新藤義孝経済財政・再生相は11日のNHK番組で、2024年の春季労使交渉に関し「中小企業まで世の中全体に賃上げの流れができないと意味がない」と述べた。「物価が上がれば物価を超える水準の給料が現れることを社会通念にしなければならない」とも強調した。

中小企業では特に労務費の上昇分の価格転嫁が遅れているとされる。公正取引委員会などは23年に労務費の上昇分の転嫁を促す指針をまとめた。新藤氏は「(発注者と受注者の)お互いが納得できる範囲の価格転嫁ができるよう応援したい」と語った。

構造的な賃上げに向けて生産性の向上による持続的な成長も欠かせない。新藤氏は「なにより大事なのは潜在成長率を上げることだ」と指摘した。中小企業の設備投資を促すために、カタログ形式で簡易に申請できる補助金などに触れた。
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