この質問に会場からは笑い声が上がったのだが、キアヌは一瞬にして“ロンリー・キアヌ”な表情となり、「ふー」と深く息を吐いた。そして、
「我々を愛してくれている残された人たちが、我々に会いたいなぁと悲しみ、恋しがることは知ってるよ」と寂しげな瞳で返した。
キアヌは、1993年10月に当時まだ23歳だった親友のリヴァー・フェニックスをヘロインとコカインの過剰摂取で亡くし、その5年後には恋人だったジェニファー・サイムが妊娠したものの、
1999年末に死産。そのジェニファーは、01年4月にミュージシャン、マリリン・マンソン宅で開催されたパーティーの帰り道に自損事故を起こし、他界。愛する人を立て続けに亡くしている。
彼が孤独を愛するのは、3人の死が引き金になったとみられている。
複雑な家庭環境で育ったキアヌは、妹キム、そして異父妹のカリーナと、強い絆で結ばれている。そのキムは白血病を患って長年闘病生活を送っているためキアヌの精神状態が心配されていたが、
昨年末にイタリアで兄妹楽しそうに過ごす姿がパパラッチされており、キムの症状は落ち着いているようだ。
そんなキアヌの“死”に関する深い言葉に、客席からは「あぁ〜」と納得したような声が上がったのち、拍手が巻き起こった。スティーヴンは、深い言葉に感心したような、
悪いことを聞いたというような少々バツの悪そうな表情を浮かべ、キアヌに手を差し伸べて握手をした。その間の10秒、スティーヴンはまったくの無言だった。
今回のキアヌの発言について、ネットでも「名言だ」と感動する人が続出。「深すぎる」「これまでのキアヌのつらい経験を思うと切なすぎる」「今も彼らを想い、悲しんでいるんだろうなぁ」
「感受性が豊かなんだろう。浮世離れしてる変人だと言われるけど、世界的大スターになっても人の心を失わない素敵な人だ」などとキアヌに寄り添う人も多数見受けられた。
キアヌの最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』は今月17日に全米公開、日本では10月に全国ロードショーが予定されている。