>>236つづき
〜旅の自慢話  その12〜  搭乗に登場

係員の話では、このまま修理だか故障だかに時間がかかり、
丘珠空港からたんちょう釧路空港までの最終に間に合わないようなら、
チケットはとりますのでお日にちをずらしていただくのがよいと思います。
しかし間に合うようなら、千歳から地下鉄で札幌まで出ていただき、
その後空港バスに乗って丘珠空港まで行ってくださいとのこと。

あほー!ウチはこの三日間しかのんびり一人旅など不可能なんや!
もちろん明々後日には仕事がまっちょる!
飛行機はとぶ!ウチは待つ!必ず今日中にたんちょう釧路空港にたどりついてみせる!!

最近は癒し系を採るのか。係のやさ男はほほ笑んだ。
「はい、できるだけのことはさせていただきます。
飛行機が飛びますようなら、千歳にあちらでの担当を待たせておきますので、
丘珠空港への行き方などはその者にお聞きください。全てひきついでおきます。」
ほんまかーーーーー!しかし今は信じるしかない。こぶしをひっこめた。
説明は続き、私は頭の中でシミレーションする。
「ちょっと待って。にーちゃん、あんたの話では、千歳まで着いて地下鉄乗って札幌ついて、
そこまではええわ。その後はどうなん?
札幌駅から空港バス乗り場まで三分て書いてあるけど、これ乗り遅れたら釧路空港行きはもうないんやろ?
心配やわ。ほんまに三分で大丈夫なん?」
「はい。実はわたくしも普通にパソコンの情報をひっぱり出してきただけですので、はっきりお答えできないんです。
とにかく現地の者にですね、しっかりひきついでおきますのでその者に全ておききください。」
えー・・・なんかふあ〜ん・・・

しかし、男が紙ベースのチケットを取り出してきたのでいとも簡単に懐柔された。
私にはこういう単純なところがある。
「お急ぎの時はこちらの方がよろしいかと思いまして。」
うんうん、携帯のバーコードなんか不便なだけやな。ありがとう、出してくれたんやね。
かくして、すっかり若い孫におんぶにだっこのおばあちゃん気分。
「とにかく待たしてもらうさかいな。」
待合室の比較的すわりごこちの良い椅子をぶんどり、それでも係員と時計をにらみつけたのであった。