「つらい役を任せてごめんね」…困窮の果て、
生活保護を知らない長男は母の最後の願いに応えた
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211024-OYT1T50170/
2021/10/25読売新聞

経済的に困窮し、自分を殺してほしいと頼む母親の首を絞めて殺害したとして、
嘱託殺人罪に問われた愛知県あま市、無職尾崎京介被告(26)に対し、名古
屋地裁は15日、懲役3年、保護観察付き執行猶予5年(求刑・懲役4年)の
有罪判決を言い渡した。被告は生活保護などの支援制度を知らないまま追い込
まれ、深刻な結果を招いた。

判決などによると、尾崎被告は8月5日、自宅で、同居する母親(当時50歳)
に頼まれ、頭にビニール袋をかぶせ、両手で首を絞めて殺害した。

中学生の頃、両親が離婚。母親は無職で病気を患っており、尾崎被告は一緒に
暮らす弟とともに家計を支えていた。しかし、尾崎被告は昨年2月頃、新型コ
ロナウイルスの影響もあり、勤務先を解雇された。

祖父からの仕送りや弟の収入などで何とかやり繰りしたが、アメをなめて飢え
をしのぐこともあった。そのうち母親は「これ以上、生きている意味はない」
などと口にするようになった。

事件の数日前から母親は自殺未遂を繰り返し、尾崎被告に「殺して」と懇願す
るように。そんな母親を、被告は「見ていられなかった」。弟を外出させると、
「こんなつらい役、任せてごめんね」「出来の悪い親でごめんね」と謝る母親
を手にかけ、自ら110番した。

失業保険や生活保護などの制度を知らず、誰かに相談することもなかった尾崎
被告。公判では「自分一人で抱え込み、他人に頼ることができなかった」と後
悔を語った。(つづきは上記URLにて)