ斬新なデザインの特別車両は街行く人の注目を集め、写真も撮られていた。11月9日(木)から2018年1月末まで阪堺電車全線で運行予定。 『オリエント急行殺人事件』は12月8日(金)TOHOシネマズ梅田ほかにて全国ロードショー。(海外ドラマNAVI) 巨大な製鉄所と活気ある国際港、アゾフ海の穏やかな景色――。ロシア軍によるウクライナ侵攻で深刻な人道危機が起きている南東部の港湾工業都市マリウポリの在りし日の姿だ。現在、包囲攻撃によって市民の脱出は困難となり、市当局の推計では子供約210人を含む約5000人が死亡したという。2014年と17年に記者(真野)が取材で訪れた、侵攻前の現地を紹介したい。 人口約40万人のマリウポリは東部ドネツク州に属し、黒海の奥のアゾフ海に面する。ドンバス地方と称されるドネツク州とその周辺は炭鉱地帯だ。マリウポリはソ連時代から地元の石炭を生かした「鉄の町」として知られ、二つの製鉄・鉄鋼工場がある。そして地中海へとつながる海運の一大拠点でもあった。 14年春以降、ロシアの影響下にある親露派武装勢力が州都ドネツク市など州内の約3分の1のエリアで実効支配を進めた。このため、ウクライナ政府側支配地域の主要都市マリウポリへと逃れてきた市民も多かった。また、親露派支配地域に住む人々が検問を越えて行政手続きや買い出しに訪れていた。 ドネツク市方面からマリウポリへ近づくと、巨大な工場の煙突から白い煙が立ち上っているのがまず目に入る。古びた路面電車が走り、緑豊かな街並みが印象的だった。海岸へ出ると、アゾフ海が陽光にきらきらと輝き、散歩する家族連れや釣り人でにぎわっている。遠景には港の荷役クレーンや工場の煙突が見えた。 マリウポリには、親露派を介したロシアとの紛争の前線都市という側面もあった。街では防空壕(ごう)の案内表示が目につき、軍用車も頻繁に行き交っていた。 14年9月、ウクライナ政府軍を支援する民間組織「マリウポリ防衛本部」で代表代行を務めるロマン・ソコロフさんに話を聞いた。「マリウポリの将来はどうなるのでしょうか?」 「もしウクライナが欧州連合(EU)の一員となれば、展望は大きく開ける。我々には海があり、産業があり、農地もある。だが、もしロシア政府の支配下に入ったら、国際港の機能は停止するだろう。鉄鋼製品の輸出もできなくなり、工場は操業停止となる。鉄の町に貧困と犯罪がはびこるだろう」 それから8年。マリウポリは世界が見つめる中で徹底的に破壊されている。【真野森作】 https://www.chunichi.co.jp/article/10617
南北 富山駅貫く 総曲輪 電車なら楽々 LRT接続初日 記者が乗車
2020年3月22日 02時00分 (5月27日 04時12分更新)
港町・岩瀬ににぎわい
富山駅の南と北を走る路面電車が接続され、二十一日の始発から直通運転を始めた。次世代型路面電車(LRT)が市北部と中心市街地を結び、沿線住民の利便性向上や観光などの産業の活性化が期待される。初日の電車に乗り、市の南北を行き来してみた。(柘原由紀) 午前十時すぎ、カメラを持った多くの鉄道ファンや市民でにぎわう富山駅の高架下停留場から、駅北の岩瀬浜行きに乗り込んだ。南北の直通運転は岩瀬浜から駅南の環状線、南富山駅前、富山大学前の三方面。車内は、新路線の車窓からの景色を楽しむ市民でいっぱいだった。
終着点の岩瀬浜で降車した。港町の風情を残す観光地の岩瀬地区は、接続効果を見込んで飲食店などの開業が相次ぐ。昨年十一月に開店した「キッチン&カフェ ガレガレ」のオーナー網谷一吉さん(58)は「交通の便は圧倒的に良くなった。南から北へと人の流れが変わって店が忙しくなるといいね」と笑顔を見せた。
電車に乗って同地区を訪れた和歌山県岩出市の主婦弓場佳世子さん(58)は「レトロな車両もあれば新型車もあるのが良い。たくさん乗って市内のいろんなところへ行きたい」と旅を楽しんでいた。
岩瀬浜で折り返す。南へ向かう途中、市北部に住む家族連れがたくさん乗り込んでくる。富山駅の接続部分を抜けて、中心市街地の総曲輪にあるグランドプラザ前に到着。百貨店「大和」は目の前だ。車だと混雑した駐車場に入れる必要があるが、電車ならこんなに楽なのかと驚いた。 利便性と課題 実感
岩瀬浜から九・七キロ、かかった時間は六十分だった。乗り換えの手間がなく、運賃はこれまで通り二百十円。通勤、通学客や観光客には大きな利点となりそうだ。
ただ、不安な点も目についた。北側から乗った乗客は大半が富山駅で降りてしまい、総曲輪のにぎわいはいつもとあまり変わらないように見えた。
富山市は南北接続を、公共交通を活用して中心市街地に人を集める「コンパクトシティー政策」の「集大成」と自負し、約四十億円の総事業費を投じた。しかし、開業を見ようと車で富山駅を訪れた市内の会社員宮本仁史さん(46)は、車から公共交通の利用に切り替える意識は「今はない」と明かした。
富山地方鉄道は約一割の乗客増を見込んでいるが、市北部から「乗って行きたい」と思えるような中心市街地の魅力づくりには課題が残ったままだ。 「重心北へ 南の魅力アップを」北陸経済研・藤沢部長
北陸経済研究所・藤沢和弘調査研究部担当部長の話 接続で富山駅の北と南が近くなり、街の重心が従来の南から北へ移っていくことが予測される。それを受けてまちづくりの設計図も見直す必要がある。大手のスーパーなどには棚の端に訴求力の高い商品を置く戦略があるが、路面電車でも南北の両側に集客力のある観光スポットが必要だ。しかし、特に総曲輪周辺の南側中心市街地が観光客や市民にとって魅力あるものになっているのか疑問だ。南北接続開業は画期的だが、インフラだけが整った状態。それに見合ったコンテンツ(中身)を充実できるかが課題となる。 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD106E60Q2A310C2000000/
クリーン交通 都市に活力 進む産官連携、観光に順風
Biz Frontier
2022年3月28日 2:00
カーボンニュートラル社会の実現には交通を中心とした都市の対策が欠かせない。ZEV(二酸化炭素を排出しないゼロエミッション車)をいかに機能させるかが課題で、自治体は鉄道・バス会社と連携してクリーンな交通網の整備を進め、自動車業界はZEV開発に本腰を入れ始めた。次世代車両の導入は観光業にも刺激となり、「脱炭素都市」経営は地域の活力向上にもつながる。 「映える」車両、市の象徴
青地に白の美しい立山連峰に、流麗な2両編成のフォルムが映える。富山地方鉄道(富山市)の次世代型路面電車「ライトレール・トランジット(LRT)」だ。富山駅北側の富山港線を運営していた富山ライトレールを2020年に合併し、同駅南側の路面電車と接続して南北直通運転を始めた。
