→扇風機の知見活用、来年から実証-研究室では良好なエネルギー効率
→高級トースターなどで人気のバルミューダ、携帯端末事業からは撤退

家電メーカーのバルミューダは7日、小型風力発電機の開発を進めていることを明らかにした。スマートフォン事業からの撤退で苦杯を喫した同社は、扇風機で培った知見を活用して新たな挑戦に乗り出す。

  バルミューダのウェブサイトによると、同社の扇風機に使われる羽は独自の二重構造を持っており、風を送り出す力だけではなく受け止める力も大きいのではないかという発想で、数年前から風力発電の研究開発を始めた。

□BALMUDA Energy Project | バルミューダ
https://www.balmuda.com/jp/energy_project/
□2023年08月07日 小型風力発電機の実証実験開始のお知らせ(PDF)
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08246/4f18a6cd/3443/41ed/b1e6/3bb1f2de60bd/20230807131636971s.pdf

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/is5GDdIM70SI/v1/1200x-1.jpg
コンセプトデザインイメージSource: Balmuda Inc.

  研究室の実験では、直径1メートル以下の小型サイズで静音性などを保った状態で優れたエネルギー変換効率を確認したとし、2023年秋からは屋外での性能を確認するための実証実験を開始するとしている。

  風力発電用タービンは近年、巨大化が進んで設置場所を選ぶようになっている。電力消費地の近くで風力発電を行うには小型の発電機が必要になるが、騒音やエネルギー効率などが課題となっていたという。

  発表後、同社の株価は一時前週末比6%高の1811円と22年6月20日以来の日中上昇率を付けた。終値は1786円だった。携帯端末事業の終了に伴う特別損失の計上などで今期営業赤字を見込む同社株は下落傾向にあり、年初来では約3割の下落となっている。

  バルミューダの広報担当者によると、現時点で小型風力発電機の研究開発に6人を充てている同社は、将来的には風力発電機の実用化を目指している。実用化の時期や想定する出力や価格など詳細についてはコメントを控えるとした。

  高額のトースターの販売で広く知られるようになったバルミューダは、扇風機のほか炊飯器や掃除機など幅広い家電を手掛ける。21年には携帯端末事業に参入、「バルミューダフォン」として商品展開していたが、原材料価格の高騰や円安進行などを理由に今年5月に事業終了を発表した。

□携帯端末事業に関するお知らせ|BALMUDA Technologies
https://tech.balmuda.com/jp/phone/announcement/
□2023年05月12日 携帯端末事業の終了決定並びに特別損失の計上について(PDF)
https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS08246/e9225c9d/e4a9/4d25/bd90/da37e0ad541c/140120230502558349.pdf

□6612:Tokyo 株価 - バルミューダ - Bloomberg Markets
https://www.bloomberg.co.jp/quote/6612:JP

2023年8月7日 13:18 JST
更新日時 2023年8月7日 16:10 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-07/RZ063NT1UM0W01