石巻市立大川小学校 - Wikipedia
2014年3月10日、犠牲となった児童23人の遺族が宮城県と石巻市に対し、総額23億円の損害賠償を求める民事訴訟を仙台地方裁判所に起こした。

仙台地裁
2016年10月26日、仙台地方裁判所(高宮健二裁判長)は学校側の過失を認定し、23人の遺族へ総額14億2658万円の支払いを石巻市と宮城県に命じた。
石巻市と宮城県は、大川小学校は津波の浸水想定区域に入っておらず、津波の際の避難所として指定されていたことなどを理由に津波の襲来を予見できなかったと主張した。

仙台高裁
仙台高等裁判所(小川浩裁判長)は2018年4月26日、双方が控訴した控訴審でも、学校側が地震発生前の対策を怠ったのが惨事につながったと指摘し、仙台地裁では認めなかった学校側の防災体制の不備を認定した。
市と県に対して、1審判決よりも約1000万円多い総額14億3617万円の支払いを命じた。
一審判決は、地震発生後の教員らの対応に過失があったとしたが、県の責任に加えて、控訴審では、市教委まで含めた「組織的過失」を認定した。
また、大川小は津波の予想浸水域外に立地していたが、「教師らは独自にハザードマップの信頼性を検討するべきだった」とも指摘した。

控訴審においては、「震災前の防災体制の適否」が争点となった。教師は、地域住民よりもはるかに高いレベルの知識と経験が求められると位置付けた。
さらに、避難先を「近隣の空き地・公園等」とあいまいに記載していた危機管理マニュアルの改訂を学校が怠ったとし、指導する立場の市教委にも是正させる義務があったと指摘。
約700 m離れた「高台」を避難場所に設定しておけば、震災直後に避難を開始でき、津波を回避できたと結論づけた。

上告棄却
二審判決に対し、石巻市議会は5月8日に賛成多数で最高裁判所への上告を決定、県と共に5月10日に上告した。
宮城県知事村井嘉浩は、控訴審で認められた「校長らの高度な安全確保義務」などが法解釈として妥当かどうかを争うと述べたが、2019年10月10日付で上告が退けられ、二審判決が確定した。