LRTは従来の路面電車の軌道や車両を改良した次世代型交通システム。省エネルギー性に優れた低床式の軽量車両で、高齢者も乗降しやすい。富山港線では06年のLRT化を機に全7編成の低床車両を導入した。
次世代型といっても、仏ストラスブールをはじめ欧州の都市では軽量軌道(ライトレール)のトラム(路面電車)がすでに普及している。日本では高度成長期に都市交通が車中心に移行し、路面電車は事業が縮小・廃止されてきた。欧州に後れを取ったが、日本でもLRTが導入され始めたのは大きな前進だ。
富山市は昨年、50年の温暖化ガス排出実質ゼロに向けて「ゼロカーボンシティ」を表明した。だが現状では市民が移動する際のマイカー利用率が約80%と高い。「公共交通の利便性を高め利用を促すことは、二酸化炭素(CO2)排出量削減に資する取り組み」(富山市活力都市創造部交通政策課長の野村知範氏)のため、昨年には公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団のエコ通勤優良事業所認証を富山市役所が率先して取得。地元の民間企業数社もこれに続くなど官民で取り組んでいる。 新幹線が止まる富山駅にLRTの停車場があるため、観光利用にも便利で「富岩水上ラインとLRTを乗り継ぐコースがある」(野村氏)。富山駅と北前船の交易地として栄えた歴史的街並みが残る岩瀬地区をつなぐ運河にはソーラー駆動の水上ボートも走る。環境に優しく名所を巡れるとして、ポストコロナのインバウンド需要も見込む。 過疎化対策にEVバス
日本の都市は「平成の大合併」で広域化が進んだ。少子高齢化による人口減少と環境問題を背景に、過疎地域を抱える都市は広域対応と集住を促すコンパクトシティー化の両方の課題に取り組む必要がある。23年にLRTが開業予定の宇都宮市も例外ではない。
「すでにある居住エリアなどの街の機能を集約しながら、それらを公共交通で結ぶネットワーク型コンパクトシティーを目指す」と宇都宮市建設部LRT企画課協働広報室長の赤羽始氏は言う。朝夕に交通渋滞する東西方向にLRTを通し、これを基軸にオンデマンド型のタクシーや小型バスを含め、魚の骨が広がるように交通網を整備する。
電気自動車(EV)を導入する試みも進む。長野県塩尻市は昨年11月、市街地の一般公道で高精度3次元地図を使ったEVバス型の自動運転車両の走行実証実験をした。
塩尻市は市街地の便利さと農山村のゆとりの生活を両立させる地域公共交通網を目指す。自動運転EVバスは運転手不足と高齢化、環境の3つに対応する。実験に参画したオリエンタルコンサルタンツ(東京・渋谷)関東支社交通政策部長の竹平誠治氏は「他の交通網との連携を進め、EVバスの強みを生かしていきたい」としている。 再エネ自給自足の街へ
マイカーの脱炭素化も重要だ。国際エネルギー機関の調べによると、日本は01年から20年間で自動車保有全体のCO2排出量を23%削減した。米国の9%増、ドイツの3%増、英国の9%減などと比べ削減率が大きい。トヨタ自動車をはじめ各社がハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など高性能のエコカーを普及させた成果といえる。トヨタは30年までにEVに4兆円を投資し、年350万台を販売する計画だ。
長崎県五島市はEV普及と再生可能エネルギー(再エネ)導入で先進的事例だろう。五島列島南西部の島々から成る同市ではEVが現時点で155台走る。約3万3600人の人口に対して使用台数が多い。急速充電器スタンドも整備された。「EVのうち50台ほどはレンタカーとして使われ、観光業でも役立っている」と五島市再生可能エネルギー推進室係長の簗脇太地氏は説明する。
電力面でも脱炭素政策を進め、太陽光発電と風力発電による再エネで市内の電力使用量の推計56%を賄う。
注力するのが、再エネ海域利用法に基づき五島市沖の促進区域で進める浮体式洋上風力発電だ。発電装置を水面に浮かせて深い海域にも設置でき、1基が稼働している。戸田建設やENEOS、関西電力など6社による合同会社が新たに8基程度の洋上風力発電設備を24年に完成させる計画だ。「稼働すれば市の再エネ自給率は80%に高まる」と簗脇氏は話す。
これと呼応して昨年、事業活動で使う電力を再エネで賄う国際的な枠組み「RE100」にならった「五島版RE100」が始動、電力を使う地元企業の意識も高まる。風力発電施設に対する国内外からの視察・観光需要も見込まれ、再エネ自給自足の取り組みが都市力を向上させることが期待されている。 投資促す脱炭素経営、自治体の課題
自治体の脱炭素施策には「守り」と「攻め」の視点が重要だ。気候変動の影響による河川氾濫や土石流といった災害から地域を守るリスク管理は欠かせない。同時にクリーンな住居・事業環境の整備を人や企業の誘致につなげなければ、地域経済が衰退するからだ。
「脱炭素経営入門」(日本経済新聞出版)の著者で地球環境戦略研究機関ビジネスタスクフォースディレクターの松尾雄介氏は「グローバル企業は脱炭素化をスムーズに低コストで進められる立地を求めている」と話す。再生可能エネルギーを利用しやすい工業地区やオフィス街の整備は、地域活力化の施策となる。
世界の金融当局で構成される金融安定理事会(FSB)が設置した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)は、企業に気候関連財務情報の開示を求める。「金融機関も企業の気候リスク対策を評価し始めている」と松尾氏は指摘、自治体には追い風と捉える経営感覚が求められる。
横浜市は2050年までの脱炭素化に向けて、再エネ資源が豊富な東北の13市町村と電力供給で連携協定を結んだ。都市の持続性や「企業立地や投資の判断にも影響を与える要素となり得る」(横浜市再生可能エネルギー活用戦略)ことを意識した。 首都東京は、森記念財団都市戦略研究所の「世界の都市総合力ランキング」(21年)によると、「総合」こそ3位だが、「環境」は17位で、取り組み余地は大きい。カーボンニュートラル社会をたぐり寄せるため、都市間の競争と協働が求められる。 https://www.nna.jp/news/show/2318817
2022/04/04(月)
「LRTの試験営業は8月17日から」調整相
インドネシアのルフット調整相(海事・投資担当)は1日、ジャカルタ首都圏で整備が進められている軽量軌道交通(LRT)について、独立記念日の8月17日から試験的に営業運転すると表明した。本格的な商業運転は9月の開始を目指す。 ルフット調整相はこの日、ブディ運輸相らと…
関連国・地域: インドネシア
関連業種: 建設・不動産/運輸/マクロ・統計・その他経済
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和歌山名物「ケロヨン電車」が走った57年前 水面に映る抜群に愛くるしい路面電車
