日本自動車輸入組合(JAIA)が4日発表した2023年度の電気自動車(EV)の輸入車販売台数(日本メーカー車除く)は、前年度に比べ45%増の2万3807台だった。5年連続で増えた。輸入車全体に占める割合は10%で前年比3ポイント上昇した。

独メルセデス・ベンツが全グレードでEVのラインアップをそろえたほか、スウェーデンのボルボ・カーが2月に納車を始めた多目的スポーツ車(SUV)「EX30」などがけん引した。23年に日本の乗用車市場に参入した中国の比亜迪(BYD)は、2車種を販売して輸入EVの9%を占めた。

一方、今後の販売台数は落ち込みが懸念される。経済産業省が3月に公表した24年度のEV補助金の金額は条件の厳格化によって輸入車を中心に減額となった。BYDの小型EV「ドルフィン」は23年度に比べ30万円、韓国・現代自動車の「KONA(コナ)」は20万円減る。

23年度の輸入車全体の販売台数は前年度比1%減の24万4844台で、5年連続で減った。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海などでの商船攻撃により、海上輸送が遅延したことが一因とみられる。

ブランド別ではメルセデスが2%減の5万1534台だったが、9年連続で首位となった。2位は独BMWで6%増の3万3712台、3位は同フォルクスワーゲン(VW)で2%増の3万2172台だった。

ランドローバー、ポルシェ、BYD、マセラティ、ベントレーなど8ブランドは年度の販売台数が過去最高だった。乗用車の価格帯別では1000万円以上が17%増の3万8047台で、9年連続で増えた。400万円以上1000万円未満が4%増の14万455台、400万円未満は18%減の5万4102台だった。
2024年4月4日 10:30
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