人材サービスのヒューマンリソシア(東京・新宿)の調査でIT(情報技術)企業などで働く日本の女性の平均賃金は、同分野の男性の80.5%にとどまることが明らかになった。大学などでITを専門的に学んだ男性が好待遇を受けやすい傾向にある。

国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)が2022年末に集計したデータをまとめた。男性に対する女性の賃金の割合を高い順に並べると、41カ国中20位の日本は米国の83.6%やインドの91.2%よりも格差が大きかった。

パキスタン、エジプト、フィリピンの3カ国は女性の方が男性よりも賃金が高かった。一方で英国、ドイツ、韓国などのIT企業の女性の賃金は男性の8割以下で日本よりも格差が大きかった。

大学でITを専門で学んだ人材は、世界的にも男性の方が多く、エンジニアなどの待遇で影響が出やすい。日本は大学でSTEM(科学、技術、工学、数学)を学んだ人に占める女性の比率が29%で、男性よりも大幅に低かった。

2023年4月7日 2:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC034M30T00C23A4000000/