ビッグモーター問題が開けた車体整備業界の「パンドラの箱」 背景に理不尽押しつける損保会社と指定工場の力関係
2023.8/8 06:30 ZAKZAK
https://www.zakzak.co.jp/article/20230808-I4RRGMW3HFLPDPF3XCOUAW4U7Q/


「ビッグモーターの保険金不正請求問題に関して言えば、それは絶対に許すことのできない問題であることは間違いない。しかしそうした不正行為に手を染めていたのは、果たしてビッグモーターだけだったのか。もしかするとビッグモーターの一件が発覚したことによって、車体整備業界のパンドラの箱が開いてしまったようにも思える」

東京都内で自動車整備工場を経営する、ベテラン修理工がこう言ってみせる。

このベテラン修理工の言う、業界の「パンドラの箱」とは一体どのようなものなのだろうか。

「われわれの業界には、『ダイレクト・リペア・プログラム(DRP)』と呼称される仕組みがあります。このDRPとは、損保会社が自動車ユーザーに対して整備工場を直接紹介する仕組みのことを指します。その具体的な内容を一言で言ってしまえば、損保会社は整備事業者に対してお客を紹介する代わりに、修理に要した費用から一定額を差し引いた金額を、損保会社に請求する、というものです」(前述のベテラン修理工)

そして改めて指摘するまでもなく、損保会社の整備事業者への支払いは、保険金によって賄われることとなる。

それぞれの整備事業者が設定している工賃(時間当たりの対応単価)を、車体整備業界では「レバーレート」と呼んでいるが、DRPの仕組みが適用されると、その決定権は損保会社が握るのだという。

「整備事業者は損保から仕事を割り振られるのを待つ身ですから、立場的には損保会社のほうが圧倒的に上になってしまいます。従ってレバーレートも損保会社サイドに有利になるように設定されてしまうことが常です」(前述同)


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