日銀の黒田東彦総裁は7日の退任記者会見で10年にわたる任期を振り返り、2%の物価目標の達成に近づいたと評価、これまでの政策運営は適切だったと語った。

2020年に急拡大した新型コロナの感染拡大前には、物価目標に近づいたと認識していたことを明らかにした。現状は、春闘が「これまでのところきわめて順調、来年も順調な賃上げ交渉が進むことが目標達成に重要だ」と指摘した。

副作用が指摘される長短金利操作(YCC)は有効と強調し、「YCCは続けられず、(黒田総裁就任当初に展開した)量的質的緩和(QQE)は続けられるということはない」と指摘した。

長短金利操作や量的緩和などの非伝統的金融政策よりも、短期金利操作を主軸とする伝統的金融政策の方が「人々の期待に働きかける要素は大きい」と説明した。
https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKBN2W4098