【シリコンバレー=渡辺直樹】米起業家のイーロン・マスク氏は4日、新たに開発した対話型AI(人工知能)「Grok(グロック)AI」をX(旧ツイッター)の有料サービスの利用者に使えるようにすると明らかにした。月16ドル(日本では1960円)の上位料金プラン向けで、「Chat(チャット)GPT」のように会話ができ、X経由で最新の情報を調べられるのが特徴だ。

グロックは文章に質問で答える機能を持ち、皮肉やユーモアも交えて回答するという。マスク氏はX上で、AIとの実際とのやりとりを投稿した。「グロックはXの基盤にリアルタイムにアクセスできるのが他のAIモデルに比べて大きな利点だ」と述べた。

Xは月3ドル(日本は368円)の「ベーシック」、8ドル(同980円)の「プレミアム」のほか、広告なしで投稿を優先表示する16ドルの「プレミアムプラス」の3つに料金体系を変更した。プレミアムプラス利用者向けに初期ベータ(試用)版のAIを先行して使えるようにする。

マスク氏は7月、米グーグルや英ディープマインドなどAI企業出身の技術者を集めて新会社「xAI(エックス・エーアイ)」を設立し、独自AI開発を始めた。表明していたXやテスラなどマスク氏が手掛ける企業群との連携の第1弾となる。
2023年11月5日 5:18
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN043SG0U3A101C2000000/