路面電車がみつめた50年前のTOKYO
AERAオンライン限定
2022/03/12 07:00
筆者:諸河久 1960年代、都民の足であった「都電」を撮り続けた鉄道写真家の諸河久さんに、貴重な写真とともに当時を振り返ってもらう連載「路面電車がみつめた50年前のTOKYO」。今回は季節柄「路面電車 春の旅」と題して、南海電気鉄道和歌山軌道線などの訪問記を2回にわたって綴ろう。 徳川八代将軍吉宗を輩出した紀州・和歌山城下には、南海電気鉄道和歌山軌道線(以下和歌山軌道線)の路面電車がネットワークを築いていた。和歌山市内に路面電車が開業したのは1909年で、和歌山水力電気によって運営されていた。その後、京阪電気鉄道→合同電気→東邦電力→和歌山電気軌道と目まぐるしく変遷し、1961年に南海電気鉄道の傘下に入り、同社和歌山軌道線になった。和歌山軌道線は、市駅(和歌山市駅の略称)〜海南駅前を結ぶ海南線を主軸に新和歌浦支線(和歌浦口〜新和歌浦)と新町支線(公園前〜東和歌山)を加えた16100mの路線を擁していた。軌間は関西圏では珍しい1067mmで、電車線電圧は600Vだった。 筆者が和歌山軌道線を訪ねたのは1965年春のことだった。大陸育ちの大きな移動性高気圧に覆われたのか、淡路島〜和歌山〜紀伊田辺の順で巡った旅は終始晴天に恵まれた。淡路島から和歌山市駅に着いたのは前日の夕刻だった。新和歌浦行きの路面電車に乗り、終点にある景勝地「和歌浦」の宿舎に着くころには暗夜になって、潮騒の音で海辺の宿に泊まることを認識した。 ■春陽に路面電車が輝く
翌朝も好天に恵まれ、万葉の昔から歌に詠まれた名勝和歌浦の早朝散策を楽しんだ。春休みと連休が重なったので、和歌浦は観光客で賑わっていた。海外旅行などは考えも及ばない時代で、佳き昭和時代の光景だった。 冒頭の写真は和歌浦に隣接する御手洗池畔を走る市駅行きの電車。御手洗池から流れ出る川面が水鏡になり、電車のフォルムがシンメトリーに輝いた瞬間を捉えた一コマだ。写真の321型は1963年の新造で、おでこに大きな二つのヘッドライトを設置した異色の面構えだった。この二つ目ライトの印象が、当時のテレビコマーシャルのキャラクターだったカエルの「ケロヨン」を彷彿とさせるため「ケロヨン電車」の愛称で、1960年に製造された2000型連接車と共に和歌山名物になっていた。 ちなみに、321型は和歌山電気軌道から南海電鉄が引継いだ後に新造されたため、南海大阪軌道線(現・阪堺電気軌道)の新車と同じクリームとライトグリーンの塗色で登場している。それまでの在来車はホワイトとスカイブルーの塗色で、訪問時は二色が共存していた。 別カットは、前掲写真の画面右側に所在する権現前停留所の乗車風景。ガードレールもコンクリート柱も眼中に入らないひなびた光景は、1950年代にタイムスリップしたような懐かしさを覚えた。この新和歌浦支線は全線が専用軌道で敷設され、車に邪魔されず撮影が楽しめる、ファンにとっては得難い路線だった。 停留所左側の未舗装道路が現在の海岸通りで、背景は和歌山市立和歌浦小学校の校舎だ。停留所名が「権現前」ということは、東照権現様=徳川家康公を祀る宮社の最寄り停留所なのだ。和歌浦小学校校舎の裏手方向に「紀州東照宮」が所在する。さすが徳川御三家の城下町だと感心した。 ■天然のセンターリザベーション
雰囲気の良い権現前の撮影地から後ろ髪を引かれるような思いで市駅方面に向った。和歌浦口からは中央通り(国道42号線)に敷設された海南線の軌道に合流する。近辺の軌道はセンターリザベーション方式で敷設されており、東京に例えると昭和通りのセンターリザベーション区間を連想してしまう。和歌山のセンターリザベーション区間は軌道敷の敷石を省いただけで、車道との間に路側帯やガードレールなどの緩衝物が一切ない、いわば天然のリザベーションだったのには驚かされた。 一直線に伸びたセンターリザベーション区間の高松停留所に降り立ち、ちょうどやって来た車庫前行きの2000型連接車を撮影したのが次のカットだ。 ■謎のヘルマン台車と対面
高松停留所から車庫前停留所までは至近の距離だった。構図の右側に入庫線を入れて、東和歌山(1968年3月から和歌山駅前に改称)行きの300型を撮影する。この300型は1937年大阪鉄工所製の低床式小型ボギー車で、前灯がケロヨンタイプでないのが嬉しかった。「車両部 高松検車区」と大きな縦書き表札のある事務所で見学許可をいただき、お世辞にも広いとは言えない車庫にお邪魔した。撮影目標は予備役になってしまった60型と100型の四輪単車だ。写真の62号は60型の唯一の生き残りで、訪問時は事故応急車として営業線からは退役していた。開業当初の1型木造単車を1948年に富士車輛で鋼体化改造したもの。ブレーキは手用、警笛はフートゴングで、全長8.84m、定員50名(座席定員12名)の高床式四輪単車。「ヘルマン」という謎のメーカの単台車を装備していた。 次がヘルマン製単台車の部分写真で、ポピュラーなブリル21E型に比べると、軸箱守が鋳鋼製なのとエンドスプリングに完全楕円形状のリーフバネとコイルバネを併用する構造が相違点だった。 撮影から57年経って、この台車の素性を知ろうと「鉄道ピクトリアル誌」76号(1958年・電気車研究会刊)に掲載された台車研究家・吉雄永春氏執筆の「台車のすべて(2)」を同社のご厚意で閲覧させていただいた。その解説によると「ヘルマン」の単台車を装備した車両は戦前に行方不明になっており、会社資料に記載された台車形式「ヘルマン」は誤りで、正しくは米国ペックハム製「ペックハム8B型」と断定されていた。 ペックハムは明治期の東京市街鉄道などが米国から大量に輸入した単台車で、本連載でも九段坂を走る電車の絵葉書を掲載している。(次回3月19日配信に続く) 最近の記事だと開いてみたら昔の話だった
>>919
車輪の下ならヘルマン・ヘッセで間違いなかったのだろう https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/303359
かつて新宿ゴールデン街を疾走していた都電で「荒川線」だけが生き残ったワケ
