神戸学院大の女性講師に性的行為を強要、東大大学院の48歳講師に賠償命令

 東京大大学院医学系研究科講師の男性医師(48)から性的・身体的暴力を伴うセクハラやパワハラを受けたとして、
兵庫県内の私大に勤務する30代の女性講師が男性医師に損害賠償を求める訴訟の判決が30日に神戸地裁であった。
寺西和史裁判官は女性側の主張を認め、慰謝料など約1126万円の支払いを命じた。

 判決によると、男子医師は医学教育の分野で多数の書籍を手がけ、複数の学会理事も務めている。

 2人は2009年に学会を通じて知り合い、共同研究していた。
その後10年から約2年間にわたり、首を絞めるなどの暴力やセクハラ行為を度々繰り返した。女性は心的外傷後ストレス(PTSD)を発症した。

 「研究打合せ」の名目で女性の宿泊先ホテルに押しかけ、繰り返し性的行為を強要したり、暴言を浴びせたりした。
また、出張先で宿泊代や食事代を女性に支払わせ、気に入らないことがあれば未明まで女性を罵倒し続けるなどしたという。

 提訴前、女性の代理人弁護士がハラスメントを指摘したところ、自身が理事を務める学会から女性を一方的に解任したこともあったという。

 被告側は「指導の立場にない。好意があって性的関係を持った」と反論していた。

 判決では女性のPTSDも認め、「女性は学位取得のため論文完成が必要で、実績があり共同研究者の男性には逆らいにくい関係にあった」と指摘した。