公開:22/04/04 06:00 更新:22/04/04 06:00 高齢世代にとっては懐かしの、若者世代にとって知られざる東京の姿が古地図や古写真で発見できる「東京のトリセツ2」(昭文社)から、かつて庶民の足として東京都内を駆け抜けた路面電車、都電の歴史を一部抜粋して紹介する。 最盛期には総延長213kmの路線で、1日に約193万人の乗客数があった都電。日本最大で世界的に見ても稀といわれる規模を誇る路面電車網を形成していた。 その始まりは明治36(1903)年にまで遡る。この年、品川と新橋の間で東京初の路面電車が運行を開始。運営するのは民間企業の東京電車鉄道で、じつはこの会社、以前は東京馬車鉄道と名乗っていた。つまり、路面電車が走る前は、専用の軌道が敷かれた道を走る車両を動かしていたのは電気ではなく、馬だったのだ。ところが、馬車鉄道は馬の飼育に手間がかかるうえ、道に糞尿を散乱させるため衛生上の問題もあった。そこで馬車鉄道は、電気鉄道へ切り変わったというわけだ。 路面電車が誕生すると、東京電気鉄道のほかにも電車事業に乗り出す会社が興る。3社が並立してそれぞれの路線網を拡大したが、利用者の利便性を高めるために統合の動きが起こった結果、3社は一旦解散して明治39(1906)年に新会社の東京鉄道が設立された。 さらに、運賃値上げへの市民の反発をきっかけに、東京鉄道の公共化計画が浮上する。「東京市内の電車は公共交通機関であり、東京市が運営すべき」という考えによるものだ。 東京市と東京鉄道の間で交渉が行われて、明治44(1911)年に東京鉄道は市営となり、東京市電気局(後の東京都交通局)が発足。都電の前身となる「市電」が誕生した。当時の営業距離は約99km。東京の人口約200万人だった時代に1日あたり約51万人もののべ利用者があった。路面電車は、明治期の段階ですでに都市生活に欠かせない重要な交通手段となっていたのだ。 自動車の渋滞を引き起こすと邪魔者扱い
大正12(1923)年9月1日に起こった関東大震災では、市電は甚大な被害を受けて777両の車両が失われている。線路や橋も壊れて市電の運行が困難な事態に陥った。しかし、震災直後の混乱にもかかわらず職員たちが一丸となって懸命の復旧作業に従事した結果、わずか5日後に一部区間で運行を再開。翌年6月には全路線復旧を果たしている。 昭和に入って、昭和18(1943)年に都政施行に伴う東京都交通局への名称変更とともに、市電は「都電」となり、最盛期を迎える。その存在感にかげりが見えだしたのは、1950年代後半。高度経済成長期に入って急速に進展したモータリゼーションが原因だった。 自動車が急増するなか、やがて「専用軌道を独占する都電は自動車の交通渋滞を引き起こす元凶」と、都の公安委員会から悪者扱いされてしまう事態に。都市生活を営んできた大勢の人々に自動車より前から貢献してきた都電なのに、ひどい言われようである。 さらに、自動車の都電軌道内への進入規制が解除されると都電の運行は妨げられ、大きな遅延も生じるようになって利用者が激減。経営状態が赤字となり、経営再建の過程で昭和47(1972)年までに合計181kmもの路線が廃止に追い込まれてしまったのである。 多くの都電路線で今も都バスが走る
さて、そのようにして廃線を余儀なくされた路線のなかで、少々変わった場所を走っていた路線があった。新宿駅前と水天宮前を結んで都心を東西に走っていた「13系統」だ。都電といえば、通勤や通学の足としての役割を担っていたわけだが、会社員や学生に対する一般的なイメージとはかけはなれた「新宿ゴールデン街」に都電の軌道が敷かれていたのを知る人は、今やそう多くはないだろう。 ゴールデン街は、戦後にできた、いわゆる飲み屋街で、作家や映画演劇人などが集うことで生まれる「酒場文化」を象徴するような場所。現在も約290軒以上の店が軒を連ねて、古きよき昭和の雰囲気を色濃く残し、近年は若者や外国人からも人気を得ている。 かつての13系統は、「新宿駅前」の次の停留場だった「角筈」を出ると、現在の新宿区役所通りと花園神社の間を通って、明治通りを横切る形で「新田裏」へ向かうルートだったが、戦後数年経った頃に明治通りに沿って走るルートへ変更されることに。そのため、ゴールデン街の横を通っていた軌道は支線となり、現在は新宿文化センターが立っている辺りにあった大久保車庫に出入りする回送電車が時折走行するだけになってしまった。ちなみに、大久保車庫は新宿系統の車両の基地で、都電車庫中最大の収容車数を誇っていた。 13系統は、昭和43(1968)年に区間が短縮され、その2年後に全線廃止となり姿を消した。かつて都電が走っていた路線の多くに現在は都バスが代わりに走っている。13系統の経路のゴールデン街付近は専用軌道であったため、東京都より譲渡された新宿区が整備し、昭和49(1974)年に遊歩道公園「四季の路」として生まれ変わった。都電が往き来していた曲線を描く軌道は、樹木と草花に彩られた全長260mの心潤うオアシスとなっている。 「三ノ輪橋ー早稲田」は利用者が多く自動車の妨げにならなかった
ところで、次々と廃止されていった都電路線のなかで、荒川線だけが唯一今も存続している。この路線だけが生き延びたのには理由があるのだ。 じつは、荒川線も他の路線同様に当初は廃止される予定であった。にもかかわらず、同路線独自の事情が助け舟となる。大きな理由は3つ。まず、現在の荒川線にあたる27系統と32系統の利用者数が1日10万人を超えていたこと。次に、荒川線が走る三ノ輪橋から早稲田までの区間の9割が、道路渋滞への影響が少ない専用軌道であること。そして3つめが、並行する道路がないためにバスによる代替輸送が困難なことである。 これらに加えて、沿線住民の要望と都電の廃止を惜しむ声が後押しとなり、昭和49年に、2系統を統一する形で永久存続が決定したのである。唯一の都電として今なお現役の荒川線は、昔にくらべれば利用者は減ったものの、2000年に地元の要望に応えて新たな停留所を設け、2017年には「東京さくらトラム」の愛称ができるなど、地域に親しまれる存在であり続けている。 昭和初期の市電をイメージして造られた 9000形車両には、都電が新宿を走っていた往時を思い出させる懐かしさがある。 https://www.nna.jp/news/show/2319214
丸紅、QLD州トラム3期の事業権を取得
2022/04/05(火)
丸紅は4日、オーストラリア・クイーンズランド(QLD)州ゴールドコースト市の路面電車(トラム)について、プロジェクトの第3期(延伸)に関する官民連携(PPP)事業権を、出資先の事業会社ゴールドリンク(GoldlinQ)ホールディングスを通じて取得したと発表した。受注額… https://football-italia.net/ja/%E3%83%9F%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%81%AF%E5%9C%B0%E5%85%83%E3%81%AE%E8%B7%AF%E9%9D%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A%E3%81%AB%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99/
ミラノは地元の路面電車に新しいキットをペイントします
by スージーカンパニール | 4月2、2022 17:02
ミラノの街の路面電車のいくつかにジャージを「着用」させることで、2021年から22年のシーズンに向けたXNUMX番目のキットのリリースをマークしました。
ミランは新しいシャツを発表しました。上下にホワイトアウト効果があり、中央に赤と黒の伝統的なストライプだけが残っています。
プーマは、同じパターンで地元の路面電車をペイントし、ミラノの街に送ることで、キットのリリースを祝いました。
ステファノピオリの部下はセリエAのテーブルの上にいて、この新しいユニフォームを ボローニャ 月曜日の夕方に https://www.yomiuri.co.jp/hobby/travel/20220331-OYT8T50000/
「インスタ映え」動画が大評判…熊電の撮影名所を紹介します
2022/04/02 10:00
長い歴史を持つ熊本電気鉄道には、古くから鉄道ファンに親しまれている撮影名所が2か所ある。スマートフォンでインスタ映えする動画を撮影できる場所としても人気を呼んでいる。 https://www.mapple.net/articles/original/14041/
少年B
更新日:2022年4月5日
渋谷の街はどう変わった?古地図から見る街の移り変わり
「地図は時代を映す鏡。古い地図を見ることで、街の歴史や移り変わりがわかる」
実在しない都市の地図を描く、空想地図作家の今和泉隆行さんはそう言います。今回はそんな今和泉さんに、東京の渋谷を舞台にして、街の移り変わりを教えてもらいました。 https://www.asahi.com/articles/ASQ44764BQ3LUTIL054.html
上野動物園にモノレール復活へ 双子パンダへの騒音配慮、ルート検討
有料会員記事
小林太一2022年4月5日 9時22分
上野動物園(東京都台東区)で60年以上親しまれ、老朽化で運休中のモノレールが生まれ変わることになった。都はレールの下に車両がぶら下がる「懸垂型」を廃止し、レールの上をまたいで走る小形の「跨座(こざ)型」を想定。昨年6月に生まれた双子パンダの成長に騒音などの影響がないルートを検討するとともに、新しいデザインと一定の輸送力を兼ね備えた計画を民間から募る考えだ。 https://toyokeizai.net/articles/-/206450?display=b
路面電車「次世代型」でも法律は旧態依然だ 車両の長さや速度の制限、再検討の必要は
小島 好己 : 翠光法律事務所弁護士
2018/01/30 6:00
モータリゼーションの影響により、最盛期は全国67都市で走っていた路面電車は19事業者にまで減少した。だが、最近ではそれと逆のモーダルシフト(大量輸送機関への転換)により路面電車が見直され、LRT(Light Rail Transit・「次世代型路面電車」)に対する関心が高まっている。
栃木県宇都宮市では、2022年3月の開業を予定しているLRT「宇都宮ライトレール(仮称)」の軌道運送高度化実施計画が2016年9月に認可された。宇都宮ライトレールは、旧JR線の線路を活用して開業した富山ライトレール(富山県)のような既存鉄道路線の活用や既存路線の一部延伸と違い、まったくゼロからの軌道新設であり、その行方が注目される。 「軌道」と鉄道はどう違うのか
LRTは、法令面では軌道法にいう軌道に分類されるが、この軌道法(関係法令含む)は軌道に対し一般の鉄道とは異なる規制を設けている。たとえば以下のような例である。
一般的な鉄道では、閉塞(路線を複数の区間に分けて一区間には一列車しか入れないとするもの)を設けて列車の追突や衝突の危険を回避する。しかし軌道では単線区間には原則として閉塞類似の保安区間を設ける必要があるものの(軌道運転規則第66条)、複線区間では不要である。
追突事故は先行車両との距離による速度制限や停止位置などの規定により防止し(軌道運転規則58条・軌道運転規則61条)、車両が他の車両に追従して運転されること(いわゆる「続行運転」)を認めている(軌道運転規則66条)。これは路面交通機関ゆえバスと同様の道路交通法に準じた走行を求められているからである。またバスに比べ1両ごとの輸送力が大きいので輸送力確保の手段にもなる。 軌間(レール幅)についても特徴がある。軌道以外の日本の鉄道では、1435mm、1067mm、1372mm、762mmが用いられている。一方、軌道の軌間は法令上762mm、1067mm、1435mmのみとされており(軌道建設規程5条)、1372mmの列挙はない(ただし、軌道として整備されている都電荒川線、東急世田谷線、函館市交通局の路線は軌間が1372mm)。
また、軌道が原則として道路上に敷設されることから(軌道法第2条、道路交通法第2条第13号)、道路上の他の交通との安全確保のための制限が存在する。
最も特徴的なものは車両運転速度の制限である。車両最高時速は40q以下、平均時速は30km以下と定められている(軌道運転規則53条)。軌道車両のほうが自動車より制動距離が長いことなどがその理由である。目視による安全確保を前提とした続行運転が認められていることもその理由であろう。 車両の長さも決まっている
車両長にも制限がなされており、車両を連結して運転するときには全長30m以下とされている(軌道運転規則第46条)。他の車両の円滑な道路交通確保の要請と、路面電車は大型車両を予定していないという前提によるものと思われる。
ただし、速度や車両長については国土交通大臣の許可(特認)による例外が認められる(軌道運転規則第2条、3条)。速度については、阪堺電気軌道において信号設置や新設軌道(いわゆる「専用軌道」・軌道運転規則第3条)であることなどを理由に最高時速50kmが許可されている箇所がある。車両長についても、全長30.5mの広島電鉄5000系「グリーンムーバー」が国交相の許可を得て運行されている。なお、前述の規定のない軌間が採用されている事例も、詳細は不明だが特認によるものと思われる。
しかし、速度や車両長等の一般的な規制が今も合理性を持つのかは再検討されてもよいと思われる。
車両の制動装置の性能は昔に比べて向上している。電磁吸着ブレーキ(レールに電磁石を吸着させて制動力を得るもの)などの緊急ブレーキにより非常時の制動距離は短縮可能であり、他の安全確保措置の併用も含め速度制限の当否は再検討されてもよい。また、列車が持つ大量輸送能力という特長を考えれば、車両長を30m超えにするために許可が必要というのは本末転倒であり、むしろ道路状況により車両長を30m以下に規制できる、とするべきではなかろうか。続行運転による輸送力補完が可能といっても、運転士2名を確保するのは事業者にとって負担である。 道路は自動車だけのものではない
なによりほかの交通機関、特に自動車の円滑な動きを妨げないように軌道に制限をかける、という視点の再検討も必要である。この点は、道路交通法第21条(軌道敷内諸車乗り入れ禁止)により、一応は道路上で軌道の車両が優先されることが建前となっている。
しかし、1960年代からのモータリゼーションにより自動車の交通量が急激に増加し渋滞が発生するようになったことを受け、軌道敷の諸車への解放という動きが生じた。軌道敷内諸車乗り入れの規制緩和がなされるようになったのである。それにより道路の渋滞が緩和されるどころか軌道敷にも渋滞が発生して路面電車も渋滞に巻き込まれるようになり、生命線である速達性や定時性が失われた。ひいては路面電車に対する利用者の信頼も失われ、路面電車の衰退につながった。
高速自動車国道(道路法第3条第1号)を除き、道路は自動車だけのものではなく軌道を含む一般交通の用に供される施設である(道路法第2条第1項)。しかも軌道については、2007年に成立した地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(以下「地域公共交通活性化・再生法」)により、活性化、再生されるべき地域公共交通に指定されている(地域公共交通活性化・再生法第2条第1項、第2項ロ)。
さらに、地域公共交通活性化・再生法第2条第6項は、「軌道運送高度化事業」として「より優れた加速及び減速の性能を有する車両を用いることその他の国土交通省令で定める措置を講ずることにより、定時制の確保、速達性の向上、快適性の確保その他国土交通省令で定める運送サービスの質の向上を図り、もって地域公共交通の活性化に資するもの」という事業を定めている。
そして同法では第二節で「軌道運送高度化事業」をまとめており、同法第10条で軌道法第3条に定める国交相の特許を受けたものとみなす場合を規定している。LRTを新たな公共交通機関として育成しようという目的が明確に示されており、道路使用について新たな視点を設けたといえよう。しかし、それでも速度制限、車両長などの法令による制限からの解放やLRTの整備推進に対する法令上の諸規制緩和については必ずしも十分に触れられておらず、これだけでは画竜点睛を欠くように思われる。
法律が成立、あるいは維持されるためには「立法事実」が必要である。対象となる事象に対して立法すべき目的・理由を定め、その目的を達成するためにどのような手段を設けるのが合理的か、つねに検討されなければならない。 LRTを取り巻く規制の再検討を
「次世代型」という冠が示すとおり、LRTは「昔ながらの路面電車復権」というよりも成熟社会を迎えた社会における「新交通機関」という位置づけである。LRTの整備にあたっては、車両や施設の改良、他社線との連携の仕方などを含め、新たな「街づくり」の構成要素である公共交通機関としての役割をどのように持たせるか、そのためにはLRTを取り巻く規制が妥当かどうか再検討をしていく視点が必要である。
LRTが公共交通機関として「街づくり」の新たな構成要素をなすのであれば、地域公共交通活性化・再生法の規定だけではまだ足りない。軌道法が本来想定していた路面電車を超えて、モノレールなどにも適用されるようになっている状況を考えると、道路のあり方や旧来からのカタカナ表記のままの軌道法や、それに関連する各種法令の再検討、再編成もなされるべきと考える。 https://www.sankei.com/article/20220404-LSWPPYLEBBISBEHJX42LR3OTE4/
熊本・百年の計〜都市デザインの真髄〜
2022/4/4 20:12
熊本市で熊本駅と桜町という二つの街づくりプロジェクトが完成したので見学してきました。案内してくれたのは、熊本大学教授の田中智之さん。早稲田大学を出て熊本大学に赴任して来られた建築家です。30代で着任した直後から関わることになった熊本駅周辺の整備、そして、市民のための広場が生まれた桜町は、どちらも10年を超えるたゆまなき積み重ねの結晶だと大いに感銘を受けました。
都市空間を構成する要素にはさまざまな建築物に加え、道路や高架橋など土木構造物、また河川や公園、そして城跡のような歴史的場所などがあります。従って都市デザインは建築、土木、交通、インフラ、歴史など多岐にわたる分野を横断しつつ、さまざまな関係者と向き合いながら取り組む息の長い仕事になるのです。 https://toyokeizai.net/articles/-/1710/
都市公共交通の新潮流・路面電車 国は道路財源使い建設を促進せよ
2008/08/04 17:30
かつては、交通渋滞の元凶として目の敵にされたこともある路面電車が、今再び脚光を浴びている。 路面電車の歴史は古く、わが国における最初の営業は1895年に京都市で開通した京都電気鉄道(後の京都市電)にさかのぼる。営業のピークは1932年。簡便な市民の足として、全国65都市、82業者、総路線長1479キロメートルに達した。
しかし戦後も60年代になるとモータリゼーションが本格化、路面電車は交通渋滞の元凶として、一転、邪魔者扱いされるようになる。全国で廃止が相次ぎ、現在、わずか19事業者を残すのみの状態だ。 ところが最近、流れが再び大きく変わりつつある。その例を富山市で見てみよう。
富山市の路面電車の歴史は1913年に始まる。当初は民営の富山電気軌道として開業、20年に富山市に譲渡された。戦争中の43年に「陸上交通事業調整法」に基づき富山地方鉄道(以下、「地鉄」と略)に譲渡、再び民営となった。最盛期の60年代には総路線長11キロメートル、6系統が運行されていたが、その後縮小。現在は6・4キロメートルが運行されている。 と、ここまでは富山市もほかの都市と同様、縮小の軌跡をたどってきたが、そこに一石を投じたのが旧JR富山港線の路面電車化である。
旧富山港線は、路線距離8・0キロメートルの小さなローカル線だった。2006年2月までJR西日本が運営していたが、JRの赤字路線分離政策により第三セクターの富山ライトレールに移管、同年4月から路面電車化して営業を再開した。 予想を上回る乗客数
JR時代の2002年度の実績に基づく1日当たり利用者数の目標は3400人。しかし、開業直前の05年10月に実施した利用者の実数調査では、平日2200人台、日曜日1000人台という実績で目標達成が危ぶまれた。
富山ライトレール富山港線は06年4月29日に開業したが、運行を開始してみると利用者数は予想以上で、07年3月末までの初年度(営業日数337日)の乗客数は165万人、1日当たり4901人と目標を大きく上回った。2年目の07年度も、新たな目標4000人/日を上回る4480人の実績を残した。 富山市は、人口減少や高齢化に対応するため、「公共交通を利用したコンパクトなまちづくり」を重要施策として掲げているが、富山ライトレールはその中核だ。
市内路面電車網全体の計画としては、09年開業の目標で地鉄富山市内軌道線の新線建設による環状線復活計画がある。これは、地域公共交通活性化法に基づいて上下分離(線路の建設・保有主体と運行主体の分離)方式をとることになっている。 08年5月には森雅志富山市長が、地鉄上滝線(富山市の南富山駅と中新川郡館山町の岩峅寺駅を結ぶ12・4キロメートル)のLRT化(後述)と市内軌道線との直通運転を行うという構想を示唆している。
さらに14年の北陸新幹線富山乗り入れ、JR富山駅の高架化に合わせて、富山ライトレール線と地鉄市内軌道線を接続、直通運転を実施することも計画されている。
このように、富山市では路面電車の整備による都市活性化策が積極的に進められており、しかも当初の予想を上回る結果を出しつつある。 では、なぜ今、路面電車なのか。
第1に、市内の商店街との親和性の高さだ。モータリゼーションの進展が、国道沿いのロードサイド店や郊外型大規模店舗を栄えさせた代わりに、駅前や市中心部の商店街を衰退させてきたことはよく知られている。これに対し路面電車は逆に、市内の在来型商店街に顧客をもたらし、地域振興に貢献する。
第2に、路面電車は、階段を経ずに道路から直接乗車できるため、高齢者、身障者などの交通弱者に優しい。今後高齢化が進めば、自家用車を利用できない人々が増加する。路面電車はこうした人々にとって最も利用しやすい公共交通機関である。 第3に、同じ公共交通機関の路線バスと比較して、時刻表どおり運行する定時性に優れている。これは乗客にとって大きなメリットだ。
第4に、建設費が安い。新交通システムの10分の1、地下鉄の20分の1の建設費で可能だ。
第5に、環境面での優位性だ。路面電車に限らず、鉄道は排ガスを出さないだけでなく、一定速度に加速してからは慣性で走行するため、公共交通機関の中でも最もエネルギー効率が高い。 富山県は、1世帯当たりの自家用車保有数が全国第2位(05年3月末)と高く、国道沿いに路面店が発達しており、本来、公共交通機関にとっては極めて厳しい環境にある。それにもかかわらず、富山市が路面電車を中核とした公共交通機関の整備を進めてきたことは、今後の日本社会の変化と将来のニーズを先取りしているわけであり、高く評価したい。
公共交通機関は、鉄道、地下鉄、バスに加え、モノレール、新交通システムなど、ハード面のバリエーションが増えた。路面電車でも大きな進歩が見られる。 一つは、最初ヨーロッパで開発され、国内でも製造されているLRT(Lihgt Rail Trail)と呼ばれる新型車両である。これは超低床構造でバリアフリー思想が徹底している。すでに前述の富山市や広島市などに導入されている。 電力架線が不要な車両も出現
さらに最近では、二次電池(充電池)を使用したまったく新しい車両をJRグループの鉄道総合技術研究所や川崎重工業が開発した。最大の特徴は、電力を二次電池に充電して走ることで、電力架線が不要となる。充電は、乗客の乗降の際、停留所に備え付けの電源装置に電極を接続して行う。架線が不要であることは、建設費の削減に大きく貢献する。
またブレーキをかける際にモーターを発電機として使い、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して二次電池に回収するため、エネルギー効率が非常に高い。 鉄道総研の実験では、往復約1キロメートルの試験区間でリチウムイオン電池にフル充電してから約半分の容量になるまで、15往復以上の走行ができた。この走行結果によれば、500メートルおきに停留所のある15キロメートルの路線を走行することが可能だという。
川崎重工の「SWIMO」も、主要なコンセプトは鉄道総研の車両とほぼ同じだが、二次電池がニッケル水素電池である点が異なっている。当初年間150〜300両規模で生産し、価格は3両1編成で2億5000万〜3億円を想定している。 このように、路面電車には新たな都市公共交通として多くのメリットがある。これは欧米では広く認知されている。国は路面電車導入への支援を表明しているが、ここはさらに踏み込んで、道路財源を使って財政的に建設を後押しすべきだろう。
(福永 宏 =週刊東洋経済) >>967
年間150両も売れるのか?
1編成3両だから50編成だろうがそれでもかなりな量 路面電車で楽しむクラシックの調べ…。広島交響楽団のラッピング電車が装いも新たに運行開始だ。 広島交響楽団のラッピング電車は今年で11代目。車内アナウンスは楽団員27人が務める。もちろんBGMは広響楽団演奏のクラシックだ。 ■アナウンス「広島交響楽団のマーティンです。次は皆実町六丁目、皆実町六丁目。」 マーティン・スタンツェライトさんは広響の首席チェロ奏者だ。運行を記念し車内で生演奏を披露した。 ■広島交響楽団首席チェロ奏者マーティン・スタンツェライトさん「広響いいなと思ってもらってこの電車乗ってコンサートに来てもらえたらうれしい」 広響電車は来年3月ごろまで広島駅と広島港の間を1日7往復程度運行する。 電車の専用軌道区間が多く残っている都電荒川線ですが、一部区間では新しい道路の建設に伴い、線路と一体で整備が進められています。向原〜東池袋四丁目間には多数の路地があることから、線路との交差部には踏切もたくさんありました。 小さな踏切の密集地帯
東京をくまなく走っていた都電は、現在「荒川線」と呼ばれる区間だけを残して1972(昭和47)年末までに全て廃止されました。荒川線が残った理由はいくつかありますが、専用軌道区間が多かったこと、沿道が整備されていないためバスなどの代替交通を整備できず、地域住民の移動手段を確保しなければならないというものなどがありました。 荒川線は家と家の間を縫うように走っていましたが、時代とともに道路整備や街の区画整理が進み、今や線路の脇に側道がない区間は減少しつつあります。「荒川線で当たり前だった光景」が次々と見納めになっているのです。向原〜東池袋四丁目間もそのひとつです。 それまで同区間には側道がなく、線路に密着するように家屋が建っていました。そのため、この辺りには歩行者がすれ違いできないような細い踏切道がたくさんありました。
路面電車である荒川線は軌道法に準拠し運行されるため、スピードは決して速くありません。しかし運行頻度は高く、細い踏切道を渡る歩行者の安全を確保する必要があります。そのために多くの踏切で、警報機や遮断機がそろった第1種踏切がきちんと整備されていました。家屋の密集地帯は、踏切の密集区間でもあったのです。 木密解消へ 新たに併用軌道区間も整備
同区間で、遮断機の手前から線路が延びている方向へと視線を向けてみます。電車が近接すると警報機が次々と鳴り出し、続いて遮断機が動作する様子が見られました。まるでドミノ倒しのように遮断機が下りていく(もしくは上がっていく)様子は、踏切密集地帯だからこその光景でした。ではなぜ、沿線で側道が整備されているのでしょうか。
1995(平成7)年に阪神淡路大震災が発生すると、昔ながらの木造住宅密集地域(木密)が防災上の課題として浮上します。戦後、都市開発が急速に進められた東京には、JR山手線周辺でも木密が多く残っていました。東京都はこれらの解消に動いたのです。
1997(平成9)年、東京都は木密の解消プログラムを策定。その一環として、豊島区では2015(平成27)年に区庁舎を南池袋へと移転し、あわせて庁舎跡地の東池袋一帯の街区整備にも着手しました。これら一連の再開発・街区整備の中には、豊島区が次世代の公共交通として位置付けていたLRTの新設計画もありました。 2022年3月現在は向原〜東池袋四丁目間で、都電の側道として整備される補助81号線が造成中です。全長は約3.5kmに及び、南池袋地区など一部区間は供用を開始しています。側道はもともと、木密だった部分です。
LRT計画は実現していませんが、荒川線の線路なども改良が進んでいます。計画では道路と一体となった併用軌道化される箇所もあり、かつてのような踏切だらけの光景は過去のものになるでしょう。 https://www.nna.jp/news/show/2318817
2022/04/04(月)
「LRTの試験営業は8月17日から」調整相
インドネシアのルフット調整相(海事・投資担当)は1日、ジャカルタ首都圏で整備が進められている軽量軌道交通(LRT)について、独立記念日の8月17日から試験的に営業運転すると表明した。本格的な商業運転は9月の開始を目指す。 ルフット調整相はこの日、ブディ運輸相らと… 東京五輪・パラリンピックをはじめ、2022年開業を目指し次世代型路面電車(LRT)の工事やJR宇都宮駅東口地区整備事業が進む中、宇都宮市ではビジネス・観光客の増加を見込みホテルが続々と開業する。しかし、既存のホテル業者は「供給過剰」とみており、“限られた”宿泊客を巡る競争激化に危機感を募らせている。 19年11月、ビジネスホテル「スマイルホテル宇都宮西口駅前」(120室)がオープンした。東口に続く進出で、運営するホスピタリティオペレーションズ(東京)は「宇都宮市の宿泊需要は高い。工業団地のお客さまを中心とした安定した需要に加え、LRTの完成でさらに宿泊を後押しすると期待している」とし、日光観光の拠点として訪日観光客の利用も見込む。 20年は初夏に259室の東横イン(東京)が駅西口に、秋にはロードサイド型のホテル(87室)が市北部の道の駅うつのみやろまんちっく村内にそれぞれ開業する予定。22年は東口地区整備事業に伴い高級ホテルとレストランなどを備えるシティーホテル(2ホテル合計500超室)がオープンする。 宇都宮ホテル旅館協同組合(福田治雄(ふくだはるお)理事長)によると、市内のホテル・旅館の室数は推計4500室程度(19年10月現在)。19〜22年の間に室数がこれまでの2割増になる見込みだ。 しかし、ある地元資本の経営者は「例年、満室になるのはジャパンカップサイクルロードレースなど大きな大会を含め1年に20日程度、現状でも供給の過剰感はある」と話す。LRTや東口地区整備事業の効果も図りかねている。 ホテル関係者によると、これまでは価格帯ごとにホテル間の住み分けがあった。しかし、インターネット予約の普及で随時格安料金を提示するホテルもあり、値下げ競争が激化した。さらにチェーン店はポイント付与などで宿泊客を囲い込み、奪い合いが進む。資本力の弱い地元ホテルは設備更新もままならなず「さらに競争が激しくなる」と危機感をあらわにする。 こうした状況から、福田理事長は「研修会などでサービス向上を図るとともに市の観光資源を活用した宿泊プランなどを考案し、市を訪れたいと思っていただけるよう努力している」とした上で、「市は大勢の客が来るイベントを誘致し、継続的に開催してほしい」と滞在型観光の促進や大型イベントの創出を要望している。 https://www.macaushimbun.com/news?id=38119
マカオLRTタイパ線が約5ヶ月半ぶり運行再開へ…高圧ケーブル全交換工事完了
(2022/03/28 19:14 配信)
マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関として、2019年12月にマカオLRT(Light Rapid Transit)タイパ線が開業した。東京の「ゆりかもめ」と同タイプの新交通システムだ。 タイパ線はマカオLRT第1期プロジェクトの一部で、タイパフェリーターミナル駅と海洋駅の間の9.3キロメートル、11駅の区間で営業運転を行っている。沿線には陸海空の玄関口のほか、大型カジノIR(統合型リゾート)が密集するコタイ地区、著名観光地のタイパヴィレッジ、高層マンションが建ち並ぶ新興住宅街が存在する。
同線では開業以来、故障が相次いで発生していたが、マカオ政府が昨年(2021年)10月15日に会見を開き、その原因が列車に電気を供給するケーブルにあり、遮断を引き起こしていたことよることが判明したとし、同月20日から全線で運休し、全線で高圧電線の交換工事が実施されるに至った。 マカオLRT運営会社は3月28日、すでに工事が完了し、各種テストもパスしたとし、4月3日から運行を再開すると発表。運航再開は約5ヶ月半ぶりとなり、当初目標工期として掲げた180日以内を達成したことになる。
運行再開後の運転時間は午前6時半から午後11時15分まで、運行間隔は10〜15分毎を予定しているとのこと。
マカオLRTタイパ線は開業から三年目を迎えているが、開業直後からコロナ禍インバウンド旅客減などの要因により利用者数は低迷し、運休前の1日あたりの利用客数は事前見通しの2万人を大きく下回る2000人程度という状況が続いていた。 マカオLRT第1期プロジェクトの未開業部分のうち、マカオ半島線(媽閣から西灣湖、南灣湖、新口岸地区、マカオ半島北東部の住宅街を経由して關閘を結ぶ路線)はルート選定が難航するなどしており、本格着工に至っていない状況。目下、タイパ線のマカオ半島側への乗り入れ(タイパ線の海洋駅から西灣大橋を経由して媽閣駅に至る部分)に向けた準備が進むほか、タイパ島北東部にあるマカオ国際空港からマカオ半島東部沖に造成中の埋立地を経由してマカオ半島北端にある關閘を結ぶ全長約9キロの新線計画(東線)もあり、全線地下を走る地下鉄に類する方式で検討が進んでいる。タイパ線の蓮花口岸駅と横琴新口岸前の新駅を結ぶ支線(2駅、約2.2キロ)と蓮花口岸駅付近から分岐する石排灣支線(2駅、約1.6キロ)については着工済み。 このスレッドは1000を超えました。
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